
初めてあわぎんホールのコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
JR在来線や高速バス、飛行機を駆使して徳島駅へ。駅から徒歩圏内の、川のほとりにあるホールです。
現地ではレンタカーで、観光や徳島グルメも楽しもう。
あわぎんホールは、1971(昭和46)年に開業した徳島県徳島市にある複合文化施設で、正式名称は「徳島県郷土文化会館」といいます。
藍場浜公園や新町川水際公園といった川沿いの緑地帯に隣接し、ホテルや徳島市のオフィス街、商店街も近い、恵まれた立地にあります。

施設内にはコンサート等が開催される多目的ホールのほか、浄瑠璃用の人形などを常時展示する「阿波木偶資料館」、展示室、会議室などがあり、その名の通り郷土芸能の伝承保存、県民の文化活動の拠点としての役割をもつ施設です。
阿波木偶資料館(建物5階)
出典:徳島市公式観光サイト「FUN!FUN!とくしま」より
「あわぎんホール」の愛称は、ネーミングライツ制度により、2009(平成21)年に地元の阿波銀行が命名権を取得し、更新しながら現在に至っています。

あわぎんホールまでのアクセス
最寄り駅はJR徳島駅

会場の最寄り駅はJR徳島駅。各地から四国の徳島駅に向かう場合のアクセスルートはいくつかありますが、主な手段としては以下の通り。
①岡山駅からJR在来線・高速バスを利用
②新神戸駅から高速バス(昼行便)を利用
③名古屋駅から高速バス(夜行便)を利用
④徳島空港からリムジンバスを利用
岡山駅からの鉄道・バスルート

すべて電車で向かう場合は、山陽新幹線の岡山駅で四国方面の在来線に乗り継ぎます。
岡山駅から徳島駅を直通で結ぶ電車は出ていないため、いったん香川県の高松駅まで乗車券のみで利用できる「快速マリンライナー」で向かい、高松駅からJR高徳線に乗り換えるのが一般的です。高徳線では在来線の「特急うずしお号」が運行しています。


所要時間は、岡山駅から高松駅までが約50分、高松駅から徳島駅までが特急利用で約1時間5分で、乗り換え時間を含め約2時間ほど見ておけばいいでしょう。交通費は、乗車券のみの場合で片道3,080円、高松駅から特急を利用する場合は、1,200円(自由席)~1,730円(指定席)が必要です。

高松駅から特急うずしお号に揺られ約1時間の車窓の旅を楽しめば・・。

無事、徳島駅に到着です。お疲れさまでした。
岡山駅・広島駅からは高速バスも出ています
出典:両備バス・徳島バス公式サイトより
岡山駅からはJR在来線(マリンライナー)のほか、徳島バスと両備バスが共同運行する「岡山ー徳島線(エディ/リョービエクスプレス)」(昼行便)も運行されています。
徳島駅前までの所要時間は約3時間、運賃は繁閑期により変わりますが、片道2,500円~3,400円です。
また、昼行便ではこのほか、徳島バスが広交観光との共同で「徳島-広島線(あわひろしま号)」も運行しています。
新神戸駅からの高速バス(昼行便)ルート

関西や名古屋方面から新幹線で向かう場合、ジェイアール四国バス他が運行する「阿波エクスプレス神戸号」という高速バスが、新神戸駅から昼行便で出ています。
【公式】阿波エクスプレス神戸号-JR四国バス<時刻表/料金/予約>

新神戸駅に着きました。

ホームを下りて、改札口を出ましょう。

建物の1階に移動。出口は建物南側にあり、正面にバス乗り場が見えます。

1階には駅レンタカーとともに、高速バスの切符売り場もあります。

「徳島・鳴門」方面のバスは、1番乗り場から出ています。

徳島駅までの所要時間は約2時間15分で、運賃は片道3,600円(早売割・ネット割有)です。
高速バスの昼行便ではこのほか、京都駅からの「阿波エクスプレス京都号」、大阪駅・なんば駅からの「阿波エクスプレス大阪号」も運行されています。
高松-京都の高速バス「高松エクスプレス京都号」|高速バス・路線バス「JR四国バス」公式サイト
徳島・鳴門-大阪梅田・なんば・USJ(阿波エクスプレス大阪号)|高速バス
名古屋駅からの高速バス(夜行便)ルート

名古屋駅からは、同じくジェイアール四国バス他が運行する「オリーブ松山号」という高速バスが、徳島駅を経由して松山駅(愛媛)まで夜行便で出ています。今回私は、この方法で現地に向かいました。
松山・高松・徳島⇔名古屋は 【オリーブ松山号(夜行バス)】が 便利!オトク!快適!|高速バス・路線バス「JR四国バス」公式サイト
徳島駅前までの所要時間は約6時間10分、運賃は繁閑期により変わりますが、片道4,600円~9,000円(早売・ネット割あり)です。

JRハイウェイバスのりばは、名古屋駅の新幹線口側にあります。

周辺は工事が続いていますが、だいぶすっきりしてきました(25年2月現在)。

バスが到着するまで、待合室で待機しましょう。

徳島・松山方面のバスは2番のりばから発車します。

高速バスの車内です。夜行便だけあって、3列シートでカーテン付きです。

名古屋駅を23時に出発し、早朝5時過ぎに徳島駅前に到着しました。
高速バスの夜行便ではこのほか、東京駅・バスタ新宿(新宿駅)・東京ディズニーランドからの「ドリーム阿南・徳島号」も出ています。
徳島-新宿・東京・東京ディズニーランド®の高速(夜行)バス「ドリーム阿南・徳島号」|高速バス・路線バス「JR四国バス」公式サイト
徳島空港からのリムジンバスルート

路線が限られますが、飛行機を利用することもできます。徳島空港(正式名称は「徳島阿波おどり空港」)へは東京(羽田空港)と福岡(福岡空港)から徳島行きの便が出ているので、首都圏や北九州方面からは、こちらのルートが便利です。

徳島阿波おどり空港に到着しました。

到着ロビーのセブンイレブンの奥にあるバス乗り場に続く通路を進んでいきます。

建物を出て左側に歩いたところに、徳島駅行きのリムジンバス乗り場があります。

空港から徳島駅前までの所要時間は約30分で、運賃は片道800円です。
徳島駅から会場までの徒歩ルート

そんなこんなで徳島駅前に着きました。ここから会場までは徒歩で移動できるので、道中の一例を紹介します。早朝と昼間の写真が混在していますがご容赦ください。駅から会場までの所要時間は約8分です。

徳島駅の改札口からスタートします。

改札を出てまっすぐ進み、駅ビルの外に移動します。

出口前まで来たら、案内を確認。前の道を右側に進みましょう。

外にある郵便ポストの上にある阿波踊りの像がお出迎えしてくれます。

ロータリーの奥には、駅前の商業ビルのアミコがあります。

アクセスに戻り、外の道を右側に進んでいきます。

ホテルクレメント徳島と駐車場入口の脇を通り、商店街「ぽっぽ街」の方向に移動しましょう、

ぽっぽ街の入口は、松屋とセブンイレブンの間にあります。

少しシャッターが下りている区画もありますが、地元のお店が集積しています。

商店街の端が見えてきました。カレー店や喫茶もあります。

県道30号の前に出ました。斜め左にある横断歩道を渡りましょう。

渡った先にある「宝タクシー」の建物が目印です。

ここからは道なりに移動するだけです。

後半少し左にカーブしますが、そのまま進みます。

国道192号/318号に出ました。正面に会場の建物が見えます。

横断歩道を渡った先が、会場の北玄関です。お疲れさまでした。
駐車場

レンタカー等を利用した場合、会場には専用の駐車場はありませんが、周辺の公共駐車場がいくつかあるので、そちらを利用することができます。上の写真は会場に最も近い「藍場町地下駐車場」です。
あわぎんホール 徳島県郷土文化会館 – 郷土文化振興の拠点となる文化施設
公式サイトのアクセス欄に周辺の駐車場情報が掲載されているので、参考にしてください。
あわぎんホールはこんな所
総客席数約800席のホールは建物1階にあります

あわぎんホールの総客席数は809席で、ワンフロアのシンプルな構造です。座席は1列から26列まであり、途中10列と11列、19列と20列の間に通路が設置されています。






座席の傾斜は、10列まではスロープによる緩やかな傾斜で、通路を挟んだ11列以降は、段差がつきほぼ同じ角度で前方より角度がつけられています。


車椅子スペースは、後方の18列・19列の左右のサブセンター付近に設置されています。


あわぎんホール 座席表
出典:あわぎんホール公式サイトより
1階ホール 座席

座席はピンク色の座面・背もたれとライトブラウンのひじ掛け・基礎の組み合わせです。背もたれは背中から腰にかけてのクッションが広めに設定されているほか、座面は適度な厚みを持たせており、座り心地は上々でした。
エントランス・ホワイエ

会場へはは藍場浜公園の緑地帯に面したメインの東玄関と、傍を走る国道192号/318号に面した北玄関から入ります。

案内図の通り、北玄関から入った場合は上の階に続くエレベーターホールに、東玄関からはホールのホワイエに通じています。

メインの東玄関です。

北玄関から入ると、エレベータホールの隣りに自販機コーナーがあります。

ホワイエの右奥には、100円返却式のコインロッカーがあります。

ホワイエのフロアカーペットは、鳴門の渦潮の模様になっています。
その他、ホワイエの左奥にはトイレと、中2階にある休憩コーナーに続くスロープがあります。
周辺施設
徳島中央公園

徳島駅の北側の一帯は、旧徳島藩主の蜂須賀氏が治めた居城跡に開設した徳島中央公園があります。

初代藩主・蜂須賀家政像

城山の頂上にある本丸跡
1906(明治39)に開設された広大な敷地内には、市立の徳島城博物館のほか、史跡や文化財のほか、小学校(市立内町小学校)や市立体育館(とくぎんトモニアリーナ)などの公共施設なども設置されています。


周辺はランニング・ウォーキングコースにもなっており、今日まで県民の身近なレクリエーションの場として親しまれています。


阿波おどり会館・眉山ロープウェイ

徳島駅前から南西に伸びる目抜き通り(国道439号)を直進し、新町川を越えた突き当たりにあるのが、「阿波おどり会館」です。
徳島県といえば「阿波おどり」。世界的にも有名なこの伝統芸能を年間を通じて楽しめる施設として、1999(平成11)年に開業しました。建物の外観は、阿波おどりで用いられる高張り提灯をイメージした逆台形になっています。
館内では阿波おどりの歴史や展示、県内の観光情報・土産が入手できるほか、建物2階の阿波おどりホール(総客席数:250席)では、阿波おどりの実演も行われています。


その他、建物の3階には「阿波おどりミュージアム」、5階には「あわぎん眉山ロープウェイ」の山麓駅があり、眉山公園のある山頂駅までを結んでいます。


訪れた日はあいにくロープウェイの保守点検期間中(2025.1.13~3.29)で休業していましたが、山頂の眉山公園まで市街地から行けるので便利です。
眉山公園

先ほどの阿波おどり会館の5階にあるロープウェイ乗場から山頂に向かったところにあるのが眉山(びざん)公園です。ロープウェイ以外にも「眉山パークウェイ」という道路も整備され、レンタカー等で登ることもできます。


眉山は標高約290mのなだらかな丘陵地で、眉(まゆ)の形に似ていることから名付けられたと言われています。
山頂の展望施設からはからは中心市街地をはじめ、遠くは阿讃山脈・瀬戸内海・紀州の山々を望む眺望を楽しめるほか、シンボルゾーン地区には花のカスケードや花と鳥の展望広場、野鳥観察園路等が整備され、徳島市の緑のシンボルとなっています。


また、公園に隣接して剣山神社(つるぎさんじんじゃ)が鎮座しており、季節柄「お多福さん」の装飾が施されていました。
アスティとくしま

アスティとくしま(徳島県立観光交流センター)は、日本屈指の大型多目的ホールを有するコンベンションセンターです。
出典:アスティとくしま公式サイトより
海に近い川の合流地点(園瀬川と御座船川)に立地しており、徳島駅からはバスで約15分乗車(片道250円)し、最寄りの「文理大学前」バス停から徒歩約5分の場所にあります。
徳島市交通局・徳島バスの運賃・経路・時刻表検索|とくしまバスNavi|いまドコなん
出典:アスティとくしま公式サイトより
多目的ホールの最大収容人員は約5,000人で、スポーツイベントのほか、音楽コンサートの会場としても多用されています。訪れた日は人気アーティスト「VAUNDY」のアリーナツアーの公演が行われていました。


施設内にはホールのほか、お土産等も買える徳島工芸村(徳島県物産センター)などもあります。


ここまで色々書いてきて思いますが、徳島へのライブ遠征の記事を書くなら、こちらの会場について知りたい人のほうが多いでしょうね…。
松江豊寿大佐の住居跡

会場の裏手の新町川河畔には、元会津藩士で陸軍軍人の松江豊寿(まつえとよひさ)の住居跡の碑があります。
「武士の情け」の記載は、松江が第一次世界大戦中に徳島の板東俘虜収容所の所長を務め、在任中にドイツ人俘虜(捕虜)を人道的に扱い、地元の住民と交流させたことに由来しています。この時の交流を通じて、日本で初めてベートーベンの第九が演奏されました。


徳島ラーメンを楽しもう♪
出典:徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」より
今回のライブ遠征で楽しみにしていたことの1つに、「徳島ラーメン」がありました。
徳島県民のソウルフードである徳島ラーメンは、豚骨(醤油)ベースのしっかりした味が特徴で、これに写真のように「豚バラ肉」「生卵」「ネギ」「メンマ」がトッピングされているのが特徴です。
各店はその基本を踏まえつつ、スープの種類が「茶系・白系・黄系」に分かれるなど、様々なアレンジを加えています。
徳島市内だけでもかなりの店がありますが、今回私が訪れた3店を紹介します。みなさんも訪れた際は、ご自身の口に合う味付けの店を開拓してみてください。
中華そば いのたに 本店

「中華そば いのたに 本店」は、会場から徒歩圏内で行けるお店です。会場の西、新町川にかかる仁心橋を渡り、400mほど行ったところにあります。
新横浜にある「ラーメン博物館」ができた際に、博物館側からの要請により出展し、徳島ラーメンの知名度を全国に広げるきっかけになった名店です。

店内は建物2区画分のフロアに、ロの字型のカウンター席が2か所配置。席に着くと、店員さんが手慣れた手つきでオーダーを捌いていきます。

有名店だけあって、壁面には芸能人のサインが沢山並んでいます。安倍元首相のものもありました。

列に並び専用の自販機で注文カードを発券します。小ごはんなど、一部ボタンのないものはカウンターで追加注文が可能です。

定番の中華そば(肉入中盛)と小ごはんを頼みました。茶系のスープは濃いめですがこってりはしておらず、さっぱりした感じがしました。
公式サイト:http://www.inotani.jp/instanthp/page01.html
ラーメン東大 大道本店

「ラーメン東大 大道本店」は、阿波おどり会館から国道438号を南に700mほど進んだところにある、地元徳島のチェーン店の本店です。ラーメンの頂点を目指すという意味を込めて「東大」と名付けられました。

店の前にある自動販売機で商品を購入し、中に入ります。

店内は20人ほどしか入れないこぢんまりとした広さです。

店の特色は生卵が無料で、ラーメンやご飯にかけて食べるよう推奨されます。

中華そばの並を注文。スープは醤油豚骨の茶系。3つの店の中で最もこってりした味でした。
支那そば 王王軒 本店

徳島駅の北西、吉野川を渡った藍住(あいずみ)地区にあるのが「支那そば 王王軒(わんわんけん)本店」です。
レンタカー等がないと行けない地域にありますが、ぜひ立ち寄っていただきたい名店です。

店内は座敷席とカウンター席があり、個人でもグループでも対応可能です。

メニューは支那そばの並・大に肉入り、トッピングの有無等から選べます。

定番の「肉入り(並)」に卵をトッピング。いのたにと東大のちょうど中間で、バランスの取れたスープの濃さでした。

店頭にはお持ち帰り用のラーメンの自販機が設置されています。
カフェ
森珈琲店

徳島駅前にある「森珈琲店」は、徳島駅前ターミナルビルの1階にある珈琲専門店です。神戸にある萩原珈琲の炭火焙煎珈琲豆を使用し、1杯ずつペーパードリップで抽出し提供しているとのことです。

店内はテーブルが1列に並んだ細長い造りで、内装や調度品から落ち着いた雰囲気になっています。

ケーキやクッキー等のデザート類も豊富です。ケーキはお持ち帰りも可能です。

「おかんブレンド」という少し濃いめのコーヒーとチーズケーキをいただきました。

伝票の裏には手書きでメッセージが記載されており、店主の気配りが感じられる素敵なお店でした。
手作りケーキ TOMMY

駅前の「ぽっぽ街」商店街の途中にある「TOMMY(トミー)」は、女性の店主が切り盛りする、手作りケーキが魅力のアットホームなカフェです。

店内には絵画や美術品、漆細工などの芸術作品や工芸品も展示され、販売も行っています。

その日提供するケーキはカウンターにあるショーケースや冷蔵庫に保管されています。

ケーキセットは600円とかなりリーズナブル。ホットサンドとのセットもあります。

ブレンドコーヒーと、冷蔵されてあったプリンケーキを注文。どちらも美味しかったです♪
施設概要・地図
所在地
徳島県徳島市藍場町2丁目14
アクセス
JR徳島駅 下車 徒歩約8分
徳島空港からリムジンバスで約30分
(徳島駅前下車)
ホール
1階ホール 総客席数:809席
公式サイト
https://kyoubun.or.jp/