初めて「京都コンサートホール」のコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
京都駅から地下鉄1本で行ける北山地区のアートな空間。施設全体で奏でられる音楽を満喫しよう。
北山地区は、観光名所だらけの京都の中では比較的マイナーな存在です。鴨川を少し歩いた先に上賀茂神社があるくらいで、どちらかというと観光地というより、地元民にとってのおしゃれなパン屋さんやカフェが多い生活の街といったイメージかもしれません。
北山駅周辺は「京都植物園」や「京都学・歴彩館」、「京都府立大学」「京都ノートルダム女子大学」などがある文教地区となっています。鴨川を挟んだエリア全体が広大な植物園になっており、緑に囲まれた落ち着いた雰囲気が漂います。
京都コンサートホールは1995年、「平安京遷都1200年記念事業」の一環で、こうした植物園の豊かな緑に囲まれた所に建てられました。木目を基調とした大小2つのクラシック専用ホールを有しています。
京都コンサートホールへのアクセス
観光にしてもライブにしても、起点は当然京都駅になります。宿泊する場合は、京都駅や会場最寄り駅の北山駅のある地下鉄烏丸(からすま)線沿線にあるホテルに泊まると便利でしょう。
京都駅から地下鉄烏丸線で北山駅へ
会場までのアクセスは、京都駅から北に伸びる市営地下鉄烏丸線「国際会館」行きに乗り、会場最寄り駅の北山駅まで乗換えなしにストレートで到着します(所要時間:約15分)。
北山駅は案内表示が充実
その北山駅ですが、別名が「京都コンサートホール前」になっており、ランドマーク的な存在の会場になっています。
駅から会場までの案内も充実してます。北山通りと下鴨中通りの交差点から進む通常ルート(出口1)と、エレベーター付で植物園側に設置された屋根付きの遊歩道を通るルート(出口3)の2つのルートに関する案内が、改札を出た所に大きく掲示されています。
出口1に向かう階段に書かれた案内表示。至れり尽くせりですね。
3番出口から続く屋根付きの遊歩道。雨にぬれずに、植物園の緑の中を通って行けます。
阪急電車から乗換えの場合は、阪急烏丸駅が地下鉄烏丸線四条駅と接続しているので、国際会館行きに乗て換えて、北山駅で下車しましょう(乗車時間:四条駅〜北山駅:約11分)。
京阪電車から乗換えの場合は、丹波橋駅で近鉄電車に乗換え、竹田駅で地下鉄烏丸線に乗換えて、国際会館行きで北山駅で下車しましょう(乗車時間:丹波橋駅〜北山駅:約25分)。
※近鉄丹波橋駅から地下鉄への直通電車もあります。
マイカー利用の場合の駐車場(電気自動車用充電装置完備)
ターミナルの京都駅から直通の地下鉄があるので、あまり車を使用するメリットはありませんが、もし使う場合は会場の地下1・2階に、100台収容可能な駐車場があります。
利用時間:9:00〜22:00(車高制限:2.1メートル) 料金:30分 250円
地下1階に電気自動車用の充電装置が2台分設置されています。ガソリン車と同じく、30分250円で利用でき、充電にかかる利用料金は無料です。
京都コンサートホールはこんな所
外観から何やら通常のホールとは違うアートな雰囲気が…。
この会場は音響や設備もさることながら、エントランスからホールにいたるまでの経路にも、随所にクラシックを楽しむための工夫が施されています。
エントランスホールを囲む螺旋状の通路
上の写真の右側が会場の入口で、入ると下の写真のような待合ロビーがあります。
さあ、ここからホールへ続く通路になるのですが、中央のエントランスホールには、幾何学模様の床に柱が12本立っている空間が。それを囲むように、2階から4階へと螺旋状に通路が続いている構造になっています。
ロビーに掲示されている案内図です。
1階入口からエントランスホールを囲むように、右回りに螺旋状の通路をゆっくり登っていきます。ちょうど外観写真の黒い円柱の部分にあたります。
1周回った2階が大ホール(メインホール)、もう1周回った3階が小ホール(アンサンブルホールムラタ)の入口で、最上階の4階が小ホール会場となります。
1階左奥のレストラン「カフェコンチェルト」。
ドリンクのほか、パスタなどの軽食も摂ることができます。
通路の壁面には、歴代の演奏家や指揮者の写真が飾られています。
通路を通る間に何か日常から離れて、これから始まる音楽空間へ誘われていくような不思議な感覚になります。
ちなみにこのホールの建築設計は「磯崎新アトリエ」という事務所が手掛けています。建築界の大御所である磯崎新氏は、これまで国内外の様々な施設の設計を担当されており、このホールを設計した数年後には、奈良市制100周年事業の一環で建設されたなら100年会館のデザインも担当しました。
豪華なパイプオルガンが設置された大ホール(メインホール)
螺旋通路を2階まで登ってきたところに、大ホール(メインホール)の入口があります。
大ホール内のホワイエです。十分な広さがあり、カフェコーナーも設置されています。
コロナ禍で営業はしていませんでしたが、普段はソフトドリンクのほか、アルコールやライトミールも提供しているようです。
ステージを360度取り囲む座席配置
大ホールはクラシック専用ホールによく見られる「シューボックス(靴箱)型」の形状をしています。また、ステージを360度取り囲むように、サイドや後ろ側にも座席が配置されています。
出典:京都コンサートホール公式サイトより
2階と3階に設置されているバルコニー席。
座席表からもわかる通り、結構入り組んだ配置になっています。
2階ステージ後方に設置されたポディウム席(通称P席)。
オーケストラを後ろから眺め、指揮者の顔を見ながら演奏を聴くことができます。
小編成のコンサートに最適な小ホール(アンサンブルホールムラタ)
出典:京都コンサートホール公式サイトより
小ホールには「アンサンブルホールムラタ」という名前が付けられています。これは、ホールが平安京遷都1200年記念事業で建設される際に、その資金提供や後援を行っている「村田機械」の社名から取られているそうです。恥ずかしながらブログを書くまでは、誰か音楽関係の人を記念して付けられたのかと思っていました。
残念ながらまだ実際にこのホールで演奏を聞いたことがないのですが、少人数のアコースティックなライブに最適な空間で、聴衆が間近で贅沢なひとときを過ごせるのが、写真からも伝わってきます。
ライブ・コンサート参加記録
交響組曲「ドラゴンクエストⅧ」空と海と大地と呪われし姫君(2021.6.12)
2021年はドラゴンクエスト発売35周年。40代の私はまさに小学生の頃からゲームとともに人生を歩んできた「ドラクエ世代」ど真ん中の人間です。
本来であれば作曲したすぎやまこういち先生もゲストの予定でしたが、コロナ禍で大事をとり、残念ながら出演見合わせとなりました。
当日、指揮者の角田鋼亮さんからすぎやま先生がドラクエ12のBGMを作曲中であることや、ドラクエコンサートの楽譜が2ヶ月前にすぎやま先生から送られてくることなど、初耳のエピソードも聞くことができました。
ドラクエ8はシリーズの中でもリズミカルな曲が多い印象です。それに合わせてか、この日の演奏はオーケストラにドラム奏者が参加していました。「急げ!ピンチだ」というゲーム中の切迫感あふれる場面で流れる曲目では、ドラムが八面六臂の大活躍!圧巻の演奏を披露し、喝采を浴びていました。
この日の演奏はその他の曲もエネルギッシュで素晴らしい演奏でした。
京都コンサートホールでの公演はその他に過去2回行っていまして、その2回ともドラクエコンサートでした。
2009年が当時出たばかりの「ドラクエ9」で、2012年が「ドラクエ7」。前回から10年近く経っていたんだなと意外に思うとともに、12年前に9が出ていて、ようやく12の制作発表がなされたあたり、やはりドラクエはリリース間隔が長いというのを実感しますね。
これで京都では7,8,9の組曲を聴いたことになります。
施設概要・地図
所在地
京都市左京区下鴨半木町1番地の26
アクセス
市営地下鉄烏丸線「北山駅」下車
徒歩約5分
ホール
大ホール:収容人数1,833席
(1階980、2階453、3階400、車いす6)
小ホール:収容人数510席(車いす4)
公式サイト
https://www.kyotoconcerthall.org/