
初めて「上野学園ホール」のライブに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
音響に定評のある元郵便貯金(メルパルク)ホール。
1回行けばアクセスも難しくありません。
上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)は、1972(昭和47)年に開館した広島郵便貯金会館がその前身になります。
メルパルクホール大阪など、郵政省による郵便貯金の普及・広報活動が目的で建設された会場の1つで、当時は会議場やホテルなども併設されていました。
その後現在のメルパルク広島が建設された後は、ホール機能に特化し、老朽化に伴い郵政公社が県に譲渡した2007(平成19)年からは、広島県立文化芸術ホールとして運営されるようになりました。
総客席数は1,861席(1階1,230席、2階500席、立見席・車いす席127席、親子席4席)で、広島文化学園HBCホール(広島厚生年金会館)と並ぶ、県内最大級の多目的ホールとして活用されています。
ネーミングライツの変遷
県営となった2007(平成19)年からは、施設の維持管理費用を賄うための財源確保の一環として、 スポンサーからブランド料を課する「ネーミングライツ(命名権)」制度を導入しています。
開始から5年間(2012年6月まで)は広島総合警備保障㈱がネーミングライツを取得し、ブランドネームの「ALSOK(アルソック)ホール」として親しまれていました。
その後の2012年7月からは学校法人上野学園が取得し、現在の「上野学園ホール」の名前で運営されています。
上野学園ホールへのアクセス
会場までのアクセス(出典:上野学園ホール公式サイトより)
新幹線広島駅からJR新白島駅までの鉄道ルート

会場の最寄り駅はアストラムラインの白島(はくしま)駅。JR線の場合は広島駅から西へ1駅行った所にある新白島(しんはくしま)駅です。
ライブ遠征で広島に来る人のほとんどは、新幹線の広島駅で下車すると思うので、JR広島駅から会場までのアクセスルートで解説します。

新幹線のホームから1階コンコースに下りたところです。先にホテルにチェックインする人はいったん出口へ、会場に直接向かう人は「JR線のりかえ口」に向かいます。

コンコースに設置された構内図です。

出口の反対側にあるドトールコーヒーです。スペース内にマツダ車が展示されています。

JRのりかえ口の改札です。乗車券が「広島市内」と記載されている場合、新白島駅までそのまま利用できます。

新白島駅へは、赤色の山陽線「宮島口・岩国」方面か、青色の可部線「緑井・可部方面」の電車に乗ります。
新白島駅は広島駅の1駅隣りで、所要時間は約3分で着きます。

赤色の山陽線ホームの駅名表示

青色の可部線ホームの駅名表示

広島駅を通るJR線は、案内表示や電車の行き先表示等がすべて色分けされているのでわかりやすいです。
山陽線(山陽本線)と可部線のダイヤはだいたい1時間に3〜4本程度。
10分ほど待てば、必ずどちらかに乗れる計算になります。

ちなみに観光名所の厳島神社がある宮島は、山陽線の「宮島口」駅で下車し、フェリーに乗り換えます。

難なく隣りの新白島駅に着きました。
新白島駅から会場までの徒歩ルート

会場は新白島駅下車後、北に7分ほど歩いたところにあります(上の地図の左側が北方向になります)。

新白島駅の出口は上下ホームで異なります。
1番線の宮島・岩国方面のホームから改札を出ると、新交通アストラムラインの「新白島駅」に向かうデッキと下に降りる階段があります。

ちなみに改札を出てすぐのところにセブンイレブンがあります。
下りたところは駅の南側になるので、地下道を通って北側に移動しましょう。

北側へ抜ける地下道の入口

2番ホーム(広島駅方面)に向かう場合も反対側に移動します。

駅の北側に移動しました。ここから先は、左手にアストラムラインの高架を見ながら、道なりに進んでいきます。

レンタカーの店の前を通過します。

交差点に出ると、奥にアストラムラインの白島(はくしま)駅が見えます。

道を渡った先に、会場最寄りのコンビニ(ローソン)があります。

会場は道を挟んで左側にあるので、白島駅への階段を上って、左側に移動します。

階段を上ると左側に白島駅の改札があるので、そちらに進みます。

改札の前を通り、突き当たりまで向かいましょう。

突き当たりを右に曲がります。小さくですが案内表示もあります。

右を向くと、すでに会場が見えています。

あとはそのままデッキを進みましょう。

デッキの終わりに階段があるので、そこを下りれば会場前の広場に到着です。
アストラムラインを使う場合

遠征で紙屋町や県庁前、本通付近などのホテルに宿泊する場合は、新交通のアストラムラインを使うのが便利です。


会場の目と鼻の先にある「白島」駅までは片道220円~260円、所要時間5~6分程度で着きます。
ただし、広島駅から新白島駅まで移動した場合は、そこから1駅しかなく、同じ金額(220円)がかかることから、あまり利用するメリットはありません。よほど天気が悪い時でない限りは、歩いたほうがいいでしょう。
上野学園ホールはこんな所
開館当時から音響の良さに定評
この会場の特色の1つに、音響の良さがあります。公式サイトによると、ホールの残響はコンサート形式で約1.54秒。
これは実際に私もライブに参加してみて実感しました。当日は2階席の中段サブセンターのブロックで鑑賞したのですが、CD音源でないと聴こえにくいようなオケのアレンジも、クリアに聴こえました。
山下達郎や劇団四季の広島公演は、大抵この会場です。多くのアーティストにとって満足度の高い会場のようです。
全般になだらかな1階席

ホールの1階席は客席数1,230席、最後列が28列で、18列と19列の間に中央通路があります。18列後方の通路の左右両端には、車いす席が確保されています。


上の写真や公式サイトの舞台断面図からもわかるように、傾斜がなだらかでフラットな印象を受けます。通路前方は、1列から7列まではほぼフラットで、8列目以降にスロープによる緩やかな傾斜が付けられています。


最前列とステージの距離は、他の会場と比べてやや間隔が取られている印象です。


通路後方は段差が付けられており、前方よりも傾斜が幾分強めになっています。通路後方最前列の19列も、前の通路を隔てて柵と段差が付けられ、見やすくなっています。



傾斜が強めの2階席

2階席の総客席数は500席で、1列から10列まであります。途中、4列と5列の間に中央通路が設置されています。




2階席は1階席と比べ、座席間の段差が2段分付けられており、傾斜が強めになっていることがわかるかと思います。

断面図を見ると、1階席の約半分の幅で倍以上の高低差があるように見えます。
舞台断面図(出典:上野学園ホール公式サイトより)
これだけあれば前の人の頭で視界が遮られることもありません。ステージはやや上方から見下ろす感じになりますが、俯瞰で演者のダンスパフォーマンス等も楽しめます。
座席表
出店:上野学園ホール公式サイトより
座席


座席はパステルグリーンの座面・背もたれと木製のひじ掛け・基礎の組合せです。適度なクッション性と硬さもあり、座り心地は上々でした。
写真の背もたれのデザインを見ていただくとわかりますが、2階席は1階席よりも背もたれが高めのハイバック仕様になっています。
エントランス・ホワイエ

会場入口前のホワイエです。真ん中に柱が何本か建っている奥に、1階席への入口が4箇所あります。両脇に2階へ上がる階段が設置されており、お手洗いは1フロア下がった所に配置されています。


カフェバーはありませんが、左右2か所に自販機コーナーとコインロッカー(有料:200円)が設置されているほか、左側に幼児のおむつ替えコーナーも設置されています。全体的にシンプルで動線のわかりやすい構造です。
2階の多目的スペース

2階席フロアはホール前の廊下と、ホール入口側に回り込んだところにも、もう1箇所多目的スペースが設置されています。

建物の構造的には、中野サンプラザとよく似ている感じです。

コーヒーキッチン ヘロン

会場内の飲食スペース「コーヒーキッチン ヘロン」です。会場の地下1階にあり、ホールの入口の左側に、地下に降りる階段があります。以前は「軽食・喫茶 みくら」というお店でしたが、コロナ禍を経て別の店になったようです。

店内はいたってシンプルで、社員食堂のような感じです。

食事のメニューはランチや単品が手ごろな価格で注文できます。

こちらはドリンクメニュー。ソフトドリンクが400円台、アルコールメニューもあります。

この日はチキンカツランチ(¥880)にセットのドリンク(¥330)を付けていただきました。
周辺施設
宮島・厳島(いつくしま)神社

会場周辺は特に観光スポットはありませんが、広島駅から最寄りの新白島駅を越えて山陽線で25分ほど行ったところに、広島観光のメインスポットの1つ、「宮島・厳島神社」があります。

開演時間まで2〜3時間位あれば、宮島口駅で下車し、フェリーで島に上陸して一通り観光することができます。




施設概要・地図
所在地
広島市中区白島北町19番1号
アクセス
JR新白島駅下車 徒歩7分
アストラムライン白島駅下車 徒歩2分
ホール
客席総数:1,861席
(1階1,230、2階500)
※車いす含む立見席127名、親子室(大人4名)
公式サイト
https://www.rcchall.jp/hall/




