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まつもと市民芸術館(長野・松本)の「アクセス」「座席」「楽しみ方」を解説します【主ホール・小ホール】

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この記事の内容

初めて「まつもと市民芸術館」のライブに訪れる人を対象に、会場までの行き方施設の概要現地での楽しみ方について紹介します。

管理人

オペラ座を思わせる4層のバルコニー席を擁する素晴らしいホール。施設全体のデザインも特徴的で、随所にこだわりが見られます。

まつもと市民芸術館は長野県松本市にあり、2004年春、以前の公民館や市民会館のあった跡地に建築されました。

設計は建築家の伊東豊雄氏、館長(兼舞台監督)に俳優・演出家の串田和美氏。かつてのサイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ松本フェスティバル)のメイン会場としても有名です。

ライブ・コンサートのメインホールは大ホールではなく「主ホール(しゅほーる)」という名称で、最大客席数1,800席の堂々たるキャパを誇ります。

前身の市民会館とその前の広場を含めた約9,000㎡の敷地は、南北に細長い形をしており、上空から見るとギターやヴァイオリンのような形をしています。

まつもと市民芸術館へのアクセス

JR松本駅までのルート

まつもとー♪、まつもとー♪」という、のどかな旅情たっぷりの到着アナウンスでおなじみのJR松本駅が、会場最寄り駅になります。

まずは、首都圏方面と関西・名古屋方面からの松本駅までの主要アクセスについて紹介します。

「特急あずさ号」(首都圏から直通)

特急あずさ号 車両

松本駅は、狩人のヒット曲で有名な「特急あずさ号」の終着駅。首都圏からは主に新宿駅などから、乗り換え無しで行くことができます。

新宿駅から中央線で八王子へ、そこから中央本線で大月、甲府を経由し、塩尻から篠ノ井線で松本駅まで向かうルートで、所要時間は約2時間40〜50分。乗車券・特急券込みで約6,500〜7,000円程度です。

行先表示は多色のLED表示です。

明るく開放的な車内が、外からでもわかります。

在来線の特急というと、国鉄時代を思わせる昔ながらの車両を想像していたのですが、特急あずさ号は青白のツートンカラーが鮮やかな、最新鋭の高性能車両でした。

シートには座席状態ランプが付いていて、「赤:空席」「黄:座席販売済」「緑:在席」の三色に表示されます。

ランプは荷物棚の下部に設置されています。

「特急しなの号」(名古屋・長野から直通)

特急しなの号 車両

関西や名古屋方面からは、名古屋駅と長野駅を結ぶ「特急しなの号」を利用するのが一般的です。名古屋駅から松本駅までは所要時間約2時間5分で、運賃・料金は約5,700円です。

金沢など北陸方面からは、北陸新幹線で長野まで行き、特急しなのを含む在来線(篠ノ井線)に乗り換えます。金沢駅ー長野駅の所要時間は約1時間、長野駅から松本駅は特急しなので約50分在来線で約1時間20分で、運賃・料金は約10,300円(金沢ー松本)です。

特急しなの号の行き先表示板
特急しなの号の社内
終点松本駅に近づくと、車窓から南アルプスの山々が見えます

首都圏でも北関東の場合は、特急あずさ利用より費用はかかりますが、北陸新幹線で大宮駅から長野駅まで行って乗り換えた方が、早く到着します。

大宮駅〜松本駅まで北陸新幹線・特急しなの号利用の場合

所要時間:約2時間5分 運賃・料金:約8,000円前後

JR松本駅から会場までのルート

徒歩ルート

「松本駅前」交差点を起点として、あがたの森通り(写真中央)を東に直進します。

JR松本駅から会場までのルートは分かりやすくて、東口を出て「あがたの森通り」を直進したところにあり、所要時間は徒歩約10分です。

いくつか通過する交差点とともに、会場までの道のりを紹介します。

交差点を渡り、しばらく歩きます。写真奥に、「国府町西」交差点が見えます。

その次にある「国府町」交差点です。

その次の「深志二丁目」交差点です。松本城へは、この交差点を北(写真左方向)に進みます。

しばらく歩いたところにある「飯田町」交差点です。

その次の「深志三丁目」交差点です。

その次の「宮村町」交差点です。深志神社へは、この交差点を南(写真右側)に進みます。

更に進むと、会場最寄りの「市民会館西」交差点に着きます。会場が写真右奥に見えます。

あがたの森通り沿いは、会場の北端部分の入口に面しています。

バスルート

松本駅東口バスのりば(出典:アルピコ交通㈱公式サイトより)

バスルートも徒歩ルートと同じで、道を歩くかバスに乗るかの違いしかありません。始発の「松本駅お城口」から上の地図の「あがたの森公園」方面のバスに乗車し、3つ目の「市民芸術館で下車すればOKです。

※「あがたの森公園」方面のバスのりばは②番のりばになります。「北市内線」「横田信大循環線」等の系統に乗車します。

なお、同じ②番のりばから「タウンスニーカー」という周遊バスも出ていて、東コースの「市民芸術館」、南コースの「市民芸術館西」のバス停で下車すれば、会場付近に着きます。

松本周遊バス「タウンスニーカー」ルートマップ

※ただし、東コースの「市民芸術館」は北へ出てぐるっと遠回りするルートを通るので、駅からのアクセス手段としてはあまり向いていないと思われます。

マイカー利用時は隣りに有料駐車場あり

まつもと市民芸術館には専用の駐車場はありませんが、「アットパーク松本山源」という有料駐車場が、会場の東隣り、あがたの森通りから会場沿いの細い道を進んだ先にあります。

収容台数は時間貸しの一般車両で133台まで駐車できます。料金は1時間あたり300円で、当日1日最大料金は平日で700円土日祝日で1,200円です。

アットパーク松本山源」公式サイト

まつもと市民芸術館はこんな所

オペラ座を思わせる馬蹄型の「主ホール」

メインホールの「主ホール」は国内でも珍しい四層のバルコニーを配した馬蹄型の堂々たる造りで、最上階のバルコニー席は、ほとんど天井に手が届きそうなほどです。

このホールの形で思い出したのが、5年前の年末年始に訪れたウィーン国立歌劇場オペラ座)です。

「ウィーンに来たからにはオペラを見よう」と、苦労してチケットを取った新年の定番オペラ「こうもり」を観劇した時の記憶が鮮やかに蘇りました。

ウィーン国立歌劇場 バルコン席より(2017年1月1日)

確実に「オペラ」向きのホールですね。正直このホールでハロプロのコンサート(続・花鳥風月公演)を見ていいものかと思ってしまいました。

1階席

1階席25列まであり、途中10列目と11列目の間に中央通路があります。座席の配置は前の人の頭部が被らないように千鳥配列になっており、適度な傾斜も付いているので、ステージの眺めはそこそこ見やすいです。

10列〜11列間の中央通路
1階席の傾斜状況
1階18列からの眺め

2階席〜4階席

2階席から4階席はバルコニー席となっており、中央ブロックは3列〜4列、左右の両サイドはすべて一人掛けになっています。

2階席前方の中央ブロックの席は、適度に傾斜もあり音響も素晴らしく、見聞きしやすい環境でした。

一方、両サイドの一人がけのバルコニー席は、さぞかし優雅に快適に観られるのかと思いきや、利用した人のSNSなどを垣間見ると、ステージを見る際に手すりなどで視界が少し遮られるので、斜めに身を乗り出さないと全景が見にくいという声もありました。

本場のオペラ座も確かにバルコン(バルコニー席)は安めなので、見るなら多少後ろでもやはりセンター付近の方がいいと思われます。

1階席とバルコニー席の高低差

主ホール 座席表

出典:まつもと市民芸術館 公式サイトより

主ホール 座席

主ホールの座席は赤を基調とした布面に花びらのような柄のついた座面・背もたれに、茶色の基礎・肘掛けの組み合わせです。

クッションは薄めで表面もつるつるしていますが、適度な硬さで疲れにくい座り心地でした。

舞台後方に座席を配した「実験劇場」

この会場の面白い特徴の1つに、主ホールと同じ舞台を使用し、その後方にも座席を設けた「実験劇場」という空間があります。

主ホールの入口はあがたの森通りに面したエントランスから一番遠い南側に回り込むように設けられていますが、実験劇場の入口はエントランスの階段を上がった正面の黒い壁に入口があります。

エントランスからの階段を上がった所にある「実験劇場」入口(主ホールへは写真右奥に進み、後方から入ります)

客席数は360席。文字通り、様々なジャンルの劇場に使用されることを想定している感じです。主ホールと同じ舞台を使用するので、実験劇場との同時使用はできない構造です。

ワンボックス型の小ホール

主ホールとは別に小ホールもあります。大ホールは主ホールという名前ですが、小ホールはそのまま小ホールという名前でした。こちらはかなりコンパクトで、座席数は288席

プロのコンサート会場というよりも、演劇や市民向けの小規模な芸能・音楽活動向きの会場です。

実際私が訪れた日も、子供のピアノ発表会が開催されていました。

小ホールエントランス(主ホールと反対側のあがたの森通りに面した側にあります)

外観・デザイン

特殊な形状は建築制限上の理由から

記事の冒頭で、会場の外観を「南北に細長くて、上から見ると楽器のようだ」と紹介しました。実際、北側の入口の間口が40メートルほどなのに対し、南北の奥行きは約200メートルにもなります。

会場平面図(1階)(出典:まつもと市民芸術館公式サイトより)

てっきり建築時のコンセプトとしてそういうデザインを意識して作ったんだろうなと思って調べてみたところ、相当苦労してやむを得ずこの形になったということがわかりました。

会場を設計した建築家の伊東豊雄氏の講演記事によると、まず、敷地の両側に「斜線制限」がかかっており、道路や採光を確保し、圧迫感を与えないデザインにする必要に迫られていた事情があったようです。また、地下水が敷地の浅い所を通っていて、満足に地下室が作れないこともネックに。

更に、突き当りが住宅地で、しかも大きな「御神木」があり、奥にステージ上部の「フライタワー」(劇場を作る場合、ステージの照明や緞帳などを格納するために必要な、入口の倍以上の高さを確保するタワー状の部分)を作るには、その木を切らないといけなかった等の事情があり、「ステージを真ん中に」「入口を奥側に」せざるを得なかったそうです。

そういえば敷地のすぐ隣りには「深志神社」もありますね。周囲は霊験あらたかな雰囲気に包まれているのかもしれません。

その他にも、オペラが開催できるようにするため、両サイドの袖舞台の代わりに「田の字型舞台」という変則的なステージ構成にしたり、クライアントの要望で屋上緑化にしたりした経緯なども触れられており、大変興味深い記事でした。

館内設備・エントランス等

ホール入口に向かう階段

会場を入ると、目の前に長いスロープ状の階段が現れます。南北に長い会場の先端から2階の中央に向かう動線となっていて、日常から非日常への移り変わりを感じさせる作りになっています。

壁面は採光を取り入れた窓が生み出す現代アートのような模様が、空間をオシャレに演出しています。

2階ロビー「シアターパーク」

階段を上がったところは主ホールと小ホール共通のロビーとなっており、「シアターパーク」と名付けられています。南北に長い特徴を活かし、床一面の赤絨毯と、階段同様、壁面のスクリーンいっぱいに光のアートが散りばめられており、幻想的な雰囲気です。

コインロッカー

入口から向かって左側にインフォメーションセンターがあり、その奥にコインロッカーが設置されています。

左右両側に1列6段で15列ずつあり、160個分と結構な数が確保されています。

100円で使用後返却されるタイプのものです。

周辺施設

松本市街は松本駅と松本城と会場を結んだ三角形の中に主だった観光名所があるので、日帰りでライブ遠征に行く場合でも、それなりに色々な名所を回ることができます。

松本駅から会場までは徒歩約10分ですが、駅や会場から松本城までは徒歩約15分くらいでしょうか。もちろんバスに乗ればもう少し早く着きますが、十分に歩ける距離です。

参考に、ウィンドーショッピングを含め私が訪れた名所旧跡、カフェ・グルメスポットを紹介します。

駅前から会場周辺の観光名所

松本城・四柱神社・縄手通り

ご存じ「国宝」松本城。戦国時代好き・ゲーム好きとしては「深志城」の呼び名の方がしっくりきます。訪れた日は爽やかな日で観光客も多く、整理入場の列ができていました。

雄大な外観と対照的に、中はこぢんまりとしており、昔ながらの急な階段が来場者の行く手を阻みますが、この方が歴史を感じられて、私は好きです。

入場料:700円(大人・個人)

四柱(よはしら)神社は、駅から会場に向かうあがたの森通りと交差する「深志二丁目」交差点を北に5分ほど歩いたところにあります。

四柱の名は天之御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神、天照大神の四つの神様がまつられていることに由来しているそうです。その分ご利益もあるのか、県内で最も願い事がかなうと評判の神社です。

四柱神社のすぐ近く、女鳥羽川沿いには縄手通り商店街が連なっていました。イメージキャラクターはカエルのようで、雑貨屋や食べ歩きのできる店やカフェが並んでいます。

アーケードはなく、古き良き城下町のたたずまいをイメージしたショッピングストリートです。

深志神社・全久院

深志神社は、会場のまつもと市民芸術館のすぐ裏手にあります。「深志の天神さま」と親しまれており、諏訪明神や学業の神様・菅原道真公もまつられています。

ちょうど七五三のシーズンだったので、お参りに来られた親子連れでにぎわっていました。

社や鳥居の鮮やかな赤色が紅葉とともに、青空に映えていました。

深志神社の隣りにあるのが全久院です。曹洞宗のお寺で、徳川家家臣の戸田家の菩提寺になっているそうです。

細長い参道の先に、両脇に像を備えた立派な門構えが特徴的です。

ライブ前後に立ち寄れるカフェ・グルメスポット

松本駅周辺

公演帰りに立ち寄った喫茶店「珈琲美学 アベ」です。都心ではすっかり見かけなくなった純喫茶風の店内は、地元の人でにぎわっていました。駅から2つ目の「国府町」交差点の手前にあります。

駅からすぐの「国府町西」交差点角にある「翁堂駅前店」。こちらも昔ながらの喫茶店という感じで、食事メニューも充実しているようです。1階はお菓子処で、お土産を買うのにも便利。

駅東口にある蕎麦屋さん「榑木野(くれきの)松本駅舎店」。駅ビルにあるのに古民家風の店構えで、行列ができていました。

同じく榑木野の隣りにあるお蕎麦屋さんの「小木曽製粉所松本駅前店」。出発前にこちらでざるそばを食べました。手ごろな駅そばというイメージとは裏腹に、さすが信州そばという挽きたての味で満足でした。

松本城周辺

「市民芸術館西」交差点を北へ数分歩いたところにある「そば処 種村」。地元の有名店のようで行列ができていました。十割そばや松茸を練りこんだそばもいただけるようです。

公演後、ふと信州ワインが飲みたくなったので縄手通り商店街をぶらぶら歩いていたら、ワインフェアをやっていました。「ポルトガル工房 アレンテジャーナ」の店先で、お店自体はエッグタルトで有名な洋菓子店のようです。

縄手通りから女鳥羽川を南に渡った河畔にある喫茶店「珈琲 まるも」。老舗の「丸茂旅館」の一部で、レトロな佇まいの以後事のよさそうな喫茶店でした。入りたかったのですが、残念ながら閉店時間で間に合いませんでした。

松本城の入口脇にある「割烹 手打ちそば 川船」。お昼に「大名セット」というのをいただきました。マス寿司やそば豆腐など色々付いていたのですが、「ニジマスのつぶら揚げ」がとても美味しかったです。

会場周辺

会場と道路を挟んではす向かいにある「ホップ・フロッグ・カフェ」。昼間はカフェとしてコーヒー、夜はバーとしてクラフトビールがいただけます。

会場と道路を挟んだ真正面にあるファミレスの「ココス 松本源池店」。都心にもかかわらず、敷地内に池があり、緑豊かな場所にあります。

会場横のNHK文化センター隣りにある「レストラン ル・ブラン」。フランス料理店ですが、ランチセットなどお手頃な価格でいただけるようです。

「市民会館西」交差点近くにある手作りパンの店「ポンヌフ」。看板に書いてあるように天然酵母パンの地元有名店で、塩パンをはじめ手ごろな価格で買えます。

施設概要・地図

地図