初めて「横浜アリーナ」のライブに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
全国から新幹線で気軽に立ち寄れる、日本を代表するライブ会場。大箱(アリーナクラス)のアクセスとしては、最強の利便性を誇ります。
横浜アリーナは、横浜市制施行100周年・横浜港開港130周年を迎える1989(平成元)年に、横浜博覧会などと共に記念事業の一環として建設されました。
設計・施工は㈱竹中工務店で、管理運営を第三セクターの㈱横浜アリーナが行っています。
2009(平成21)年からは、公式マスコットキャラの「ヨコアリくん」が登場しました。横浜アリーナに住む青いアリで、誕生日は開館日と同じという設定のゆるキャラで、イベント時などに出没するほか、関連グッズも豊富に取り扱われています。
2016(平成28)年に老朽化のため、電気・空調関係のリニューアル工事が半年間実施され、トイレや座席の交換、照明のLED化等も同時に行われました。
㈱横浜アリーナは設立当初、キリンビールや横浜市、西武鉄道グループのプリンスホテルが出資していましたが、2017(平成29)年に西武鉄道がキリンの保有する株式を取得して筆頭株主になるとともに、西武鉄道の子会社となることが発表され、同日大手芸能事務所のアミューズも、一部株式を取得して資本参加しました。
その後の2022(令和4)年にも再びリニューアル工事を行い、吊り天井の耐震化や屋上防水、映像・音響設備の更新など、施設の長寿命化が図られています。
新幹線の新横浜駅からすぐというアクセスの良さもあり、コンサートやスポーツイベント、横浜市の成人式や企業式典など、あらゆる用途に利用され、施設として高い稼働率を誇っているほか、日本音響家協会の「優良ホール100選」にも選ばれている会場です。
横浜アリーナまでのアクセス
まずは全国各地から新横浜駅へ
横浜アリーナの最寄り駅はご存知のとおり、東海道・山陽新幹線の「新横浜」駅。大箱でありながら、関西・名古屋方面からはのぞみ号で乗換えなしに到着できるので、とても便利な立地にあります。
名古屋から 約1時間20分 10,630円
新大阪から 約2時間10分 14,590円
博 多から 約4時間40分 23,680円
新幹線以外の、新横浜駅までのJR在来線や東急線、横浜市営地下鉄などのアクセスは以下の通りです。ホテルを別の最寄り駅で予約している場合などの参考にしてください。
出典:ローチケ公式サイトより
新横浜駅から会場までの徒歩ルート
新横浜駅下車後は、北口方面に出たところにある大通り(環状2号線)を東に向かうと、途中のデッキを通ってほぼ一本道で会場につきます。所要時間はわずか約5分♪
また、今回は紹介しませんが、会場から新横浜駅に帰る際は、デッキ以外にも駅に向かうルートが複数あるので、渋滞で進まなくなるという状況になりにくい点もありがたいです。
今回は、上の地図に即して、デッキを利用するルートで紹介します。
出口(東口)と書かれた改札を出ましょう。
出口のすぐ外側で、会場までの案内表示を確認できます。
ずばり「横浜アリーナ方面出口」に向かって進みます。
荷物のある方は、その脇にあるエスカレーターで、地上に移動しましょう。
そのまま徒歩で階段を下ります。
駅前の公園広場の中を通り抜けます。
公園の端にある地下鉄のりばに向かう入口を左に曲がります。
そのまま北に進みましょう。
突き当りの角にあるマクドナルドを、右に曲がります。
直進し、プリンスペペ前を通過します。
やがてアリーナ方面に通じるデッキがあるので、そのまま進みましょう。
会場は道路を挟んで左側にあるので、左に進みます。
さらに進むと、会場の建物が見えてきます。
デッキは会場前まで直結しています。
終端まで来たら、階段を下りましょう。
会場の正面玄関に到着です。お疲れ様でした。
横浜アリーナはこんな所
総収容人員は最大で約17,000人
横浜アリーナは様々な用途に利用される多目的アリーナですが、コンサート会場として使用する場合の面積は約8,000㎡で、最大収容人数約17,000人です。
その楕円形のドームやキャパから、ライブ会場としては関西の大阪城ホール(最大約16,000人収容)と同じような位置づけになるでしょうか。アーティストのアリーナツアーの日程でも、よく一緒に組まれている印象です。
座席は「センター」「アリーナ」「スタンド」の3種類
客席は建物の1階から4階を使用しており、「センター席」、「アリーナ席」、「スタンド席」の大きく3種類に分かれています。
出典:横浜アリーナ公式サイトより
他の会場だと、ステージと同じ高さのすり鉢状のエリアがアリーナ席、壁を隔てて観覧席がある部分がスタンド席となっていることが多いのですが、横浜アリーナは通常のスタンド席があるエリアが「アリーナ席」と定義されている点に注意が必要です。
アリーナ席やスタンド席は、列の数字が少ないほどステージに近くなり、番号は各ブロックの左端より時計回りで振られています。
センター席
センター席は建物1階に位置し、ステージと同じフロアの座席(約3,000人分)です。ステージを正面から見ることができますが、座席の前後はフラットになっています。また、オールスタンディング仕様で座席がない場合があります。
センター席後方からメインステージ方面を見た場合の眺めはこんな感じです。
メインステージに正対する形で、跳ね上げ式の移動席がフラットに設置されます。
アリーナ席
アリーナ席は建物の2階に位置し、センター席を取り囲んで階段状に配置され、A・B・C・D・E・Fの6ブロックに分かれています。1階~2階にかけて22列の配列になっており、11列目と12列目の間に通路が設置されています。
会場名にもなっている通り、アリーナ席がこの会場のメインの客席になります(約5,000〜6,000人分)。センター席と異なり階段状に並んでいるので、前後の座席に緩やかな傾斜が付けられています。
スタンド席
出典:横浜アリーナ公式サイトパノラマビューより
スタンド席は建物の3階~4階に位置し、東・西・南・北の4ブロックに分かれて階段状に配置された座席(約3,000人分)です。3階〜4階にかけて10列の配置になっており、5列目と6列目の間に通路があります。
出典:コトブキシーティング公式サイトより
建物の最も高いエリアに設置されており、ステージからの距離は遠くなりますが、アリーナ席に比べ前後の座席の傾斜が急になっており、視界が遮られる心配はありません。
また、座席の座面と背もたれがしっかりしているので、センター席やアリーナ席に比べて、座り心地は良い席と言えます。
その他
その他の観覧スペースとして、「スイート・ボックス」と「立見スペース」があります。2つを含めると、座席の種類は5種類ということになります。
スイート・ボックス
スイート・ボックスは、アリーナ席3階のAブロック上方に位置し、応接とテレビが入った個室とバルコニー状の座席(約140席)がセットになっています。
出典:コトブキシーティング公式サイトより
いわゆるVIPや関係者が利用するボックス席で、座席の座面や背もたれもクッション性の高い座り心地の良いもので、スイート席はハイバック仕様になっています。
演者にゆかりのある関係者がよく座っているので、開演前は反対側のアリーナ席・スタンド席やセンター席から、オペラグラス等で誰が来ているか確認する人をよく見かけます。
立見スペース
立見スペースは、アリーナ席の後方(建物2階)の通路部分に設置(約1,300〜1,400人分)されます。
座席ではなく文字通り立ったままで見るスペースなので、通常の座席が完売したあとの追加席として販売されるのが一般的です。立見席といっても、通常の販売価格とあまり変わらず、それなりに体力を使う席でもあります。
一方で、最近は全国の映画館でのライブビューイング(LV)の販売時期と重なることも多くなっています。地元の映画館が対象になっていれば、遠征費もかからず快適な空間で、半額以下の金額で観ることができます。
立見スペースの購入に関しては、「割安価格でスクリーンで観るライブビューイング」にするか、「とにかく現地で見たいというライブ感を重視」するかの判断で迷うことが多くなりがちになります。
レイアウトは「A」「B」「中央」の3パターン
横浜アリーナのレイアウトは、ステージの位置により「Aパターン」、「Bパターン」、「中央パターン」の3種類があります。
Aパターン
出典:横浜アリーナ公式サイトより
Aパターンは、会場を縦に使い、ステージは南東側に設置されます。現状のコンサートでは、最もよく使用されているパターンです。
アリーナ席・スタンド席のEブロックとFブロックは一部しか使用しない形になるため、収容人数は約13,000人程度(立見スペース込み)になります。
Bパターン
出典:横浜アリーナ公式サイトより
Bパターンは、会場を横に使い、ステージは北東側に設置されます。ステージをワイドに設営できるので、ドームやスタジアム仕様のセッティングでステージを演出できます。
北東側のDブロックとC・Eブロックの一部がステージで使用される形になるため、収容人数は約12,000人程度(立見スペース込み)になります。
中央パターン
出典:横浜アリーナ公式サイトより
中央パターンは、センター席の中央にステージが設置されます。格闘技系のイベントでは、この中央パターンが主流となっています。
センター席の席数はステージ構成により変わりますが、アリーナ席とスタンド席をフルに活用できるため、収容人数は最大の約17,000人程度になります。
追加でステージが設置されることも
今回私が訪れた公演は、Aパターンのメインステージから花道を作り、センター部分に特設ステージを追加で設置したレイアウトでした。
また、センター席とアリーナ席の境界部分に、演者が移動できる外周ステージが設置された仕様にもなっていました。
横浜アリーナ 座席表
出典:Livewalker.comより
館内施設
エントランス
正面玄関から入場したところは、2階まで吹き抜けのエントランスロビーになっています。
1万人以上の入場客のチケットチェックを行うため、玄関は横に広く、入場後のロビーの奥行きも広めに取られています。
演者への花束スペースは、ロビー正面の奥に確保されています。
その他、各種企画展示や物販スペースがロビー内に設置されることもあります。
建物2〜4階のアリーナ席・スタンド席へは、エントランス横の両側にある大階段を上って移動します。
建物1階のセンター席へは、そのまま1階の入口扉(1番・2番)から中に入ります。
飲食・物販スペース
会場内のロビーには、清涼飲料やお菓子、サンドイッチ、ホットドッグ、おにぎりなどの各種軽食を取り揃えている「ARENA SHOP(アリーナショップ)」があります。
1階ロビーに1ヶ所、2階ロビーに4ヶ所あり、飲食のほか、ヨコアリくんグッズや横浜アリーナオリジナルロゴ入りのオペラグラスも販売しています。
コインロッカー
館内にはキャパに応じて、コインロッカーも豊富に確保されています。すべて有料ですが、サイズは「小(300円)」「大A・大B(各600円)」の3種類があります。
・小 :300円 180口
(幅357mm×奥行453mm×高さ318mm)
・大A:600円 60口
(幅237mm×奥行513mm×高さ802mm)
・大B:600円 8口
(幅346mm×奥行482mm×高さ774mm)
ライブ・コンサート参加記録(アーカイブ)
横アリ×モーニング娘。=神公演
私が横浜アリーナのライブに訪れたのはこれまで全4回。そのすべてが、モーニング娘。関連の公演になります。
ハロプロとしては最大規模の会場で、その時々の時代を彩ったメンバーの卒業公演や、OGメンバーを交えた豪華ステージを堪能することができ、そのいずれもが、いつまでも語り継がれる公演になっています。
モーニング娘。コンサートツアー2010秋 〜ライバル サバイバル〜(2010.12.15)
出典:ハロー!プロジェクト公式サイトより
黄金期のメンバーが卒業しメディア露出の減った時期を、当時のリーダーであった高橋愛を中心に、歌唱とダンスのスキルを磨くことで乗り切った、いわゆる「プラチナ期」。
そのフィナーレを飾る集大成として、亀井絵里、ジュンジュン、リンリンの卒業公演が行われました。
メンバーの加入卒業がしばらく滞り、ファンの間で「このまま解散してしまうのではないか」という漠然とした不安が渦巻いていた時期の大箱の公演で、開催が近づくにつれ、異様な雰囲気が漂っていたのを覚えています。
当日は、これまでの雌伏の期間を爆発させるかのような、圧巻のステージング。メンバーとファンの両方で作り上げた、伝説の公演となりました。
モーニング娘。’14コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE 〜道重さゆみ卒業記念スペシャル〜(2014.11.26)
出典:ハロー!プロジェクト公式サイトより
プラチナ期の終焉後、当時を知る最後のメンバーである道重さゆみの卒業公演。
その間に、以降の中心メンバーとして活躍する9期・10期・11期メンバーが加入し、オリコン1位を連続して獲得するなど、新時代へのバトンを見事につなげた凱旋ライブでもあります。
公演中、足を痛めてしまいステージで動けなくなった道重さゆみのもとに、センターステージから花道を通ってダッシュして駆け寄る、次期リーダーの譜久村聖の姿がありました(通称:フクムラダッシュ)。
他のメンバーもそうしたアクシデントに動じず、臨機応変にフォーメーションを変えて対応するなど、道重本人が感じていた後輩メンバーの頼もしさを、図らずも証明する公演にもなりました。
モーニング娘。’23コンサートツアー秋 Neverending Shine Show SPECIAL(2023.11.28)
モーニング娘。’23コンサートツアー秋 Neverending Shine Show ~聖域~ 譜久村聖卒業スペシャル(2023.11.29)
出典:ハロー!プロジェクト公式サイトより
道重さゆみの跡を継いで、2014年秋からリーダーを務めてきた譜久村聖の卒業ツアーの千秋楽とその前日は、横アリ2DAYS。
1日目は、初代メンバーの安倍なつみや海外留学から帰国した14期メンバーの森戸知沙希まで、歴代10人のOGメンバーも駆け付け、前夜祭として盛り上がりました。この年の9月にハロプロ25周年ライブが代々木体育館で行われましたが、その娘。特化版を餞に行ったような印象です。
そして2日目の千秋楽は、「ハロプロを知らない人は人生の10割損している」と豪語し、ハロプロ加入15年、娘。加入12年、娘。リーダー9年を務めあげた「女王 譜久村聖」のラストステージ。
ハロプロ愛にあふれ、メンバーにしてトップヲタでもある彼女の意向がセットリストにも反映され、まさに「ヲタ心」をくすぐる、その在籍期間を走馬灯のように駆け巡るような公演になりました。
周辺施設
会場周辺の飲食・物販スポット
珍彩楼
会場西側の道路を隔てた向かいにある中華料理店「珍彩楼(ちんさいろう)」です。
ランチが比較的リーズナブルに食べられるほか、夜公演前や終演後の打ち上げや反省会でも気軽に利用できるお店です。横浜中華街に行く時間がないときは、ここで中華を食べるのが一番手っ取り早くていいと思います。
トラットリア レガーロ 新横浜
新横浜駅から会場に向かう徒歩ルートで紹介したデッキルート(環状2号線)の1つ北側の通り(アリーナ通り)にあるイタリアンの店「トラットリア レガーロ 新横浜」です。
結婚式の二次会や女子会会場の定番で、ランチや夜の飲み会での利用がメインになりますが、開演前のアイドルタイムに利用するのも便利な店です。
写真に少し写っていますが、当日の公演チケットやグッズ持参で、「代金が5%オフ」になる割引サービスを実施していました。
横浜ハイボール墨家・アリーナ
横浜アリーナの正面玄関と道路を挟んで向かい側にあるショットバー&カフェ「横浜ハイボール墨家(ぼっか)・アリーナ」です。
日替わりの肉料理やパスタ・ピラフ・ハンバーグ等の軽食や、ハイボールをはじめとする各種アルコールが楽しめ、各種電子マネーにも対応しています。
当日コンサートを行うアーティストの音楽をBGMで流したりするサービスもあり、喫煙可能な点で愛煙家にとっても居心地がいいお店になっています。
ローソン 横浜アリーナ店
会場の一番近くにあるコンビニ「ローソン 横浜アリーナ店」です。会場建物1階の正面玄関の西(左)側に位置しており、2022(令和4)年にオープンしました。
新横浜駅から会場までの道中にもコンビニは何店舗かありますが、会場に着いてから何か忘れ物をしたときでもすぐに補充できるほか、ローチケなどで会場のチケットを予約している場合は、当日ここで交換することもできるので、何かと重宝します。
新横浜駅周辺の飲食・物販スポット
キュービックプラザ新横浜「ぐるめストリート」
「ぐるめストリート」は、新横浜駅直結の駅ビル「キュービックプラザ新横浜」1階にある新幹線高架下の飲食店ゾーンです。
入れ替わりもありますが、常に20店舗以上のグルメテナントが集積しており、ライブ参加者だけでなく、観光客や出張帰りのサラリーマン等も利用する名物スポットです。
「丸亀製麺」「てんや」「吉野家」「日高屋」などのファストフード店から「串かつ田中」「おらが蕎麦」「ヱビスバー」等の定番のお値打ち居酒屋、「つばめグリル」等の本格洋食の店まで多様で、その時々の気分で最適のお店を選べるラインナップになっています。
マクドナルド&ドトールコーヒー
会場までの徒歩ルートで紹介した大通りに出る突き当り付近には、定番の「マクドナルド」と「ドトールコーヒー」が並んで営業しています。
友人との待ち合わせや新幹線の時間調整、開演前の腹ごなしに最適で、何かと安心できる心強い存在です。
プリンスペペ
新横浜駅から会場までの徒歩ルートで紹介したちょうど中間にあるショッピングセンターが「プリンスペペ」です。
ファッションを中心に、コスメ、生活雑貨、生鮮食品、レストラン、コンビニなどが揃っているので、会場に行くまでの持ち物の調達や時間調整に便利です。
一部の対象店舗では、横浜アリーナ当日のイベントチケットを見せると、お得なサービスや割引を受けられる「チケ得」を実施しています。
施設概要・地図
所在地
横浜市港北区新横浜3丁目10番地
アクセス
新幹線・JR・地下鉄「新横浜駅」下車
北口・東口から徒歩約4〜5分
ホール
総客席数:最大約17,000席
・Aパターン:約13,000席
・Bパターン:約12,000席
・中央パターン:約17,000席
公式サイト
https://www.yokohama-arena.co.jp/