初めて「シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢」のコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
宇治山田駅前、伊勢神宮(外宮)に近い会場。
名古屋からぜひ「しまかぜ」に乗って訪れましょう♪
シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢(伊勢市観光文化会館)は、1971(昭和46)年、前身の伊勢会館の後を受けて開業した、伊勢神宮(外宮)で有名な三重県伊勢市にある多目的ホールです。
途中、1999(平成11)年から2001(平成13)年にかけて全面改装工事を行い、現在の施設になりました。その後、2006(平成18)年に指定管理者制度を導入し、運営を特定活動非営利法人「まなびの広場」に、その後2019(令和元)年からは、運営先を現在の㈱ケイミックスパブリックビジネスに変更し、現在に至っています。
開館以来、長らく「観文(かんぶん)」の愛称で親しまれてきましたが、2017(平成29)年よりネーミングライツ制度を導入し、地元の三重県伊勢市や鳥羽市に製造拠点を持つ、半導体・航空宇宙・自動車などの電気制御技術メーカーのシンフォニアテクノロジー株式会社が命名権を取得し、「シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢」という呼称が使用されることになりました。
響ホールまでのアクセス
最寄り駅は近鉄「宇治山田」駅と「伊勢市」駅
出典:伊勢市観光文化会館公式サイトより
会場の最寄り駅は近鉄「宇治山田」駅と、JR・近鉄の共同駅である「伊勢市」駅です。
ライブ遠征を考える場合、関西方面からは京都駅や大阪駅、関東方面からは名古屋駅を拠点に考えます。
名古屋から向かう場合、近鉄線は「しまかぜ」や「伊勢志摩ライナー」等の特急利用で宇治山田駅へ、JR線利用の場合は「快速みえ」利用で伊勢市駅を目指しましょう。
ゆったり観光気分を味わいたい時は近鉄線、乗車券のみでコスパよく移動したい時はJR線を利用すると良いでしょう。
会場までの所要時間は、宇治山田駅の方が会場に近く、下車後徒歩約2分、伊勢市駅からは、下車後徒歩約10分で到着します。
ここでは名古屋駅を拠点に、近鉄線とJR線でそれぞれ会場に向かうルートで紹介します。
近鉄「宇治山田」駅までの鉄道ルート
まずは新幹線を降りてから近鉄線に乗り換え、近鉄名古屋駅から特急で宇治山田駅を目指すルートを紹介します。特急を利用するなら、本数は少ないですがぜひ観光特急「しまかぜ」に乗りましょう。
「近鉄名古屋ー宇治山田」間の乗車券は片道1,740円ですが、特急等を利用する場合には、下記の特別料金がかかります。
普通運賃:1,740円(宇治山田駅まで)
特急料金:1,340円
デラックス料金:320円
ひのとりレギュラー料金:200円
ひのとりプレミアム料金:600円
しまかぜ特別車両料金:840円
ちなみに今回、私は特急「しまかぜ」のデラックス席を利用しましたが、この場合の運賃・料金の合計は、普通運賃(1,740円)に、特急料金(1,340円)としまかぜ特別車両料金(840円)を加算した合計の3,920円を支払いました。
このうち特別料金としまかぜ特別車両料金の合計2,180円は予約サイトでのカード決済、乗車券の1,740円は手持ちのICカードで支払いました。
新幹線で名古屋駅に到着しました。ホームを降りて、近鉄線に乗り換えます。
近鉄線との乗り換え口である「広小路口」に移動しましょう。
広小路口です。新幹線のホームからは、北口の階段を降りるとそのまま在来線ホームの通路を通ってたどり着けます。
改札を出たら、左に曲がりましょう。
すぐ隣りにあるコンビニの角を、左に曲がります。
しばらく進んだのち、「あんぱんや」の店の奥にある案内に従い、裏に回ります。
近鉄名古屋駅の地下改札口に続く階段があります。
そのまま階段を下りて進んでいきます。
進んだ先に、地下改札口があります。
路線図を確認。最寄りの宇治山田駅までは片道1,740円です(運賃のみ)。
1~3番線は特急以外の普通や急行電車が発車します。真ん中の急行「五十鈴川」行きに乗れば、乗車券だけで利用可能です。
特急は4・5番線から発車します。「賢島」行きや「宇治山田」行きに乗車しましょう。
特急「しまかぜ」がホームに到着しました。撮影する人がいっぱいです。
しまかぜのデラックス席の車内です。
もちろんコンセントが備え付けられています。
ひじ掛けに座席の背もたれやカーテンのボタンがあり、電動でスムーズに調節ができます。
しまかぜに乗ると、おしぼりのほか「記念乗車証」がもらえます。
名古屋から約80分で、最寄りの宇治山田駅に到着しました。
宇治山田駅から会場までの徒歩ルート
宇治山田駅に着けば会場は目の前にあるので、ほとんど説明は不要かと思いますが、一応紹介しておきます。
ホームに下車後、階段を下りて改札に向かいましょう。
駅の改札は1か所です。
重厚で立派な駅舎は、構内に貴賓室があるなど、天皇や内閣総理大臣の伊勢神宮参拝の際の乗降駅となっています。
改札を出て右手が出口となっており、出た正面に会場が建っています。お疲れさまでした。
JR「伊勢市」駅までの鉄道ルート
続いてJR(関西線)の「快速みえ」を利用するルートを紹介します。「快速みえ」には一部指定席もありますが、自由席を利用すれば普通運賃(2,040円)のみで乗車できます。
所要時間は約85分で、若干会場から遠い伊勢市駅までになりますが、コスパ重視で移動する場合に有効です。
快速みえは約1時間に1本と、本数に限りがあるので注意しましょう。
路線図を確認。片道2,040円で、快速みえを利用する場合、7駅目になります。
関西線(四日市・松阪方面)の13番線から発車します。
在来線の中でも新幹線のホームに近く、乗り換え時間は短くて済みます。
13番線ホームです。名古屋駅始発ですが、自由席は人気なのですぐに埋まります。
確実に座りたければ、時間に余裕をもって待機するか、指定席券(530円)を買いましょう。
伊勢市駅から会場までの徒歩ルート
JRで伊勢市駅に着いたら、伊勢神宮(外宮)方面の改札を出ましょう。会場までは徒歩約10分の道のりです。
近鉄の伊勢市駅も同じ場所にありますが、操車場にもなっている線路を挟んで北側の位置に駅舎があるため、JRより若干会場から遠くなります。近鉄線を利用する場合は、やはり隣りの宇治山田駅で下車するようにしましょう。
JR伊勢市駅側の改札です。
改札を出たところです。伊勢神宮(外宮)への案内表示が目立ちます。
出口から正面に伸びる参道を進めば約500m先に伊勢神宮(外宮)がありますが、会場へは左側に移動しましょう。
線路沿いに伸びる道を進んでいきます。
道はまっすぐではなく、少し蛇行しています。
しばらく行った先にある「吹上」交差点まで来たら、左に曲がりましょう。
しばらく道なりに進みます。
左側に踏切がありますが、渡らずそのまま右にカーブしていきます。
後はまっすぐ進んでいくだけです。
奥に近鉄宇治山田駅が見えてきたら、会場はもうすぐです。
会場の玄関の横に、駐車場の入口があります。
その先が会場の正面玄関です。お疲れさまでした。
響ホールはこんな所
約1,200人収容、ワンフロア構造の大ホール
会場のメインとなる大ホールの総客席数は1,206席で、1階席のみのワンフロア構造です。
全28列ある座席は、あ列(1列)からし列(12列)までの前の部、す列(13列)からな列(21列)までの中の部、に列(22列)からふ列(28列)までの後の部(317席)の3つに分かれており、それぞれの境界に通路が設置されています。
前の部
前の部の総客席数は436席あります。座席の傾斜は緩やかで、フラットに近いスロープになっています。オーケストラピットを設置する場合は、う列(3列目)までの座席が取り外されます。
ステージから花道がせり出している部分は座席が少なくなっており、左右の端のブロックはき列(6列目)が先頭になります。また、中央先頭のあ列とステージの間隔は近く、ほぼ1m程度の距離になります。
中の部
中の部の総客席数は447席あります。座席の傾斜スロープでなく段差で付けられており、前の部より傾斜が強くなっています。
最後列のな列の左右に、車椅子スペースが3席分ずつ確保されています。
後の部
後の部の総客席数は317席あり、座席の傾斜は最も急になっており、ステージとの距離も相まって、他のホールの2階席前方からのような見え方になります。
後の部の座席は建物の2階部分に相当し、下の段から上っていくほか、ホワイエの階段を上がった先に専用の入口があります。
この日は小規模のコンサートの開催だったこともあり、後の部の席はロープが張られ、使用されていませんでした。また、前2つのブロックに比べ、座席の背もたれが若干ハイバック仕様になっているのも特徴です。
大ホール 座席表
出典:伊勢市観光文化会館公式サイトより
座席
座席は淡い赤色のファブリック生地の座面・背もたれと木製のひじ掛け・基礎の組合わせです。背もたれは腰の部分と背中の部分がセパレートされており、体の曲線にフィットする形になっています。
エントランス・ホワイエ
正面玄関を入ると、メインホワイエが広がっています。奥の階段は先ほど紹介した後の部の座席への入口扉に通じています。
ホワイエの端にコインロッカー室があります。
ロッカーは小型のみですが、100円リターン式で無料で使用可能です。
館内にカフェコーナーはありませんが、飲物の自販機が2台設置されています。
ホール入口側に1台と、窓側の休憩コーナーに面した所にもう1台あります。
ホワイエの壁面には、彫刻家の五十嵐芳三氏の「清流」(1971年製作)が掲示されています。
五十嵐氏の作品は、他にも「クロスするメビウスの環」(2022年寄贈)もあります。
カフェ「レリッシュノート」
宇治山田駅から会場に向かうルートで、会場側の横断歩道を渡った正面にあるのが、カフェ「レリッシュノート」です。
メニューはドリンクのほか、チャーハン・カレー等のご飯ものやホットサンド、ケーキ等のスイーツ類もあります。
店内は様々な形の椅子・テーブルで構成され、少しアンティークな雰囲気です。
この日は昼食にホットサンド(¥500)とランチドリンク(¥200)のアイスコーヒーを注文しました。
以前に訪れた時に注文したスコーンとドリンクのセットです。
尾崎咢堂(がくどう)像
会場正面には、「憲政の神様」と称された政治家の尾崎行雄(咢堂)のモニュメントが設置されています。
父親の転勤の関係で、13歳からの2年半ほどをこの宇治山田の地で過ごしたことや、政治家を志し衆議院に立候補したのもこの地であったことから、建立されたそうです。
周辺施設
伊勢神宮 外宮(豊受大神宮)
いわずと知れた伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)は、会場周辺の宇治山田駅や伊勢市駅から参道が続いており、宇治山田駅から約800m、伊勢市駅から約500mの所にあります。
御祭神の豊受大御神(とようけおおみかみ)は、内宮の天照大御神(あまてらすおおみかみ)のお食事を司る神で、衣食住、産業の守り神として称えられています。
周辺には別宮の「月夜見宮(つきよみぐう)」や「せんぐう館」などの観光名所もあり、内宮まで足を運ばずとも、周辺観光に事欠きません。
この会場のコンサートに訪れる際は、ぜひ1泊2日で伊勢神宮(内宮)を含めた観光付きで楽しむことをお勧めします。
沢村栄治像・生家跡
三重県伊勢市は、プロ野球草創期の名投手であり、プロ野球のピッチャーに贈られる「沢村賞」のルーツである「沢村栄治」氏の生まれ故郷です。
宇治山田駅前は「沢村栄治生誕の街」として、明倫商店街や現在は駐車場となっている「沢村栄治生家跡」など、沢村氏ゆかりの史跡を散策できるようになっています。
まんぷく食堂
宇治山田駅に隣接した「駅前横丁」にある「まんぷく食堂」は、名物の「からあげ丼」が有名な地元の人気店です。
この日はたまたま臨時休業の日で残念ながら入れませんでしたが、以前(6年前)に音擦れた際は帰りにからあげ丼を食べて帰りました。唐揚げを小さく刻んだ親子丼のような感じで、伊勢うどんとのセット等のメニューももあります。
蜂蜜ぱんじゅう 松や 宇治山田駅前店
会場や明倫商店街の入口同様、宇治山田駅との間の道路沿いにある和菓子店「蜂蜜ぱんじゅう 松や」です。「ぱんじゅう」の名前はおそらく、パンと饅頭の生地の中間である「ベビーカステラ」のような生地を指すと思われます。
「こしあん」「つぶあん」「カスタードクリーム」の3種類で、1個80円(2024年10月から100円に値上げ)。食べ歩きやお土産にぴったりの名物です。
この日はつぶあんとカスタードクリーム味を1個ずつ買って、帰りの電車で地元産の大内山牛乳とともに食べました。
施設概要・地図
所在地
三重県伊勢市岩渕1丁目13-15
アクセス
近鉄「宇治山田」駅下車 徒歩約2分
JR・近鉄「伊勢市」駅下車 徒歩約10分
ホール
大ホール 総客席数:1,206席
(前の部:436、中の部:447、後の部:317)
※上記のほか車いす席:6席
公式サイト
https://www.ise-kanbun.jp/