初めてBunkamura オーチャードホールのコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
Bunkamura周辺の再開発で限定営業中の東急グループのコンサートホール。
渋谷駅周辺のホールの中では、比較的アクセスしやすい会場です。
オーチャードホールは、1989(平成元)年に開業した、東急グループの代表施設である「Bunkamura」の中にあるホールです。
日本初の大規模シューボックス(靴箱)型のホールで、東京フィルハーモニー交響楽団やNHK交響楽団、大晦日の東急ジルベスターコンサート等のクラシックコンサートが定期的に開催されています。
また、2012(平成24)年からは熊川哲也氏が芸術監督に就任するなど、オペラやバレエの公演も数多く行われているほか、最近はポピュラー音楽の公演もあり、多彩なラインナップとなっています。
ホール名の「オーチャード(orchard)」は「果樹園」の意味で、ホール内は豊穣をイメージした赤の内装が施されています。
Bunkamuraは、1980年代の東急グループの戦略である「3C:「Culture」、「CATV」、「Card」戦略」に基づき設立され、株式会社東急文化村が運営管理を行っています。
施設は2023(令和5)年4月より、周辺の再開発事業である「渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト」(後述)の再開発で休館中ですが、オーチャードホールだけは、休館中も週末を中心に公演が行われています。
オーチャードホールまでのアクセス
品川駅・大宮駅から渋谷駅へ
オーチャードホールの最寄り駅はJR・東急・東京メトロの各線が乗り入れている渋谷駅。
このブログで何度か言及していますが、渋谷駅は様々な路線が乗り入れていることに加え、アップダウンの多い地形や年中工事中の箇所がいくつもあることから、複雑な構造をしている「初見殺し」の駅です。
ただし、この会場の立地は比較的駅に近いこともあり、出口を間違えなければ、渋谷駅周辺のホールの中では、アクセスしやすい会場といえます。
品川駅からの鉄道ルート
関西や名古屋方面から向かう場合は、新幹線の品川駅で在来線(JR山手線)に乗り換える方法が一般的です。
品川駅に着きました。コンコースを通り、JR在来線の乗り換え口に向かいましょう。
JR乗り換え口を通る際は、新幹線のチケットと交通系ICカードを忘れずに。
在来線の通路を奥の方に進み、3番線のJR山手線のホームに移動します。
渋谷駅は品川駅から5駅目です。
「渋谷・新宿方面」の山手線が到着しました。
所要時間約13分で、渋谷駅に到着です。
大宮駅からの鉄道ルート
東北・北陸方面からは、大宮駅が玄関口となります。品川駅同様、新幹線から在来線への乗り換え口に進み、湘南新宿ラインまたは埼京線に乗車しましょう。渋谷駅までの所要時間は湘南新宿ライン利用で約38分、埼京線快速利用で約42分です。
大宮駅は新宿方面に向かう利用者向けに、埼京線と湘南新宿ライン専用の案内板が設置されています。
経由する駅が異なるため、出発するホームは別々になります。案内に従い、先発する列車のホームに向かいましょう。
東京駅からは少し時間がかかります
東京駅から向かう場合、JR山手線を利用すると時間がかかる(11駅・約25分)ほか、東京メトロ(丸ノ内線・半蔵門線・銀座線等)等を乗り継ぐ方法でも、それほど短縮にはならない点に注意しましょう(最短で約20分)。
JR山手線
・東京駅→渋谷駅 約25分 208円
東京メトロ
・東京駅→(丸ノ内線)→赤坂見附駅
→(銀座線)→渋谷駅 約20分 209円
・東京駅→(丸ノ内線)→大手町駅
→(半蔵門線)→渋谷駅 約22分 209円
渋谷駅(ハチ公口)からの徒歩ルート
渋谷駅に着いたら、会場までは「ハチ公口」から出て、文化村通りを進む道程になります。渋谷駅は規模が大きく、年中工事を行っているので、他の出口からは道に迷う可能性があるので、必ずハチ公口から出るようにしましょう。
渋谷駅のホームからスタートです。
必ず「ハチ公口」を目指して移動します。
案内に従い、ハチ公口に到着しました。
改札を通過して、ハチ公前広場に出ます。
観光名所にもなっているスクランブル交差点を渡ります。
次の道玄坂下交差点に出たら、正面に見える渋谷のランドマーク・SHIBUYA109の方向に渡りましょう。
109の建物を左に見ながら、文化村通りを進んでいきます。
ちなみに109の建物には、会場最寄りの出口となる「A2」出口もあります。
道玄坂二丁目交差点まで来たら、左に曲がりましょう。
東急百貨店本店跡地の前を進みます。壁に会場の案内もあります。
工事中の区画の奥に、会場の建物があります。
渋谷駅ハチ公口から徒歩約7分で、会場入口に到着です。お疲れさまでした。
オーチャードホールはこんな所
2,000席超のシューボックス型の大型ホール
オーチャードホールの総客席数は2,150席。1階席から3階席までの三層構造で、冒頭に述べた通り、クラシック向きの日本初の本格的なシューボックス(靴箱)型のホールです。
1階席
1階席の総客席数は1,424席で、1列から38列まであります。途中、19列と20列の間に中央通路が設けられており、それぞれL2扉・R2扉の出入口とつながっています。
また、通路前最後列の19列の左右の両ブロックは、取り外して車いすスペース(事前予約制)に変更することが可能です。
前方の7列までの222席は、オーケストラピット設置時には取り外され、8列が最前列となり、ピットと8列の間に通路ができる形で、L1扉・R1扉の出入口とつながります。
その他、1階席にも少しですがサイドバルコニー席があります。左右(L席とR席)の両側に、固定席としてL席が12席、R席が6席設置されており、R席は補助席として6席追加(7番~12番)が可能で、L席同様に12席にすることができます。
2階席
2階席の総客席数は410席で、センターブロックと左右のバルコニー席に分かれています。
センターブロックは1列から7列まであり、全体で4つのブロックがあり、左右の端のブロックはステージに正対して斜めに配置されています。座席間の傾斜は、適度な段差で1階席よりも付けられています。
バルコニー席は1階席よりも多く、左右それぞれ1列から11列まであります。先頭のL1列・R1列は1階席同様のサイドバルコニー席として各16席、2列以降は段差が付いた状態で、1列あたり各2席~6席配置されています。
3階席
3階席の総客席数は316席で、2階席同様、センターブロックと左右のバルコニー席に分かれています。センターブロックは1列から5列までで、2階席よりも若干少ない配置です。全体の4つのブロックのうち、左右の端のブロックはステージに正対して斜めに配置されているのは2階席と同じです。
バルコニー席は2階席よりも多く、左右それぞれ1列から13列まであります。先頭のL1列・R1列は左右各11席ですが、2列以降は段差が付いた状態で、1列あたり各2席~5席配置されています。
オーチャードホール 座席表
出典:Livewalker.comより
座席
座席は赤の座面・背もたれと赤茶色の肘掛け・基礎の組み合わせです。1階席でも背もたれにある程度高さがあり、肩口から腰にかけての境界に区切りがつけられています。
2階席以降の座席は若干ですが、背もたれの基礎がハイバック仕様になっています。
こちらは1階R席に追加席を配置した場合の可動席です。
エントランス
アクセスの紹介はBunkamuraの入口まででしたが、ここでは玄関からホールまでのルートを紹介します。
エントランスを入ると、カウンターのような場所があり、その右手にホールに向かう案内があります。
案内に従い、先に進んでいきましょう。
ほどなくエスカレーターがあるので、そのまま上に移動します。
上がった先が、オーチャードホールのエントランスです。
ホワイエ
エスカレーターで上がってきましたが、Bunkamuraの玄関は正確には少し階段を下った地下にあるため、エントランスを入った先は建物の1階になります。
入ってすぐの左側にクロークがあります。
2階席や3階席へは階段やエレベーターを上がって移動します。
2階ホワイエは1階席後方と2階バルコニー席のフロアにあります。
後で紹介しますが、2階ホワイエに隣接してビュッフェが設置されています。
ホワイエの経路上には、絵画や演目で使用された衣装などが展示されています。
熊川哲也氏のKバレエカンパニー「シンデレラ」の衣装も展示されていました。
ビュッフェ
先ほど少し触れたように、2階にはビュッフェがあります。
ホール内は飲食禁止なので、このビュッフェ内でのみ可能です。
ドリンクメニューです。ソフトドリンクやアルコール類が注文できます。
その他、ワッフルやクッキー等のお菓子も販売されています。
カウンターテーブルの他、中庭に面した出窓等で飲食できます。
周辺施設
渋谷アッパー・ウェスト・プロジェクト
冒頭や徒歩ルートのところで紹介した「渋谷アッパー・ウェスト・プロジェクト」は、2023(令和5)年に閉館した東急百貨店本店の跡地において進められている、東急グループと外資系不動産会社の共同開発事業です。
2027(令和9)年度の竣工を目指し、地上36階地下4階、高さ約165mの複合施設(商業テナント、ホテル、賃貸レジデンス)が建設される予定です。
出典:東急㈱公表資料より
開発に伴い、隣接するオーチャードホールを除くBunkamuraの諸施設は、2023年4月から2027年度中まで休館となり、その間にに大規模改修工事を行う予定です。
完成後の周辺外観(出典:東急㈱公表資料より)
SHIBUYA109
渋谷は若者の文化発信地。そのランドマークが「センター街」とここ「SHIBUYA109(イチマルキュー)」です。オープンは1979(昭和54)年で、当時は「ファッションコミュニティ109」という名前でした。
こちらも東急グループの㈱SHIBUYA109エンタテイメントが管理する施設で、「109」の名称は「とうきゅう」→「10と9」→ 「いち・まる・きゅう」の語呂合わせからきているほか、昔のセブンイレブンのように、営業時間が「朝10時から夜9時まで」の意味も込められているとのことです。
円柱に「109」と書かれた建物は、渋谷のシンボルとして親しまれているだけでなく、その知名度は全国規模。109のファッションビル事業は、全国各地や海外(香港)にも店舗展開されていますが、中でも本家本元のブランドイメージは絶大なものがあります。
渋谷のギャル文化への憧れが強かった、福岡県出身のモーニング娘。10代目リーダーの生田衣梨奈さんは、デビュー前からはるばる飛行機で渋谷まで来て、109等でのショッピングを楽しんでいたそうです。
ちなみにアラフィフの私は、東京で過ごした大学時代を含め、過去にトイレを借りたことがある以外、ご縁のない施設です…。中のテナントやファッションそのものの話は、門外漢のため割愛させていただきます。
東急シアターオーブ
出典:東急シアターオーブ公式サイトより
東急シアターオーブは、東急文化会館の跡地に作られた渋谷ヒカリエの11階から16階にある、同じく東急グループが運営するホールです。
ホールは三層構造で、総客席数は1,972席(1階:1,186席、2階:521席、3階:265席)あります。
オーチャードホールの演目がクラシックやオペラ・バレエ中心であるのに対し、こちらはミュージカル公演がメインとなっており、ブロードウェイからの来日公演が開催されるなど、棲み分けがされています。
施設概要・地図
所在地
東京都渋谷区道玄坂2丁目24-1 3F
アクセス
JR・東京メトロ・東急線「渋谷」駅下車
徒歩約7分
ホール
総客席数:2,150席
(1階:1,424、2階:410、3階:316)
公式サイト
https://www.bunkamura.co.jp/orchard/