初めて「YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)」のコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
武田信玄公ゆかりの地・甲府に建つ山梨のライブ拠点。
周辺を観光しながら、ライブを楽しもう。
YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)は、1982(昭和57)年に開館した、山梨県内で随一の公園設備と規模を誇るホールです。
当初はJR甲府駅北口駅前にある山梨県立図書館がある土地に建設が予定されていましたが、計画が一旦白紙になった後、かつて県立高校のあった現在の地に建設されました。
ネーミングライツ制度により、2019(令和元)年4月から地元甲府市に本社を置く情報処理メーカーの「株式会社ワイ・シー・シー」が命名権を取得し、「YCC県民文化ホール」の呼称で親しまれています。
なお、その前は同じく地元で宝石貴金属の製造・販売を営む「コラニー株式会社」のネーミングライツにより、「コラニー文化ホール」と呼ばれていました。
その他、山梨県の芸術文化の振興と県民の新たな出会い創出の場を提供することを目的に、「ミルケ倶楽部」という会員制のサポーターズクラブが組織されており、会員になると、公演チケットの先行予約や割引、会員メールの配信などのサービスが受けられます。
YCC県民文化ホールまでのアクセス
会場の最寄り駅は、JR中央本線の甲府駅。東京からは特急あずさ号・かいじ号が出ており、所要時間約1時間30分〜1時間45分で到着します。
一方で関西や名古屋方面からは、思った以上に時間がかかります。JRの中央本線は主に東京の新宿駅と長野県の松本駅を結んでいますが、名古屋からは特急しなの号で塩尻駅まで向かい、そこで特急あずさ号・かいじ号に乗り換える必要があります。
甲府駅までの鉄道ルート
名古屋駅から塩尻駅までの鉄道ルート
東京から行く人は新宿や八王子で特急に乗ればOKなので、今回は私のように名古屋から塩尻経由で行く場合のルートで紹介します。
中央線の「特急しなの」号は、10番線から発車します。
JR名古屋駅在来線の10番線ホームに移動しました。
特急しなの号が到着。ようやく車両更新のニュースも発表されましたね。
始発駅ということもあり、今回は自由席を利用しました。
秋の行楽シーズンということもあり、自由席は立ち見の出るほどの満員です。
名古屋駅から約2時間で、乗換駅の塩尻駅に到着しました。
甲府行きの特急あずさ号・かいじ号は、1・2番線から発車します。
通路を渡り、1・2番線に移動します。
塩尻駅乗り換え時のおすすめ
さて、塩尻駅で乗り換える際には、名古屋から乗車の特急しなの号の到着時間と、塩尻駅発の特急あずさ号・かいじ号の出発時間が20~30分空くこともあります。
そんな時、改札の隣りにある「そば処 桔梗(ききょう)」に立ち寄るのもおすすめです。間口約50㎝、店内65㎝×135㎝の「日本一狭い駅そば」として有名なお店です。
カウンター上には有名人のサイン色紙も飾られていました。
間口は狭いですが、待合室や売店と併設されており、ベンチでも食べられます。
塩尻駅から甲府駅までの鉄道ルート
さて、待ち時間に駅そばを食べ終えたら、改札内に戻り、特急あずさ号に乗車します。
1・2番ホームに移動しました。
特急あずさ号が到着。
しなの号に比べ、設備も新しく快適な車両です。
塩尻駅から約1時間で、最寄りの甲府駅に到着です。
甲府駅から会場までのルート
長旅の末、甲府駅に到着しました。ここから会場までの交通手段は、レンタカーを除くと、バスか徒歩になります。徒歩の場合の所要時間は約20分と、少し距離があります。
今回は駅南口のバスターミナルから最寄りの「県民文化ホール」バス停で下車し、会場まで徒歩で向かうルートで紹介します。
バスルート
甲府駅の改札口からスタートします。
南口は改札を出て左に進みます。
案内図でも「県民文化ホール」の名前を確認できます。
南口を降り、バスターミナルに到着しました。
のりばを確認。会場最寄りのバス停に止まる便は、1番のりばから出ています。
ぐるっと右側に移動し、道路手前の1番のりばに到着しました。
残念ながら運賃は、昨今の物価高のため、令和5年10月から片道100円から180円に値上げになっています。
少し見づらいですが、バス停案内で経由地を確認し、「県民文化ホール」を通る便かどうかを確認しておきましょう。
地元の山梨交通が運行するバスが到着しました。
バス車内です。「県民文化ホール」バス停は駅から5つ目です。
所要時間約5分で、「県民文化ホール」バス手に到着しました。
下車後、進行方向に少し移動します。
「県民文化ホール北」交差点に来たら、左に曲がりましょう。
曲がった先の奥に、薄茶色の会場建物が見えてきます。
道路の右側に移動し、交差点を渡ります。
バス停から3分弱で、開場前に到着です。お疲れ様でした。
徒歩ルートの目印
出典:YCC県民文化ホール公式サイトより
基本的に、駅からの徒歩ルートとバスルートは同じです。
甲府駅南口からまっすぐ伸びている「平和通り」を直進し、「美術館通り」との交差点(相生歩道橋)を右に曲がり、しばらく進んだ所にあります。
平和通りと美術館通りは、国道52号線を道なりに進む形になっています。
徒歩ルートの詳細は省略しますが、駅南口からのメインストリートである平和通りには、目印となる建物として、「山梨県庁」→「ジュエリーミュージアム」→「甲府市役所」→「甲府警察署・地方裁判所」→「日本銀行甲府支店」等の前を通る形になります。
主にライブ帰りに撮った夜の写真で恐縮ですが、参考にしていただければと思います。
駐車場
甲府駅から距離があることもあり、観光がてらレンタカーで訪れる人も多いと思います。
会場の駐車場の収容台数は241台(障害者用10台)で、営業時間は朝8時から催し物が終了する時間までになります。出入口は会場の北側に2箇所、南側に1箇所の計3箇所あります。
料金は駐車後30分は無料、利用開始1時間まで100円で、以降30分ごとに50円の追加料金が発生します。
イベント開催時はやはり混雑するため、公共交通機関による来場が推奨されています。
出典:YCC県民文化ホール公式サイトより
YCC県民文化ホールはこんな所
約2,000席のキャパを誇る本格的な大ホール
大ホールの総客席数は1,989席。内訳は1階席が1,357席、2階席が632席あります。
1000平方メートルを越える舞台を確保し、残響時間1.8秒の音響、歌舞伎やクラシックコンサートまで開催可能な設備機能を有した本格的なホールです。
1階席
1階席は1列から30列まであり、途中10列と11列の間に中央通路があります。前方の1列から5列までの150席はオーケストラピット使用時に撤去されます。
車椅子スペースは計4箇所あり、前方の10列右サイドに3席、最後列の30列の左サイド・中央・右サイドにそれぞれ4席ずつの計15席設置されています。
客席は、中央通路前方の1列〜6列までは段差のないフラットな構造で、通路後方の11列以降は段差が付けられ、幾分傾斜が付けられています。
2階席
2階席は1列から13列まであり、途中5列と6列の間に中央通路が設置されています。
1階席に比べ通路の前方・後方ともに傾斜が付けられており、ステージを見下ろす形で比較的ストレスなく鑑賞できる席が多いと思います。
大ホール 座席表
出典:YCC県民文化ホール公式サイトより
座席
座席は座面・背もたれ・肘掛けともに赤色で統一されています。
最近できたホールに比べ、座面の幅は旧来のサイズで少し窮屈に感じられました。クッションは厚めで、背もたれは少し低く肩口付近までカバーする形になります。
エントランス・ホワイエ
大ホールのエントランスは南玄関を入って左側にあります。入った先が1階席のホワイエになっており、中央に半円形のベンチが設置されています。
2階席のホワイエも十分な広さが確保されており、客席に近い壁側に沿って、対面式のソファが設置されています。
コインロッカーは100円硬貨の返却式で、1階ホワイエの客席入口の間に設置されています。
その他、1階ホワイエ奥にはカフェコーナーの設備もありましたが、残念ながらここ最近は使われていなさそうな印象を受けました。
大ホールとほぼ同規模の舞台を有する小ホール
出典:YCC県民文化ホール公式サイトより
小ホールの総客席数は700席で、1階席のみの1列から21列まであります。途中、8列と9列の間に中央通路があります。
前方の1列から3列までの52席は、オーケストラピット使用時に撤去されるほか、最後列の21列の左右端は、2席ずつ計4席が車椅子スペースとして供されます。
小ホールは、席数的には大ホールの約3分の1のキャパですが、大ホールとほぼ同じ規模のステージを有しており、様々なイベントにも対応できる構造になっています。
小ホール 座席表
出典:YCC県民文化ホール公式サイトより
館内施設
出典:YCC県民文化ホール公式サイトより
会場は北と南に玄関、西側に大ホール、東側に小ホールがあるわかりやすい構成です。
小ホール側には、レストランやチケットセンター、キッズコーナーも設置されています。
レストラン「粋 -IKI- 」
会場の南玄関から入って右側の突き当たりにあるのが、レストラン「粋−IKI-」です。昔ながらの洋食レストランという趣で、開演前は沢山の人で賑わっていました。
レストランの入口です。店員の方がレジまで誘導し、先に会計を済ませてから席に案内されます。
メニュー表です。パスタ・カレー、パンケーキ等の軽食や、ビール、ワイン等のアルコールも取り扱っています。
食事メニューにはドリンクバーが付いており、好きなソフトドリンクをセルフでいただけます。
この日頼んだナポリタンのセット。サラダも付いて、そこそこボリュームもありました。
チケットセンター
レストランの左隣り、階段を上がった中2階のようなフロアにはチケットセンターと管理事務所があります。
2009(平成21)年から指定管理者となっている「アドブレーン・共立・NTT-F共同事業体」が運営管理しています。
周辺施設
信玄公銅像
甲府駅南口を出て、バスロータリーを右方向(1番のりば付近)に歩いていくと、戦国大名の武田信玄公の銅像があります。
高さ3.1mの勇ましい姿は、上杉謙信との川中島の戦いの陣中における姿を模しており、山梨・甲府のシンボルとして、多くの観光客が訪れる名物となっています。
武田神社
「武田神社」は、その名の通り武田信玄公を祀った神社です。信玄公を含む甲斐武田氏三代の居城であった躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)の跡地に創建され、国の史跡にも指定されています。
甲府駅北口から伸びる「武田通り」をまっすぐ北に向かった突き当たりに位置しており、バスで10分ほど行ったところにあります。途中、山梨大学の前を通ります。
甲斐善光寺
こちらも武田信玄公ゆかりの名刹、「甲斐善光寺」です。川中島の戦いの際、信州・長野にある善光寺が戦火に遭うのを考慮し、信玄公が本尊の阿弥陀如来などの仏や宝物を甲府に移したエピソードがあります。
東日本最大級の木造建築物は、本堂と山門は国の重要文化財になっているほか、金堂の天井に描かれた「鳴き龍」の下で手をたたくと、反響して共鳴することでも有名です。
舞鶴城公園(甲府城址)
甲府駅南口から徒歩3分の駅前にあるのが、「舞鶴城公園(まいづるじょうこうえん)」です。武田家滅亡後の16世紀末に築城された甲府城の別名が公園名になっています。
毎年10月下旬には、県内各地から1,000人を超える騎馬行列の軍勢が舞鶴城公園に集結し、川中島に向け出陣する様子を再現する「信玄公祭り」が開かれます。
SADOYA(サドヤ)ワイナリー
山梨はワインの産地としても有名ですが、甲府駅から徒歩5分の所にある「サドヤワイナリー」は、1917年創業の老舗ワイナリーです。
約700坪の敷地に醸造場、貯蔵庫のほか、ショップやレストラン、ブライダルサロンも併設されており、観光のついでにワインをお土産に買うのにもぴったりな場所です。
笛吹川フルーツ公園
最後に甲府市から少し離れますが、私がおすすめする場所として、「笛吹川フルーツ公園」を紹介しておきます。
甲府駅からレンタカーで30分ほどの所にある「花とフルーツとワインの公園」をテーマとして整備された都市公園で、一年を通して様々なフルーツや花を楽しむことができます。
館内にはショップやレストラン、カフェ、アスレチックなど様々な施設がありますが、私のお目当ては、「くだもの広場」と「わんぱくドーム」です。
くだもの広場
くだもの広場は、展示室のくだもの館への入口とカフェが併設されていますが、その特徴的なドームのロケーションを活かして、各種芸能・音楽関係の撮影場所としても使用されています。
わんぱくドーム
また、そのすぐ隣にあるわんぱくドームは、悪天候も気にせず中で子供が遊べる遊具が設置されている施設なのですが、こちらもクジャクが羽を広げたようなその外観が特徴的です。
私がここに訪れたのも、贔屓にしているモーニング娘。’18の「Are you Happy?」のMVのロケ地だったことがきっかけでした。いわゆる聖地巡礼ですね。
山梨に来たら、ぜひ一度訪れてみたいスポットでしたので、今回その夢がかないました。
施設概要・地図
所在地
山梨県甲府市寿町26-1
アクセス
JR中央線「甲府」駅下車 バス、タクシーで5分
(バス:片道100円、タクシー800円程度)
南口から徒歩約20分
ホール
大ホール 総客席数:1,989席
(1階席:1,357席、2階席:632席)
※うち車椅子席:15席
小ホール 総客席数:700席
公式サイト
https://www.yamanashi-kbh.jp/