初めて有明四季劇場へミュージカルに訪れる人を対象に、会場までのアクセスや施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
ライブ・コンサート会場が集積する有明地区にある劇団四季専用劇場。
ゆりかもめ、りんかい線、都バスを使いこなして、スムーズにアクセスしよう。
有明四季劇場は、2020(令和2)年、東京ベイエリアの有明地区にオープンした、劇団四季の専用劇場です。
同時期に開業した商業施設「有明ガーデン」のテナントの1つで、客席の総収容人員は最大約1,200席を数えます。
2021(令和3)年9月からは、ミュージカル「ライオンキング」をロングラン上演しており、建物の外観は白と黄色のカラーになっています。
有明四季劇場までのアクセス
最寄り駅までのアクセスは「ひと工夫」が必要
出典:劇団四季公式サイトより
有明四季劇場の最寄り駅は、りんかい線の「国際展示場」駅、ゆりかもめの「有明」駅・「有明テニスの森」駅の全部で3つあります。
ライブ遠征の点からは、東京都心まで新幹線や飛行機等で来た後、この2つの路線に乗り換えることになるのですが、少し工夫が必要になります。
りんかい線はJR山手線の「大崎」駅とJR京葉線の「新木場」駅を結んでいるのに対し、ゆりかもめはJR山手線・京浜東北線の「新橋」駅と東京メトロ有楽町線の「豊洲」駅を結んでいます。
関西・名古屋方面や飛行機で羽田空港から来た場合は品川駅、北陸・東北方面から来た場合は東京駅が拠点になり、主に3つのアクセスルートが考えられます。
①品川駅→大崎駅・大井町駅経由でりんかい線「国際展示場」駅へ
②東京駅→有楽町駅・豊洲駅経由でゆりかもめ「有明テニスの森」駅へ
③東京駅→新木場駅経由でりんかい線「国際展示場」駅へ
その他のルートとしては、JR新橋駅からゆりかもめ「有明」駅に向かう方法もありますが、ゆりかもめの新橋駅から有明駅までは、レインボーブリッジを渡り、お台場周辺を周回して向かうため、①②③のルートで向かうより所要時間が約2倍かかってしまいます。
また、羽田空港から向かう場合は、JR浜松町駅まで東京モノレールを利用し、「天王洲アイル」駅でりんかい線に乗り換える方法もあります。
アクセスはこのように少し工夫が必要になりますが、今回は、①の品川駅からのりんかい線ルートと、②の東京駅からの地下鉄・ゆりかもめルートで紹介します。
①品川駅からのりんかい線ルート
まずは関西・名古屋方面からのルート。新幹線の品川駅で下車し、大崎駅または大井町駅でりんかい線に乗り換え、会場最寄りの東京テレポート駅に向かいます。
品川駅のホームに下車したところです。JR在来線への乗り換え改札に向かいます。
乗り換え改札を通過後、在来線各線へのコンコースを移動します。
山手線(外回り)で向かう場合は、3番線から出る電車に乗ります。
京浜東北線で向かう場合は、5番線の電車に乗車します。
品川駅からは「大崎」駅乗り換えの方がおすすめ
さて、この間アップしたお台場の「Zepp ダイバーシティ東京」の記事でも書きましたが、大崎駅からりんかい線への乗り換えは、JR線の改札を出る必要がないのに対し、大井町駅からの乗り換えは改札を出て約5分移動する必要があります。
両者を比較すると、1駅手前からりんかい線に乗車することになりますが、大崎駅乗り換えの方が個人的にスムーズでおすすめです。
山手線の品川駅から大崎駅まではわずか1駅です。
下車後、JRの改札を出ずに、そのままりんかい線のホームに移動します。
りんかい線は5~8番線から発車します。
この日は7番線の列車に乗車しました。
大崎駅はりんかい線の始発駅で、国際展示場駅は5駅目です。
所要時間約14分で、国際展示場駅に到着します。
有明駅・国際展示場駅から会場まで
りんかい線の国際展示場駅に着きました。そのすぐ隣りにゆりかもめの有明駅もあるので、両駅から会場までの徒歩ルートをまとめて紹介します。
地図のとおり、駅から左下(北東)の方向に進みます。
りんかい線国際展示場駅のホームです。
エスカレーター等で改札階に移動します。
国際展示場駅の改札は1箇所です。写真中央の「←有明ガーデン・東京ガーデンシアター」の案内に従い、改札を出て左側に進みましょう。
ドトール横の出口Aの方向に移動します。小さくライオンキングの看板もあります。
出たところにあるダイワロイネットホテル東京有明です。
ホテル左側のセブンイレブン横の通路を奥に進みます。
ほどなくゆりかもめの高架下に着きます。
ゆりかもめ有明駅の入口脇の歩道を北側に進みます。
「有明中央橋南」交差点に着きました。
この時点で交差点を右側に渡っておきましょう。
有明中央橋を北側に進みます。
橋の下は首都高が走っています。
渡り終えた「有明中央橋北」交差点の向かい側に有明コロシアムがあります。
有明ガーデンの建物が見えてきました。
そのまま建物方向に道なりに進みます。
下の道路を真っすぐ進んだ先に会場があります。
左側は東京ガーデンシアターの外壁が続いています。
突き当たりのショッピングモール棟入口まで来たら、下に移動しましょう。
脇にある階段を下ります。
下の歩道に出ました。ここからは会場まで一本道です。
モール棟の駐車場の脇を通過します。
有明ガーデンの東端まで進むと、会場の有明四季劇場に到着です。駅からの所要時間は徒歩約10分です。お疲れさまでした。
②東京駅からの地下鉄・ゆりかもめルート
次に東京駅から地下鉄(東京メトロ)とゆりかもめを乗り継ぐルートを紹介します。まずは、東京メトロの有楽町線に乗り換えるため、有楽町駅まで移動します。
有楽町駅は東京駅の1駅隣りで、山手線で移動しますが、大して距離もないので、新幹線下車後、八重洲口(南口のほうが距離は近いです)からそのまま歩いていっても10分ほどで着きます。
有楽町駅から東京メトロ「豊洲」駅まで
有楽町駅に着いたら、案内に従いJRの改札を出て、東京メトロ有楽町線の有楽町駅に移動しましょう。東京メトロの有楽町駅はJRの駅から北側に歩いた東京国際フォーラムの近くにあります。
1番線の「豊洲・新木場」方面の電車に乗車します。
「新木場」行きに乗車します。
豊洲駅は有楽町駅から4駅目、所要時間は約8分で到着します。
豊洲駅前交差点改札を出ましょう。
豊洲駅からゆりかもめ「有明テニスの森」駅まで
改札を出たら「出口7 ゆりかもめ」方面に進みます。前の階段を上りましょう。
地下から地上に移動します。
出てすぐにゆりかもめ「豊洲」駅への階段・エスカレーターがあります。
連絡通路を通り、改札口に向かいます。
ゆりかもめ「豊洲」駅の改札です。
ホームに到着しました。始発駅なので、終点の「新橋」行きに乗りましょう。
豊洲駅から3駅目、所要時間約5分で有明テニスの森駅に到着です。
有明テニスの森駅から会場まで
会場は先に紹介した国際展示場駅・有明駅と有明テニスの森駅のほぼ中間にあるので、先ほどとは反対に、有明テニスの森駅から南東(地図の左上)方向に進みます。
先程と同じく「環二通り(かんにどおり)」を南に進んでもいいのですが、有明ガーデン敷地の中央を横切るように、斜めに進むルートで紹介します。
有明テニスの森駅の改札です。
出てすぐの通路を左に進みます。
通路を左側に向いたところです。突き当りの階段を右に下ります。
正面に見える大きな建物は「有明GYM-EX(有明展示場)です。
右側の階段を下ります(エスカレーターは上り専用)。
まっすぐ行ってもいいのですが、最初の十字路を左に曲がります。
しばらく道なりに進みます。
やがて右側にホテルが見えてくるので、手前を右に曲がります。
今回私が宿泊した「ファーイーストビレッジホテル東京有明」です。会場から近く、価格もリーズナブルです。
ホテルを右に曲がったところです。
しばらく歩くと、正面に有明ガーデンのモール棟が見えてきます。
モール棟前の横断歩道を渡り、左に曲がりましょう。
モール棟を右に見ながら進みます。
モール棟入口まで来たら、右に曲がりましょう。奥に会場の建物も見えます。
ここまでジグザグと進んできたので、いったん整理します。現在地からはモール棟と広場の間の通路を進み、立体駐車場の前まで来たら左に曲がります。その先に会場があります。
モール棟と広場の間の通路を進みます。「シーズンプロムナード」という名前が付けられています。
突き当りの立体駐車場の前まで来たら、左に曲がります。
会場の建物までもうすぐです。
建物前まで来たら、右に曲がりましょう。
ほどなく会場入口に到着です。お疲れさまでした。
新木場駅経由でりんかい線に乗り換えてもOK
ここまで①の品川駅からのルートと②の東京駅からのルートについて紹介しました。
東京駅からはJR京葉線または東京メトロ有楽町線で新木場駅まで行き、そこでりんかい線に乗り換えても、もちろんOKです。新木場駅から会場最寄りの国際展示場駅までは2駅で、所要時間は約5分です。
ただし、京葉線のホームが新幹線の東京駅から遠いことや、新木場駅経由になると若干遠回りになるため、個人的には有楽町線で豊洲駅まで行くほうが、スムーズに移動できると考えています。
夜公演の帰りは東京駅直行の都営バスが出ています
帰りのお得な情報も紹介しておきます。平日・土休日の夜公演終了後に、東京駅丸の内南口までの直行バスが出ています。運賃は、片道210円です。
直行バスは、有明ガーデンバスターミナルの2番のりばから出ています。
2番のりばのバス停です。
当初は2022(令和4)年3月29日までの予定でしたが、当面の間運行を延長することが決定しています。
その他(自動車等)のアクセスは公式サイトを参照
出典:劇団四季公式サイトより
会場はベイエリアにあるので、各方面からのマイカーアクセスなども想定して、有明ガーデン全体で約1800台分の駐車スペースが確保されています。
駐車台数 約1,800台(地下・立体・地上駐車場計)
基本料金 入庫後1時間無料 以後300円/30分
最大料金 2,000円(入庫後24時間)
利用時間 24時間利用可能
上記は通常の場合であり、不定期で閉鎖されるスペースや、イベントにより駐車場の混雑が予測される日の「特定日料金」が設定される場合もあります。
各地やICからの所要時間も含め、公式サイトに詳しく紹介されているので、そちらを参考にしてください。
有明四季劇場はこんな所
客席降臨の舞台演出を活かした程よい大きさのホール
有明四季劇場の総客席数は約1,200席と観劇にちょうどよい大きさで、1階席が約700席、2階席が504席あります。
1階席は1列から20列まであり、途中、12列と13列の間が中央通路となっています。
この日はちょうど通路を挟んで最前の13列の端で観劇しましたが、結構おすすめの席だと思います。足をゆったり伸ばすことができるうえ、段差もあって見やすくなっています。おまけに端の方は「A1席」なので、若干お財布にも優しいです。
1階席の傾斜は全体的に緩め。特に中央通路までの12列はほぼフラットと言っていい状況です。13列目以降の後方は傾斜が付けられているので、10列目付近よりは15列目前後の方が多少見やすいかと思われます。
この会場はオープン以来、「ライオンキング」のロングラン公演を行っていますが、途中、冒頭をはじめ何度か、キャストが1階席の舞台後方や側面から通路を通り、ステージに向かう演出があります。客席降臨の演出を間近で楽しめるのも、通路席の醍醐味です。
2階席は1列から12列まであり、真ん中の6列目と7列目の間が通路となっています。1階席より席の前後の傾斜が急になっており、前の人で視界が遮られる可能性はありません。
2階席の1列目は1階席の中央通路の上付近に位置します。上の写真を見ると、1階席との傾斜角度の違いがよくわかります。
座席表
出典:劇団四季公式サイトより
座席
会場の座席は、赤い座面・背もたれにダークブラウンの基礎・ひじ掛けの組み合わせで、背もたれの中央部分が少し引き締まった形をしています。
この日座った通路前最前の13列は、段差も付いて足を広々伸ばせました。
2階席の背もたれは、1階席に比べ木製の基礎部分が少し長くなっています。
場内施設
場内は、エントランスを入ったところがロビーエリアになっており、そこからエスカレータまたは階段で客席フロアに上がる構造になっています。
チケット(当日券)売り場はエントランスの左側にあります。
エントランスエリアに掲示されているキャスト表です。
周辺施設
有明ガーデン
2020(令和2)年にオープンした有明ガーデンは、政府の国家戦略特区に認定された大規模開発の1つとして、住友不動産が手掛けた複合施設です。
施設は大きく分けてショッピングモール、モール&スパ、ホテル、シアター(劇場)に分かれています。
ショッピングモールはいわゆるイオンモール系列の1つであり、大概のものはここで買いそろえることができます。
ショッピングモール
イオンスタイル有明ガーデン
モール&スパ
無印良品東京有明
有明ガーデンカンファレンスセンター
泉天空の湯(温浴施設)
ホテル
ホテル ヴィラフォンテーヌ グランド東京有明
シアター(劇場)
東京ガーデンシアター
有明四季劇場
会場周辺は有明ガーデンパークやスポーツエンタテイメント広場が広がっており、周辺住民や買い物客の憩いの場となっています。
ちなみに劇場公演の幕間は20分ほど休憩時間があるのですが、会場の外に出たい場合は、係員から「再入場券」を受け取ると、外のイオンモールや公園で時間をつぶすこも可能です。
東京ガーデンシアター
有明ガーデンのシアター棟にあるのが「東京ガーデンシアター」で、地下1階・地上6階建ての建物に約8000人を収容することができます。
今回は劇団四季の遠征でしたが、ライブやコンサート会場としては、こちらの方がメインの施設となります。
今回紹介した最寄り駅のゆりかもめ有明駅やりんかい線の国際展示場駅からは、道の途中でガーデンシアター向けの案内係員が誘導している姿もよく見かけます。
有明コロシアム
有明コロシアムは1987(昭和62)年、老朽化した田園コロシアムに代わり、テニスの国際大会を開催できる会場として建設されました。近隣の「有明テニスの森公園」の敷地内にある東京都生活文化スポーツ局が管理しています。
全天候型のテニスコートはアリーナとしても使用できます。スタジアムの客席の最大収容人数は約10,000席で、プロレス等の格闘技の会場としても親しまれています。
東京有明アリーナ
有明アリーナは2019(令和元)年12月にオープンしたコンサート・イベント会場、競技施設で、2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場として使用されました。
オリンピック終了後の2022(令和4)年8月からは、民間の営利企業が運営するスポーツ・文化拠点として再開業しました。
いわゆるオリンピックの開催に合わせて作られたハコモノは、終了後の施設運営が赤字となる「負のレガシー」になることが多いのですが、この有明アリーナは国内外の有名アーティストのライブや大規模イベントの会場として活発に使用されており、年間収支の黒字が見込まれる数少ない会場です。
場所はゆりかもめの「有明テニスの森」駅から東にまっすぐ行った東雲(しののめ)運河のほとりにあります。
ディファ有明(閉館)
2020東京オリンピック・パラリンピック前後に多くのライブ・イベント会場や劇場がオープンした有明地区。かつてこの地区にディファ有明(2000~2018)というホールがありました。
オープン時は「日本初の格闘技専用アリーナ」の謳い文句で誕生したこの会場は、全日本プロレスの興行を中心に、北側にあったステージを活用することで、様々なライブやイベント会場としても使用されてきました。
2018年に地権者との建物定期賃貸借契約が終了することにより閉館してしまいましたが、有明地区のホールと言えば、個人的にこの会場のイメージがいまだに強く残っています。
有明コロシアムと道路を挟んで北側にある跡地は、現在空き地や駐車場用地のような形で使用されていました。
施設概要・地図
所在地
東京都江東区有明2丁目1-29
アクセス
りんかい線「国際展示場駅」徒歩約10分
ゆりかもめ「有明駅」徒歩約8分
ゆりかもめ「有明テニスの森駅」徒歩約10分
都営バス「有明二丁目」から徒歩約5分
ホール
総客席数:約1,200席(1階約700、2階504)
公式サイト
https://www.shiki.jp/theatres/4026/