初めて「南海浪切ホール」のコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
だんじりの街・岸和田のベイエリアに建つ文化施設。
岸和田駅から伸びる商店街を通ってアクセスしよう。
南海浪切ホールは、2002(平成14)年、岸和田市の市制施行80周年を記念して開業した、多目的ホールです。
開館から長らくは「岸和田市立浪切ホール」という名前でしたが、2019(令和元)年9月に施設命名権契約により、南海ビルサービス株式会社を代表者とするグループがネーミングライツを取得し、「南海浪切ホール」という愛称が使用されることになりました。
施設は大小2つのホールや練習室を備えているほか、岸和田港に近い公共施設として、津波発生時の避難場所にも指定されています。
南海浪切ホールまでのアクセス
JR・地下鉄または近鉄でまずは「なんば」駅へ
出典:南海波切ホール公式サイトより
会場の最寄り駅は、だんじり祭りで有名な南海線の「岸和田」駅。大阪でも南部の方になるので、キタの梅田駅はもちろん、ミナミのなんば駅からもかなり距離があります。
岸和田駅までのアクセスは、以下の方法が考えられます。
東海道・山陽新幹線沿線に近い場所からは新大阪駅経由(名古屋からは近鉄線利用も可)で向かうことになるでしょう。
その他の地域からは、関西国際空港まで飛行機が出ている場合、時間短縮が可能です。
新幹線利用の場合
・新大阪駅→(地下鉄)→なんば駅
→(南海線)→岸和田駅
近鉄線利用の場合
・名古屋駅→(近鉄線)→近鉄難波駅
→(南海線)→岸和田駅
関西空港利用の場合
・関西国際空港駅→(南海線)→岸和田駅
今回は新幹線で新大阪駅まで行き、地下鉄御堂筋線に乗り換えてなんば駅まで向かうルートで紹介します。
新大阪駅からなんば駅までの鉄道ルート
まずは全国各地から新幹線で新大阪駅に着いたところからスタートします。
ホームを下りて、改札階に向かいましょう。
案内に従い、地下鉄御堂筋線に移動します。中央口から出るとわかりやすいです。
中央口の改札を通過します。矢印や床面案内を目印に進みます。
駅弁屋さんの右側にある下りエスカレーターで、1つ下の階に行きましょう。
下りたフロアの左奥に、通路が続いています。
お土産ショップとJTBの店舗の間を通り、奥に進んでいきます。
通路を抜けた先に、御堂筋線の新大阪駅の改札があります。
なんば駅は新大阪駅から7駅目で、所要時間は約16分です(片道:290円)。
1番線の「なかもず」行きか「天王寺」行きに乗車しましょう。
約16分後、無事なんば駅に到着しました。
南海なんば駅から岸和田駅へ
なんば駅に着いたら、南海線に乗り換え、岸和田駅を目指します。まずは、御堂筋線のなんば駅から南海線のなんば駅まで移動しましょう。
御堂筋線のなんば駅に下りたら、進行方向の一番前の階段またはエスカレーターで、改札に向かいましょう。
一番南の「南南(みなみみなみ)改札」から外に出ます。
南海電車方面の矢印を確認しながら移動します。
やがて天井やフロアの色が変わり、南海なんば駅の敷地に入ります。
地下から地上に移動するため、エスカレーターを上ります。
地下1階から1階、1階から2階へ、エスカレーターで移動します。
2階の中央改札口に到着しました。
運賃表を確認。岸和田駅までは片道540円かかります。
行き先は「和歌山」行きでも「関西空港」行きでもどちらでもOKです。急行か特急で向かいましょう。
この日は急行の「関西空港」行きに乗車しました。」
指定席料金は別途かかりますが、関空特急のラピートも岸和田駅に停車します。
特急サザン「和歌山市」行きの場合は、自由席車に乗れば片道運賃のみで利用が可能です。」
急行利用の場合、岸和田駅は7駅目、特急・ラピート利用時は4駅目になります。
急行利用の場合、約25分で岸和田駅に到着します。
岸和田駅から商店街を通り会場へ
岸和田駅から会場まではほぼ一本道のわかりやすいルートですが、所要時間は約15分と、少し距離があります。
ルートの大部分は駅前からの商店街(駅前通り商店街・本通り商店街)になります。順を追って見ていきましょう。
岸和田駅のホームからスタート。まずは階段下の改札口に移動しましょう。
改札は1箇所です。出たところは東西に移動できる通路になっています。
中央改札を出て、西出口に進みます。
建物を出ると左奥に商店街の入口があります。
駅前通り商店街に入りました。そのまま真っすぐ歩いていきましょう。
駅前通り商店街はアーケード付きで、雨も気になりません。
やがてアーケードが切れ、堺阪南線との「五軒屋町」交差点に出ます。
横断歩道を渡った先から、本通り商店街になります。
本通り商店街には、アーケードが設置されていません。
商店街の端まで到達すると、交差点奥の左側に会場、右側に岸和田カンカンのショッピングモールが見えます。
「岸和田港」交差点を渡り、会場に向かいましょう。
建物の正面から入ることもできますが、右側のショピングモールとの間の通路を進む人が多いと思います。
横断歩道から続く通路は幅もあり、広々としています。
ほどなく建物脇の入口があるので、中に入りましょう。お疲れ様でした。
なお、岸和田駅前からは「ローズバス」という地域巡回バスが運行しており、一応会場近くの「港緑町(浪切ホール)」バス停を経由していますが、会場近くに向かう便は1日6本程度で平日のみの運行のため、あまり利用価値はないと考えてよいでしょう。
周辺に約2,000台分の駐車場あり
出典:南海波切ホール公式サイトより
自動車で向かう場合、会場周辺はベイサイドエリアということもあり、周辺のショッピングモール利用客用のものを含め、合計で約2,000台の収容能力があります。公式サイト自ら、「(平日休日とも)終日無料!」の広告を出すなどのアピールをしています。
マイカーやレンタカーによる会場までのアクセスは、阪神⾼速湾岸線を利⽤し、「岸和⽥南IC」を降りて約1分で到着します。
駐車場のキャパは大きいですが、やはり混雑する可能性が高いので、車を利用する際は、(特に帰りの)時間に余裕をもって行動するようにしましょう。
南海浪切ホールはこんな所
歌舞伎等の伝統芸能鑑賞を意識した構造の大ホール
メインとなる大ホールの総客席数は1,558席で、クラシック等のコンサートというよりも、電動昇降式の本花道や桟敷席、天井のデザインなど、日本の伝統芸能鑑賞を意識して作られた多目的ホールです。
そのため、コンサート等の音楽イベントはもちろん、歌舞伎・日本舞踊・落語等の伝統芸能をはじめ、発表会・安全大会などの会社行事、入学式・卒業式などの学校行事にも利用されています。
1階席
1階席は845席あり、最後列は22列で、奥行きはそれほどありません。
途中、15列と16列の間に中央通路が設けられており、通路前方はスロープによるフラットに近い傾斜、通路後方は段差により前方より多少角度が付けられていますが、総じて傾斜は緩やかな部類に入ります。
最前列は、席に座る人の頭の高さ(約1m?)にステージの床が来るような感じになります。その他、通路後方の16列に車椅子席が8席分と、その隣りに介助席が計6席分確保されています。
2階席
2階席の総客席数は426席で、1列から9列まであります。1階席に比べ最前列から最後列まで段差により、同じ傾斜になっています。
3階席
3階席の総客席数は287席で、1列から7列まであり、途中、3列目と4列目の間に通路が設定されています。
L席・R席
その他、各階の左右には「L席・R席」が設置されています。1階席と2階席にはそれぞれ2列ずつ、3階席は1列ずつの配置になります。
座席の方向はステージに向かって正対するようにやや斜めに配置されています。1階はいわゆる桟敷席のような感じで、横からになりますが高さもあり見やすい印象を受けました。
ただし、2階席や3階席になると手前の壁がネックとなり、ステージの視界を若干遮る形での見え方になることは否定できません。
大ホール 座席表
出典:南海波切ホール公式サイトより
座席
座席は真紅の座面・背もたれと木製のひじ掛け・基礎の組合せです。座面は適度なクッション性で疲れにくい構造です。2階席以降は背もたれと基礎の部分が若干伸びたハイバックタイプになっています。
館内施設
アクセスルートの最後で紹介した入口は、大ホールや小ホール、インフォメーションに続くエントランスロビーに通じています。
大ホールの構造はいたってシンプルで、建物1階が1階席、2階が2階席、3階が3階席に対応しています。
この日は営業していませんでしたが、喫茶コーナーはエントランスを入って右の窓側に面したところにあります。
和を基調としたシューボックス型の小ホール
出典:南海波切ホール公式サイトより
小ホールの総客席数は286席で、1列から17列まであります。1階席のみのワンスロープのシューボックス(靴箱)型で、音響設備も充実しています。
和を基調とした佇まいで、各種講演や演劇のほか、大ホールと同じく伝統芸能の鑑賞にも利用可能な空間です。
途中、8列と9列付近に出入扉がある関係で、8列の左右両端の席が少なくなっているほか、9列左右の扉寄りに車椅子席が別途1席ずつ計2席配置されています。
小ホール 座席表
出典:南海波切ホール公式サイトより
座席
小ホールの座席は深緑の座面・背もたれと木製のひじ掛け・基礎の組合せです。
周辺施設
岸和田カンカン ベイサイドモール
会場の隣りには、大型商業施設の「岸和田カンカンベイサイドモール」があります。店名の「カンカン」は、だんじり祭の見所のひとつである「カンカン場」に由来するとのことです。
岸和田の旧港地区を大阪府や岸和田市ともに住友商事グループが手掛けた再開発事業により開業しましたが、東館のキーテナントだったイズミヤは、2015(平成27)年に撤退し、現在の姿になっています。
店内は大型スーパーやインテリア、飲食店などが充実するデイリーゾーンである東館(EAST)と、「好日山荘」などのアウトドア用品店やライフスタイルショップが並ぶアクティビティゾーンである西館(WEST)で構成されています。
東館(EAST)の飲食・グルメスポット
会場の隣りにあることもあり、特に飲食店の集積する東館は、公演前や合間に食事や休憩をとるのに最適な場所です。
1階にはフードコートがあり、周辺の店で買ったものを飲食できるようになっています。
その他西館には、施設のシンボルとなっている屋外クライミング施設「カンカンウォール」などのスポーツ施設も設置されています。
岸和田城
岸和田城は「太平記」の時代に遡ること1334(元弘4)年、楠木正成が甥の和田高家に城を築かせたのがはじまりとされています。
岸和田駅から会場までアクセスルートの途中、駅前通り商店街と本通商店街の間を通る堺阪南線(府道204号)を左に10分ほど歩いたところにあります。
現存している石垣や堀のほか、資料展示室として1954(昭和29)年に再建された天守閣や国の名勝にも指定されている岸和田城庭園(八陣の庭)などがあります。
岸城神社
岸城神社(きしきじんじゃ)は、岸和田城の東側に位置し、天照大神(アマテラスオオミカミ)や素戔嗚尊(スサノオノミコト)などをご祭神とする岸和田城下の総鎮守です。
毎年9月に実施される、岸和田だんじり祭の宮入りが行われる場所として有名です。
施設概要・地図
所在地
大阪府岸和田市港緑町1−1
アクセス
南海本線「なんば」駅から急⾏で約25分
「岸和⽥」駅下車 徒歩約15分
岸和⽥市内循環線「ローズバス」(北ループ‧南ループ)
「港緑町(浪切ホール)」下車 徒歩すぐ
ホール
大ホール 総客席数:席
(前の部:436、中の部:447、後の部:317)
※上記のほか車いす席:6席
公式サイト
https://namikiri.jp/