せっかくチケットを取ったのに、新型コロナの影響で各地で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出てて困ったわ。一応コンサートは開催されるみたいだけど…。
周りの目も気になるし、やっぱり行くのやめた方がいいのかしら…。
新型コロナウィルスの感染拡大が始まって既に1年以上。事態は収束するどころか、イギリスやインド経由の変異株の流行で第4波が発生するなど、一向に収束する兆しが見えません。
昨年多くのライブが中止になったエンタメ業界。オンラインや無観客による開催の一方、今年に入ると感染防止対策を十分にとりながら、徐々に席数を制限した有観客ライブに切り替えるする所が増えてきました。現在は緊急事態宣言が出ている地域でも、人数制限の範囲内でのライブは一応行えるようになっています。
こういう状況下でライブに参加するのは、やはり気が引けるもの。特に地元から移動自粛要請が出ている地域に遠征するとなると、相当勇気がいるのではないかと思います。
しかし、私はあえてこう言いたいと思います。
あくまで日頃から自身の感染防止対策を十分にとっていることが前提ですが…
一人でライブ遠征に出かける分には、「感染するリスクは限りなく低い」と考えます!
また、今の時期だからこそ快適に楽しめます!
これから、順を追ってその「低リスク」で「快適」な理由について、説明します。
ライブ・コンサート関連のクラスターは約1年発生なし
エンタメ業界にとって「ライブ」ができないことは死活問題です。最初の緊急事態宣言の発出でライブやコンサートが出来なくなった昨年春以降、どうすればコロナ禍でも観客を入れて商売をすることができるか、業界を挙げて文字通り「死にもの狂い」で対策を考えてきました。
その結果、昨年の初期に起こったライブハウスや舞台でのケースを除いては、現時点(2021年5月末現在)、カラオケルームで行われた音楽イベント以外で、ライブやコンサートの会場でクラスターが発生したというニュースは報告されていません。
それを裏付けるように、今年4月に3度目の緊急事態宣言発令後、対象地域における⾳楽・演劇・スポーツなどのイベントの「無観客開催」が要請された際、日本音楽事業者協会など音楽関連の事業者団体や映画館、劇場などの興行関連の4団体は5日付の声明で、各団体に関連する公演の会場では感染防止対策を徹底しており、1年近くクラスター発生が報告されていないと説明しました。
政府の活動自粛要請に対するこのような姿勢は、音楽業界だけでなく映画や落語、演劇等の各業界でも同様に見られます。エンタメの火を消さぬよう、どの業界も必死に取り組んでいることがうかがえます。
残念ながら、国立ひたち海浜公園(茨城県)で例年開催される「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」は今年も中止になってしまいましたが、規模の大きなフェスに比べて、中小規模のコンサートに関しては、感染防止対策を十分に取ることで、概ね開催しても問題ないという雰囲気が政府や国民の間でも形成されてきたように思います(2021年7月追記)。
【交通機関】空いた電車や飛行機でラクラク移動
ライブ遠征となると遠出するため、新幹線や特急電車、飛行機などに乗ることになります。
実際に利用したことがある方ならよくわかると思うのですが、とにかくガラガラです。「ソーシャルディスタンス」とか「3蜜」とかを特に気にする必要もないくらい、自分の周りには広々とした空間が確保されています。
ガラガラの北陸新幹線「かがやき」の車内(元々乗車率は低めですが…)
新幹線や在来線特急の場合、二人がけ座席の隣に他の人が座ってくる心配はまずありません。1車両の乗客が2,3人なんてこともザラです。ただし、飛行機の場合は、減便などで機材が小さくなることがあり、その場合はそれなりに席が埋まる可能性があります。
車内や機内の換気対策もバッチリです。各社のHP上の案内にあるように、飛行機は2~3分で機内の空気が入れ替わるほか、新幹線や在来線特急でも6~8分で車内の空気を入れ替えていることがわかります。
なお、会場まで自家用車やレンタカーを利用した場合は、感染リスクがさらに低くなることは言うまでもありません。
【申込み】普段より圧倒的にチケットが取りやすい
コロナ禍でのライブ・コンサートの多くは、感染防止対策のため通常より座席数を制限してチケットを販売します。
キャパが小さくなることで、ファンクラブサイト、プレイガイドともに、公演あたりの申込枚数を「1枚」(自分ひとり)までとしているところが多くなります。
つまり、友達やカップルで一緒に行こうとしても必然的に別々の席を割り当てられることになるほか、転売を想定した申込数・枚数も抑えられることになります。
その結果、出控えによる元々の需要の低下に加え、グループによる申し込みや転売の買い占めリスクが減ることで、普段から一人でライブに参加する人にとっては、「申し込みやすい」「当選しやすい」状況が生まれます。
【入場】各種感染防止対策に基づく流れ作業が整理されている
座席ブロックごとの集合時間
ライブ・コンサート会場への入場は、座席ブロックごとに集合時間が決められている所がほとんど。
平常時、ホールの会場時間は開演1時間前くらいですが、感染防止対策が取られるようになってからは、1時間以上前から少し余裕をもたせて入場が開始されます。
入場の順番は、だいたい1階前方の席からスタートします。続いて1階席後方、2階席、3階席という感じで、集合時刻を15分程度ずつ区切って、整理入場します。
順番待ちの間は、ソーシャルディスタンス確保のため、地面に目印がついているところで待ちます。
検温→チケット確認→消毒の流れ作業
入場が始まると、まずは「検温」を行います。非接触タイプで、手首やおでこに「ピッ」とやるやつですね。ここで発熱の症状がみられた場合、時間をおいて再確認したり、別室に通されたりします。
続いてはチケット確認。普段はチケットの半券を係員がもぎったり、電子チケット画面を見せてリストバンドを装着したりしますが、コロナ禍では極力接触を避けるため、半券を観客自身が取り外して箱に入れたり、もぎらずそのまま通されたりします。
いつもならこれで終わりですが、最後に係員から、または備付けのアルコールで消毒をした後、中に入れます。
会場によっては、エントランスに靴裏消毒用のマットを設置している会場もあります。
コロナアプリへの登録(個人情報の提供)が入場条件になるところも
入場時、新型コロナウィルス接触確認アプリ(COCOA)をスマホにインストールするか、参加公演ごとに個人情報を用紙に記入して提供することが条件となっている会場もあります。その際は、係員に登録画面を見せるか、用紙を渡して入場します。
【館内】様々な場面で感染リスク低減策が徹底されています
換気が強化されています
館内は通常でも空調設備により常時換気を行っていますが、感染防止対策として開場中・休憩中のホール扉の開放など、換気を強化している会場がほとんどです。
飲食施設はほとんど休業
新型コロナは、対面での飲食や会話時に感染する事例が多く報告されています。そのため、ライブ・コンサートを開催する会場でも、カフェ・レストランやホワイエ内のミニバー、スタンドといった飲食施設の多くは休業しています。
ソファ・テーブルの一部閉鎖、間引き
開演までは、ロビーや休憩スペース等、自分の席以外で時間を過ごす人も多いと思います。
しかし、ソーシャルディスタンス確保のため、普段よりイスの数を減らしたり、使用禁止にしたりしている所が多くなっています。
市松模様の席配置
客席を制限され、キャパが約半分になった会場の多くは、前後や両隣の席を空けた「市松模様」の座席配置になっています。
両側や1つ前の席が空くので、ひじ掛けを独占でき、前方の視界を遮られる心配もありません。まるで一人でリビングにいるような感覚で、ゆったり快適に鑑賞できます♪
ただし、サイドブロックだと斜め前の席がステージ正面に被ることもあるので、会場側にはちょっぴり配席を工夫してほしいなと感じることもあります。
公演中は「マスク着用」「歓声(発声)なし」「拍手のみ」
コンサート主催者団体が共同で策定した「音楽コンサートにおける新型コロナウィルス感染予防対策ガイドライン」では、
- マスクの着用
- 大声を出さない(公演中の歓声、声援も含む)
- 咳エチケットの徹底
を、来場者及び公演関係者で共有すべき基本ルールとして定めています。
着席による鑑賞と合わせ、こうしたルールが徹底されることで、安心、快適な鑑賞スタイルが確立されていることが、私が参加した公演でも実感しています。
アイドルのコンサートをクラシックのコンサートのように楽しめるのが新鮮です。因みにペンライトを使った応援も、後ろの人の邪魔にならないよう、胸の高さ以上に上げないよう注意されています。
一方、クラシックの方も、咳エチケットの徹底のおかげで、普段目立つ曲間の「咳払い」がほぼ皆無の状態なのが、地味にうれしい誤算でした(なんだ、みんなやればできるじゃんと思いました)。
1列ごとに呼び出されて退場
中小規模のホールでも、終演後は規制退場が徹底されています。
係員の指示があるまでは、すぐに動かず荷物をまとめて出られるように準備をしておきましょう。自分の座席位置が呼び出されたら、指定された出口に向かい退場します。
とはいっても、ホールのキャパの約半分なので、全員が退場するのに10分もあれば十分です。
【宿泊・飲食】:いつもと変わらぬ「おひとりさま」(笑)
ホテル:普段と変わらぬシングルルーム
普段から一人でライブに参加する身なので、ホテルはシングル(ダブル・ツインのシングルユース)に宿泊。普段と何も変わりません。
ホテル内では基本誰とも会わないので、話すシチュエーションが限られます。せいぜいチェックイン・アウトの際のフロントとの会話と、朝食コーナーでの挨拶くらいでしょうか。
飲食:いつもどおりの「黙食」またはホテルでコンビニ食
コンサート前後に立ち寄るカフェやレストラン、居酒屋も、基本一人で入ります。
公演の合間ならスマホ等で情報をチェックしたり、終わってからはお酒をお供に、その日の感想や思い出に浸る時間を楽しみます。一人なので必然的に「黙食」です。これもコロナに関係なく、いつもと変わらぬ光景です。
むしろ混んでいる平常時などは、カウンター席に押し込められることが多かったのですが、空いているコロナ禍では、一人で4人掛けテーブル席を独占できることも多く、ゆったり広々使えます。
一人で滞在時間も長くないので、時間単価も高く、お店側の負担にもならないのではないでしょうか。
緊急事態宣言などで時短要請や酒類の提供が制限されている場合は、コンビニでお酒とおつまみを買って、ホテルでゆっくりくつろぐことにすればいいだけです。
まとめ
いかがでしたか。「コロナ禍にライブなんてけしからん!」と頭から否定する前に、冷静に1つ1つの場面を辿っていくと、感染リスクの高い行動をほとんどしていないことがわかると思います。
友達やカップル、家族で出かけるのが好きな人にとっては、確かに少しもの足りないかもしれません。でも、私のように元々普段から一人でライブに行っている身としては、「何も変わらない」状態で、「いつもより快適」に楽しめることがわかるかと思います。
むしろこの機会こそ、「一人ライブ遠征デビュー」するいいタイミングだと思いませんか?