初めてミューザ川崎シンフォニーホールへコンサートに訪れる人を対象に、会場までのアクセスや施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
JR川崎駅とデッキで直結♪日本のヴィンヤード型ホールの代表格。最適な音楽空間を演出するためのこだわりが、館内の随所に見られます。
ミューザ川崎シンフォニーホールは2004(平成15)年、長らく工業都市として栄えてきた川崎市が、「音楽によるまちづくり」を通じて文化都市へ変貌していくためのシンボルとして誕生しました。
「ミューザ」の愛称は、「MUSIC+座」を意味しており、音楽によって、人が集まり、交わり、そして響く場所を表しています。
シンフォニーホールは日本を代表するヴィンヤード型ホールとして、「最愛のホール」(故マリス・ヤンソンス)、「世界最高のホールのひとつ」(サイモン・ラトル)など、国内外の音楽家から高く評価されており、海外からの視察も多く訪れています。
ミューザ川崎シンフォニーホールまでのアクセス
出典:ミューザ川崎シンフォニーホール公式サイトより
ライブ遠征で会場に向かう場合、拠点となるのは、新幹線の場合は品川駅、飛行機で来た場合は京急の羽田空港駅になります。
東京駅、新横浜駅からも、所要時間30分以内で着きます。
それぞれの鉄道ルートと、駅から会場までの徒歩ルートを見ていきましょう。
品川駅からは東海道線または京浜東北線で
まずは東海道新幹線の品川駅から。品川駅~川崎駅間は、東海道本線で約8分、京浜東北線でも約14分で到着します。
上の案内図のとおり、川崎・横浜方面の東海道本線は12番線、京浜東北線は5番線から出ています。
今回私は、所要時間の短い東海道本線で川崎駅まで向かうことにしました。東海道本線の場合、川崎駅は品川駅の次の駅になります。
ちょっとピンボケですが、「上野・東京ライン」の平塚行きに乗車します。
乗車時間8分で川崎駅に到着です♪
東京駅からも東海道本線・京浜東北線で
東北・北陸新幹線で東京駅に下車した場合も、品川駅からと同じく東海道本線または京浜東北線に乗車します(すみません、写真は総武線快速のものです)。
先ほどのルートに東京駅から品川駅が加わるだけになります。東海道本線の場合、東京駅から新橋・品川を経由して川崎駅に向かいます。所要時間は約17分、運賃は310円(ICカード308円)です。
京浜東北線の場合は、停車駅がやや多くなりますが、所要時間は快速で約24分です。
新横浜駅からはJR横浜線と京浜東北線を乗り継ぎ
新横浜駅から向かう場合は、まずJR横浜線に乗車して東神奈川駅で下車し、そこで京浜東北線に乗り換える必要があります。
東神奈川方面の横浜線は、5番線から出ています。
桜木町行きまたは東神奈川行きに乗車します。
東神奈川駅に着きました。ここから京浜東北線に乗り換えます。
所要時間約23分で川崎駅に到着しました。運賃は片道220円です。
京急羽田空港駅からは京急川崎駅へ直通
飛行機で羽田空港まで来た場合は、京急線を使います。所要時間は約16分~22分で、運賃は300円(ICカード292円)です。
金沢文庫行きなど横浜方面へ向かうエアポート急行に乗車すれば、最寄りの京急川崎駅まで直通で行きます。また、品川・千葉方面の急行や特急に乗車した場合は、途中の京急蒲田駅で乗り換えます。
上の写真の場合、1番線から発車の12時5分発「金沢文庫」行きに乗れば、京急川崎駅まで直通で向かうことができます。
JR川崎駅から会場まで
ミューザ川崎はJR川崎駅の西口近くの、駅からデッキで直結した便利な場所にあるので、JR川崎駅に着きさえすれば、ほぼ迷わずに会場まで到達できます。
羽田空港から京急川崎駅まで来た場合は、地図を参考にまずはJR川崎駅まで移動しましょう。
中央南改札から出る場合は、左方向(西口方面)に進みます。
向かいにある中央北改札からは、右方向に進みます。
中央通路を西口方面に向いたところです。
少し歩くと左に歩行者デッキに進む通路があります。
歩行者デッキです。奥にはすでに会場の建物が見えています。
シンフォニーホールへは右側の入口から入ります。
ミューザ川崎の入口です。ここは建物の2階に位置します。
中に入るとライトアップされた通路(光の通路)があるので、そのまま進みます。
突き当りに階段とエスカレーターがあります。
会場入口に続いており、2階から4階に直行します。
上がった4階の右手に「音楽工房」があります。小規模のコンサートが可能な市民交流室や練習室、チケットカウンターなどがあります。
階段左側には「歓喜の広場」という名前のスペースがあり、入場待機や夏の音楽祭時のファンファーレ演奏が行われます。
階段・エスカレーターを上がって左正面が、シンフォニーホールの入口です。お疲れさまでした。
ミューザ川崎シンフォニーホールはこんな所
約2,000の客席がステージを取り囲むヴィンヤード型ホール
ミューザ川崎シンフォニーホールは「ヴィンヤード型」と呼ばれる、客席がらせん状にステージを取り囲むように配置された形状のホールの代表例です。
同じ構造のサントリーホール(東京)の記事でも紹介していますが、ワインなどの原料となる「ぶどう畑」のことを(ヴィンヤード(Vineyard)と呼び、座席がまるでぶどう園の段々畑のように傾斜して設置されていることに由来しています。
座席数の総数は1,997席。大きなホールであるにもかかわらず、聴衆と演奏者の双方から、表情や反応が良くわかるほど客席とステージとの距離が近く、会場全体での一体感が感じられる構造になっています。
国内のホールでは、サントリーホールのほか、シューボックス型との中間のような構造のザ・シンフォニーホール(大阪)でも、同じような空間を楽しむことができます。
客席の場所ごとのステージの見え方
会場の客席はステージの360度取り囲んでいるため、座席種別も1C~4LBまで実に14種類に分かれています。
下の写真はその一例です。公式サイトに場所ごとのステージアングルや見え方・聴こえ方のガイド、Googleストリートビューなどが掲載されているので、ぜひそちらを参考にしてみてください。
シンフォニーホール 座席表
出典:ミューザ川崎シンフォニーホール公式サイトより
座席
会場の座席は写真の通りです。座面は座面、背もたれともに布地で、色は赤を基調としていますが、上の方は、場所により茶色や黒などの席があります。
リハーサル時と人の入った本番で音響に差が出ないよう、椅子の裏面にも布が張られているのが特徴です。
また、構造上、客席内は階段の多いことから、安全に移動するための補助具として一部の通路席には「手掛け棒」が設置されています。
今回は入った公演では使用されていませんでしたが、4階席2列目以降はステージが見やすいよう少し高めに設計されています。そのため、床から足が浮いてしまう方のために「足掛け台」が設置されているなど、随所に工夫が施されています。
出典:ミューザ川崎シンフォニーホール公式サイトより
パイプオルガン
会場のシンボルともいえるパイプオルガンはスイスのクーン社製で、パイプの総数は5,248本、ストップ(音色)の数は71もある、日本最大級のものです。
この日私が参加した公演では、このパイプオルガンを使い、会場のオルガン講座の受講生によるJ.S.バッハのオルガン曲演奏を拝聴することができました。
エントランスホール~ホワイエ
エントランスを入ったホールの1階には、音楽関係の雑貨ショップや児童室、クロークが設けられています。また、ドイツ製のストリートオルガンも設置されており、フェスタ開催時にホール開場の合図として演奏されます。
舞台に続く通路の壁面には、過去に会場で演奏した国内外のオーケストラや奏者のサインボードが掲示されています。
ホール2階のスペースにはドリンクコーナーが設置されていますが、コロナ禍の時期もあり残念ながら営業されていませんでした。対面の壁には岡本太郎氏の絵画も展示されています。
その他、同じく会場の2階には、川崎市と友好都市の提携をしているオーストリアのザルツブルク市を紹介する展示コーナーもあります。
フェスタサマーミューザ KAWASAKI
出典:フェスタサマーミューザ KAWASAKI 特設サイトより
会場では2005年より、真夏の音楽祭として「フェスタサマーミューザ KAWASAKI」が開催されています。
クラシック音楽の「新しい聴き方・楽しみ方」を提案する音楽祭として始まり、2022年で18回目を迎えました。
コロナ禍の2021年にも人数を制限し、感染防止に配慮しながら開催するなど、そのレジリエンスな取り組みが評価され、第33回ミュージック・ペンクラブ音楽賞「功労賞」を受賞しました。
現在はクラシックだけでなく、パイプオルガンの公演や、子ども向けの公演、さらにジャズの公演など、バラエティ豊かな演目で親しまれています。
周辺施設
ミューザ川崎 ショップ&レストラン
会場のあるミューザ川崎は、地上27階のオフィスタワー、飲食店などの商業エリアからなる複合施設で、建物の1階がレストラン街、2階がショップ&サービス店舗のフロアになっています。
コンサートの合間に過ごす店が豊富にあるので、代表的なものをいくつかピックアップしておきます。
1階レストラン街・40番地グルメ横丁
入口の左右に定番のマクドナルドとエクセルシオールカフェがあります。駅前なのでホール利用者に限らず、常に賑わっています。
個人的なおすすめは肉野菜炒めの専門店「ベジー太」ミューザ川崎店です。野菜炒め定食が680円とリーズナブルな価格で食べられます。
2階ショップ&サービス
保育園やクリニックなど、地元民向けの施設が中心ですが、セブンイレブンやマツモトキヨシもあるので、忘れ物をした時などの調達に便利です。
ラゾーナ川崎プラザ
ラゾーナ川崎は、JR川崎駅の中央通路を北に進んだ突き当りにあるショッピングモールで、映画館やイベントスペースが併設されています。
今年で16周年を迎えており、2階のルーファ広場には「グランドステージ(写真奥)」と「アクアステージ(写真手前)」が設置されており、週末を中心に各種イベントが開催されています。
会場からも徒歩数分の近距離にあり、ショッピングモールだけに飲食施設も充実しています。スタバ、タリーズ、サンマルクカフェなどの定番チェーンも入っています。
ホテル
最後にライブ遠征ついでの宿泊先として、川崎駅西口のJR系のホテルを2か所紹介しておきます。
ホテルメッツ川崎
JR東日本ホテルメッツ川崎は、JR川崎駅西口隣接(徒歩1分)の立地で、会場へ向かう途中のデッキ左側に入口があります。
出典:楽天トラベル紹介ページより
シングルルームは15㎡で、ベッド幅は140㎝。ユニットバスも足を伸ばせる広いタイプのものです。
駅前で価格もリーズナブルなため、横浜のみなとみらい地区に幼児のある人が、横浜の代わりにここに宿泊する人も多いようです。
ホテルメトロポリタン川崎
ホテルメトロポリタン川崎はJR川崎駅西口から2Fデッキより徒歩2分の立地で、会場の隣りに建っています。
出典:楽天トラベル紹介ページより
客室は全304室で全室禁煙。シングルルームはなく23㎡のスタンダードクイーンやツインルームが主体です。
設備は洗い場付きバスルーム(天井レインシャワー設置)のほか、シモンズ社製のベッドを使用しています。
施設概要・地図
所在地
神奈川県川崎市幸区大宮町1310
アクセス
JR川崎駅 中央改札から徒歩3分
京急川崎駅 中央口改札から徒歩8分
ホール
総客席数:1,997席
(1階273、2階1,141、3階341、4階242)
公式サイト
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/