初めて神戸国際会館 こくさいホールのコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
港町・神戸の繁華街にある音楽ホール。
新幹線の新神戸駅や大阪方面からのアクセスも良好で、周辺の観光も盛りだくさんに楽しめる会場です。
神戸国際会館は、1999(平成11)年に開館した、兵庫県の県庁所在地である「港町・神戸」の繁華街にある複合商業施設です。
現在の建物は2代目で、初代の国際会館は1956(昭和31)年から1995(平成7)年までの約40年間、同じ敷地に建っていましたが、阪神・淡路大震災により損壊し、建て替えられることになりました。
震災直後の初代神戸国際会館
出典:神戸国際会館70周年記念サイトより
運営管理を行っている第三セクターの株式会社神戸国際会館は、今年(2024)年2月23日で創立70周年を迎えます。また、2代目となる現在の開館も今年で25周年となることから、同社の「70周年記念サイト」が立ち上がっています。今後は各種記念イベントやコンサートも開催予定とのことです。
地上22階建・地下3階建の建物内は、商業ゾーン(B2F~11F)と、高さ116mのオフィス棟(13F~22F)で構成され、コンサートで使用される「こくさいホール」は、商業ゾーン側の2階に入口があります。
なお、建て替え後のこくさいホールは、「優良ホール100選」にも選ばれています。
神戸国際会館までのアクセス
新幹線新神戸駅・三宮駅を拠点にアクセスしよう
遠征の拠点となるのは、会場に最も近い新幹線の駅である新神戸駅。繁華街から少し離れた山の手にありますが、最寄りの三宮駅までは地下鉄で一本で行くことができます。
また、会場の最寄り駅は、JR・阪急・阪神・地下鉄・ポートライナーの5社局が乗り入れている三宮駅です。
路線により駅名は「JR三ノ宮」「阪急神戸三宮」「阪神神戸三宮」「三宮」「三宮・花時計前」など様々です。
とにかくどの路線でもいいので、「三宮」という名前の付く駅で下車すれば、会場まで5分程度で向かうことができます。
また、新神戸駅から三宮駅前は、徒歩でも20分~25分程度で行くことができます。
ここでは、新大阪駅からの在来線ルートや新神戸駅から三宮駅までの徒歩(散策)ルートを含め、「新神戸駅~三宮駅~会場」までの各アクセスルートを紹介します。
新大阪駅から三ノ宮駅までの在来線ルート
首都圏や名古屋方面から遠征する場合は、新大阪駅で下車し、在来線(JR神戸線・阪急線・阪神線)に乗り換え、JR三ノ宮駅に向かう方法があります。
JR神戸線 新大阪駅から新快速で約30分
阪急神戸線 大阪梅田駅から特急で約27分
阪神本線 大阪梅田駅から直通特急で約31分
新大阪駅止まりの新幹線も多く、新大阪駅や大阪梅田駅からでも30分前後で到着できるので、特急料金が少し節約できます。
新大阪駅に着いたら、在来線乗り換え口に進みましょう。
7・8番線から発車する「新快速」に乗ると早く着きます。
新大阪から三ノ宮までは新快速で約30分、快速で約35分です。
中央口改札を出て、南(左)側に進みましょう。
通路を移動し、地下街(さんちか)への入口に向かいます。
案内表示を確認し、「阪神電車」「地下鉄」方面の矢印に従い進みます。
「市営地下鉄」「阪神電車」方面に向かう「さんちか」への入口です。
さんちかへの入口に到着しました。ここから先は後ほど紹介します。
新神戸駅から三宮駅までの散策ルート
新幹線で新神戸駅に到着した場合、三宮駅前まで散策しながら移動する方法もあります。
徒歩で向かう場合、下を地下鉄西神・山手線が走る県道30号(フラワーロード)を下っていけば、最短距離で三宮駅前に出ます(約20分)。
新神戸駅を出たところです。
正面に(新)生田川が流れています。
散策を楽しむ場合、フラワーロードの1つ脇にある北野通りを歩いて、後で紹介する「北野異人館街」を巡った後、北野坂を下り、「生田神社」に立ち寄りながら向かうのがおすすめです。
最短ルートを進む場合、布引交差点を右に曲がり、県道30号(フラワーロード)を進みます。
北野通りへは、布引ハーブ園へのロープウェイ乗り場のある脇道に入ります。
新神戸駅から三宮駅への地下鉄ルート
散策する時間が取れない場合は、新神戸駅から地下鉄に乗りましょう。わずか「1駅・2分」で三宮駅に到着です。
新幹線のホームからスタート。まずは改札に向かいましょう。
改札はそのまま出る用と、三宮駅に着いてからJR在来線を乗り継ぐ用に分かれています。
会場最寄り駅は三宮駅なのでどちらでもOK。地下鉄の駅に移動します。
案内を確認し、改札を出ましょう。
地下鉄なので地下に移動。まずは1階に下りましょう。
床の緑色の線を目印に、通路を進んでいきます。
地下鉄駅に向かう階段またはエスカレーターを下ります。
途中、もう1か所あるので、そちらも同様に下りましょう。
下り終えたところの通路を進みます。
地下鉄新神戸駅の改札に到着しました。
路線図を確認。三宮駅までは1駅で、運賃は片道210円です。
三宮方面の電車は2・3番線から、日中は7,8分間隔で出ています。
ホームに移動しました。
行き先はほとんどが「西神中央」行きです。
2分後に三宮駅に到着です。
改札は1か所です。
三宮駅から会場まで徒歩ルート
「三宮」の各駅は、北の「三宮北」交差点から南の「三宮」交差点を結ぶ道路(フラワーロード)を沿いにあります。
周辺は南北に通るフラワーロードと交差する形で、北から南にかけて、
・下を地下鉄が走り「三宮北」交差点と交わる「生田新道」
・地下鉄と阪急の駅の間にある「サンセット通り(サンキタ通り)」
・「三宮」交差点で交わる「中央幹線」
・アーケードの連なる「三宮センター街」
・小さな商店街で会場前に出る「三宮本通り」
・そして会場前を走る「三宮中央通り」
と、実に6本の目抜き通りが通っています。
地下鉄三宮駅改札からの「さんちか」ルート
出典:さんちか公式サイトより(令和6年2月時点)
会場までそのまま地上のフラワーロードを進んでいってもいいのですが、今回は会場まで「さんちか(三宮地下街)」を通るルートで説明します。
さんちかは、フラワーロードの下に広がる地下街で、各駅の改札とつながり、雨に濡れずに移動できる点がメリットです。
今回は2番街が令和6年2月いっぱいまで工事中(上の写真の工事エリア)でしたので、その時期に撮影したものであることをご了承ください。
地下鉄三宮駅の改札からスタートします。
改札を出て左側のコンコースを進みます。
案内に基づき右に曲がり、「さんちか」方面の通路を進みましょう。
しばらく道なりに移動します。
やがて左から、先ほど紹介したJR三ノ宮駅からの通路と合流します。そのまま奥へ進みます。
阪神の神戸三宮駅(西口)に差し掛かる手前で右に曲がります。
曲がってすぐの所にあるメインストリートを左に進みましょう。
あとはまっすぐ進んでいくだけです。
右手に「サンマルクカフェ」や「鎌倉パスタ」が見えたら、会場はすぐそこです。
突き当りに「さがみ」や「ドトール」があります。左に曲がりましょう。
神戸国際会館と書かれた地下入口に到着しました。
そのまま中に入ると、正面にエスカレーターがあるので上りましょう。
地上に上がると、さらに2階に向かうエスカレーターがあるので、そのまま上ります。
建物2階が、会場の正面玄関です。お疲れ様でした。
神戸国際会館はこんな所
こくさいホールには3層の階と3段のサイドバルコニーが設置
ホールは「こくさいホール」という名前で、総客席数は2,022席あります。
客席は「1階席」「2階席」「3階席」の3層構造になっているほか、途中に「中2階」「2階」「3階」の3段のサイドバルコニー席が配置されています。
1階席
1階席の総客席数は1,338席で、1列から32列まであります。途中、13列と14列の間に中央通路が設置されています。
座席間の傾斜は、中央通路より前方はスロープのため緩めで概ねフラット、中央通路より後方は段差が付けられ、前方より傾斜が強くなっています。
1列から4列までは、オーケストラピット設置時には撤去されます。
車いす席は、中央通路後方の14列から16列の左右両サイドのスペースに、計6席分設置されています。
中2階席
中2階席はサイドバルコニー専用席で、左右に4ブロックに4席ずつ、計32席設置されています。
多少横からステージを見ることになりますが、家族や少人数の仲間同士で手配すると、プライベート感もあって気兼ねなく鑑賞できる席だと思います。
2階席・3階席
2階席の総客席数は326席で、1列から7列まであります。うち、サイドバルコニー席は左右に3ブロックに4席ずつ、計24席設置されています。
2階席の両サイドからサイドバルコニー席はカーブしながら一体的に作られており、先端に向かうのに従い、1ブロックずつ段差がついて下がって行く感じで続いています。
座席間の傾斜は、1階席よりも強めに付けられています。
また、今回訪れた公演では閉鎖されていたので写真は割愛しますが、3階席の総客席数も2階席と全く同じ326席で、1列から7列まであります。サイドバルコニー席も同様で、左右に3ブロック4席ずつ、計24席設置されています。
こくさいホール 座席表
出典:神戸国際会館こくさいホール公式サイトより中2階席
2階席
3階席
座席
こくさいホールの座席は赤の座面・背もたれに茶色の肘掛け・基礎の組み合わせです。クッションはちょうどいい厚みで、座り心地は上々でした。
写真のように、1階席に比べ、2階席・3階席はハイバック仕様になっています。
エントランス・ロビー
こくさいホールの入口のある建物の2階から、メインホワイエに向かいます。入ってすぐの左手にチケットのプレイガイドの窓口があるほか、正面奥にコインロッカーが設置されています。
メインエントランスを入った所です。そばにエスカレーターがあります。
全長は約38mあり、メインホワイエまで一気に到達します。
エスカレーターを上ると、メインホワイエ(1階席ロビー)の中央に出ます。ホワイエ左手にインフォメーションセンター、右手にスターバックスコーヒー(後述)があります。
中2階から2階・3階席へは階段やエレベーターで移動します。各階にもホワイエがあり、ソファ等が置かれています。
建物2階(エントランス)・3階(1階ロビー)フロア図
出典:神戸国際会館こくさいホール公式サイトより
スターバックスコーヒー
こくさいホール内にはカフェコーナーはありませんが、代わりに「スターバックスコーヒー」の店舗があります。
他の店舗に比べメニューの品揃えは少なく、公演により営業しない場合もありますが、コーヒー等の価格は均一です。
この日はショートサイズのアイスコーヒーを頼みましたが、市販価格と同じ380円でした。
スターバックスコーヒーは、建物地下1階の商業施設「SOL」内にもあります。
SOL(ソル)
国際会館の地下2階・1階にある商業施設「SOL」です。
「SOL」は「Spice Of Life」の略で、「神戸でくらす楽しさ、買い物する楽しさ、体験する楽しさ」をコンセプトにしています。
建て直しの際にテナントとして想定していた「そごう神戸店」が入居を断念したため、運営会社自らでテナント誘致を行っているそうです。
2019(令和元)年の開業20周年を機に、リニューアルオープンしました。
周辺施設
北野異人館街
新神戸駅から三宮駅までの散策ルートとして紹介した「北野異人館街」です。いわずと知れた神戸の観光名所で、コロナも明けた昨今は、観光客で連日にぎわいを見せています。
異国情緒あふれる界隈は、幕末の開港後、在留外国人が増えたことに由来します。
明治政府が居留地の他に生田川周辺の北野地区における日本人との雑居を認めたことから、明治から昭和の初期にかけて、現代に残るコロニアルスタイルの異人館が200棟余り建てられました。
今ではおしゃれなブティックやレストラン・カフェ、土産物店のほか、異人館を利用した披露宴やフォトウェディングなどのブライダル関係の需要も高い地区となっています。
ちょうど新神戸駅と三宮駅の中間に位置しており、観光を楽しみつつ、目的地に向かう際の絶好の立ち寄り場所と言えます。
出典:神戸北野異人館街公式サイトより
生田神社
地元で「生田さん」と親しまれている生田神社は、長田神社・湊川神社とともに神戸を代表する神社の1つで、日本書紀に3世紀頃創建と記載されている、由緒正しき神社です。
境内には古くからの鎮守の森であり、源平合戦での平家の陣にもなった「生田の森」や、生活守護・食物、稲の神である「稲荷神社」をはじめ色々な見所があるほか、縁結びの神様としても親しまれています。
稲荷神社の隣りには、料理人の魂の籠った庖丁に感謝すると共に、食文化の向上を願い市内の料理食品関係者によって建立された「包丁塚」という全国でも珍しい塚もあります。
にしむら珈琲店 三宮店
神戸で創業して70余年、おしゃれなカフェが立ち並ぶ神戸の中でも代表的なコーヒー店が「にしむら珈琲」です。写真はJR三ノ宮駅東口の向かいにある「三宮店」です。
店内はレトロモダンな雰囲気で、関西の人にとっては、デートや友人との待合わせスポットの代名詞になっています。
会場周辺には三宮店のほか、阪急神戸三宮駅の向かいのサンキタ通りにある「阪急前店」や、先ほど紹介した北野異人館街から三宮駅に向かう北野坂の途中にある「北野坂店」もあります(北野坂店は観光地なので少し値段がお高めです…)。
ホテルケーニヒスクローネ神戸
会場前の三宮中央通りを阪急方向に5分ほど歩いたところにあるのが、「ホテルケーニヒスクローネ神戸」です。
ケーニヒスクローネは神戸の高級住宅街「御影(みかげ)」発祥のドイツ洋菓子店で、建物は直営のホテルやレストラン、カフェ&ショップが一体になっています。
併設のカフェ&ショップは「くまポチ邸」という名前で、ここだけのスペシャルメニュー等も楽しめます。
今回私が利用したJR東海ツアーズ「ずらし旅」の選べるクーポンでは、この店限定の焼き菓子の詰め合せがリストに入っています。
布引(ぬのびき)の滝
最後に、新幹線の新神戸駅からアクセスする人にぜひ立ち寄っていただきたいスポットとして、「布引(ぬのびき)の滝」を紹介しておきます。
新神戸駅は駅の両側がすぐトンネルになっていることからもわかるように、山間の地にあります。駅の裏手はすぐに六甲山系のハイキングコースになっています。
布引の滝は、駅北側の生田川中流にかかる滝で「日本の滝百選」に選ばれる名瀑です。雄滝(おんたき)・雌滝(めんたき)・夫婦滝(めおとだき)・鼓ヶ滝(つつみがだき)の4つの滝の総称で、なかでも最も上流にある雄滝は、高さ40m以上の高低差を誇ります。
布引の滝はそうしたハイキングコースの入口付近にあり、最も駅に近い「雌滝」は徒歩5分、そこから200mほど進んだ所にある「雄滝」や「夫婦滝」は徒歩約15分で望むことができ、ちょっとした運動で絶景を楽しむことができます。
施設概要・地図
所在地
神戸市中央区御幸通8丁目1−6
アクセス
JR「三ノ宮」駅・地下鉄「三宮」駅
阪神・阪急「神戸三宮」駅下車
徒歩約5分
ホール
こくさいホール
・総客席数 2,112席(固定席:2,022席)
(1階:1,338、中2階:32、2階:326、
3階:326、立見:90)
その他:車椅子スペース 6席分
公式サイト
https://www.kih.co.jp/kokusaihall/