初めて「兵庫県立芸術文化センター」のライブに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
交通至便の「にしきた」駅前に建つ、兵庫県を代表する芸術文化発信拠点。大・中・小の3つのホールを擁し、魅力的なコンサートが日々開催されています。
兵庫県立芸術文化センターは、2005(平成17)年、阪神・淡路大震災からの「心の復興・文化の復興」のシンボルとして、県の文化芸術活動の拠点として開館しました。
会場の芸術監督は、R.バーンスタイン最後の弟子である世界的指揮者の佐渡裕(さど ゆたか)氏。クラシックを中心に、国内外の大物を招致した公演や、新進気鋭の音楽家による「プロムナード・コンサート」「ワンコイン・コンサート」など、低料金かつ良質な公演も精力的に行われています。
大・中・小の3つのホールを擁しており、それぞれネーミングライツ制度により、地元企業や学校法人の愛称が付けられています。
まず2008(平成20)年に、大ホールのネーミングライツを神戸製鋼所が取得し、同社の国際ブランド名である「KOBELCO(コベルコ) 大ホール」の愛称が付けられています。また、小ホールは、学校法人 神戸女学院が取得し、「神戸女学院 小ホール」という愛称になりました。
遅れて2009(平成21)年には、残る中ホールのネーミングライツを阪急電鉄が取得し、「阪急 中ホール」という愛称になりました。
2016(平成28)年5月、日本音響家協会・日本劇場技術者連盟が選出する「優良ホール100選」に選定されています。
兵庫県立芸術文化センターへのアクセス
出典:兵庫県立芸術文化センター公式サイトより
会場の最寄り駅は阪急電車の西宮北口駅。ちょうど新幹線の新大阪駅と新神戸駅の中間に位置しており、西からは新神戸駅、東からは新大阪駅を拠点に考えることにします。
新幹線新大阪駅から阪急西宮北口駅までのルート
新大阪駅から阪急大阪梅田駅までのルート
東京、名古屋方面からは、新大阪駅で下車し、まずは在来線に乗り換えてJR大阪駅を目指しましょう。
大阪駅(梅田駅)にはJR在来線・地下鉄御堂筋線のどちらでも行けます。ただし、新大阪-大阪間は片道160円で地下鉄より安く、また、「大阪市内」まで有効の乗車券で新幹線を利用してくる人も多いと思うので、JR在来線に乗り換える方がよいでしょう。
JR在来線乗り換え口に向かいます。
大阪駅へは、7・8番線から発車する電車がすべて停車します。
7・8番ホームに向かう階段またはエスカレーターを下ります。
1駅目が大阪駅です。今回は上の「連絡橋口」の改札から向かいます。
改札を出て右側の中央北口に進み、阪急電車ののりばに向かいます。
突き当りのノースゲートビルディングの商業施設「ルクア」横の階段またはエスカレーターを下ります。
エスカレーターで地上に降りた所にある「アトリウム広場」に出ます。
案内に従い、右に曲がります。
ルクアの右側の建物内を通っていきます。
カリヨン広場方面に向かいます。
左手にヨドバシカメラを見ながら、通路を進みます。
やがて「カリヨン広場」に到達します。奥に阪急大阪梅田駅が見えます。
そのまま阪急大阪梅田駅に向かいます。
阪急大阪梅田駅の2階中央改札口に続いています。
建物に入りいったん左に進んだ後、道なりに右に曲がります。
後はまっすぐ進むだけです。
JR大阪駅改札から約5分で、阪急大阪梅田駅中央改札口に到着です。お疲れさまでした。
大阪梅田駅から西宮北口駅までのルート
大阪梅田駅の改札を入り、阪急神戸線(神戸三宮方面)の7・8・9号線(阪急は「○番線」ではなく「○号線」と呼びます)ホームに向かいます。
8号線に停車していた先発の「特急 新開地」行きに乗りました。
西宮北口駅は十三(じゅうそう)駅の次の2駅目です。
所要時間約15分で西宮北口駅に到着です。お疲れさまでした。
新幹線新神戸駅から阪急西宮北口駅までのルート
出典:神戸市公式サイトより
九州・四国、広島方面からは、1つ手前の新神戸駅で下車します。まずは、新幹線から神戸市営地下鉄に乗り換え、三宮駅に向かいます。
地下鉄の新神戸駅から三宮駅まではわずか1駅、約2分で到着します。
出典:神戸市公式サイトより
三宮駅に着いたら、今度は神戸三宮駅で阪急に乗り換えます。阪急神戸三宮駅は、地下鉄の改札口を出て正面にあるエスカレーターを上った先で連絡しています。
神戸三宮駅から西宮北口駅までは、大阪梅田駅からと同じく特急電車で約15分、岡本駅、夙川(しゅくがわ)駅の次の3駅目になります。
西宮北口駅から会場までの徒歩ルート
出典:兵庫県立芸術文化センター公式サイトより
西宮北口駅から会場までは公式サイトの画像のとおり、駅から会場までペデストリアンデッキで直結しており、大変便利です。下車後のホームから紹介していきます。
まずは到着ホームから、階段を上って改札口に向かいます。
案内表示に従い、「南改札」方面に進みます。
南改札口です。案内にあるとおり、会場は改札を出て右側に移動します。
改札を出て右を向いたところです。
ペデストリアンデッキを道なりに進んでいきます。屋根付きで雨の日も安心です。
途中、コナミスポーツクラブの前を通過します。
一本道をそのまま進んでいきます。
ほどなく右側に会場の建物が見えてきます。
会場建物に沿って、メインエントランスに向かいます。
突き当たりを曲がると、各ホール共通のロビー「ピアッツァ」に到着です。お疲れさまでした。
兵庫県立芸術文化センターはこんな所
4面舞台完備、約2,000席のKOBELCO 大ホール
KOBELCO 大ホールは、総客席数2,141席で、バルコニー席を含め4階席まであります。
大ホールは、先日紹介したびわ湖ホール(滋賀県立芸術劇場)と同じく、西日本で2番目の「4面舞台」を有するホールとしても有名です。
同じ面積でメイン・奥・上手・下手の合計4つの舞台スペースが確保されており、オペラなどで多彩な演出が可能になります。
1階席はXA列からZ2席までの32列あり、途中J列とK列の間に中央通路があります。また、前方の5列(XA列~XE列)はオーケストラピットとして使用されることも多く、それを除いた客席数は約2,000席となります。
1階席の中央通路から後方は、前方に比べ傾斜が付けられており、見やすくなっています。
また、1階にも左右のバルコニー席(LA・RA席~LD・RD席)がありますが、高さは最後列に合わせて前方に伸びているため、かなりの高低差があります。
2階席から4階席は、正面の席が3列~5列分と、左右のバルコニー席で構成されています。バルコニー席は、2階席が2列、3階と4階は1列ずつ配置されています。
大ホール 座席表
出典:兵庫県立芸術文化センター公式サイトより
大ホール 座席
座席は木製のひじ掛けに黒の背もたれ・座面の組み合わせです。シートは硬めでクッション性は抑えられていますが、その分疲れにくい構造をしています。
背もたれのシートの高さは低めですが、2階席以降は頭部に当たる部分まで壁が伸びているので、後ろにもたれられる構造になっています。
館内設備
大ホールのエントランスは、各ホールの共通ロビーである「ピアッツァ」に入ってすぐ右側にあります。
エントランスを進んだ先がホワイエは、天井が2階席まで吹き抜けになっており、開放的な空間です。
エントランスの反対側、ホワイエの突き当りにビュッフェがあります。コーヒー等のソフトドリンクのほか、缶ビールやスパークリングワインなどのアルコールも売っています。
会場の外にある高松公園もそうですが、館内の中庭にも随所に緑地が確保されており、自然の落ち着いた雰囲気に包まれています。
2階ホワイエから外に出ることもできます。反対側に小ホールのホワイエが見えます。
ヒートアイランド対策として、屋上緑化が施されています。
阪急 中ホール
出典:兵庫県立芸術文化センター公式サイトより
阪急 中ホールの総客席数は800席で、1階席と2階席に分かれています。
1階席はA列からU列までの21列あります。E列(5列目)付近までは比較的フラットで、以降はある程度の傾斜がつけられています。
2階席は2A列から2F列までの6列あり、左右の両端に4席ずつですが、バルコニー席も設置されています。
1階席・2階席ともに千鳥配列になっているので、前の人の頭部が気にならないよう工夫されています。
中ホール内にもカフェコーナーが設置されています。
エントランスから奥に続く形で、ホワイエの奥にテーブルがあります。
中ホール 座席表
出典:兵庫県立芸術文化センター公式サイトより
中ホール 座席
中ホールの座席は木製のひじ掛けに赤の背もたれ・座面の組み合わせです。大ホール同様、シートはやや硬めで疲れにくい構造をしています。
神戸女学院 小ホール
神戸女学院 小ホールの総客席数は400席。舞台と客席が一体になった八角形のアリーナ形式の特殊な形状で、ジャズや室内楽などの比較的小規模な演目を中心に利用されます。
座席はステージを取り囲むように、正面のセンターブロックがA列~I列の9列分、その左右がH列までの8列分あるほか、左右両サイドの少し高くなったL席・R席が各6列、さらにステージ後方とその両サイドのP(ポディウム)席が2列ずつ配置されています。
音響設備もしっかりしていて、透明な円形の音響反射板が8枚、天井から吊り下げられているほか、壁面はマホガニー製の板が張り巡らされています。
小さなホールですが、ホワイエの奥には大ホールや中ホールと同様にカフェコーナーのほか、コインロッカーも大小2種類(100円リターン式)設置されています。
小ホールのエントランスは他の2つのホールとは異なり、共通ロビーからエスカレーターで上がった建物の3階にあります。
小ホール 座席表
出典:兵庫県立芸術文化センター公式サイトより
エントランス・ホワイエ
西宮北口駅からペデストリアンデッキではなく地上の道路から来た場合、会場1階のエントランスから階段またはエスカレーターで、2階の共通ロビー(ピアッツァ)に向かいます。
2階には大ホール・中ホールのエントランスのほか、総合案内/チケットカウンターがあります。
ピアッツァ内にはグッズショップもあり、会場オリジナルグッズや、音楽・芸術関係の商品が販売されています。
テアトル ル・ボア
会場2階には、レストラン「テアトル ル・ボア」があります。
神戸北野ホテルのダイニングで提供しているフランス風のピクニック料理(クロワッサンやハムの盛り合わせなど)やカフェ、ワインなどを提供しています。
レストラン内ではランチセットや本格的なディナーコースを楽しめる一方で、エントランス周りにテーブルやカウンターが設置されたテイクアウトスペースでは、コーヒーやクロワッサンなどを手軽な価格でいただけます。
周辺施設
阪急西宮ガーデンズ
西宮北口駅から南改札を出て、会場に向かう方向と反対の方向に伸びるペデストリアンデッキを進むと、阪急グループが運営するショッピングセンター「阪急西宮ガーデンズ」があります。
西宮スタジアム跡地の再開発として2008(平成20)にオープンし、百貨店の「西宮阪急」やシネコンの「TOHOシネマズ西宮OS」、スーパーの「イズミヤ」などが核テナントとして入っています。
その他にも約270の専門店がテナントとして入っていますが、芦屋同様の高級住宅地である西宮地区だけに、他の専門店街に比べてやや高級志向の店が並んでいる印象です。
プレラホール
会場と阪急西宮ガーデンズに挟まれた場所には、「プレラにしのみや」というビルがあり、その5階に「プレラホール」という多目的ホールがあります。
総客席は275席と小さなホールですが、親子席2室(6席)と車いすスペース(3席)も完備されており、地元のピアノコンサートやダンス発表会、セミナー等に使用されています。
施設概要・地図
所在地
兵庫県西宮市高松町2-22
アクセス
阪急「西宮北口駅」南改札口から連絡デッキで直結
大阪梅田駅から特急乗車 約15分
JR「西宮駅」下車 徒歩15分
ホール
KOBELCO大ホール
総客席数:2,141席(1階~4階席合計)
※オーケストラピット使用時:2,000席
阪急中ホール
総客席数:800席(1階・2階合計)
神戸女学院小ホール
総客席数:400席
公式サイト
https://www1.gcenter-hyogo.jp/