倉敷市民会館(岡山・倉敷)の「アクセス」「座席」「楽しみ方」を解説します

初めて倉敷市民会館へコンサートに訪れる人を対象に、会場までのアクセスや施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。

倉敷駅から美観地区を散策しながら会場へ。
木造の内壁が生み出す、老舗ホールの音響を楽しもう。
ほぼ「倉敷観光ガイド」のような内容でお届けします。
倉敷市民会館は、岡山県倉敷市の地域文化の発信拠点として、1972(昭和47)年に開館した歴史あるホールです。年間約30万人が利用しており、管理運営はアルスくらしき(公益財団法人倉敷市文化振興財団の愛称)が行っています。
古くからコンサートホールとしての地位を確立しており、同時期に建設された他のホールが軒並み閉館したり建て替えを行ったりしていることから、特にクラシックやオーケストラの演奏に適したものとしては、最古のホールの1つに数えられ、特に音響面で演者からも高く評価されている会場です。
岡山県下では、岡山シンフォニーホールが開館するまで、キャパシティの大きなコンサートのほとんどが当館で行われていました。現在、岡山市内には岡山シンフォニーホールのほか岡山芸術創造劇場 ハレノワもオープンしており、ジャンルや目的によって棲み分けがされているものと思われます。
ちなみに運営管理元のアルスくらしきは、今回の会場のほか、後で紹介する倉敷市芸文館や大山名人記念館、玉島文化センター、マービーふれあいセンターなど、倉敷市内の主だった公共文化施設の管理を手掛けています。
倉敷市民会館までのアクセス
新幹線「岡山」駅から在来線に乗り換え倉敷駅へ

ライブ遠征の拠点は、山陽新幹線の「岡山」駅。すべてののぞみが停車し、四国からの玄関口となるターミナル駅なので、アクセスの計算が立てやすいと思います。
東京駅から 約3時間15分 17,970円
名古屋駅から 約1時間40分 11,810円
新大阪駅から 約45分 6,660円
広島駅から 約36分 6,660円
博多駅から 約1時間45分 13,570円
今回は「新幹線等で岡山駅まで来た」という前提で、そこから会場までのアクセスについて紹介します。

ちなみに、首都圏や名古屋方面からは、日本旅行が「日帰りで行く倉敷」コースの旅行商品を販売しています。岡山駅までの往復の新幹線の特急券と倉敷駅までの乗車券、倉敷美観地区のまち歩きクーポン(1,000円分)がセットになっており大変お得です。私も今回の遠征で名古屋発の同商品を利用しましたが、コスパのいい商品だと思います。
https://rsv.nta.co.jp/PlanDetail/plandetail/PD010001.aspx?TourID=3460592-007-001-001&Departure=41










倉敷駅から会場までの徒歩ルート

倉敷駅から会場までの所要時間は徒歩約20分。結構な距離がありますが、道中は倉敷美観地区を散策しながら向かうので、それ自体が観光になります。真っすぐ向かうより、ゆっくり色々寄り道しながら最終目的地である会場に着くようなプランがおすすめです。






















倉敷駅から会場までのバスルート

倉敷駅前からは、路線バスも出ています。岡山市と倉敷市をメインに運行している下電バス(下津井電鉄㈱バス事業部)で、南口の6番のりばから発車します。










ちなみに倉敷駅方面のバス停は会場側にあり、運行本数も1時間に約2本と同じです。最終が土日の場合19時台なので、夜公演後の利用は難しいかもしれません。


駐車場は有料に

レンタカー等で訪れる場合、駐車場は以前は会場専用でしたが、2021(令和3)年から市営の「美観地区東駐車場」に変更され、有料になっています。
ただし収容台数に限りがあるほか、イベントにより貸切利用となることもあるので、基本は徒歩か公共交通機関で向かうようにしましょう。


倉敷市市営美観地区東駐車場|倉敷市営駐車場|倉敷まちづくり株式会社
倉敷市民会館はこんな所
音響面で優れた評価を得ているホール

メインホールの総客席数は1,974席(その他車いす席5席)で、1階席と2階席の二層構造になっています。
ステージには迫り装置やオーケストラピットなどが完備され、間口・奥行・高さも広めに設計されています。また、音響反射板を使用することで、残響時間は、満席時1.7秒となり、特にクラシックの音楽ホールとして、世界的にも優れた評価を得ています。
特徴的な座席のナンバリング
出典:倉敷市民会館公式サイトより(抜粋)
座席のナンバリングは、上の座席表のようにホールの真ん中を起点(1番)に左右の外側に向かってカウントする方式(1階席・2階席共通)が採用されています。「若い座席番号の方がホールの中央に来る」ということを事前に確認しておく方がいいと思います。
左右に番号が付番されるので、同じ列で同じ番号が生じます。そのため「〇列左(右)〇番」というように、左右の何番目か、という番号の表記になります。ちなみに中心の1番は、1列あたりの座席数が奇数の場合は1つになります。
こうした座席配置は、以前紹介した同じ中国地方の広島県福山市にある「ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ」においても採用されています。
1階席

1階席の総客席数は1,390席で、1列から29列まであります。途中、14列と15列、22列と23列の間にそれぞれ通路が確保されており、前方・中央・後方の3ブロックに分かれる形になります。


座席前方(1列~14列)の傾斜は5列まではフラットに近いスロープ、6列目から段差が付く構造で、全体に緩やかな傾斜になっており、オーケストラピット設置時は、前方の4列が撤去されます。




座席中央(15列~22列)はすべて段差1段分の傾斜が付けられています。


座席後方(23列~29列)も座席中央同様、段差1段分の傾斜が付けられていますが、中央ブロック寄り1段当たりの高低差があり、傾斜が強めになっています。


23列~25列付近の左右には、ホワイエからの出入口に通じる階段が設置されており、後方ブロックの左右両端は26列が通路前の最前になっています。


中央ブロックの23列と通路の間には、柵が設置されています。その他、車いす使用者席が、1-C扉付近の14列右サイドに5席分配置されています。



2階席

2階席の総客席数は584席で、1列から17列まであります。ただし、1列から8列まではサイドのバルコニー席のみに配置されています。


中央のスタンド部分は、最前列を9列として17列までの9列分あり、途中12列と13列の間に通路が設置されています。




サイドのバルコニー席は、ステージに正対するように斜めに配置されています。1列当たりの座席数は3席から8席です。


座席間の傾斜は段差3段分で1階席より高低差があるため、全体的に視界を確保しやすくなっています。


ホール 座席表
出典:倉敷市民会館公式サイトより
座席

座席は薄緑色の座面・背もたれと木製の基礎の組合せで、1・2階席共通のハイバック仕様になっています。若干古いタイプですが、適度なクッション性と肌触りで、座り心地は上々でした。
エントランス・ホワイエ

ホールのエントランスを入ると、コンパクトな広さのホワイエがあります。演者のグッズ販売等もこの空間で行われるため、一応、ホール脇の両扉付近に休憩スペースがあるものの、手狭に感じられると思います。


その他、カフェコーナーはありませんが、自販機コーナーが設置されていました。
くらしき桃子 倉敷市民会館店

会場内にあるカフェ「くらしき桃子 倉敷市民会館店」は、岡山県産の果実を使用したゼリーやプリン、焼き菓子などのスイーツ店で、倉敷美観地区周辺に、5店舗を展開しています。ここ倉敷市民会館店では他店舗と異なり、店内でランチの提供も行っています。




各店舗へのアクセスマップ(くらしき桃子ホームページより)
くらしき桃子 旬のフルーツを使ったフルーツパフェやスイーツのお店
館内設備

建物1階の玄関を入ると、右手にメインホールのホワイエ、正面に展示室、左手に展示室(市民ギャラリー「藤」)と喫茶・軽食(くらしき桃子)に通じるロビーがあります。ロビー中央に2階に続く階段が設置されているので、それほどスペースは広くありません。


事務室の手前の階段の両脇に自販機コーナーとベンチ、コインロッカー(100円返却式)が設置されているほか、公衆電話も設置されています。




階段を上がった2階はメインホールの2階ホワイエや会議室等があるほか、中央にイスとテーブルが設置されているので、開演までの待機スペースとして利用できます。


周辺施設
倉敷美観地区

アクセスルートで紹介した通り、レトロな街並みが魅力の観光スポットである「倉敷美観地区」では、道中に散策や食べ歩きをしながら、コンサートに向かうことができます。
江戸時代に幕府の直轄地として代官所が設けられ、各地からの物資の集積地として発展した歴史があり、白壁・なまこ壁の屋敷や蔵が立ち並ぶ町並みが形成されました。1969(昭和44)年に市の条例に基づき美観地区として定められ、1979(昭和54)年に国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。
美観地区の中央を倉敷川が流れており、川舟流しが体験できるほか、大原美術館の前にある今橋周辺では、白鳥の姿も楽しめます。


また、倉敷川両岸には数多くの土産物店や食べ歩きのできる飲食スポットも多く、今回利用した日本旅行提供のまち歩きクーポンの対象店舗で、グルメ等を楽しむことができます。




大原美術館

美観地区の中心に位置するのが、ご存じ「大原美術館」です。第二次大戦前の1930(昭和5)年に地元倉敷の実業家・大原孫三郎(おおはら まごさぶろう)氏により創設され開館した日本最古の私立美術館で、西洋や日本の近現代美術を展示しています。


本館は古代ギリシャ・ローマ神殿風の外観で、関東大震災以後に広まった当時の最高の技術である鉄骨鉄筋コンクリート造が採用されています。

大原氏と、大原氏がパトロンとして援助していた洋画家の児島虎次郎(こじま とらじろう)氏が渡欧して収集した西洋絵画・美術品のコレクションにより、エル・グレコの「受胎告知」をはじめ、モネの「睡蓮」、ゴーギャンの「かぐわしき大地」など、錚々たる顔ぶれの作家の美術品を国内で鑑賞する恩恵に浴することができます。
本館のほか、「工芸・東洋館」や「児島虎次郎記念館」の3館を鑑賞することができます。その他に「分館」もありますが、現在は長期休館中で、大原家の旧別邸である「有隣荘」は、特別公開時にのみ鑑賞が可能です。
工芸・東洋館では、江戸時代の米蔵を改築した館内で、民藝活動にゆかりのある作家の作品から中国の仏像などが展示されています。


入口横の中庭の一角には、2000(平成12)年の創立70周年に、フランスの画家であるクロード・モネの自宅庭園から株分けされ移植された「モネの睡蓮の池」があり、入場料なしで鑑賞することができます。
児島虎次郎記念館では、大原氏がパトロンとして援助していた洋画家の児島虎次郎氏の絵画作品と、同氏が収集した古代エジプトや西アジアの美術品が展示されています。


大原美術館本館から北東に約80mほどの場所にあり、1922(大正11)年に建てられた旧第一合同銀行倉敷支店をリニューアルし、2025(令和7)年にグランドオープンしました。
珈琲 エル・グレコ

アクセスルートでも紹介しましたが、大原美術館横には、蔦で覆われた外観が特色のカフェ「珈琲 エル・グレコ」があります。店名はやはり、隣りの大原美術館の代名詞である「受胎告知」の作者エル・グレコからでしょうか。


観光や散策の際の休憩場所として、コーヒーをはじめとしたソフトドリンクのほか、レアチーズケーキやカステラ、トースト等を楽しむことができます。
倉敷アイビースクエア

「倉敷アイビースクエア」は、1973(昭和48)年に全面開業した、「近代化産業遺産」に認定された宿泊施設です。美観地区を抜け会場周辺に差し掛かると、赤レンガに蔦の絡まる外観が特色の、壁に囲まれた建物が見えてきます。
1888(明治22)年に代官所の跡地に建てられた旧倉敷紡績工場の建物を改修・再利用しており、当時の様子と現在の姿の対比を、倉敷駅前の案内版で確認することができます。



ホテルとしての宿泊機能だけでなく、レストランやウェディング利用、陶芸等の体験施設や倉敷の工芸品や民芸品、銘菓等のお土産店も営業している複合観光施設で、建物や敷地内の散策も楽しめるほか、会場や美観地区への近道としても利用できます。


阿智神社

阿智神社(あちじんじゃ)は、美観地区に隣接する鶴形山と呼ばれる小高い山の上に鎮座し宗像三女神(むなかたさんじょしん)を祀る倉敷の鎮守です。


境内の絵馬殿からは美観地区を一望できるほか、境内北側には「阿知の藤」という藤棚があります。藤は「あけぼの藤」という珍しい品種で、岡山県指定天然記念物や倉敷市花に制定されています。


いがらしゆみこ美術館

「いがらしゆみこ美術館」は、少女漫画「キャンディキャンディ」の作家で知られるいがらしゆみこ氏のオフィシャル美術館で、2000(平成14)年に開館しました。
店内は作品ゆかりの展示ギャラリーのほか、ドレスや着物等の試着が楽しめる着物レンタル「姫乙女」やカフェ「プリンセス」が併設されています。
作者自身は倉敷に特にゆかりのある人物ではないのですが、本人が街並みや雰囲気が気に入り、全国18ヵ所の候補地から当地が選ばれたとのことです。
この日は今井美樹さんのコンサートでしたが、会場から近いこともあり、店内外に聞こえるように、今井さんのアルバムがBGMで流れていました。
倉敷市芸文館

アクセスルートの所で少し紹介した「倉敷市芸文館」は、美観地区の終端の先にある演劇・音楽ホールで、冒頭に紹介したように、今回の会場同様、「アルスくらしき」が運営している施設です。


ホールは単層バルコニー形式で、総客席数は885席あり、演劇、クラシック音楽や、軽音楽のコンサート等に利用されています。
今回の会場である市民会館ががメインホールのみで、いわゆる「中ホール」や「小ホール」を持たないことから、利用目的により使い分けしている関係の施設と言えるでしょうか。
出典:倉敷市芸文館公式サイトより
天満屋 倉敷店

倉敷駅前には、「天満屋 倉敷店」があります。中国地方でローカル百貨店を営む天満屋グループの店舗で、本店は岡山市にあります。
天満屋グループが1934(昭和9)年に倉敷に出張所を開設したのが始まりで、1964(昭和39)年に倉敷資本のつるや百貨店と菊屋百貨店を統合し、倉敷センター商店街に開業後、2008(平成20)年から倉敷駅前の旧三越跡地に移転し、現在に至ります。


百貨店は大手や私鉄系でさえも経営難から閉店が続いていますが、天満屋はローカル百貨店としてトップの成績を上げている、頼もしい存在です。
アリオ倉敷

倉敷駅北口には、2011(平成23)年に開業したセブン&アイ系列のショッピングモールの「アリオ倉敷」があります。
倉敷駅北口一帯は、元々は旧倉敷紡績(クラボウ)万寿工場の跡地12ヘクタールを使用し、デンマークのコペンハーゲンにあるチボリ公園を参考にした「倉敷チボリ公園」(1997年~2008年)という都市型テーマパークがありました。利用者数減少により閉園後はクラボウに返還されましたが、北口駅前の「アンデルセン広場」には、当時のテーマパーク時代に調和するよう北欧風に整備された時計塔が残っています。
その後の再開発により、跡地には駅に近い敷地から順に「アリオ倉敷」「倉敷みらい公園」「三井アウトレットパーク倉敷」が整備され、現在に至っています。
施設概要・地図
所在地
岡山県倉敷市本町17−1
アクセス
JR倉敷駅下車 徒歩20分
下電バス天城線「市民会館前」停留所下車
徒歩約1分
ホール
総客席数:1,974席(他に車いす使用者席5席)
(1階:1,390席、2階:584席)
公式サイト
https://arsk.jp/shimin/




