
初めて日経ホールのイベント・コンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
日本のビジネスの中心地・大手町の日経ビルの中にあるイベントホール。
東京駅から近いのですが、アクセスは結構悩ましい場所にあるので注意が必要です。
日経ホールは、かつて大手町合同庁舎があった跡地に2009(平成21)年に竣工した日本経済新聞社東京本社ビル(日経ビル)の、3階から5階にあります。
常設のプロジェクターと大スクリーンを備え、講演会やシンポジウムなどをはじめ、反響板を設置することで、コンサート等のライブイベントまで対応可能な多機能ホールです。

建物は地上31階・地下3階の構造で、隣接するJAビル・経団連会館と一体で建てられ、低層部分はそれぞれの建物から行き来が可能になっています。各建物内の会議室やホールは、「大手町カンファレンスセンター」として、個別利用や一体利用にも対応できるようになっています。
首都・東京のビジネスの中心地の大手町ということもあり、周辺は日経新聞以外にも、読売新聞・産経新聞・毎日新聞等の新聞各社の東京本社ビルや、三井物産等の大手企業の本社ビルが林立しています。


ちなみに読売新聞の東京本社ビル前は、日テレが中継するお正月開催の「箱根駅伝」の往路のスタート地点としても有名です。
日経ホールまでのアクセス
最寄りは地下鉄の「大手町」駅と「竹橋」駅
出典:日経ホール&カンファレンスルーム公式サイトより
会場の最寄り駅は、東京メトロ・都営地下鉄の各線(丸ノ内線、半蔵門線、東西線、千代田線、都営三田線)が乗り入れている大手町駅と、東京メトロ東西線の竹橋駅です。
路線図を見る限りは東京駅からも近く歩ける距離にあり、一見アクセスのよい便利な立地に見えます。
大手町駅の移動はさながら「地下迷宮」
出典:日経ホール&カンファレンスルーム公式サイトより
が、しかし!ここで注意が必要です。
この大手町駅は、乗り入れ路線が多いゆえに、路線ごとの駅が点在しており、駅間の移動に時間がかかる、なかなかのくせ者駅です。東京駅からも地下道を通って会場までたどり着けるのですが、道中はちょっとした「地下迷宮」のようになっています。
以前に私も出張で会場の隣りにある経団連会館で行われる会議に出席したことがあるのですが、思った以上に移動に時間がかかり、危うく間に合わなくなるところでした。
地下鉄駅からのアクセスに注意が必要な点では、大阪のオリックス劇場に向かう際の本町駅の移動と、少し似ている部分があります。

私はこの両駅の利用で迷子になりかけた経験があるので、特に方向音痴の人は、事前に十分予習したうえで移動することをおすすめします。
大手町駅・竹橋駅からのアクセスルート
出典:日経ホール&カンファレンスルーム公式サイトより
前置きが長くなりましたが、今回は東京駅から会場までのアクセスとして、大手町駅と竹橋駅からのルートで紹介します。
大手町駅はいくつか路線がありますが、東京メトロ丸ノ内線の大手町駅から向かうことをおすすめします。
東京駅(八重洲口)から丸ノ内線大手町駅まで

まずは一番オーソドックスな行き方と思われる、東京駅から丸ノ内線に乗り換え大手町駅に行くルートで紹介します。

新幹線のホームから改札階に下りて、JR在来線のコンコースに進みます。

新幹線は八重洲口側にあるので、反対の丸の内口側に移動しましょう。

地下鉄に乗り換えるので、丸の内地下中央口から出るのが分かりやすいです。

改札を出てまっすぐ進んだところに、丸ノ内線東京駅の改札があります。

改札からホームに移動します。

2番線の池袋方面の電車に乗ります。

1駅隣りの大手町駅に移動しました。

ホームから改札口に向かいましょう。
丸ノ内線大手町駅から会場まで

丸ノ内線大手町駅に着いたら、まず半蔵門線のホームと並行する地下通路を通り、千代田線のホーム付近に達した所で右に曲がり、「C2b出口」を目指します。

サンケイ前交差点方面改札から外に出ましょう。

奥に続く通路をそのまま進んでいきます。

通路は半蔵門線ホームと並行しています。

案内の「出口C」を目印に進んでいきましょう。

やがて千代田線ホームの近くまで来たら、突き当たりを右に曲がります。

そのまましばらく道なりです。

「C2a・C2b・C2c」の案内に従い、左に曲がります。

曲がった先の奥を、左に曲がります。

ようやく「C2b出口」に着きました。奥のエスカレーターを上がり、経団連会館の中に入りましょう。

そのままエスカレーターで、上のフロアに移動していきます。

建物の3階まで来たら、日経ホールの案内を目印に移動すれば、会場はもうすぐです。

無事ホールのエントランスに到着です。お疲れさまでした。
東京駅(日本橋口)から東西線竹橋駅まで

東京メトロ東西線で竹橋駅まで向かう場合は、新幹線東京駅の日本橋口改札から出て、大手町駅から竹橋駅に移動します。
「大手町駅も最寄り駅なのにわざわざ竹橋駅まで移動するのか」という疑問もあるでしょうが、東西線利用の場合、1駅隣りの竹橋駅からのアクセスのほうがシンプルで分かりやすく、移動時間も短くて済みます。
日本橋口は一番北寄りにある新幹線専用の出口です。車両で言うと16号車から下車するのが一番近くなります。

新幹線ホームの一番北側にある日本橋口への出口です。

そのまま改札に進みましょう。

出たところが日本橋口です。

外に出て、左側に移動しながら北に移動します。

サピアタワーの横を通過します。

その先の永代通りまで出たら、左に曲がりましょう。

地上から地下鉄入口への階段を下りて、東西線方面に向かいます。

東西線大手町駅の改札に到着しました。

4番線から発車する「中野・三鷹」方面の電車に乗りましょう。

1駅・約2分で竹橋駅に到着です。
東西線竹橋駅から会場まで

東西線竹橋駅から会場までの徒歩ルートの紹介です。4番出口から出て、消防庁・丸の内消防署の前を通って道なりに進めば、日経ビルに着きます。上の図を見れば、大手町駅と比べて、竹橋駅からのルートはシンプルであることがよくわかります。

竹橋駅に着いたら、進行方向と逆のホームの一番後ろから続く通路に移動します。

しばらく道なりに通路を進んでいきます。

大手町方面改札に到着しました。

改札を出て、4番出口の案内に従い移動しましょう。

案内に会場名も記載されています。

そのまま進んだ先にある階段から地上に出ます。

上がった先の「東京消防庁前」交差点です。

先に進んだところにある白い建物が、東京消防庁です。

建物に沿って道なりに進みます。

そのまま建物沿いに進むので、横断歩道を渡らず左にカーブします。

曲がった先の丸の内消防署の車庫にある、消防車両の前を通過します。

その先が会場のある日経ビルです。お疲れさまでした。
無料巡回バス「丸の内シャトル」

東京駅からのアクセスは、地下鉄のほかにもう1つ無料巡回バス「丸の内シャトル」による方法があります。時間帯は限られますが、これを使えば、会場のある日経ビルの目の前までタダで運んでくれます♪
この巡回バスは、ビジネス街である大手町・丸の内・有楽町地区の移動を円滑にするため、周辺の大企業の協賛により運行されています(運行会社:日の丸自動車興業)。
出典:日の丸自動車興業㈱公式サイトより
https://www.hinomaru-bus.co.jp/free-shuttle/marunouchi
丸の内シャトルは、新丸ビル前から読売新聞、日比谷などを1周・約35~40分で回ります。平日10時から19時、休日11時から18時まで約15~25分間隔で運行しており、平日は2台体制で緑のビジネスコースの運行もあります。
東京駅の丸の内口から最も近い「新丸ビル」バス停から乗車し、「日経ビル」バス停で下車すれば、建物の敷地内に到着します。

新丸ビルバス停は東京駅の丸の内駅前広場の方にあります。丸の内中央口または北口から出ましょう。

元長州藩士で「日本の鉄道の父」と呼ばれた「井上勝」像が目印。前の道路を渡った先にあります。

「新丸ビル」バス停はこんな形をしています。

バス車内です。普通の路線バスと同じような感じです。

所要時間約10分で、日経ビルバス停に到着しました。

バス停から会場へはエントランスを回り、エレベーター等で移動します。
ちなみに前後の「三井物産」バス停や「経団連会館・JAビル」バス停もすぐ近くにあるので、どちらでバスを降りても同じように会場に到着できます。


日経ホールはこんな所
総客席数約600席・ワンフロア構造のホール

日経ホールの総客席数は610席で、A列からV列までの22列あります。途中、H列(8列目)とI列(9列目)の間に中央通路があり、3階フロアの出入口扉とつながっています。


座席間の傾斜は通路を挟んで後方が強め、前方が若干緩めになっています。


通路前方はA列からD列目まではフラットで、E列から段差が付いていました。




車いす席を設置する場合は、通路前のH列(8列目)の左右の座席を撤去してスペースを確保していました。最大で14席分まで設定可能とのことです。


日経ホール 座席表
出典:日経ホール&カンファレンスルーム公式サイトより
座席

会場の座席は、淡いパステルグリーンの座面・背もたれと金属製のひじ掛け・基礎の組み合わせです。
場所や用途から、コンサートホールや劇場のようなデザイン性より、機能性を重視した外観をしています。クッションは少し硬めで、疲れにくい座り心地でした。

ビジネス利用を想定し、背もたれの後ろにミニテーブルが格納されています。

ひじ掛けからではなく背もたれから出てくるので、幅もあって大きめの仕様です。
ホワイエ・館内設備

エントランスを入ったところにある建物3階のホワイエです。全体的にシンプルな作りで、客席のH列とI列の間にある中央通路に通じる両脇の入口から客席内に向かいます。

ホワイエ奥のホール壁面に面したところは、イベント開催時に演者へ贈られる花を飾るスペースになっていました。
この日はミキティこと藤本美貴さんのライブイベントでしたが、旦那さんの庄司智春さんからも花が届いておりました(この後に恒例のゲスト出演もされたわけですが)。

ホワイエ左側にクロークがありますが、この日は使用されていませんでした。

右側はカフェコーナーになっていますが、同じく休業していました。

階段を上がったところにある建物4階にあるホワイエです。3階より若干幅は狭めで、左右の最後列に通じる入口扉と、その反対側にソファが設置されています。

客席側の壁面に自販機コーナーが設置されています。

また左端には喫煙コーナーも設置されていました。
周辺施設
皇居東外苑

有楽町や日比谷周辺の会場を紹介したブログでは紹介を省略していましたが、会場と内堀通りを挟んだ一帯には、皇居東外苑が広がっています。
皇居はもともと徳川幕府の居城であった江戸城で、敷地内には皇室の諸行事を行う宮殿や、宮内庁関係の庁舎、本丸跡の芝生広場などがあり、皇居東御苑もその一角にあります。会場付近から北西の九段下方面に進めば、田安門から日本武道館に至ります。
周辺は緑にあふれた皇居とお濠を挟んで大手町・丸の内のビル街が建ち並び、東京ならではのコントラストをなしています。


この日はたまたま天皇誕生日に訪れたこともあり、一般参賀を終えた見物客が大手門や周辺の門から続々と出てくる姿を見かけました。


https://www.kunaicho.go.jp/about/shisetsu/kokyo/kokyo.html
将門塚

「将門塚(しょうもんづか)」は、平安時代中期の豪族・平将門(たいらのまさかど)の首を供養するために建てられた石碑で、会場のある日経ビルの隣りの三井物産ビルの南にあります。

現在の墓碑は2021(令和3)年の改修整備以降のものです。

一般の方の供物や物品の寄進、お線香台の利用は禁止されています。
世直しのため関東の八ヶ国の国府を攻撃し追放した、世にいう平将門の乱の後、朝廷に反逆したとみなされた将門は、朝廷側の軍により下総の地で討死し、その首が京都の七条河原でさらされることになりました。


平将門の首は怨念により故郷の東国に向かって飛んでいき、その途中の土地に落ちたという伝説の1つがこの首塚です。その後首塚の周辺で取り壊し作業や区画整理事業などが行われた際に、関係者が不審死するなどの祟りの伝説が噂されたことで、近隣の企業が参加した「史蹟将門塚保存会」が設立され、維持管理を行っています。
ちなみに平将門を主人公にしたNHKの大河ドラマ「風と雲と虹と」が、1976(昭和51)年に放映されています。
その他、当地は近くの神田明神の創建の地でもあるほか、江戸時代の大名である酒井雅楽頭(うたのかみ)の上屋敷の中庭があった所で、山本周五郎の小説「樅の木は残った」の原田甲斐の刃傷事件(いわゆる「伊達騒動」)の舞台となるなど、歴史的なエピソードに事欠きません。
https://visit-chiyoda.tokyo/app/spot/detail/65
大手町三井ホール

大手町三井ホールは、会場のある日経ビルの南にある三井物産ビル「OTEMACHI ONE」の3階にある多目的ホールです。
コンサート仕様例(出典:公式サイトより)
セミナーや展示会のほか、日経ホール同様、コンサートや舞台・演劇などのライブイベントにもよく利用されています。


https://otemachi-hall.jp/website
よみうり大手町ホール

よみうり大手町ホールは、三井物産ビルの東側にある読売新聞東京本社ビルの4階から5階にある多目的ホールです。
出典:公式サイトよりよみうり大手町ホール
小ホール
シンポジウムやコンサートなどに利用可能な約500席を有するホールと、200人程度のパーティーにも対応可能な小ホールの2つのホールを保有しています。


https://yomi.otemachi-hall.com
このように日経ホール同様、新聞各社や大企業の自社ビルでは、記者会見やイベント、各種カンファレンス等を行えるホールや会議室を自前で保有していることが伺えます。
施設概要・地図
所在地
東京都千代田区大手町1丁目3−7
日経ビル 3階~5階
アクセス
東京メトロ・都営地下鉄「大手町駅」下車
「C2b」出口直結
ホール
総客席数:610席
(車椅子席:最大14席設置可能)
公式サイト
https://www.nikkei-hall.com/hall/index.html