初めて「横須賀芸術劇場」のコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
アメリカ海軍ゆかりの地に建つ芸術文化施設。本格オペラハウス仕様の大劇場と、客席・ステージ一体型の小劇場を擁する、港町・ヨコスカのシンボルです。
横須賀芸術劇場は1994年、米海軍兵員クラブ(EMクラブ)の跡地に建設されました。
会場は大小2つの劇場で構成され、それぞれ大劇場には「よこすか芸術劇場」、小劇場には「ヨコスカ・ベイサイド・ポケット」という名前が付けられています。
また、同じ建物内に「メルキュールホテル横須賀」が入っています。
横須賀は江戸時代末期からの「海軍」の街。至るところにその面影が残っており、軍の施設やアメリカ文化の香りと、日本古来の伝統が混在する独特の文化を持つ都市です。
東京に下宿していた大学時代に一度は訪れたかったのですが、同じような特徴を持つ横浜に比べて結構遠いこともあり、今まで実現しませんでした。
今回のライブ遠征で、無事「ヨコスカデビュー」を果たすことができました。
横須賀芸術劇場へのアクセス
京急線を利用するルート
首都圏の路線図には載っていない最寄り駅
横須賀芸術劇場の最寄り駅は京急線の「汐入(しおいり)」駅。
横須賀市は神奈川県の三浦半島に位置します。一応は首都圏内ですが、よく手帳などの付録にある「首都圏近郊路線図」にはほとんど掲載されていません。大体はJRの大船駅や、JR・京急の横浜駅付近までで終わっています。
私も今回の遠征で初めて駅名を知りました。
新幹線下車後はとりあえず「品川」「横浜」を目指そう
東京から目的地に向かうには、ひとまず京急線に乗り換えることができるターミナル駅に移動する必要があります。京急線乗り換えの代表駅は、「品川」駅と「横浜」駅です。
関西・名古屋方面からは東海道新幹線の品川駅で下車して乗り換え、東北・北陸方面からは大宮駅や上野駅、東京駅で下車し、上野東京ライン(JR高崎線)で向かいましょう。
京急汐入駅までの所要時間・運賃
東京駅から
・所要時間:約1時間10分
・片道運賃:818円(品川経由)/840円(横浜経由)
品川駅から
・所要時間:約50分
・片道運賃:650円
横浜駅から
・所要時間:約30分
・片道運賃:367円
京急品川駅までの乗り換えルート
新幹線品川駅の南のりかえ口です。ここから京急品川駅を目指します。
新幹線は東の「港南口」側、京急品川駅は西の「高輪口」側にあるので、途中のJR在来線ホームを横断する形で進みます。東京駅の八重洲口と丸の内口のような感じですね。
新幹線改札を出てすぐに、JR在来線・京浜急行線へののりば案内があります。
しばらく在来線ホームのコンコースを移動します。
京急線の案内は飛行機(羽田空港)のピクトグラムがある赤い表示です。
コンコースの床面にも表示があります。赤いラインに沿って進みましょう。
在来線1番線の山手線の奥に、京急線への乗り換え改札が見えてきました。
JRの改札を出て移動する場合は、高い天井のコンコースを移動します。
そのまま突き当りの下り階段・エスカレーターを降りて京急品川駅に向かいます。
下りたところが高輪口です。向かってすぐ左側に京急品川駅があります。
京急品川駅から「快速特急」に乗車
京急品川駅からは、1番線の「横浜・横須賀中央方面」の電車に乗車します。一番停車駅の少ない緑色の表示の「快速特急」(ほとんどが「三崎口行き」)に乗りましょう。
※「羽田空港」行きには乗らないようにしましょう。
品川駅構内(1番線)。JRからの乗り継ぎ改札を入ってすぐのところです。
ホーム床面の「横浜方面(京急久里浜・三崎口)」の乗車位置で待ちます。
新横浜からは「上大岡」で地下鉄から京急線へ乗り換え
関西・名古屋方面からは当然、新横浜駅で乗り換えることもできます。
新横浜駅からは、JR在来線で横浜駅まで行くルートもありますが、横浜市営地下鉄に乗り換えて上大岡駅で下車し、京急線に乗り継ぐ方法もあるので、参考に紹介します。
横浜市営地下鉄(ブルーライン)上大岡駅の改札です
2・3番出口から京急上大岡駅に向かいます(階段・エスカレーターを上ってすぐのところです)
新横浜駅から京急汐入駅までの所要時間・運賃
(横浜駅経由)
・所要時間:約50分
・片道運賃:535円
(上大岡駅経由)
・所要時間:約50分
・片道運賃:618円
羽田空港からは京急「蒲田」で乗り換え
飛行機で羽田空港に到着した場合は、目的地まですべて京急線で行くことができます。その場合の所要時間・運賃は、以下のとおりです。
空港から会場に向かう場合、途中の京急蒲田駅で同じように快速特急「三崎口行き」に乗り換えます。
羽田空港第1・第2ターミナル駅からの所要時間・運賃
(京急蒲田駅経由)
・所要時間:約60分
・片道運賃:700円
最後に「金沢八景」駅で乗り換え
さて、品川駅や横浜駅から快速特急を利用してきましたが、残念ながら汐入駅には停車しません。直前の停車駅の「金沢八景」駅で、普通電車に乗り換えることになります。
金沢八景駅で下車後、普通電車の「浦賀」行きに乗り換えます。幕末のペリー来航でお馴染みですね。
汐入駅は、乗り換えて5つ目の駅になります。長旅お疲れさまでした。
1駅先の横須賀中央駅から歩いてもOK
快速特急が止まらない汐入駅に比べ、1駅隣りの横須賀中央駅は横須賀市の中心街に位置し、快速特急が停車します。
京急線の日中のダイヤは、ほとんど「快速特急」か「普通」電車で運用されています。品川駅や横浜駅から快速特急に乗車した場合は、金沢八景駅で乗り換えずに、横須賀中央駅まで乗車する方法もあります。
横須賀中央駅から汐入駅はそれほど離れておらず、歩いても10分程度で移動できます。
徒歩ルートも駅前の三笠ビル商店街が並行する横須賀中央大通りを進み、突き当りの左側にある有名などぶ板通り商店街を歩くことになるので、色々店を物色しながら歩けるのも楽しいです。
JR線を利用するルート
JR横須賀線または東海道本線経由で横須賀駅へ
会場のもう1つの最寄り駅はJR横須賀駅。こちらは会場の西側に位置しており、駅から徒歩約8分で会場に到着します。
東京駅・品川駅からはJR横須賀線の横浜・久里浜方面に乗車します。久里浜行きに乗車すれば直通で横須賀駅に到着します(所要時間:約70分)。
しかし、直通は手前の「逗子(ずし)行き」止まりが多く、あまり本数がありません(1時間に1〜2本程度)。基本は各駅停車(一応「快速」表示ですが東京ー久里浜間は「普通」運用)で移動することになるので、思った以上に時間がかかる印象です。
乗り継ぎの場合は、逗子駅で久里浜行きに乗車するか、途中まで東海道本線や湘南新宿ラインで移動し、平塚駅経由で横須賀線に乗り換えることになります。
JR横須賀駅からはヴェルニー公園を横断しよう
JR横須賀駅から会場までは、ちょうど観光名所のヴェルニー公園を西から東に移動する形になります。
途中、公園内に植えられた花や海岸沿いに見える海軍施設、戦艦陸奥の砲身など、左右に見どころ一杯で、楽しく散策しながら会場に向かうことができます。
海上自衛隊の艦船も間近で見られます。
横須賀芸術劇場はこんな所
よこすか芸術劇場【大劇場】
4層のバルコニー席を擁する本格オペラハウス仕様
よこすか芸術劇場(大劇場)の総客席数は1,806席。1階から2階にかけての平土間席(862席)のほか、2階から5階までの4層のバルコニー席を擁する、オペラハウス仕様の馬蹄形の会場です。
1・2階席はA-A列からZ列まで28列あり、E列までオーケストラピットに変更が可能な作りになっています。
本格的なオペラ劇場です。普段の多目的ホールとは違いやはり中に入ると少し背筋が伸びる感じがします。これまで訪れた会場の中では、「まつもと市民芸術館」の主ホールと形や雰囲気がよく似ています。
この日(2022年2月11日)、私が座ったのは5階のバルコニー席でした。
前から3列目の通路に面した席でしたが、ステージの見え方はちょうど上の写真のような感じです。前の席の人の頭や手すりが邪魔になるということもなく、快適に見ることができました。ただし最前列は柵の枠が2段になっているので、その間(?)から見る必要があるかもしれません。
バルコニー席は列ごとに壁と手すりが備え付けられています。
大きく段差ができていて、前の人の頭の位置に自分の膝が来るような感じです。
座席表
出典:横須賀芸術劇場公式サイトより
エントランス〜ホワイエ
客席は建物の4階(ガレリア)から入ります。中庭のようになっており、大劇場・小劇場へのエントランスがあります。
エントランスは上の図のように、ステージ正面に向かって左側(下手側)にある形になります。
ステージ右側(上手側)の席の人は、入口から馬蹄形の半円に沿って時計回りに移動して、最寄りの入口からホール内に入ります。
写真のようにエントランスホワイエはそれほど広くありませんが、入って正面の壁沿いや右側のカウンター前のスペースが、演者のグッズ売り場等に利用されることが多いようです。
建物の4階は大劇場の2階席のフロアに位置しています。1階席の人は入って右側にある階段を下りて、3階席から5階席の人は、階段やその手前にあるエスカレーターを使って移動しましょう。
ちなみにトイレや飲み物の自動販売機もすべて、入口を入って右側にあります。
お手洗いは各階の同じ場所にあります
上手に向かう通路の途中にあるソファ
ヨコスカ・ベイサイド・ポケット【小劇場】
ヨコスカ・ベイサイド・ポケットは最大で574名収容が可能です。自由にステージの設定が変えられる可動式の床を導入しており、室内楽や演劇、各種講演会にも使用できるようになっています。
最前列から中央通路までの7列(A列からG列)は、移動・撤去することがが可能で、段差のないフラットな席です。
中央通路の後ろから最後列の13列(H列からT列)は固定席で、段差が設けられています。
座席表
出典:横須賀芸術劇場公式サイトより
周辺施設
「メルキュールホテル横須賀」宿泊レポ
今回のライブ遠征は2月11日(金・祝)に開催された「高橋真梨子 our Days tour 2022」に訪れたのですが、終演後、同じ建物内の「メルキュールホテル横須賀」にも宿泊してきました。
私が宿泊したのはスタンダードダブルの部屋でした。このホテルはシングルルームはないので、こちらが1人で泊まる際の標準的な部屋です。
広さは16㎡。ベッド幅は140㎝で、写真のとおりミニテーブルとイスもあります。
COASKA(コースカ)ベイサイドストアーズ
会場から北の港の方に歩いてすぐの所にあり、ヴェルニー公園の入口付近に面しています。
地元の人も通うショッピングマーケットで、飲食・物販ともにこの施設で賄えます。
アメリカ海軍や海上自衛隊の艦船を間近で見られる「軍港めぐり」クルーズの受付センターがあります。
入ってすぐのところに、ドラッグストアもちゃんとあります。
建物の離れに世界の文化、リゾートをテーマにしたライフスタイルショップの「アメツチテラス」があります。
ヴェルニー公園入口付近に建つスターバックスコーヒー。テラス席からベイサイドの眺めを堪能できます。
施設概要・地図
所在地
神奈川県横須賀市本町3-27
アクセス
京急汐入駅出口から徒歩1分
京急横須賀中央駅、JR横須賀駅から
徒歩7,8分
ホール
大劇場(よこすか芸術劇場)
総客席数:1,806席
(平土間席:862、バルコニー2~5階席:944)
小劇場(ヨコスカ・ベイサイド・ポケット)
最大客席数:574席
公式サイト
https://www.yokosuka-arts.or.jp/