初めて「周南市文化会館」のコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
市街地の北、かつての徳山藩の拠点に建設された老舗の文化会館。
近くには動物園や美術博物館もあり、周辺は文教地区になっています。
周南市文化会館は1982(昭和57)年、徳山藩庁(徳山城)の跡地に、当時の徳山市により建設された多目的ホールで、「徳山市文化会館」という名前で開業しました。その後、平成の大合併により周南市が誕生した2003(平成15)年に、現在の名称になりました。
施設の運営管理は2006(平成18)年度より指定管理者制度に移行し、公益財団法人周南市文化振興財団が、周南市美術博物館と共に管理・運営しています。
2023(令和5)年の調査で施設の耐震性に問題があることが判明し、天井の改修などの大規模修繕工事を実施することになったため、2027(令和9)年2月から2028(令和10)年10月まで全館休館となる予定です。
周南市文化会館までのアクセス
まずは山陽新幹線「徳山」駅へ
会場の最寄り駅は東海道・山陽新幹線の徳山駅です。一部のぞみ号やひかり号が停車するので、名古屋や九州・関西方面からのアクセスは良好といえます。
各地から新幹線を利用した場合の所要時間(最短)は、次のとおりです。
東京駅から | 約4時間20分 |
名古屋駅から | 約2時間35分 |
京都駅から | 約2時間 |
新大阪駅から | 約1時間45分 |
広島駅から | 約20分 |
博多駅から | 約45分 |
熊本駅から | 約1時間25分 |
鹿児島中央駅から | 約2時間25分 |
ホームに着いたら、下の改札階に向かいましょう。
下りた先に、「ツルの里」「ふぐのふるさと」のオブジェがあります。
在来線に乗り換える必要はないので、そのまま出口に進みます。
改札を出たら、向かって左の「みゆき口」の方に向かいましょう。
その先は在来線の上を通る連絡通路になっています。
しばらく進むと、左手に在来線の改札口があります。
そのまま直進し、突き当りの階段またはエスカレーターで地上に下りましょう。
徳山駅みゆき口に到着しました。
今回は、徳山駅みゆき口から会場までバスを利用するルートと、徒歩で向かうルートの2種類に分けて紹介します。
徳山駅からのバスルート
徳山駅からは路線バスのほか、市街地循環線(コミュニティバス)の「ちょい乗り100円バス」が運行しています。駅と会場・動物園を往復しているルートで、コンサートや動物園の利用客にとって、ありがたい存在です。
100円バスは8番のりばから出ています。
みゆき口からロータリーを左に進んでいきます。
道路奥のローソンのそばにのりばがあります(ちょうどバスも停車しています)。
ダイヤは土日祝日の9時台から17時台までの運行で、毎時3本ずつあります。
バスの運賃は、交通系ICカードが利用可能です。
乗車時間は約7分です。
最寄りの「動物園文化会館入口」バス停に到着しました。
バスを下りたら、進行方向と反対側に移動しましょう。
会場建物の東側から入口に向かう形になります。
そのまま道なりに進めば、正面玄関に到着です。お疲れさまでした。
平日は4番・6番のりばからも出ています
バスアクセスはこのほか、同じみゆき口のバスターミナルの4番のりばと6番のりばから出ている路線バスでも、一応向かうことができます。
・4番のりば
「(動物園北口経由)北山行き」乗車
・6番のりば
「徳高・バイパス経由のバス」乗車
→「動物園文化会館入口」バス停下車
ただし、4番のりばの「北山」行きは平日のみの運行で、土日祝日は8番のりばの100円バスを利用するよう指示されています。
ライブ遠征は週末が多いと思うので、基本的には今回紹介した100円バスを利用するのが、わかりやすいと思います。
徳山駅からの徒歩ルート
徳山駅から徒歩で向かう場合、先ほどのバスとほぼ同じルートで向かうことになります。道のりは約1.8kmほどあるため、徒歩で向かうには時間がかかることを覚悟しておきましょう(所要時間:約25分)。
まずは噴水の横を通り、東横インのビルを目印に移動しましょう。
商店街(ピアモール)の横断歩道を渡り、先に進みます。
ここから先はしばらく直進ルートです。
隣りを走る道路は駅の出口名にもなっている「御幸通り(みゆきどおり)」です。
最初の大きな交差点の「市役所前」交差点を渡ります。道路は交差点の先から「岐山通り(きさんどおり)」という名前に変わります。
交差点を渡った先には山口銀行徳山支店の立派な建物があります。
100円バスの「周南市役所前」バス停を通過します。
続いて、「図書館前」バス停を通過します。
しばらく進み、セブンイレブンの前を通過します。
ほどなく右手に、「坂の上の雲」の登場人物でおなじみ、日露戦争の満州軍総参謀長を務めた「児玉源太郎 生誕の地」があります。
さらに進み、「徳山高校前」バス停を通過します。
やがて国道2号(周南バイパス)との交差点まで来たら、横断歩道を渡り右に曲がりましょう。
交差点の右手前には、スーパーの「アルク 徳山中央店」があります。
渡った先のジョリーパスタやステーキ店が並ぶ界隈を移動します。
カーディーラーの「レクサス周南」の前を過ぎれば、会場はもうすぐです。
その先にある交差点の左側が、会場入口になっています。お疲れさまでした。
駐車場
レンタカー等を利用する場合、会場内の駐車場(約160台分)を利用可能です。満車の場合は、会場の向かいにある美術博物館横の臨時駐車場を利用することもできますが、やはり公共交通機関での利用がメインになると思います。
周南市文化会館はこんな所
収容人員1,800人の大ホール
大ホールの総客席数は1,647席で、1階席と2階席の二層構造になっています。
固定席のほか、後述しますが1階席と2階席のそれぞれに補助席エリアが設けられており、収容人員(定員)は1,800人になります。
1階席
1階席の総客席数は1,018席せ、1列から23列まであります。途中、9列と10列の間に中央通路が設置されているほか、通路と出入口扉に近い、9列の左右両端に車いす席が4席分確保されています。
通路前方はオーケストラピット使用時に取り外される5列目(計160席)まではフラットに近いスロープ状で、6列目から段差が付けられています。
通路後方からは一定の角度で段差による傾斜が付けられており、通路前方に比べ、若干ですが傾斜角度は急になっています。
その他、最後列の23列の後方1列分と前方6列から8列までの左右両端付近に、補助席エリアが確保されています。
2階席
2階席の総客席数は629席で、24列から38列までの15列あります。途中、31列と32列の間に中央通路が設置されていますが、厳密にはこの通路を隔てる形で、建物の2階と3階に分かれる形になります(チケット表記上は「2階36列」というような表記になると思います)。
バルコニー席はありませんが、24列から26列までの3列18席は、左右のせり出し部分のみに配置されています。また、せり出し部分後方に当たる26列と27列の間に補助席エリアが、1列8席分設けられています。
それぞれ建物の2階と3階に出入口が設置されており、2階からは階段を上がる形で建物3階との境界となる通路部分へ、3階ロビーからは最後列中央へ続く扉が設置されています。
座席間の傾斜は3階席最後列まで一定の角度で、1階席よりも角度が急になっています。
大ホール 座席表
出典:周南市文化会館公式サイトより
座席
座席は赤色の座面・背もたれと濃茶のひじ掛けの組合せです。クッション生地は厚めですがそれほど柔らかくはなく、疲れにくい座り心地になっています。
また、2階席は背もたれ部分が伸びたハイバック仕様になっているほか、補助席エリアに設置される椅子は、固定席に合わせた赤色のスタッキング型のものが使用されます。
エントランス・ホワイエ
大ホールへは正面玄関を入って先のエントランスホールを左に向かいます。フロアの色が変わった所から1階ロビーになっています。
1階ロビーにはカフェコーナーもありましたが、ここしばらくは営業していなさそうな雰囲気でした。建物の2階には以前、「岐山」というレストランがありましたが、2020(令和2)年2月に閉店し、現在事業者を募集中とのことです。
周辺施設
徳山動物園
会場の隣りには、徳山動物園があります。周南市の市営で、旧徳山市の市制25周年を記念して、1960(昭和35)年に開園した歴史ある動物園です。
一部リニューアル工事中でしたが、5万㎡の敷地内は小一時間ほどで回るのにちょうどよい規模で、レッサーパンダや、大規模な象舎や餌場で見ることができるゾウなどが人気です。
入場料は大人600円。それぞれの動物の前にはわかりやすい解説パネルを設置し、その動物がより理解できる工夫も施されていました。
園内の中央テラスや野鳥観測所など、食事や休憩ができる場所や屋内施設も充実しており、公演前のひとときを過ごすのにぴったりです。
祐綏神社(ゆうすいじんじゃ)
会場と動物園のちょうど間に位置しているのが、徳山藩ゆかりの祐綏神社(ゆうすいじんじゃ)です。
元は徳山藩主毛利家の社で、ご祭神は徳山藩初代藩主の毛利就隆(なりたか)で、後に9代藩主の毛利元蕃(もとみつ)が追加されました。
第二次大戦時中の1945(昭和20)年7月の徳山空襲で焼失後に現在の社名で再建され、現在に至っています。毎年4月に例祭が開催されています。
周南市美術博物館
会場と道を挟んだ向かいには、周南市美術博物館があります。
地元の芸術家である宮崎進、岸田劉生、まど・みちおらをはじめとした美術部門や、同じく地元出身の写真家・林忠彦の作品展示、郷土の歴史や文化に関わる資料を扱う歴史部門の展示が併設されています。
常設展示と企画展の2種類の観覧エリアがあり、常設展示だけなら、わずか200円で観覧することができます。
カフェテラス「まど」
館内に併設された「カフェテラス まど」は、美術博物館の観覧券なしでOKで、名前の通り大きな窓の外の噴水池の景色を眺めながら、ゆったりくつろぐことができます。
ガトーショコラとコーヒー・紅茶がセットになった「ちいさなまどセット」が定番メニューで、挽きたてのコーヒーを、ショーケースに展示してあるウェッジウッドやマイセンなどの好みの器で楽しめるサービスもあります。
ミルトンコーヒーロースタリー
「ミルトンコーヒーロータリー」は、徳山駅から会場までの徒歩ルートで紹介した岐山通り沿いにあります。
海外の農園の生産者と直接交渉してコーヒー豆を入手し、顧客へ提供するまでの全ての過程にこだわりぬいたコーヒー専門店です。
通販のほか、店内はコーヒー豆やドリップパック、ギフトセットや、コーヒーの器具類の販売も行っています。
この日は10月ですが季節外れの暑さだったので、イートインでアイスコーヒーをいただきました。
手打うどん くうかい
徳山駅から徒歩5分の場所にある手打ちうどんの店「くうかい」は、今年(2024年)で開業30周年を迎える地元の有名店です。
とり天や肉、山かけを中心とした「ぶっかけうどん」や「釜玉うどん」が人気で、定休日は日曜日と月曜日。10年ぶりに訪れたかったのですが、公演のあった日曜日のため、今回は残念ながら立ち寄ることはできませんでした。
お店のサイトは何とファンによる「公式ファンサイト」として運営されています。サイト内の「注文札」をタップして注文内容をお店の人に見せることができ、コロナ禍での感染予防対策としても機能していました。
駅一食堂 とくやま
最後に、駅ビルにある「駅一食堂 とくやま」を紹介しておきます。徳山駅改札からみゆき口に向かう連絡通路の途中にあります。
割とオープンして間もない感じのきれいなお店で、あまり観光やグルメを楽しむ時間がない人向けに、手っ取り早く食事をとりたい方におすすめのお店です(私は公演後一泊して帰る際の朝食に利用しました)。
施設概要・地図
所在地
山口県周南市徳山公園区5854−41
アクセス
山陽新幹線「徳山」駅下車
徒歩約20分(タクシーで約5分)
徳山駅みゆき口バスターミナルから
・4番のりば「動物園北口経由北山」行き
・6番のりば「徳高・バイパス経由」
・8番のりば ちょいのり100円バス
「動物園文化会館入口」バス停下車すぐ
ホール(大ホール)
総客席数:1,647席(定員:1,800人)
(1階:1,018席、2階:629席)
※オーケストラピット:160席
※車いす席:4席
公式サイト
http://s-bunka.jp/bunka/index.html