
初めて奥州市文化会館・Zホールへコンサートに訪れる人を対象に、会場までのアクセスや施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
岩手県南部の水沢地区にある文化施設。
最寄り駅からは距離があるので、基本はレンタカーによるアクセスがおすすめです。
奥州市文化会館・Zホールは、1992(平成4)に開館した文化施設で、当時は「水沢市民会館」という名称でした。
出典:国立国会図書館HPより
「Zホール(ぜっとほーる)」の愛称は、当地ゆかりの天文学者であった木村栄(きむらひさし)博士が発見した「Z項(ぜっとこう)」に由来しています。
木村博士は、帝国大学を卒業後、緯度観測に従事し、1899(明治32)年に設立された水沢緯度観測所長に就任しました。
1902(明治35)年に、緯度変化の新要素である「Z項」を発見した業績により国際的に高い評価を受け、1937(昭和12)年には第1回文化勲章を受章するなど、世界的な業績として高く評価されています。
この偉業を記念し、奥州市(特に水沢地区)では、奥州市文化会館(Zホール)の他にも、奥州市総合体育館(Zアリーナ)など、多くの施設名や愛称に「Z」が用いられています。
奥州市総合体育館・Zアリーナ(公式サイトより)
平成の大合併により誕生した「奥州市」
出典:奥州市ホームページより
「奥州市」と言っても、東北地方にゆかりのある方でなければ、どこにあるかピンとこない人も多いと思います(私もそうでした)。
奥州市は岩手県の南部に位置し、平成の大合併において、胆江(たんこう)地域を構成していた5つの市町村が一つにまとまって誕生しました。
| 水沢市(みずさわし) | 奥州市役所本庁舎(旧水沢市役所)所在地 |
| 江刺市(えさしし) | 市東部の旧江刺郡の中心地 |
| 前沢町(まえさわちょう) | ブランド牛「前沢牛」で知られる地域 |
| 胆沢町(いさわちょう) | 胆沢ダムなど豊かな自然を持つ扇状地 |
| 衣川村(ころもがわむら) | 奥州藤原氏ゆかりの歴史ある地域 |
北は花巻市や北上市、南に平泉町や一関市があり、市の中央部を北上川、JR東北本線、東北新幹線が南北に通っている地域です。
今回の会場は、市東部の旧水沢市と江刺市の境界付近に位置しており、鉄道の最寄り駅はJR東北本線の水沢駅や東北新幹線の水沢江刺(みずさわえさし)駅になります。また、同じ岩手県内にあるいわて花巻空港も、アクセス拠点の1つとなります。
今回はこの水沢駅、水沢江刺駅、いわて花巻空港からのアクセスについて紹介します。
Zホールまでのアクセス
JR水沢駅からの徒歩ルート

まずはJR水沢駅からのアクセスについて紹介します。東北本線の駅で、東北新幹線の一ノ関駅から約25分、北上駅から約15分の位置にあります。
アクセス拠点の中では会場に最も近く、徒歩で向かうことができますが、それでも約15分~20分ほどかかる距離があります。色々行き方はありますが、下記のルートで説明します。(作った後でちょっとジグザグ進みすぎで、もう少しシンプルなルートの方がよかったかなと思いましたが、お付き合い願います…)


水沢駅西口の改札からスタートです。

まずは改札を出て左に曲がります。

突き当りに東口に向かう地下道があるので階段を下ります。

地下通路内を移動します。

東口に出ました。ロータリーの先の東に延びる通りに進みましょう。

どこかのタイミングで道の左側に移動しておきます。

薬局の処方箋受付の看板の前の道路を左に曲がりましょう。

奥州病院の建物の間を抜けていきます。

途中に小さめの交差点がありますが、そのまま直進していきます。

「ボードカフェ」というお店の横を通過します。

歯医者の付近までくると、道が緩やかに右にカーブしていきます。

国道4号線の近くまで来たら、右側にあるアンダーパスの方に進みます。

アンダーパスの向かい側に移動しましょう。

少し歩いたのち、写真の箇所を左に進みます。

そのまま道路と合流する地点まで向かいます。

角にある回転寿司店の駐車場の先を、右に曲がります。

しばらく道なりに進みます。左側には慶徳(けいとく)公園が広がっています。

ABCマートの先が交差点になっているので、左に曲がりましょう。

後はまっすぐ進むだけです。

めんこい美術館の前を通過します。

続いて水沢図書館の前を通過すれば、会場はすぐそこです。

駅から徒歩約20分で会場に到着です。お疲れさまでした。
新幹線水沢江刺駅からのルート

続いて東北新幹線の水沢江刺駅からのルートです。水沢駅以上に会場とは離れているので、タクシーやレンタカー、コミュニティバスの「Zバス」を利用します。
駅から会場までは車で約10分(5.3km)、タクシー利用の場合、料金は約2,600円です。

こちらも改札を出たところからスタート。

正面口(西口)方面に向かいましょう。

正面口から外に出ます。お蕎麦屋さんが横にあります。

出た正面に、タクシーのりばがあります。
レンタカーを利用する場合は、駅前にニッポンレンタカーと日産レンタカーの支店があります。
https://www.nipponrentacar.co.jp/?utm_source=google&utm_medium=maps
水沢コミュニティバス「Zバス」

駅から会場までのアクセス手段としてはもう1つ、水沢コミュニティバス「Zバス」があります。
出典:おうしゅう旅浪漫ホームページより
上記路線のうち、会場最寄りのバス停である「Zホール前」には、黄色の羽田線とピンク色の南方線が停車します。羽田線は毎日運行していますが、南方線は、平日(月・水・金)のみの運行です。
水沢江刺駅からZホール前までの所要時間は約9分、運賃は片道300円です。

バス停は、駅正面口の右側にあります。

上の路線図の抜粋。水沢江刺駅から9つ目がZホール前です。

ただし、運行本数は1日わずか4往復のみ。タイミングが合えば利用できる程度です。

最寄りの「Zホール前」バス停は、会場の正面玄関の前にあります。
ZバスはJR水沢駅近く(水沢駅口、水沢駅通り)からも利用可能で、その場合の所要時間は約15分、運賃は片道200円です。


いわて花巻空港からのルート

最後に、空路でいわき花巻空港を利用する場合のアクセスを紹介します。上記の通り、鉄道の最寄り駅からのアクセスはそれほど良いとは言えないため、やはりこの会場はレンタカーを利用するのが一番楽だと思います。

例によって、私は地元の名古屋空港から出発しました。

FDA(フジドリームエアライン)で、いわて花巻空港に向かいます。

道中は天気も良く、秋の紅葉がきれいに見えました。飛行時間約70分(帰りは約85分)です。

いわて花巻空港到着ロビーに着きました。インフォメーション横に、レンタカーのカウンターがあります。
空港バスで北上駅まで移動する方法がおすすめ

ただし、空港から会場まで直接レンタカーで移動すると、高速道路(有料)を使って片道で約40km、約40分かかってしまいます。
そこで、到着便に合わせて出ているシャトルバスで北上駅まで移動し、北上駅からレンタカーを利用すれば、移動距離は約半分になり、下道の移動(約30分)で済みます。今回私はこの方法でアクセスしたので紹介します。

北上駅へは1日4往復。10時発の便を利用しました。

運賃は片道1,000円です。バス車内で支払うか、空港のインフォメーションでも購入できます。

到着ロビーを出て左側にある、1番のりばから発車します。

北上駅行きシャトルバスの車両です。

路線バスや観光バスより小さめのマイクロバスタイプです。

空港から約35分で、北上駅に到着です。

JR各駅に設置の「駅レンタカー」を利用しました。

鉄道利用やWEB利用による割引、異なる駅への乗り捨て利用などのサービスもあり、おすすめです。
Zホールはこんな所
大ホール

大ホールの総客席数はちょうど1,500席で、1階席と2階席の二層構造です。音響反射板やオーケストラピットが設置されており、コンサートやミュージカルはもちろん、演劇、舞踊のほか、多用途に対応できる舞台を持つホールです。
1階席

1階席の総客席数は984席で、A列からW列までの23列あります。途中、R列(13列目)とS列(14列目)の間に中央通路が設置されているほか、オーケストラピット使用時は、最前のA列からD列までの4列分が撤去されます。




座席間の傾斜は、中央通路より前方は、オーケストラピットとなるA列からD列まではほぼフラット、入口扉A付近のI列までは緩やか傾斜、以降のJ列以降から中央通路後方にかけて段差が付き、前方よりも傾斜は強めになっています。


その他、I列(9列目)の左右両端に車椅子席が2席ずつ計4席設置されています。


2階席

2階席の総客席数は516席で、A列からP列までの16列あります。途中、J列(10列目)とK列(11列目)の間に中央通路が設置されているほか、A列からD列までの4列は、左右の両端からバルコニー席のようにステージ側にせり出した部分になります。


座席の傾斜は1階席に比べ段差が付き、最前から後方まで均等な強めの傾斜になっています。






大ホール 座席表
出典:奥州市文化会館公式サイトより
座席


座席は薄紫(ラベンダー)色の座面・背もたれとひじ掛け・基礎の組合せです。背もたれは基礎部分をクッションが覆う形で構成されており、2階席は1階席に比べハイバック仕様になっています。
中ホール
出典:奥州市文化会館公式サイトより
中ホールの総客席数は504席で、A列からT列までの20列あります。ワンスロープ構造で、途中、G列(7列目)とH列(8列目)の間に中央通路が設置されているほか、最後列付近のR列(18列目)とS列(19列目)の間にも通路が設置されています。
全席電動式収納客席になっており、ホールとしての機能はもちろん、客席を収納することにより、絵画や彫刻の展示スペースとしての使用等も可能です。
座席間の傾斜は、通路前方のG列まではスロープによる緩やかな傾斜、通路後方のH列以降は段差の付いた少し強めの傾斜となっています。
車椅子席は、最前のA列の左右両端に2席ずつ、計4席配置されています。
中ホール 座席表
出典:奥州市文化会館公式サイトより
その他館内設備

正面玄関を入った所にエントランスロビーがあり、大ホール・中ホールのホワイエのほか、展示室や事務室にも続いています。ご覧の通りそれほど広くはない横長の空間で、開演前には入場待ちの人で混雑します。

ロビーの一角にホール共通のコーヒーラウンジがあり、開演前後や幕間の時間に利用できます。

その横の中庭に面した場所にイスとテーブルが設置されています。

ドリンクメニュー。価格は300~400円台で注文できます。

軽食はパンが中心。あんパンやラスクが美味しそうでした。

関内には自動販売機やコインロッカーも設置されています。

ロッカーは小型と中型があり、小型が100円、中型が200円で利用できます。
周辺施設
めんこい美術館

水沢駅からの徒歩ルートで少し出てきましたが、会場の前を通る常盤通り沿いには「めんこい美術館」があります。2001(平成13)年の開業で、それ以前はフジテレビ系列のテレビ局である「岩手めんこいテレビ」の本社とそいて建物が使用されていました。
奥州市水沢出身の佐々木精治郎の作品と、世界のアゲハチョウ標本(中江信コレクション)を展示している常設展のほか、誰でも気軽に利用できる2つの展示室で、個展、グループ展を開催しています。


らーめん 石川五右衛門

会場と道路(常盤通り)を挟んだ向かいにあるのが「らーめん 石川五右衛門」です。店名にもなっている「石川五右衛門らーめん」は少し辛めの醤油ラーメンという感じで、町中華らしい飽きのこない味でした。

メニューの一部。ラーメン単品はだいたい800円~1,000円で頼めます。

石川五右衛門らーめん。とにかく器とレンゲがビッグサイズなのに驚くと思います。

店内はカウンター席とテーブル席が半々ずつという感じ。地元出身の大谷翔平選手のポスターが飾られていました。
訪れた日はちょうどメジャーリーグのワールドシリーズ最終戦の日で、お客さんと店の人が一体になってドジャースを応援していました。食事中にドジャースが最終回にホームランを打って同点にした瞬間を目撃し、喜びを分かち合うことができました♪
施設概要・地図
所在地
岩手県奥州市水沢佐倉河石橋41
アクセス
JR東北本線 「水沢駅」下車
徒歩約20分
東北新幹線「水沢江刺」駅下車
車またはZバスで約10分
いわて花巻空港から
レンタカーで約40分
ホール
大ホール 総客席数: 1,500席
・1階:984席(うち車イス席4席)
・2階:516席
小ホール 総客席数:504席
・可動席 500席、車イス席 4席
公式サイト
http://www.oshu-bunka.or.jp/








