初めて「栃木県総合文化センター」のライブに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
壁面に地元の大谷石(おおやいし)が使用された、座席のレイアウトが特徴的なホール。会場に近い東武宇都宮駅よりも、JR宇都宮駅からの方がアクセスは良好です。
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栃木県総合文化センターは、1991(平成3)年、栃木県の中核的な文化芸術振興施設として宇都宮市役所旧庁舎の跡地に完成しました。
開館から30年近く経過し、2018(平成30)年10月から約2年半の大規模な改修工事を行い、2020(令和2)年4月にリニューアルオープンしました。
メインホールの総座席数は1,604席で、県内では宇都宮市文化会館(大ホール:2,000席)に次いで2番目に大きい会場です。
栃木県総合文化センターへのアクセス
JR宇都宮駅からのバスルート
ライブ遠征で訪れる人にとっては、新幹線の停車するJR宇都宮駅を起点とする方が便利だと思うので、まずはJR宇都宮駅からのルートを解説します。
宇都宮駅から会場までは約1.6km離れているので、駅からバスを利用するのが一般的です。
宇都宮駅に着いたら、まずは改札口に向かいましょう。
会場は栃木県庁近くにあるので、県庁方面に向かうバスが出る西口を目指します。
西口を出たところです。改札は駅ビルの2階にあるので、バスのりばへは階段等で下に降りる必要があります。
西口の左側に南口方面に降りるエスカレーターがあるので、そちらを使ってもバスのりばに行けます。
バスの路線図です。会場最寄りのバス停は「県庁前」(本数は少ないですが「県総合文化センター前」がまさに会場に着きます)です。ご覧のとおり多くの系統のバスが停車するメインストリート上にあります。
バス接近情報などで一番早く出発する便を確認しましょう。
今回は駅から一番近い場所にある1番のりばから出るバスに乗車しました。
のりばごとに路線図と行き先が載っているので、念のため「県庁前」を通るか確認しておくと安心です。
乗車した関東バスの車内です。県庁前までの所要時間は約3分、運賃は170円です。
経由地が車内のモニターでも確認できます。
「県庁前」バス停です。駅前から続く「大通り」沿いに停車します。
会場へは、バス停のすぐ先にある「本町(ほんちょう)」交差点を右に曲がります。
曲がった先をしばらく行くと、コロネード(列柱)が立ち並ぶ会場が左手に見えてきます。ちなみに手前にあるバス停が「県総合文化センター」バス停で、1時間に1本程度バスが停車します。
東武宇都宮駅からの徒歩ルート
続いて、会場からの距離は約700mとJR宇都宮駅より近い東武宇都宮駅からの徒歩ルートを紹介します。所要時間は約10分です。
東武線を使う場合、東京からの乗車駅は始発駅の浅草駅やJR常磐線・地下鉄千代田線との乗換駅である北千住駅になるのですが、東京駅や品川駅などのターミナル駅からは離れているため、遠征民にとってはそれほど便利ではありません。
新幹線の停車する大宮駅が東武アーバンパークライン(野田線)に接続しているので、そこから乗る方法もあるのですが、それでも途中の春日部駅や新栃木駅などで乗り換えが必要となり、時間もかかってしまいます。
以上のことから、都心から東武宇都宮駅まで移動するアクセスルートは、遠征民的には使い勝手があまりよくないことをご承知おきください。
出発点となる東武宇都宮駅の改札口です。
会場へは、向かって右の東口方面から出ます。
改札前を右に進みます。
東武診療所を右手に見ながら、東口を進みます。
やがて下に降りる階段が見えてきます。
降りたところの目の前にある横断歩道を渡り、いったん左に進みます。
左側に進んですぐに「オリオン通り」商店街の入口があります。
商店街のアーケードが伸びる方向に進んでいきます。
やがてアーケードが切れる「オリオン通り」交差点の前に出ます。
案内板に従い、前の道の「中央通り」を左に進みます。
次の交差点までしばらく移動します。
やがて先ほどJR宇都宮駅からのバスルートで紹介した大通りとの「本町(ほんちょう)」交差点に着きます。
東武宇都宮駅からの場合は、そのまま中央通りをまっすぐ進みます。
県の合同庁舎前を通過します。
やがて道の正面に栃木県庁が現れます。その左手前に建っているのが会場です。お疲れさまでした。
※ちなみのこの栃木県庁、今やっている(2022年4月)日テレ系のドラマ「悪女(わる)」のロケ地なんですね♪テレビ見ていて何か見覚えのある建物だと思いました。
駐車場
県庁パーキングは2時間無料
出典:栃木県庁公式サイトより
会場は栃木県庁のすぐ近くなので、土・日・祝日及び平日夜間(17:00~21:30)は、会場利用者も来庁者用の駐車場を利用することができます。
利用料金は2時間まで無料で、以降30分ごとに150円の料金がかかります。
周辺のコインパーキングは最大800円が相場
会場や県庁周辺は、他にもコインパーキングが沢山あります。
いくつか見てきましたが、料金は大体最大800円で打ち切りの所が多い印象でした。
栃木県総合文化センターはこんな所
レイアウトが独特で見やすさに差の出るメインホール
メインホールの座席は、①1階平土間席、②1階サイド席、③2階スタンド席、④バルコニー席の4種類に大別されます。
個人的には、この「座席のバリエーションによって見え方の特性が大きく分かれる」のが、この会場の最大の特徴である考えます。
①1階平土間席
まずは1階平土間席ですが、「平土間」と銘打っている通り、歌舞伎の劇場の枡席のように、中央の少し低まった所に配置されており、全体的に傾斜は緩めでフラットな構造です。総座席数は638席です。
最後列はW列(23列)で、T列(20列)とU列(21列)の間に仕切りが設けられており、後ろの3列は機材席等に使われることが多いようです。
また、最前からの4列(A〜D列)は、オーケストラピットとしての使用時に撤去されます。
②1階サイド席
1階サイド席は中央の平土間に対する「高土間」の位置づけで、写真のとおり相当の高低差を付けて配置されています。総座席数は左右104席ずつあります。
このため中央平土間席の後方に比べ、見晴らしの良い状態でステージを眺めることが可能で、アイドルなどのコンサートでは特におすすめの席になるのではないかと思います。
③2階スタンド席
2階スタンド席は、1階サイド席からの傾斜がシームレスに延長するような形で配置されています。総座席数は646席です。
1階平土間席に比べ、座席前後の段差(高低差)がある程度確保されており、多少ステージから遠くなりますが、全体的には見やすい印象を受けます。
2階席の最前列は、1階席のS〜T列付近に相当します。
④バルコニー席
最後はバルコニー席です。この会場のバルコニー席の形状は独特で、2階から4階の壁をくり抜いた所に座席が配置されているような感じです。2階(8席×2)、3階(17席×2)、4階(31席×2)を合わせた総座席数は112席になります。
今回私は3階バルコニー席のB列(奥側)の座席だったのですが、窪んだところにあるため、まず周囲が暗い印象を受けました。
暗さはステージにライトが当たるので支障はないのですが、ステージの視界が前列(A列)に比べ見づらくなることは否めませんでした。
写真を見ていただくとわかるように、前方の手すりでA列の人も視界を遮られることになり、身を乗り出して鑑賞することがどうしても多くなります。その影響で後ろのB列の視界が更に少し遮られることになります。
例えていえば、パネルクイズ「アタック25」でトップ賞を獲った人が、他の回答者の獲り分で下の列と斜めが見えなくなった状態で最後の映像クイズに臨むような状態になります。
ちなみにコインロッカーと自販機は1階にあります。
メインホール座席表
出典:栃木県総合文化センター公式サイトより
事前に公式サイトの座席表で何となくレイアウトを確認して訪れたのですが、実際に見るのと見ないのとで印象がガラッと変わる会場です。
関西の会場で言うと、NHK大阪ホールのレイアウトに近い印象を受けましたが、それでもサイド席やバルコニー席のギャップは、この会場のほうが大きく感じました。
サブホール
出典:栃木県総合文化センター公式サイトより
サブホールの最大客席数は505席(固定席:284、可動席:221)です。
舞台部分を自由に設定できる可動式ステージが採用されており、多種多様なイベントに対応できる県内初のトータルアートスペースです。
画像のように2階・3階にはギャラリー席が設けられており、いろいろな角度からステージを鑑賞することができます。
ホール壁面に「大谷石(おおやいし)」を使用
栃木県は「大谷石(おおやいし)」という凝灰岩の一種である石材が多く採れることで有名です。柔らかくて加工がしやすいことから、昔から外壁や土蔵の建材として使用されてきました。
この会場の外壁にも、地元の名産である大谷石が使用されています。
レストラン「LAKANTA!(ラカンタ)」
会場はホール棟とギャラリー棟に分かれており、ギャラリー棟の2階には、コーヒー&スイーツのレストラン「LAKONTA!(ラカンタ)」が営業しています。
ギャラリー棟外壁部分に設置されたレストランの看板です。
道路前には本日のおすすめなどが書かれた立て看板も設置されています。
中は割と広々しています。ホール棟とは別の建物になるので、それほど混むことが少ないようです。
道路に面した部分が開放的な窓になっており、外の景色を見ながらゆったりくつろぐことができます。
ハンバーグやパスタ、丼のランチのほか、各種スイーツとドリンクのセットがいただけます。
名物の「しもつけ生スコーン」のドリンクセットを注文しました。この日は期間限定のとちおとめのイチゴジャムが付いてきて、とても美味しかったです。
周辺施設
宇都宮二荒山(ふたあらやま)神社
宇都宮二荒山神社は、駅前から続く大通り沿いの、会場に向かう本町交差点より少し手前にあります。
平安時代から続く由緒ある神社で、下野国一宮として、門前町や城下町として宇都宮が発展した中心地として現在に至っています。
本社境内には御祭神の豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)をはじめ、大物主命(おおものぬしのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)の三柱の神様が祀られており、神輿が担がれるお祭りも開催されています。
公式サイト:http://futaarayamajinja.jp/
蒲生神社・初代横綱「明石志賀之助」記念碑
蒲生(がもう)神社は、栃木県庁の裏にある八幡山公園の近くにあり、「学問の神様」として崇められています。
御祭神は江戸時代の学者「蒲生君平(がもうくんぺい)」という人で、戦国武将の蒲生氏郷(がもううじさと)を祖先に持つと言われています。
会場から県庁の裏を通って、塙田(はなわだ)トンネルを抜けた先に表参道があります。
トンネル内部は車だけでなく、歩行者や自転車も通れるようになっています。
トンネルを抜けた所に参道があります。
敷地内通路の先に本社があります。
神社の境内には、当地出身で相撲の初代横綱とされる「明石志賀之助(あかししがのすけ)」の石碑と石像が建っています。
本当に実在したかどうか研究が分かれているようですが、初代横綱発祥の地にちなんで、神社では2008年より栃木県内の幼稚園児や小中学生が対象の少年相撲大会が開催されているそうです。
大谷資料館
会場の外壁に使用されている大谷石(おおやいし)。県内には身近に楽しめるスポットとして「大谷資料館(おおやしりょうかん)」があります。
大谷石の採石場跡としての一般展示のほか、コンサートや演劇、美術展などの文化系イベントやテレビ・映画のロケ地としても活用されています。
施設に隣接して「ROCKSIDE MARKET」というカフェや物販のお店もあり、大谷石のコースターなども買うことができます。
私は以前、群馬県の桐生市へのライブ遠征の際にレンタカーで訪れましたが、今回の会場の方がJR・東武の宇都宮駅からバスも出ており、車がなくても行くことができます。
JR宇都宮駅西口から
6番のりばから大谷・立岩行きに乗車(所要時間:約30分)
東武宇都宮駅から
東武駅前バス停で大谷・立岩行きに乗車(所要時間:約20分)
公式サイト:http://www.oya909.co.jp/
餃子の街・宇都宮
皆さん御存知の通り、宇都宮は餃子の街。駅や会場付近まで、餃子の店が本当に沢山並んでいます。
ライブ前のお昼に食べるもよし、終演後の晩酌で寄るのもよし。財布にも優しいので、数軒をはしごして手軽に楽しめるのもいいですね。
JR宇都宮駅周辺
宇都宮みんみん・ステーションバル
宇都宮餃子の代名詞とも言える「みんみん」は、後で紹介する餃子通りの本店とは別に、JR宇都宮駅の3階で通常の店舗と、晩酌も楽しめるステーションバルの2店舗が営業しています。
香蘭 宇都宮駅西口店
JR宇都宮駅の西口駅前の「香蘭」にも、ライブ後の晩酌で立ち寄りました。
こちらもみんみんと同じく焼餃子・水餃子を食べましたが、隣の人が食べていた「タンタンスープ餃子」(上の写真のメニューにチラッと載っています)という担々麺のスープに浸した水餃子がとても美味しそうでした。今度行くときはぜひ頼みたいと思います。
餃子通り周辺
二荒山神社近くの大通りから一本入った「宮島町通り」は通称「餃子通り」と呼ばれていて、その名の通り餃子店が軒を連ねています。
大通り付近を含めた周辺の有名店を簡単に紹介します。
本店では、先に紹介した「香蘭」「宇都宮みんみん」のほか、「めんめん」「さつき」「龍門」の5種類の餃子の食べ比べができます。
施設概要・地図
所在地
栃木県宇都宮市本町1-8
アクセス
JR宇都宮駅(西口)から
バスで「県庁前」下車 徒歩約3分
東武宇都宮駅下車 徒歩約10分
ホール
メインホール 1,604席
(うち1階平土間席638席)
サブホール 最大505席
(固定席 284 移動席 221)
公式サイト
https://www.sobun-tochigi.jp/