初めて西条市総合文化会館へコンサートに訪れる人を対象に、会場までのアクセスや施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
音の響きを重視し、細部まで工夫が施されたホール。
伊予西条駅から近いですが、意外にも東京や大阪から、高速バスでもダイレクトに行ける会場です。
西条市総合文化会館は、1996(平成8)年4月に開業した、愛媛県の東予地区を代表する文化施設の1つです。
西条市は人口10万人ほどの市ですが、同じ愛媛県の今治市や香川県の坂出市などとともに、製造業の盛んな地域として知られ、工業出荷額は四国第3位の規模を誇ります。
また、ゆかりのある人物として、「新幹線の父」と称された第4代国鉄総裁の十河信二(元西条市長)や近畿日本鉄道元社長の佐伯勇(ともに名誉市民)など鉄道業界の大物を輩出しているほか、芸能人では眞鍋かをりや「千の風になって」で有名なオペラ歌手の秋川雅史、スポーツではサッカー日本代表の長友佑都など、様々な分野で活躍している人がいるのも特徴です。
西条市総合文化会館までのアクセス
JR伊予西条駅までの鉄道ルート
会場の最寄り駅はJR「伊予西条」駅で、そこから徒歩約5分のところにあります。広島県の東広島市にJR「西条」駅があるので、混同しないように区別されているのかもしれません。あと長野県の篠ノ井線に「西条(にしじょう)」駅もあるのでややこしいですね。
駅からは近いので、遠征としてはどうやってその駅にたどり着くかですが、今回は、鉄道、高速バス、飛行機の3つのルートを解説します。
新幹線は「岡山駅」が起点
まずは鉄道ルートですが、拠点となるのは山陽新幹線の「岡山」駅です。岡山駅は、本州から四国方面へ向かう際の玄関口です。
まずは東京、大阪、名古屋、九州から、岡山駅まで新幹線で向かいましょう。
この日の私は広島から向かったので、新大阪行きに乗りました。
岡山駅で下車し、在来線のりかえ口に進みます。
時刻表を確認。一番上の「特急しおかぜ5号」に乗車します。
特急しおかぜ号の発車する6番線に向かいます。
他の特急や高松に行く際に利用する「快速マリンライナー」も同じホームです。
ホームに到着しました。
停車中の車両に乗り込みます。
特急しおかぜ号の先頭です。
指定席は2人掛けです。
JR伊予西条駅からの徒歩ルート
伊予西条駅からは、写真のとおり(反射して背景が映ってしまっていて見づらいかもしれませんが)ほぼ一本道で会場までたどり着けます。所要時間は約5分です。
伊予西条駅に着きました。
階段を上がって改札口に向かいます。
駅舎前には子供向けにアンパンマン列車の撮影スポットがあります。
改札口は1箇所のみ。小さな駅です。
改札を出たところにコンビニがあります。地元のお土産も少し売っています。
駅前のロータリーです。奥に見える道を左に曲がって会場に向かいましょう。
左を向いたところです。「市道西条駅前干拓地線」の道標が建っています。
途中片側が住宅地になった登道商店街がありました。
途中の交差点です。右に曲がると「西条市総合福祉センター(もってこい元気館)」があります。
交差点を渡ると、西条図書館があります。
図書館の道を挟んで斜め左にあるのが会場です。お疲れさまでした。
東京・大阪からの高速バスルート
私は今回名古屋から広島経由で向かったので利用しませんでしたが、伊予西条駅から会場まで歩いている途中に、「西条登道(さいじょうのぼりみち)」という高速バスの停留所がありました。
この会場、東京と大阪から会場付近をダイレクトに結ぶ高速バスが走っているんです。地元のせとうちバス(瀬戸内運輸㈱)という会社が、東京ー今治間の夜行バス「パイレーツ」と大阪・神戸ー今治間の(いしづちライナー)の昼行バス(夜行便は現在運休中)を運行しています(東京便は㈱東急トランセ、神戸・大阪便は阪神バス㈱との共同運行)。
経由地としてパイレーツ号は「西条登道」(東京から片道11,800円)、いしづちライナーは「伊予西条駅前」(大阪から片道5,500円)が設定されており、乗換えなしで行けるので大変便利です。
コロナ禍もあって減便運行となっているようですが、予定が合えば交通費を節約できると思うので、下記のホームページを参考に、利用してみるのもいいと思います。
松山空港からのアクセスルート
出典:松山空港公式サイトより
愛媛県内の会場ということで、松山空港から会場へ向かう方もいると思います。西条市は愛媛県東部(東予地区)で、県中部の松山市からは、多少距離が離れています。
上の図のように、空港リムジンバスは直通のものがなく、JR松山・伊予鉄松山市駅で下車後、せとうちバスか伊予鉄バスに乗り換える方法と、予約制のジャンボタクシー(愛媛近鉄タクシー)を利用する方法があります。
利便性を考えると、バスやタクシーよりも、周辺の観光を兼ねてレンタカーで移動したほうがいいと思います。
西条市総合文化会館はこんな所
音響にこだわった約1,200席の大ホール
大ホールの総客席数は全1,152席。1階席が888席(車いす席8席、親子室2室4席を含む)、2階席が264席の内訳になっています。
会場の公式ホームページに、地元の魅力発信ポータルサイト「LOVE SAIJO」でこの会場の音響について紹介した記事のリンクが貼られているので参考にしてください。細部に工夫が施されたホールであることがわかります。
1階席の最後列はW列(23列目)で、中央通路は前方よりのG列(7列目)とH列(8列目)に設置されています。
客席の傾斜は1階席の場合、最前から5列目(E列)まではフラットな構造で、F列(7列目)から段差が付くようになります。
傾斜の強さは比較的緩やかですが、座席はステージに向かって千鳥配列になっているので、前方の人の頭はあまり気になりませんでした。
また、前後の座席間隔は余裕を持って確保されており、下に荷物を置いても窮屈に感じることは少ないと思います。
2階席の最後列は2G列(7列目)で、2B列(2列目)と2C(3列目)の間に通路があります。バルコニー席は設置されていません。
2階席の傾斜は1階席よりも強めに設定されており、どこからでも見やすい印象です。
大ホール 座席表
出典:西条市総合文化会館公式サイトより
座席
これまでの画像でちょこちょこ出てきていますが、座席の座面と背もたれはこんな感じです。背もたれが上下で分離しており、丸いクッション状になっているのが特徴です。1階席より2階席の方が若干、背もたれ部分が高くなっています。
ホワイエ
大ホール1階のホワイエは、会場入口の玄関から向かって左側に設置されており、一面ガラス張りの見晴らしのいいところです。
その上にある2階のホワイエは、階段部分の幅が1階より狭く、コンパクトになっています。
客席・ステージが可動式の小ホール
出典:西条市総合文化会館公式サイトより
小ホールの最大収容人数は全398席で、前方のスタッキングチェアー席(176席)、後方の電動可動座席(216席)のほか、車いす席(2席)や親子席1室(4席)で構成されています。
前方・後方席ともに可動式なので、コンサートや舞台、演劇はもちろん、座席を取り払って平土間空間にすることで、展示室やレセプション会場などの多目的に使用できます。
小ホール 座席表(平面図)
出典:西条市総合文化会館公式サイトより
周辺施設
鉄道歴史パーク in SAIJO
伊予西条駅前に広がっているのが、「鉄道歴史パーク in SAIJO」です。自然と歴史と文化を学ぶことを目的に「観光交流センター」、「四国鉄道文化館 北館・南館」、「十河信二記念館」の施設が設置されており、観光・交流拠点になっています。
西条市観光交流センター
西条市観光交流センターは、戦前に建造された倉庫を改築した建物で、西条市の観光情報の発信拠点として親しまれています。
建物内には西条市内の特産品やお土産、鉄道グッズを販売するコーナーのほか、地元の石鎚山系の伏流水で「名水百選」にも選ばれている「うちぬき」の試飲ができるコーナーもあります。
四国鉄道文化館 北館・南館
四国鉄道館・北館には、昭和39年の新幹線開業時に登場した「初代0系新幹線」と、主に四国で活躍し、準鉄道記念物に指定されている「DF50形ディーゼル機関車」1号機が展示されています。
出典:公式サイトより
線路を挟んで反対側にある南館は、沿線風景を再現した大型鉄道ジオラマや、鉄道標識・信号機、車両の動輪の実物が展示されています。
屋外には、新幹線と在来線の軌間が走行可能な「フリーゲージトレイン」第2次試験車も展示されています。
十河信二記念館
十河信二記念館は、冒頭の地元ゆかりの人物で紹介した、第2代西条市長や第4代国鉄総裁を務めた十河信二氏を記念して建てられました。
「新幹線生みの親」である十河氏の功績を、その人となりとともに紹介しています。
カフェ・グルメ
伊予西条駅や会場周辺のカフェ・グルメスポットをいくつか紹介しておきます。
おおさかや 蔵はち
会場の周辺はアクトピアという親水公園のようになっているエリアですが、その水路を挟んだ向かいにあるのが「おおさかや 蔵はち」です。
元は餅屋の、創業70年以上の老舗の和菓子屋です。カフェコーナーも併設されており、開演までの時間を過ごせます。地元の名水を使った葛餅(くずもち)なども販売しているので、お土産を購入するのにも便利です。
ランチはおこわや赤飯の和食のほか、トースト系の洋食もあります。わらび餅や葛餅、ソフトクリームなどのスイーツメニューも豊富です。
その他、お餅のバリエーションも豊富で、寒い日はぜんざいなども美味しそうです。
昭和喫茶
こちらは会場の駅側の近い方に隣接している「昭和喫茶」。
その名の通り、店内は昭和の風情が残るレトロな空間が広がっています。
ランチの時間が終わってから、カフェで利用しました。メニューの写真は何が書いてあるかわかりにくいかもしれませんが、ホットケーキやワッフル、ポップコーンやたこ焼きなど、色々取り扱っていました。
猪野勉強堂(いたにべんきょうどう)
創業1918(大正7)年、今年で創業104年を迎える「猪谷勉強堂」は、先ほど紹介した昭和喫茶の手前にある和菓子・スイーツの店です。
名物は中に餡の入った「太鼓まん」。別の地方では「回転焼き」や「今川焼き」と呼ばれている和菓子ですが、他にも色々なものを売っている地元のソウルフード店です。
ラーメン屋さん 大町店
最後に昼食をがっつり食べたい人向けに町中華の店として、その名の通り「ラーメン屋さん 大町店」を紹介しておきます。
こちらは会場方向とは反対側に5分ほど歩いたところにある踏切(小川踏切交差点)のそばにある、広い駐車場完備の店です。
「住みたい田舎」ランキング1位の西条市
出典:LOVE SAIJO公式サイトより
西条市は、株式会社宝島社が発行する「田舎暮らしの本」で公表された「2021年版 住みたい田舎ランキング」の全4部門(若者世代、子育て世代、シニア世代、総合)で、全国第1位を獲得している街です。
瀬戸内の温暖な気候で、一年を通じて過ごしやすく、水資源やバランスの良い産業構造などを背景に多様な働き方ができる環境が魅力です。
先のホール紹介でも取り上げた地元のポータルサイト「LOVE SAIJO」をはじめ、官民を挙げて「移住サポート」事業を推進していることが結果につながっています。
ちなみに高知県出身のアンジュルムの川村文乃さんは、かつて「えひめ!移住応援大使」を務めていました。その時に訪れた西条市の名所をブログで紹介してくれています。
ハロプロファンの方で今後またこの場所でライブ遠征する人がいましたら、ぜひ「聖地巡礼」をしてみてください。
施設概要・地図
所在地
愛媛県西条市神拝甲79番地4
アクセス
鉄 道:JR予讃線「西条」駅から徒歩5分
バ ス:瀬戸内バス・東急トランセ「西条登道」下車
徒歩すぐ
瀬戸内バス・伊予鉄バス「西条駅前」下車
徒歩約5分
自動車:松山から車で1時間20分
(松山自動車道いよ西条ICから10分)
ホール
大ホール:1152席(1階:876、2階:264)
車いす席8、親子席4(1階)
小ホール:
公式サイト
http://sogobunka.com/