初めて「日本特殊陶業市民会館(名古屋市民会館)」のライブに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
最寄り駅は名古屋駅からすぐの金山駅にある、名古屋公演定番会場。駅の地上・地下からほぼまっすぐ進めば、会場にたどり着けます。
日本特殊陶業市民会館(名古屋市民会館)は1972(昭和47)年10月、名古屋市の金山地区に、当時の体育館と法務局があった跡地に建設され、開業しました。
以降、名古屋フィルハーモニー交響楽団(名フィル)のホームグラウンドとして使用され、国際音楽祭やクラシックフェスティバルなどのクラシック音楽の祭典が開催されています。
舞台やバレエなどの劇場としての設備も整備されており、歌謡曲やポップミュージックのコンサート・ライブ会場としてもおなじみです。
アクセスもよく、開館以来約50年間、まさに名古屋を代表するオールラウンダーの会場として、クラシックコンサートやアーティストの名古屋公演の定番会場として、使用され続けています。
ちなみに2021年9月現在で、私がコンサートに参加した回数が最も多い会場がここになります(27回行ってました)。
2022年10月、名古屋市民会館は50周年を迎えました。専用サイトが開設され、セレモニーや記念イベントも開催されました。
日本特殊陶業市民会館へのアクセス
最寄り駅は名古屋駅からすぐのJR・名鉄・地下鉄が揃った金山総合駅。
新幹線で名古屋駅から向かう人も、飛行機で中部国際空港(セントレア)から向かう人も、まずは金山駅を目指しましょう。
金山駅からの地下ルート
金山駅の地上1階にある中央コンコースです。北口の方向へ向かいます。
コンコースの左右に、地下鉄金山駅に下りる階段・エスカレーターがあります。
エスカレーターを下ります。
地下鉄金山駅の改札に着きました。
会場までの地下ルートは、改札の「左側」へ進みます。柱や壁に黄色い案内表示があるので参考にしましょう。
左側のルートを進みます。
暫く進むと、「金山地下街」と書かれたやや狭い通路に着くので、そのまま直進します。
地下街を過ぎると会場までの専用通路(画像左の案内看板)に直結します。
青いゲートからは会場の敷地内の連絡通路になります。
連絡通路を渡り切ると、会場入口に向かう階段が見えます。
階段を上がった所がビレッジホール入口です。
会場1階のビレッジホール入口に到着しました。フォレストホールの入口は2階にあります。
金山駅からの地上ルート
地上ルートは、駅北口から「大津通」を北に進みます。信号を2つ渡ります。
コンコースを抜けた後、まずは駅前の交差点の歩道を「斜め右」に渡ります。渡った先に「カナヤマギンザ」という飲食施設が入った雑居ビルがあります。2階には「デニーズ」もあります。
ビルの前の道を右側に進むと、大津通に出ます。道を渡った先には「マクドナルド」やマンガ喫茶の「マンボー」の看板が見えます。
大津通の左側を北に進みます。右手に「かに本家」の目立つ看板があります。
2つ目の交差点を渡ります。交差点の角に「三菱UFJ銀行」があります。
交差点を渡ってしばらく北に進めば、会場が目の前に現れます。
正面の階段を上ると、2階フォレストホールの入口に到着しました。
会場公式サイトにも連絡通路からのルートが紹介されています(私のより至れり尽くせりですね)。
地下鉄金山駅方面から市民会館への経路ご案内
https://nagoya-shimin.hall-info.jp/file/shimin-subway.pdf
日本特殊陶業市民会館 連絡通路のご案内
https://nagoya-shimin.hall-info.jp/file/connection_aisle.pdf
日本特殊陶業市民会館はこんな所
ネーミングライツの変遷
さてこの会場、私が名古屋に20年住んでいる間に、元の名前の「名古屋市民会館」から、今の名称を含めて2回名前が変わっています。
これは、いわゆる「ネーミングライツ(命名権)」という手法で、スポーツ施設や文化施設などの公共施設に、社名や商品名などのブランドの名前が付けられたことによります。
自治体としては、厳しい財政状況下、施設の維持管理費用を賄うための財源確保の一環として、またスポンサーとなる事業者側は、ブランド名を冠することで、その地域の認知度向上や広告・宣伝効果が期待されることから、近年広まってきています。
現在の「日本特殊等業市民会館」という名前は、地元に本社がある「日本特殊等業㈱」がネーミングライツを持っています。ホール名は同社やノリタケカンパニーなどを経営する「森村グループ」に由来しています。
森村の「森(フォレスト)」と「村(ビレッジ)」にちなんで、大ホールが「フォレストホール」、小ホールが「ビレッジホール」となっているようです。
1つ前は、「中京大学文化市民会館」という名前で、地元の中京大学を運営する「学校法人 梅花学園」がネーミングライツを持っていました。
大小ホールの名前もそれぞれ「オーロラホール」「プルニエホール」という名前で、記憶や馴染みのある方も多いかと思います。
この会場におけるネーミングライツの契約期間は5年で、中京大学文化市民会館の名称で5年(2007年〜2012年)、「日本特殊陶業市民会館」は2012年から1回更新して、2022年まで10年間の契約が続いています。
地方のコンサートホールヲタの私としては、時々名前が変わるので混乱することもありますが、「あーあのコンサートに行ったときはこんな名前だったな」とその時々の思い出にもなるので、それなりに変遷を楽しんでいます。
施設の建替え計画などもあり、来年以降、どのようになるか注目されるところです。
また、2022(令和5)年のネーミングライツ更新の際、日本特殊陶業株式会社との協議により、愛称を2022(令和5)年8月29日(火)から一部変更し、「Niterra(二テラ)日本特殊陶業市民会館」とすることとなりました。
4層構造約2300人収容のフォレストホール
フォレストホール(大ホール)の客席は最大2,296席で、4階席まであります(1階:1,542、2階:290、3階:232、4階:227、車椅子:5)。
1階席の最後列は31列で、名古屋国際会議場(センチュリーホール)と同じですね。19列と20列の間に通路があります。
3階席までで2,000席以上あるので、4階を使わないコンサートも多いのですが、たまに使う公演で4階に行くと、流石にステージからの距離は遠く感じます。ここの4階席と愛知県芸術劇場の5階席は、少し疎外感を感じるほどです。
20列はいわゆる「前通路席」となり、コロナ前の公演では、ハロプロのコンサートなどで客席に降臨して歌う際に眼の前でパフォーマンスしてくれる幸運にありつけるので、オークションサイトで価格が高騰することもありました。
座席の傾斜は、1階席前方の7列までは総じてフラットで、8列目以降から中央通路手前の19列あたりの傾斜も緩やかになっているので、多少見にくく感じるかもしれません。
中央通路を挟んだ20列以降は適度な傾斜が付けられ、前方に比べ見やすくなっています。
また、2・3・4階席はそれぞれ4・5列しかありませんが、1階席以上に座席間の傾斜が付けられており、上から見下ろす感じになります。
ちなみに2022年8月に参加した公演で、初めて最前列センター(この日は3列目)を経験しましたが、眺めはこんな感じです(至高の空間でした)。
フォレストホール 座席表
フォレストホール座席表(公式サイトより)
ビレッジホールも2階席有りの約1,150人収容
ビレッジホール(小ホール)の総客席数は1,149席(1階:842、2階:304、車椅子:3)で、小ホールでもライブハウスのZeppシリーズ並みの1,000席超のキャパを誇ります。
こちらの席表示は数字ではなく「50音」配列で、1階席は「あ〜な」までの21列あります。
し列(12列目)とす列(13列目)の間に中央通路があり、前方、後方を通じて1階席は概ねフラットな造りになっています。
ステージ向かって左側のサブセンター席の真ん中寄り4席分は、舞台などで花道を使用する際、最前から最後列までの84席(4席×21列)が使われなくなります。裏を返せば、その周辺の席は、花道使用時に間近で演者を鑑賞できることになります。
なお、車いす席は最後列の1つ前のと列右側に3席分設けられています。
2階席はあ列からく列までの8列まであり、前2列と後6列の間に仕切りの壁と通路が設けられています。
フラットな1階席に比べ、2階席の傾斜はしっかり付けられています。最後列からも十分ステージが近く見えるので、個人的には1階席後方より2階席の方が見やすい印象です。
また、座席の背もたれも1階席より高く、首筋までカバーできるようになっています。
ビレッジホール 座席表
ビレッジホール座席表(公式サイトより)
車いす利用者の導線案内も明示
会場の公式サイトには、車いす利用者のための利用導線の案内も掲載されています。
老朽化に伴う建替えはいつ?
名古屋市民会館は2017年に開設45周年を迎え記念事業なども開催されましたが、近年はその老朽化が目立ってきており、50周年を経て、将来的に建替えが計画されています。
名古屋市は2020年11月に、新たな劇場建設に関する基本構想案を示しました。それによると、北にある古沢公園の敷地を含め一体の再整備を行い、新劇場を「2027年度開業」とする建替え計画が公表されています。
新型コロナ等もあって今年に入り一部構想の修正が行われたようですが、今のところ2022年度に基本計画を策定し、現状の規模の2つのホールに加え、800〜900席の第3のホールを増設する予定です。
現在の会場がいつまで使用できるか気になりますが、新劇場完成の際には、ぜひまた足を運びたいと思います。
周辺スポット
ランチ・カフェ・物販はアスナル金山で調達
金山駅北口に直結して、複合商業施設の「アスナル金山」があります。
当初はまちづくり計画の一環で2005年から15年間限定の施設だったようですが、その後2028年まで延長することになったようです。
テナントの店舗は定期的に入れ替わっていますが、ファッション、雑貨、グルメ、カフェ、ドラッグストア、スーパー、書店、リラクゼーション等の様々な施設があるので、大体の用途を満たしてくれると思います。
私が時々使っているのは1階の「マツキヨ」や「スタバ」、「成城石井」など。一時期は麻婆豆腐とチャーハンの店の「ロンフーダイニング」(1階)や「ラフィネ」(3階)をよく利用していました。
金山地下街の喫茶「コンパル」
ライブの開演前や昼公演と夜公演の合間などは、カフェでくつろぐこともしばしば。駅前のスタバやミスタードーナツ、マクドナルドでもいいのですが、せっかくなら名古屋色の強いカフェで過ごすのも一興です。
地下ルートで紹介した「金山地下街」の一番北側に、喫茶「コンパル」があります。
エビフライサンドや名古屋モーニングで有名な店ですが、「アイスコーヒー」を頼むと、エスプレッソのホットコーヒーと氷の入ったグラスで出てきます。砂糖を入れる場合はコーヒーに先に溶かしたうえで、氷入りグラスに流し込んで飲みます。
会場の向かいにあるお馴染み「コメダ珈琲」
すでに全国チェーンといっていい存在になりましたが、お馴染みのコメダ珈琲(金山2丁目店)です。
道路を挟んで会場向かいの茶色(オレンジ色)の雑居ビルの1階の、少し奥まったところに入口があります。
隣りにはファミリーマートもあり、便利です。
会場利用者にとっては「どうぞ入ってください」という立地なので、公演日はだいたい混雑しています。
会場2階の喫茶「サンモリッツ」
これだけのキャパの会場ですので、当然会場内にも2階に喫茶ラウンジがあります。
以前は別の喫茶が営業していましたが、2019年10月より老舗喫茶の「サンモリッツ」がオープンしています。
公演前後のひとときに、名物のシュークリームや鉄板ナポリタンなど、軽食も楽しめます。
ライブ遠征に便利なホテル
コンフォートホテル名古屋金山
コンフォートホテル名古屋金山は、2021年10月に開業したばかりの新しいホテルです。
私が宿泊したのは仕事の関係だったのですが、この会場や名古屋国際会議場へのライブ遠征の際にも非常に便利だと思うので紹介します。
名鉄金山駅東口からわずか1分の好立地
このホテルの売りは何と言っても駅からの近さ♪名鉄金山駅東口を出て1分、横断歩道を渡ればホテルに着きます。
東口改札を出たところです。
そのまままっすぐ歩くと、会場へ続く「大津通」に出ます。
エントランス〜フロント
ホテル前の道路は「高座橋(たかくらばし)」という橋の上にあり、入口は2階に相当します。
このように2階に入口とファミマ、1階にタイムズ駐車場、3階にゴールドジムがあります。
ホテルフロントは4階にあります。専用のエレベーターで上がります。
4階フロントに着きました。客室へはチェックイン後、別のエレベーターで上がります。
チェックインは専用の機械にタッチして行います。フロント係の人もいますが、操作のサポートメインです。
地味にありがたいのが、フロント反対側にある荷物置き場です。チェックイン前後に、フロントに預けずに無料でロッカーに預けたり、自転車のキーのようなリングに引っ掛けて荷物を保管できます。
客室
客室はコンパクト、清潔にまとまっています。
ベッド側から入口を見たところです。
最新のホテルだけあって、枕元コンセント完備。
冷蔵庫と湯沸かしポットは入口ドア前にあります。
十分な広さのあるユニットバス。映っていませんが、トイレはもちろんウォシュレット付きです。
駅の横断歩道付近の景色が窓から眺められます。
可動式デスク
最近できたコンフォートホテルの特徴は「可動式デスク」。自分の使いやすいように自由にレイアウトが変えられるのが便利です。コロナ禍以降のテレワーク需要の増加にも対応しています。
ベッドを椅子代わりに使うときや、サイドテーブルとして使うときの配置はこうなります。
斜めにして壁掛けテレビを視聴するときはこんな感じです。
施設の概要・地図
所在地
名古屋市中区金山一丁目5番1号
アクセス
鉄 道
JR・名鉄・地下鉄「金山」駅下車 徒歩5分
マイカー
名古屋高速出口
・都心環状線 「東別院出口」 (約0.9km)
・東海線(北行) 「尾頭橋出口」 (約1.9km)
・大高線(北行) 「高辻出口」 (約3km)
ホール
フォレストホール(大ホール)
収容人数:2,296席
(1階1542、2階290、3階232、
4階227、車椅子5)
ビレッジホール(小ホール)
収容人数:1,149席
(1階842、2階304、車椅子3)
公式サイト
https://nagoya-shimin.hall-info.jp/kaikan/