
初めて富士市文化会館・ロゼシアターのコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
富士山を一望できるロケーションにある、音響が素晴らしいホール。
最寄り駅から遠くバス路線もややこしいので、アクセス面で課題があります。
富士市文化会館・ロゼシアターは、1993(平成5)年に開業した静岡県東部の富士市にある複合文化施設で、「人が集まり憩える場」・「発表の場」・「文化を受ける、育てる場」・「新しい文化の創出の場」をコンセプトとしています。
大・中・小の3つのホールをはじめ、レセプションホールや展示室、 練習・リハーサル室、会議室、レストラン等もあり、ホールの貸館業務のほか主催公演も企画されており、国内外のオーケストラやアーティストが公演を行っています。
「ロゼシアター」の愛称は、富士市の花である「バラ」にちなみ、華やかな劇場になるようイメージされ、公募によって選ばれました。
天気のいい日は、新幹線の駅からもそうですが、会場からも富士山の絶景を楽しむことができるロケーションが魅力です(あいにく訪れた日は雨模様だったため、拝むことができませんでした・・・)。
また、ホールの音響面でも優れた会場で、2011(平成23)年には、日本音響家協会が選ぶ「優良ホール100選」にも認定されています。
ロゼシアターまでのアクセス
最寄り駅は新幹線「新富士」駅とJR「富士」駅


会場の最寄り駅は東海道新幹線の「新富士」駅と、JR東海道本線の「富士」駅。ライブ遠征を考えた場合、まずは新幹線で新富士駅まで来ることが想定されます。
新富士駅は「こだま」号しか停まらない駅で、所要時間は東京から約1時間、名古屋から約1時間30分、新大阪から約2時間20分(途中のぞみ号利用で乗り継ぎ)です。

まずは全国各地から新富士駅を目指します。

新富士駅に到着しました。

ホームから改札階に移動します。

改札口は1か所です。

改札を出た所にある案内を確認。北口(富士山口)のある右側に進みましょう。

会場へ向かうバスやタクシーは、富士山口から出ています。

富士山口を出たところです。天気が良ければ富士山が見えます。

バス停とタクシー乗り場は向かって右側にあります。

1番のりばからは、JR富士駅方面のバスが出ます。

2番のりばからは、吉原中央駅方面のバスが出ます。
新富士駅・富士駅からのバスアクセスについて

さて、今回の会場は、ここからのアクセスが問題となります。最寄り駅とはいっても、会場のロゼシアターまでは新富士駅・富士駅ともに約2キロ離れた場所にあり、徒歩で向かうと約25~30分の道のりになります。
会場までの公共交通機関によるアクセスは、路線バス(富士急静岡バス)または同社が受託運行している富士市のコミュニティバス「ぐるっとふじ」を利用するのが一般的です。
駅最寄りのバス停は、新富士駅が「新富士駅」バス停、富士駅は「富士駅前」バス停です。
出典:富士急バスロケサイトより新富士駅バス停 富士駅前バス停
また、会場最寄りのバス停は、「ロゼシアター入口」バス停と「ロゼシアター前」バス停があります。
出典:ロゼシアター公式サイトより
会場のすぐ前に停まる「ロゼシアター前」バス停は新富士駅から、会場南の駐車場の近くに停まる「ロゼシアター入口」バス停は富士駅前からの便が停車します。
新富士駅からのバスの本数は少ない

まず、ライブ遠征民にとって最も便利だと思われる新富士駅から最寄りのロゼシアター前に停まる便ですが、ご覧の通り2025年4月現在、「わずか1日3本」しかありません。
たまたま到着列車や開演時間前に運良く接続する便に乗れれば都合がいいのですが、多くの場合は時間が合わないパターンになると思われます。ちなみにロゼシアター前に停まるバスは、2番のりばから出ています。

運良く乗車できれば、会場の目の前に到着します。

バス停はすごく立派なのですが、肝心の本数が心もとないです…。
そこで取りうる手段としては、会場近くまでのバスの運行本数が多い富士駅まで移動するか、徒歩で会場まで直接向かうことになります。
JR富士駅までのバスルート

JR富士駅まで一般の路線バスを利用する場合は、「富士駅南口」行きが1番のりばから出ています。

日中の本数はだいたい1時間に1本です。

富士駅南口までの所要時間は約11分。運賃は片道190円です。

南口に着いたら、連絡通路を通って北口に移動しましょう。

途中、JR富士駅の改札前を通過します。

北口に出たら、向かって右側の下にバスロータリーがあります。

ロゼシアター入口方面のバスは1番のりばから発車します。
「ぐるっとふじ(右回り)を利用する場合
出典:富士市ホームページより
富士市のコミュニティバス「ぐるっとふじ」は、富士駅、新富士駅、吉原中央駅を結ぶ路線で、日中や夜間に「右回り」と「左回り」で運行しています。
新富士駅から利用する場合は、「右回り」ルートの便を利用することで、JR富士駅前を経由して、そのまま最寄りの「ロゼシアター入口」バス停まで利用することができます。日中の運行本数は1時間に1本です(10時台~18時台)。
いずれにしても、いったん北西にあるJR富士駅前を経由する形になるので、バスの乗車時間としては富士駅前まで片道190円・約15分、ロゼシアター入口まで片道390円・約23分程度かかります。ただし、街中を周遊するので、交通混雑等でよく遅延が発生します。
新富士駅から会場までの徒歩ルート
先の述べたように、新富士駅から会場まで徒歩で向かう場合の道のりは約2.2キロあり、所要時間は約30分かかります。ただし、駅前から伸びる「富士見大通り」を直進すればたどり着けるので、道に迷うことは少ないと思います。
蓼原(たではら)大橋からの眺望
出典:Googleストリートビューより
富士見大通りの名の通り、まさに「富士山に向かってまっすぐ進む」という感じで、道中は晴れていれば素晴らしい景色を楽しめます。
最後に青葉通りとの交差点を右に曲がれば、会場前に到着です。
富士駅からのバスルート

JR富士駅からバスを利用する場合は、「富士駅前」バス停の1番のりばから、「ロゼシアター入口」まで向かう便に乗車します。

先ほど紹介した新富士駅からの「ぐるっとふじ(右回り)」のほか、一般の路線バスを利用する場合は、色々な行き先の便がありますが、「富士中央病院」経由の記載がある便に乗車すれば、同じく「ロゼシアター入口」バス停に停車します。運賃は片道280円です。

バスの車内です。ぐるっとふじも路線バスも同型の車両を使用しています。

富士駅前から約11分で、ロゼシアター入口に到着です。
「ロゼシアター入口」バス停からの徒歩ルート

ロゼシアター入口バス停に着いてから会場までの徒歩ルートも紹介しておきます。会場の南側に停まるので、バスを降りたら、進行方向と逆方向に進みましょう。会場までの所要時間は徒歩約2分です。

すぐ先にあるコインランドリーがある角を右に曲がります。

そのまま道を直進していきましょう。

突き当りまで来たら、右に曲がります。

用水路(川の支流)にかかる橋があるので、渡って会場内に入ります。

正面玄関と反対側から会場に到着です。お疲れさまでした。

ちなみに橋の向かいには会場の専用駐車場(無料)があります。
レンタカー・タクシー利用も検討

以上紹介したように、一応路線バスはあるのですが、本数が少なかったり、わかりにくかったりするので、なかなかややこしく感じた人も多いのではないでしょうか。

夜公演終了後は、公演により臨時バスが運行されることもありますが、基本は営業時間外(ぐるっとふじの夜間ルートは平日限定)となります。また、天気が悪いと駅まで歩くのも苦痛に感じるので、その場合は帰りの電車等に間に合うよう、レンタカーやタクシーを利用したほうが無難だと思います。
ロゼシアターはこんな所
音響効果を高める工夫が施された大ホール

大ホールの総客席数は1,632席で、1階席と2階席の二層構造です。
クラシック音楽に最適なシューボックス(靴箱)型の形状に、天井や壁面からの反響を効率的に客席まで届けるようホール各所に走行式音響反射板などの設備が施されており、音響の素晴らしいホールとして知られています(私も実際の公演でその効果を実感しました)。
1階席

1階席の総客席数は1,210席で、1列から32列まであります。途中、17列と18列の間に中央通路が設置されており、16列後方の右サイドの4席は車いすスペースになっています。


最前の1列から3列までの89席は、オーケストラピット設置時に取り外されるためフラットになっています。また、座席間の段差は6列目から生じます。


中央通路より前方の席の傾斜は緩めで、座席間の段差は1段ずつ付けられています。



通路後方の傾斜は前方に比べ若干強めになっており、座席間の段差は2段ずつ付けられています。


また、中央ブロックの31列後方にも車いすスペースが6席分設置されています。


2階席

2階席の総客席数は422席で、ステージ後方の正面スタンド席は1列から11列まであり、1列当たり30席ずつ配置されています。途中、5列と6列の間に中央通路が設置されています。





また、左右両サイドはそれぞれLブロック・Rブロックに分かれ、それぞれ1列から8列まで1列あたり5席ずつ配置されています。なお、横並びの5席のうちの端から2席は、前方のボックス席で視界が遮られないよう、若干嵩上げされています。


その他、前方のせり出し部分には、3席ずつ配置されたボックス席(LB・RB)が左右2か所ずつ配置されています。


座席間の傾斜は1階席よりも強めで、ステージを俯瞰で見下ろす感じになっています。

大ホール 座席表
出典:ロゼシアター公式サイトより
大ホール 座席


大ホールの座席は薄紫色の座面・背もたれに赤みがかった茶色のひじ掛け・基礎の組合せです。背もたれは背中と腰の境界辺りでワンポイントのラインが入っており、座り心地は上々でした。2階席は背もたれが若干長いハイバック仕様になっています。
館内施設

エントランスを抜けると、メインホワイエに出ます。反対側の奥が客席になっており、シンプルな構造です。

大ホールのエントランスは建物2階の一番東側にあります。

入場待機列は2階のロビーの東の端から並びます。

入口と反対側の位置にカフェコーナーがありますが、この日は営業していませんでした。

2階席のホワイエはメインホワイエほどの広さはなく、通路脇にソファが設置されているシンプルなものです。
ステージを囲むような座席配置の中ホール
出典:ロゼシアター公式サイトより
中ホールの総客席数は700席で、1階席と2階席の二層構造です。
主に演劇・バレエ・ミュージカルなどの利用を主目的としたホールで、大ホールに比べ、セリフが明瞭に聞こえるように残響音を短めに設定しています。
1階席の総客席数は590席で、1列から21列まであります。途中、12列と13列の間に中央通路が設置されており、最後列の21列の左右に車いすスペースが4席設置されています。最前の1列から3列までの74席は、オーケストラピット設置時に取り外されるためフラットになっています。
2階席の総客席数は110席で、5つのブロックに分かれ1列から3列まで設置されています。また、どこからもステージが近く感じられるように、客席がステージを囲むように半円状に配置されているのも特徴です。
中ホール 座席表
出典:ロゼシアター公式サイトより
市民の芸術活動を支える小ホール
出典:ロゼシアター公式サイトより
小ホールの総客席数は326席で、ワンフロア構造になっています。
演劇・音楽・講演等の市民の皆さんの文化芸術発表の場のほか、プロの演奏活動にも応えられるよう、天井を高めに設定し音響効果を高める工夫もなされています。
総客席数は326席で、1列から17列まであります。途中、7列と8列及び14列と15列の間に通路が設置されているほか、7列の左右両端に車いすスペースが計4席分設置されています。
小ホール 座席表
出典:ロゼシアター公式サイトより
ロゼテラス(Rose TERRACE)

会場の建物2階の西側には、和食&カフェ「ロゼテラス」があります。地元静岡で和食店や公共施設内のレストラン・ケータリング事業を手掛ける「株式会社 なすび」のグループが経営しています。営業時間はランチタイム中心の11:00~15:00で、ロゼシアターの営業日に準じます。

テーブル席中心の店内は80席ほどありますが、公演時のランチタイムは行列ができるほどの盛況でした。

青葉通りに面した壁はガラス張りになっており、開放的な空間です。

メニューは和食に限らずパスタやオムライス等も提供しています。

デザート類も豊富で、カフェとしても利用できます。

この日は「米粉団子のティラミス仕立て」という和洋折衷のデザートをアイスコーヒーとともにいただきました。

店内にはキッズスペースも設置されており、幼児を連れた利用者も安心して利用できます。
ふじ・紙のアートミュージアム

ふじ・紙のアートミュージアムは、2016(平成28)年に新たな紙の芸術・文化を紹介し、後世に伝えていく活動の場としてロゼシアター内に開業した美術館です。
富士市は古くから豊富な水資源や木材を活用した紙産業が盛んで、芸術分野でも多くの作家が紙の作品を制作していることから、そのアピールの場として設けられました。
ロゼシアター1階にあるガラス張りの開放的な展示スペース内では、年3~4回のペースで、紙を素材とした芸術作品を展示する企画展を開催され、紙の魅力を紹介しています。
エントランス

ロゼシアターには青葉通りに架かる「ロゼの架け橋」を通って正面玄関に入ります。

入口は建物の2階に位置しています。

右側がレストラン「ロゼテラス」で左側に各ホールのエントランスが続きます。

まず入口左側に小ホールのエントランスがあります。

続いてその左側に中ホールのエントランスがあります。

一番左側にある大ホールのエントランスに至る壁面には、富士市の名誉市民のレリーフが掲示されています。

一連の施設のエントランスは、ガレリアのような通路でつながっています。
周辺施設
富士市中央公園

富士市中央公園は、会場と青葉通り(臨港富士線)を挟んだ北側にある公園です。


約6.3haの敷地は中央を流れる潤井川(うるいがわ)で分かれ、園内は四季を彩る植栽や芝生広場、水のモニュメント、多目的広場などの施設がある、市民憩いの場です。


また、富士市の花にもなっているバラは、園内に約200種1800株の様々なバラが植えられており、バラの名所にもなっています。

青葉通りと富士見大通りとの交差点付近には公園の無料駐車場があり、コンサート利用者も利用することができます。

潤井川添いの遊歩道は、「かるたの小径」と銘打って、一定の間隔で百人一首の歌のプレートが埋め込まれています。


タリーズコーヒー 富士市中央公園店

公園の一角にある「タリーズコーヒー 富士市中央公園店」は会場の向かいにあるので、開演までのひと時を過ごすことのできる貴重な場所です。
五味八珍 横割店

静岡県といえば、栃木の宇都宮と並び、浜松の「餃子」が有名です。今回は富士市の会場ですが、浜松餃子の名店「五味八珍(ごみはっちん)」の横割店が、JR富士駅から徒歩圏内の場所(「十兵衛」バス停の近く)にあります。


今回私はモーニング娘。’25の静岡公演で訪れたのですが、静岡出身の12期メンバーの野中美希(のなか みき)さん、17期メンバーの弓桁朱琴(ゆみげた あこ)さんは、ご当地グルメとして、ブログ等でたびたび五味八珍を紹介しています。
https://r.gnavi.co.jp/s99989a50000
施設概要・地図
所在地
静岡県富士市蓼原町1750
アクセス
東海道線「新富士」駅下車
富士山口より路線バス約15分
「ロゼシアター前」下車 徒歩すぐ
JR東海道本線「富士」駅下車
北口より路線バス約15分
「ロゼシアター入口」下車
徒歩約2分
ホール
大ホール 総客席数:1,632席
(1階:1,210、2階:422)
車椅子席:10席、親子室:1室
中ホール 総客席数:700席
(1階:590、2階:110)
車椅子席:4席、親子室:1室
小ホール 総客席数:326席
(ワンフロア構造)
車椅子席:4席、親子室:1室
公式サイト
https://rose-theatre.jp/