初めて「札幌文化芸術劇場 hitaru 」に訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
札幌最大級の規模を誇るホール。札幌駅から徒歩圏内で行けるほか、地下鉄「大通」駅に地下で直結しており、雪や雨を避けて会場まで行けるのも便利です。
札幌文化芸術劇場 hitaru (ヒタル)は、2018(平成30)年10月、さっぽろ創成スクエアの東側低層棟の「札幌市民交流プラザ」内に、「札幌文化芸術交流センター SCARTS(スカーツ)」、「札幌市図書・情報館」とともにオープンしました。
愛称の「hitaru」は、札幌市民が思う存分文化芸術に「浸る」場という思いが込められています。
座席総数は2,302席と道内最大級の規模を誇り、オペラ・バレエにも対応できる多面舞台や最新の音響技術を備えた音楽ホールとして、「優良ホール100選」にも選定されています。
札幌文化芸術劇場へのアクセス
新千歳空港から「快速エアポート」で札幌駅へ
ライブ遠征の場合、多くは飛行機で新千歳空港まで来るのが一般的でしょう。
新千歳空港に着いたら、バスまたはJRに乗り継ぎましょう。ここではJRの「快速エアポート」に乗車して札幌駅に向かうルートで説明します。
快速エアポートは新千歳空港ー札幌駅間を約37分で結び、日中は12分間隔で1時間あたり5本運行されています。
到着ロビーに着いたら、向かって左側にある階段またはエスカレーターで下の階に降りて、JR新千歳空港駅に移動します。
空港から駅まで続く通路をしばらく進みます。
改札前に切符売り場があるので、札幌駅までの乗車券を購入します。もちろん各種ICカードも使えます。
新千歳空港から札幌駅までは片道1,150円と結構かかります。ただし快速エアポートは自由席であれば乗車券のみで乗車できるので、それ以外の料金はかかりません。
指定席料金は大幅値上げ
快速エアポートには「uシート」という指定席もあるのですが、今年の4月1日からはチケットレス化に伴い、以前は530円だった料金が840円に大幅に値上げされました。
自由席が混んでいる時などにゆったり座って移動できるとはいえ、正直費用対効果の点からあまり利用する価値の高くないものになってしまいました。
新千歳空港からのバスルート
新千歳空港から札幌市内へのバスは、複数のバス会社が運行しています。その中でも代表的なものは北海道中央バスで、札幌駅前までの直行便や札幌都心、地下鉄各駅前発着の便など多岐にわたります。
各社のホームページなどを参考に、最寄りのホテルなどに近い便で飛行機の到着時刻に合うものがあれば便利だと思います。
ただし、所要時間は鉄道の快速エアポートに比べ、札幌駅前まで約80分(札幌駅直行便でも約65分)と2倍程度かかるほか、運賃も1,100円(札幌駅前まで)とほとんど変わりません。
以上の点から、空港から札幌駅までのアクセスは、鉄道利用を基本としつつ、鉄道のダイヤが乱れている時や混雑している時、ホテル近くに停車する便にちょうど乗れる時などにバスを利用する、というスタンスでいいと思います。
札幌駅からの徒歩ルート(地上ルート)
駅から大通公園までのルートは主に3つ
JR札幌駅に着いたら、会場までは徒歩で十分移動が可能です。駅から南(地図右側)に真っすぐ歩けば大通公園に突き当たります。
札幌駅周辺は道路が碁盤の目のように走っていて、北は札幌駅、東は創成(そうせい)川、西は赤れんが庁舎、そして南は大通公園に囲まれています。
エリアの真ん中を通るルートは主に3つ。①東側(地図の上側)から地下鉄東豊(とうほう)線沿いのルート、②真ん中の時計台の前を通るルート、③西側(地図の下側)の地下鉄南北線沿いのルートがあります。
駅東口改札を出て地下鉄東豊線沿いのルートを進もう
会場の札幌文化芸術劇場は①の東豊線ルート上にあるので、今回はその道沿いの建物や目印などを紹介しながら案内します。
駅東側のルート上にあるので、駅から出る際も東口改札を出たほうが当然近くなります。改札を出たら、向かって右側(南口方面)に進みましょう。
左手にバスターミナルを見ながら最初の交差点に進みます。
交差点に出たら、斜め左奥のさっぽろ東急百貨店方面に歩いていきます。
百貨店の前を通って1つ東側の交差点を目指します。
交差点に出たら、右側に進みます。
茶色い2つのビル(ホクレンビルとJA北農ビル)を見ながらしばらく進みます。
向かいにファミリーマートのある交差点に着きます。
ちなみにこの交差点には「だし道楽」という出汁専用の自販機があります。
そのまま南に進むと、ホテルニューオータニインの奥に高いビルが見えてきます。
会場がテナントとして入っている「さっぽろ創世スクエアビル」に到着しました。駅からの所要時間は10分もあれば大丈夫だと思います。
地下鉄さっぽろ駅~大通駅経由の地下ルート
会場の最寄り駅は地下鉄大通駅。会場は地下鉄の改札口から地下で直結しており、雨や雪、寒い日など外に出たくない時に便利です。
移動距離は短いですが、JR札幌駅から地下鉄さっぽろ駅に乗り換えて1駅乗れば、新千歳空港から会場まで一度も地上に出ずに会場に到着することが可能です。
札幌駅から地下鉄東豊線に乗り換えるところから紹介します。
JR札幌駅改札を出たら、地下鉄東豊線に乗り換えます。
地下1階に降りたら、駅チカの「アピア」「エスタ」を通って、地下鉄さっぽろ駅を目指します。
大通駅までは駅間も短く歩いたほうが早いのですが、荒天の際に重宝します。
大通駅に着いたら、改札を出て地下通路に出ましょう。
通路に出たら、「30・31出口」方面に移動します。
「西2丁目地下歩道」の案内を見ながら進みます。
さっぽろ創成スクエア方面の案内を確認しながら移動します。
途中多少のアップダウンがあります。
そのまましばらく進みます。
突き当たり右手に、市民交流プラザ入口の案内が見えてきました。
「SAPPORO SOSEI SQUARE」と書かれた建物内に入ります。
エスカレーターや階段で上の階に上がります。
上がった先が地下1階です。このまま進みます。
地下1階は特に何もありません。このまま1階に上がります。
エスカレーターで移動します。
1階エントランスロビーに到着しました。
そのまま2階に上がると札幌図書・情報館のフロアに着きます。
3階はスタジオや練習室のあるフロアです。
クリエイティブスタジオという名前が付いています。
いよいよ4階の会場エントランスホールに移動します。
新千歳空港から一度も地上に出ず、会場前に着きました。
札幌文化芸術劇場はこんな所
「文化芸術劇場」と銘打っているだけあって、ホールは3層のバルコニー席を備えたオペラ・バレエにも対応できる構造になっています。
1階席の最後列は31列。途中、13列と14列の間に通路があり、14列の両サイドのブロックが車いす対応のスペースとなっています。
1列目から6列目は、オーケストラピットや迫(せり)使用時に座席が撤去可能なフラットな構造になっています。
また、24列と25列の間に仕切りが設けられ、段差が付いているので、後方からでもステージが見やすくなっています。段差の箇所はセンターブロックは通し番号になっていますが、サイドのL1、L2、R1、R2扉から入る座席はそれぞれ「1LAの1列」「1RBの1列」というように、列番号が振り直されています。
2階席から4階席のセンターブロック最後列は、それぞれ2階席が8列、3階席が7列、4階席が4列となっています。1階席に比べ傾斜が付けられており、ステージを俯瞰で見やすく、舞台の奥行きを感じることができると思います。
3層のバルコニー席は、1列当たり2人掛けから5人掛けになっています。3階・4階バルコニー席の最前列は、スタンディング禁止の着席専用席になっています。
座席表
出典:札幌文化芸術劇場 hitaru 公式サイトより
公式サイトには、それぞれの客席から見たステージ画像が確認できるようになっているので便利です。ぜひ活用してみてください。
エントランスから各階への移動
劇場入場口は、札幌市民交流プラザの4階にあります。
入場後、1つ上の5階ホワイエに移動します。1階席の前方が建物の5階部分に相当し、入口は両サイドのL1・R1扉から入る形になります。入ったところが1階13列・14列の間の中央通路付近になります。
6階席は1階席後方に位置し、最後列付近から前列に向かって下っていく感じで移動します。
6階の座席案内図です。
ホワイエ内は鮮やかな赤いじゅうたんで、広々としたスペースになっています。
2階席以降はそのままエスカレーターを上っていく感じで、それぞれ2階席が7階、3階席が8階、4階席は9階になります。
周辺施設
さっぽろ創世スクエア(札幌市民交流プラザ)
会場は、「さっぽろ創世スクエア」というビルの中に入っています。このビルは、大通公園と創成川が交差する「北1西1地区」の再開発によってできた複合ビルです。
建物は高層棟と低層棟に分かれていて、オフィス主体の高層棟には、テレビ朝日系列の「HTB(北海道テレビ放送)」が入っています(1階〜7階)。
対して低層棟は、冒頭に述べたように、会場の「札幌文化芸術劇場(hitaru)」と「札幌文化芸術交流センター(SCARTS)」、「札幌市図書・情報館」の3つの施設を合わせた「札幌市民交流プラザ」がメインテナントとなっています。
図書館もあるせいか、エスカレーター周りの共用スペースで自習や読書をしている人の姿も目立ちます。
カフェ・グルメ
カフェ「MORIHICO.」
1階エントランスロビー左側にあるカフェです。もともとは北海道神宮近くにある地元の古民家カフェ「森彦」が発祥でそのチェーン店の1つになります。
自社焙煎のコーヒーをケーキセットや軽食とともにいただけます。隣接する図書館の本も読めるほか、テイクアウトも可能です。
2階には同じ系列のレストラン「DAFNE」も営業しています。
タリーズコーヒー
高層棟1階、HTBグッズショップ「onちゃんテラス」の隣りには、おなじみ「タリーズコーヒー」も営業しています。
大通公園・テレビ塔
会場のすぐそばには札幌雪まつり会場や2020東京オリンピックのマラソンや競歩のコースとしても使用されたご存知「大通公園」が広がっています。
ライブ遠征の前日に周辺のホテルに宿泊し、翌朝公園周りを散策しましたが、とても気持ちよかったです。
4月半ばだったので花などはまだ咲いていませんでしたが、その分人通りもまばらでゆったり過ごすことができました。
公園の東端にはテレビ塔が建っています。写真は前日の夜に撮影しましたが、ライトアップされてとても情緒がありました。
カナモトホール(札幌市民ホール)
さて、ライブ遠征好きとしてはもう1つ、今回の会場に隣接したホールがあることも触れておかねばなりません。
hitaruから道を挟んだ南側、テレビ塔との間にあるのが、「カナモトホール(札幌市民ホール)」です。
こちらの大ホールのキャパは1,500席とhitaruに比べひと回り小さめ。アクセスはほぼ同じになるので、ワンセットで紹介しておきます。
出典:カナモトホール公式サイトより
ハロプロの札幌公演で言えば、ユニットの集客力に応じて、hitaru(2,300席)とカナモトホール(1,500席)、さらには札幌市教育文化会館(大ホール:1,100席)やかつてのニトリ文化ホール(2018年閉鎖)を使い分けているような感じです。
カナモトホールへは、地下31番出口を上ると、会場の正面に着きます。
札幌市時計台
そして、札幌観光のシンボルとも言える「札幌市時計台」も、会場から西へ徒歩数分の距離にあります。
ビル街の一角に佇むようにひっそりと建っていて、これはこれで旅情を感じます。周辺には昼夜を問わず観光客の姿を見ることができます。
オーロラタウン(さっぽろ地下街)
さっぽろテレビ塔から地下鉄東西線大通駅にかけての大通公園の地下は、「オーロラタウン」という地下街になっています。
会場はもちろん、テレビ塔や時計台、丸井今井などへのアクセス抜群です。
マクドナルドの向かいに紀伊国屋書店があったりします。
会場から地下道でそのまま移動することができ、飲食・物販のほとんどがここで調達できるほか、周辺にコインロッカーも複数あって、何かと使い勝手のいい場所です。
小鳥の広場前のコインロッカー
東豊線大通駅近くのコインロッカー
施設概要・地図
所在地
札幌市中央区北1条西1丁目
札幌市民交流プラザ4F
アクセス
地下鉄「大通」駅
(東西線、南北線、東豊線)
30番出口から西2丁目地下歩道より直結
徒歩約2分
札幌市電「西4丁目」駅から徒歩約12分
JR「札幌」駅南口から徒歩約10分
ホール
2,302席(1~4階席)
3階席まで2,051席 2階席まで1,686席
(1階席:1,264、2階席:422、
3階席:365、4階席:251)
公式サイト
https://www.sapporo-community-plaza.jp/theater.html