初めて「中野サンプラザ」のライブに訪れる人を対象に、 会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
サブカルの地・中野の代名詞とも言える「聖地」。
ライブ遠征会場としての1つの理想形です。
再開発で無くなる前に、ホテルにも宿泊してきました。
私の2021年~22年にかけての年末年始は、東京のライブ遠征三昧。その中でもメインは、ここ中野サンプラザ。
私が中小規模のホールへのライブ遠征のブログを作ろうと思った際に、真っ先にイメージした会場です。
東京におけるアリーナの代表が日本武道館なら、ホールの代表はこの中野サンプラザでしょう。総客席数はゾロ目の2,222席。キャパ的にもホールコンサートにちょうどよい大きさです。
元々は厚生労働省系の独立行政法人が前身の会場だけあって、真上にホテルが併設されています。念願であったホテルでの宿泊も今回果たせたので、一緒にレポートします。
以下に述べる通り、クラシック系のコンサートを除いては、「アクセス」、「ライブ環境」、「周辺施設」など、どの点から見ても快適で、まさにライブ会場の1つの理想形であると言えます。
中野サンプラザへのアクセス
JR中央・総武線、地下鉄東西線で中野駅へ
出典:中野サンプラザ公式サイトより
ご存じの通り、会場最寄り駅はJR中央・総武線、地下鉄(東京メトロ)東西線の中野駅。
JRは普通・快速・特別快速等すべての種別で停車するほか、地下鉄中野駅は終点で、しかもJRと同じ高架のホームに隣り合って停車するので、非常に便利です。
東京駅または大手町駅からの所要時間はどちらも20分前後。新宿駅からは約5分です。乗り換え無しに直通で向かえるのもわかりやすいです。
JR中央線(東京駅)からのルート
新幹線で東京駅に着いたら、「1・2番線の中央線」を目指しましょう。新幹線は八重洲口方面、中央線は丸の内方面と反対側になるので、乗り換えで少し歩く必要がある点に注意してください。
オレンジ色の番線表示に従って進みましょう
中央線は他の路線に比べ高い位置にあるので、長めのエスカレーターで上ります。
地下鉄東西線(大手町駅)からのルート
地下鉄東西線の大手町駅は、JR東京駅の北側にあります。なので、八重洲口にしろ丸の内口にしろ、北口の改札から出た方が距離は近くなります。
最も近い出口は、北端の「日本橋口」です。東海道・山陽新幹線で東京駅に着いたら、先頭車両(16号車)付近まで移動して出口を探すと見つけやすいと思います。
あとは駅の案内表示に従い、東西線の大手町駅まで進みましょう。
中野駅北口から徒歩すぐの好立地
中野駅に着いたら、すでにホームの北側に会場が見えています。北口改札を出て、斜め左に進んでいけば、会場前の広場に着きます。
中野サンプラザはこんな所
元は勤労者向け福祉施設
中野サンプラザの前身は、1973年に開業した「全国勤労青少年会館」。
仙台サンプラザの記事にも書きましたが、全国の「サンプラザ」と名の付く会場は、「雇用促進事業団」という今の厚労省系の独立行政法人が運営する勤労者向け福祉施設でした。
その後、民間への譲渡がなされ、2004年からはホテルのほか、結婚式場やカルチャーセンター・スポーツ施設などが入居する文化複合施設として運営されています。
サンプラザホール
サンプラザホールの収容人数は、冒頭記載したようにゾロ目の2,222席。1階席が1,586席と移動席が84席、2階席が422席あります。
サイドのバルコニー席はありません。
1階席は最後列が32列で、12列後方に中央通路があります。通路席より前方のサブセンター席は、ステージ正面に向くようにカーブしているのが特徴です。
13列目以降の1階席は1列あたり50席ずつで、センター・サブセンター席ともにまっすぐ並んでいます。前方席より段差があり、見やすい構造になっています。
2階席は1列あたり48席(階段部分を除く)で、最後列は12列。真ん中の6列目と7列目の間に通路があります。2階席最前列は、1階席19列から20列付近にあたります。
その他、ステージから最後列にかけて4カ所通路が設けられており、各ブロック7席~12列ごとに分かれています。真ん中の席でも比較的座りやすく感じます。
サンプラザホール座席表
出典:中野サンプラザ公式サイトより
「0(ゼロ)列」の存在
さて、1階席に「移動席が84席ある」と紹介しました。実はこの会場、最前列が1列ではないんです。
上の座席表を見ると、前方の赤色の点線部分が移動席で、公演により撤去されることもあるのですが、使用する場合は「0(ゼロ)列」の表記で販売されます。
そのため、「やった1列がキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と喜んでいても、センター付近の席の場合、最前ではなく最大で実質5列目になる可能性があり、注意が必要です。
エントランス
サンプラザの正面玄関を入ると、エントランスロビーと2階のホール入口に通じる大階段があります。
季節ごとの展示物を飾るアトリウム
ロビー奥にある総合案内所
コインロッカー
コインロッカー(有料)は正面玄関を入って左手、アトリウムの裏側にあります。大・中・小の3種類のサイズがあり、利用時間は8:30~22:00です。
コインロッカー
①サイズ小 料金:400円 個数:39個
②サイズ中 料金:500円 個数:19個
③サイズ大 料金:700円 個数: 8個
当日券売り場
当日券売り場は正面玄関を入ってすぐ裏側にあります。
数に限りがあることが多く、販売がある場合は抽選になることが多くなります。事前に集合時刻や抽選方法などの案内が記載されているので、見逃さないようにしましょう。
広々とした2階・3階ロビー
ホールの1階席・2階席の入口前のロビーには、広々としたスペースが確保されています。
公式サイトでも、「ホールの催し物と連動した展示場、商品販売、商談等」に利用できると謳っております。
興行する事務所としても、コンサートやライブの売上だけでなく、グッズ・CD販売やメディア対応、ファンクラブの受付等でより収益性を向上させたいと考えているので、こうしたスペースを用意してもらえる会場はありがたいと思います。
2階(1階席)ロビー
大階段を上がった2階が、1階席のロビーになります。ロビー両サイドに売店があり、ドリンクやお菓子、アイスクリームなどが購入できます。
ロビー左側にある売店です。カフェバーというよりまさに売店という感じです。
お菓子のラインナップ
夏場にありがたいアイス(モナカ)も販売
ホール内での飲食はできないので、ロビーに設置のイートインコーナーやベンチを利用します。
ロビー反対側にも同じような売店がありますが、この日は休業していました。
3階(2階席)ロビー
1階席よりも利用者が少ないことから売店はなく(代わりに自動販売機あり)、マスコミの取材ブースや記者会見などに使用できるスペースになっています。
メディア対応用に準備された背景パネル。後日、実際にこのパネルの前で行われたインタビュー映像などが放映されていました。
ロビー反対側の多目的スペース
ホール手前のロビーだけでなく、両サイドの通路を進んだ反対側(正面玄関真上)にも多目的スペースが確保されています。
ここでは、ライブ会場でのもう1つの収入源である「グッズ販売」用のスペースとして使用されることが一般的です。コロナ前は握手会等にも使用されたりしていました。
グッズ販売列の動線は、公演入場列と分けて設定されることが多いです。
大階段を上がった後、両サイドの通路を通って反対側に回り込みます。
ハロプロのホーム会場
年末年始やGWのヘビーユーザー
昨年末から今年初め(2021年~2022年)にかけてのハロープロジェクトのライブスケジュールをご覧ください。
出典:HELLO!PROJECT オフィシャルファンクラブWEBサイトより
年末のカウントダウン(イヤーエンド)コンサート、年明け2日からのハロープロジェクトコンサート(通称:ハロコン)、さらに2月にも同じ内容で日程が組まれています。
中には1日3公演の日もあります。これは今年に限った話ではなく、毎年の恒例行事になっています。「ファンもメンバーも中野で年越しする」といっても過言ではない状態です。
この他にも、コロナ前はモーニング娘。やアンジュルム、Juice=Juiceなどの各ユニットのコンサートツアーの東京会場として、ほぼ必ず開催地に入っていました。
特にゴールデンウィーク期間中は連日、何らかのユニットのコンサートや、デビュー前のハロプロ研修生の公開実力テストの会場として使われており、「大型連休にハロプロあり」といった感じです。
AKBグループのように、常設のライブ会場を持たないハロプロですが、実質この中野サンプラザをホーム会場として使用している状態です。
さきほど、勤労者向け福祉施設から2004年に民間に譲渡されたと書きましたが、この時期に中野サンプラザをハロプロが買収するのではないかという噂もあったほどです。
メンバーの加入・卒業の舞台
これだけの使用頻度ですから、メンバーの加入・卒業やデビューの瞬間を目の当たりにする機会も多くなります。
2011年1月2日(この年のハロコン初日)は、現在のモーニング娘。’22のリーダー・サブリーダーを務める譜久村聖さん・生田衣梨奈さん(9期メンバー)がデビューした日です。今年(2022年)でデビュー11周年を迎えました。
また、年に1度、デビュー前のハロプロ研修生が日ごろの練習の成果を競う「公開実力テスト」では、MVPをはじめ各賞を受賞したメンバーが、その後のデビューへの切符を掴む舞台としても、コロナ前は使用されていました(2022年にも3年ぶりにサンプラザで開催)。
サンプラザホテル宿泊レポ
個人的に仙台サンプラザに遅れること半年、今回(2022年1月)ようやく中野のサンプラザホテルに宿泊することができました。
シングルルームの広さは18㎡。ソファとミニテーブルも備え付けられており、十分な広さです。
窓側からの画像。ベッドは120×195㎝のセミダブルサイズです。
デスク回り。TV、冷蔵庫、湯沸し器、写真にはありませんが加湿器も完備されています。
ユニットバス。アメニティも豊富で、綿棒やうがい薬、入浴剤も揃っています。
枕元コンセントはありませんが、ユニットバス近くのコンセントから枕元まで届かせることができました。
客室はサンプラザ入口(駅)側と反対側に分かれています。駅側の方が眺めはよいと思います。
17階から下の広場を眺めるとこんな感じです。
その他会場内のテナント・施設
中野サンプラザ内の他の施設についても紹介しておきます。会場から移動しやすい1階と地階に設置されているテナントです。
カフェ「Superiore(スペリオーレ)」
正面玄関向かって右側には、イタリアントマト系のカフェ「スペリオーレ」があります。
会場入口に近いので、開演直前までティータイムやパスタ・軽食を食べながら過ごすことができます。
インターネットカフェ「Cybac(サイバック)」
1階から地下に降りる階段を下ってすぐのところにあるのが、インターネットカフェ「Cybac(サイバック)中野サンプラザ店」です。フロア的には「MBF(中地下1階)」になります。カラオケボックスも併設しています。
パソコン席を利用する場合は、会員登録が必要になります。基本料金は30分300円(平日は税込、休日は税抜)で、10分経過ごとに110円が加算されます。各種パック料金も設定されています。
中野サンプラザボウル
インターネットカフェのすぐ奥にあるのが「中野サンプラザボウル」です。
1ゲーム600円(一般通常料金)で、貸靴代が400円、営業時間は平日・土休日ともに9:00~22:00です。
駐車場(タイムズ)
会場の地下1階から3階にかけて、「タイムズ中野サンプラザ駐車場」があります。駐車場へは、建物東側を走っている「中野通り」から入ります。
24時間入出庫可能ですが、収容台数は97台しかありません。また、会場施設の利用による割引もあるのですが、残念ながらホールの利用に対する割引はありません。
駐車場はホテルや婚礼・宴会等で利用する方向けと割り切り、ライブに行く人は公共交通機関での移動を心がけましょう。
平日利用は最大料金が設定されています。
ホール利用者に割引はありません。
会場周辺施設
中野駅周辺は繁華街が連なっており、サンプラザのある北口だけでなく南口周辺も、飲食店が軒を連ねています。
中野サンモール~中野ブロードウェイ
駅北口から早稲田通りにかけてのエリアには、東京の代表的なアーケード商店街の「中野サンモール」と、”サブカルの聖地”ともいえる「中野ブロードウェイ」が連なっています。
中野サンモール
駅北口に直結して約230mに100店以上の店が立ち並ぶアーケード街が続きます。
とにかくバラエティに富んだ店構えで、ライブ遠征に必要なものは何でも揃います。ドラッグストアだけでも3,4店舗あります。
マツモトキヨシは商店街に2店舗
サンドラッグ中野北口店
コンビニももちろんあります
昼も夜も財布にやさしい日高屋
待ち合わせの定番のマクドナルド
日本に3店舗しかないロッテリアの「コアラのマーチ焼」発祥の店が中野にあります
インドカレーのチェーン「ターリー屋」
この日はチキンケバブキーマ定食を頼みました(お腹いっぱいになります)
カレー屋やラーメン店も多いほか、商店街入口にある「おやき処 れふ亭」やベーカリー「ボンジュール・ボン」をはじめ、食べ歩きのできるお店もたくさんあります。
途中でサンモールと交差する「三番街」や、中野ブロードウェイとの境界を走る「白線通り」には穴場の飲食店も多く、とても1日や2日では回りきれません。
中野ブロードウェイ
中野ブロードウェイの歴史は古く、開業は1966年の高度経済成長期にさかのぼります。今のようなサブカル主体になったのはバブル後のようです。
入ってすぐのところにある「カフェ ミヤマ」。
ルノアール系列の店で、モーニングやケーキセットがいただけます。
中野サンクォーレ付近
中野サンプラザからもう1区画北に行ったところにある「中野サンクォーレタワー」。上の方はマンションになっていますが、地下から2階までは店舗が入っています。
1階と2階に書店「ブックファースト」が入っています。
店内は結構広くて、品揃えも豊富です。
2階のブックファーストに隣接して「カフェ ノータノーヴァ 中野店」もあります。
サンクォーレ手前にある「カフェ ヴェローチェ」。コンセント付の席多めです。
中野駅周辺 市街地再開発事業
これまで見てきたように、ライブや宿泊、周辺での飲食・物販の環境など、あらゆる面で便利な会場ですが、ご存じの方も多いと思いますが、少し前からこの北口地区について、市街地再開発事業が進められています。
現在の中野区役所、中野サンプラザを中心とした中野四丁目新北口地区(区役所・サンプラザ地区)は、中野の中心にふさわしいグローバルな活動拠点の形成を目指しています。
出典:中野区・公式ホームページ(PDF)より
再開発を巡っては、これまでもどのような形にするかで紆余曲折があったようですが、2021年11月5日に、野村不動産㈱を中心とする大手ディベロッパーグループと中野区との間で、北口駅前エリアの整備にかかる基本協定書が締結されました。
その後2022年12月に公表された最新資料では、現在の中野サンプラザ跡地に最大7,000人収容の大ホールとなることが明記れています。
出典:中野区・公式ホームページ(PDF)より
イメージ画像から判断すると、2020年に完成した「東京ガーデンシアター」に近い構造と規模になりそうな感じでしょうか。
今後も地元との調整で変更される可能性もありますが、開業時期は2028(令和10)年度中の見通しとのことです。
出典:中野区・公式ホームページ(PDF)より
とにかく今の中野サンプラザ周辺の環境が最高なので、機会のある限り、この雰囲気をこれからも楽しんでいきたいと思います。
【追記】閉館日決定:2023年7月2日(日)
さて、先日ついに中野サンプラザの閉館日が決まったというニュースが報道されました。
ソース元の中野区議会の公式サイトの資料はこちらです。
来年(2023年)6月30日をもってホール以外の施設の営業を終了し、7月2日(日)のホールの最終営業をもって閉館することに決まりました。
閉館に向けては、運営元の㈱まちづくり中野21と中野サンプラザで閉館記念コンサートやバックステージツアー、回顧展などの実施を検討しているとのことです。
区議会での正式承認ということで、いよいよタイムリミットが定まったことになりますね。
閉館にあたって、興味深いつんく♂さんのインタビューがありました。
そもそもハロー!プロジェクトは「週末土日の昼夜公演(計4回)が打てなくなったら、それは終わるときだ」というような目標をプロジェクトサイドも掲げていたので、中野サンプラザでの動員やチケットの売れるスピードをある程度のバロメーターにしてるんじゃないかな。
私も残りの時間を大切にしながら、閉館までにまた訪れたいと思います。
以上、今回はかなりボリュームが大きくなってしまいましたが、参考にしていただけると幸いです。
施設概要・地図
所在地
東京都中野区中野4-1-1
アクセス
鉄 道:JR中央・総武線、地下鉄東西線
中野駅下車 徒歩3分
飛行機:羽田空港からエアポートリムジン乗車
約50分
ホール
総客席数:2,222席
(1階:1,586+移動席84、2階:552)
公式サイト
https://www.sunplaza.jp/hall/