初めて愛媛県県民文化会館へライブに訪れる人を対象に、会場までのアクセスや施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
道後温泉近くに建つ西日本最大級のホール。
空港からリムジンバスで直行可能で、温泉や周辺観光と一緒にライブを楽しもう。
愛媛県県民文化会館は、1985(昭和60)年、県の農業試験場の跡地に完成し、翌1986(巣昭和61)年4月に杮落とし公演が行われました。
開業当時、「メインホール3,000席・サブホール1,000席」という、それまで最大規模であった初代フェスティバルホール(大阪・2,700席)を凌ぐ、四国どころか西日本最大のキャパを誇るホールとして誕生しました。
2008(平成20)年から改修工事のため一時休業となった2019(令和元)年までの10年間は、地元の愛媛銀行がネーミングライツを取得し、「ひめぎんホール」の名称で親しまれていました。
その後、2019年から2020年にかけて大規模な改修工事が行われ、2020(令和2)年4月1日にリニューアルオープンし、現在に至っています。
愛媛県県民文化会館までのアクセス
出典:愛媛県県民文化会館公式サイトより
愛媛県県民文化会館へのアクセスは、ひとまず「四国にどのようにして上陸するか」というところから始まります。
鉄道・バス・飛行機等の選択肢がありますが、基本的には松山空港まで飛行機で向かうのがオーソドックスなルートとなります。
松山空港からリムジンバスで直行が可能
全国の空港から松山空港までは2024(令和6)年6月現在、羽田、成田、伊丹、中部、福岡、鹿児島、沖縄の7路線出ています(札幌、仙台はコロナ禍以降休止中)。東京・大阪・名古屋からは直行便で1時間から2時間弱で到着します。
特に羽田からは1日12往復出ており、直行便のない空港からの乗り継ぎも可能です。実際私も2022(令和4)年の遠征では、小松空港から羽田経由で松山空港に向かうANAのバリュートランジットを利用し、割安で移動することができました。
松山空港からはリムジンバスで会場まで直行可能
松山空港からは、JR松山駅前やいよてつ松山市駅方面のほか、観光名所である道後温泉駅前行きのリムジンバスが出ています。
出典:いよてつグループ公式サイトより
会場は道後温泉のすぐ近くにあり、終点の道後温泉の1つ手前の「南町県民文化会館前」の停留所は、その名の通り会場の目の前に停まるので、大変便利です。
空港から会場までのリムジンバスの所要時間は約36分、運賃は950円です。
バス乗り場は空港の到着ロビーを出て左側にあります。
リムジンバス車内です。現金のほか、交通系ICカードが利用可能です。
JR松山駅や主要ターミナルからは市内電車でGO!
鉄道の場合、新幹線で岡山駅まで向かった後、在来線(瀬戸大橋線・予讃線)でJR松山駅まで向かうことになります。
下表の通り所要時間は約3時間で、やはり飛行機に比べると時間がかかります。
JR岡山駅からのルート
・特急しおかぜ号
松山駅まで約2時間40分(7,750円:指定席利用)
・快速マリンライナー
児島駅経由→特急いしづち号で松山駅まで
約3時間30分(7,530円:指定席利用)
いよてつ市内電車は「道後温泉」方面に乗車しよう
JR松山駅前のりば
JR松山駅前をはじめ、いよてつ松山市駅や大街道といった主要ターミナル、繁華街から会場までは、市内電車に乗車するのが最もわかりやすく、運賃は均一で200円です。
JR松山駅前のりばは、地下道でバスターミナルを越えたところにあります。
松山市駅のりば
松山市駅のりばは、いよてつ百貨店や「まつちかタウン」という地下街が近くにあります。
大街道駅のりば
商店街の入口に面しており、松山城や坂の上の雲ミュージアムが近くにあります。ちょうど名物の「坊っちゃん列車」が停まっていました。
下の路線図のようにいくつか系統がありますが、どこから乗るにしても「道後温泉」行きに乗れば、会場最寄りの電停(終点の道後温泉駅の2つ手前)の「南町(県民文化会館前)」に停車します。
市内電車路線図
出典:いよてつグループ公式サイトより
市内電車は1日乗り放題の「1Dayチケット」を買えば、800円で主要観光地を回りながら利用できます。
ピーク時(特に帰り)の混雑に注意!
色々便利な市内電車ですが、1つ注意点があります。だいたい1両または2両編成で来るので、ライブの開演前と終演後はどうしても混雑することを覚悟しておきましょう。
特に終演直後は約2,000人の来場者が殺到するので、ぎゅうぎゅう詰めになることは必至。しばらく待つか、道後温泉方面のホテルに泊まる人は、そのまま歩いたほうが楽かもしれません。
駐車場は約300台収容
レンタカーで観光しながらライブ遠征に向かう人もいると思います。隣接する駐車場は会場の北西側に295台(地下91台、北84台、西120台) 確保されています。
料金は30分につき100円(大型は200円)。最大料金制は取られていないので、公演前後の約1時間と公演時間約3時間を合わせると、800円程度になるでしょうか。
愛媛県県民文化会館はこんな所
西日本最大級のキャパを誇るメインホール
メインホールは開業当時、先述のとおり客席数3,000席のキャパを誇る西日本最大のホールでした。
その後のリニューアル時に座席幅を広くしたこともあり、メインホールの客席数は2,725席に減りました。
それでも下の座席表のとおり、バルコニー席を備えた5階席まである堂々たる構造です(1階席:1,250、2階席:357、3階席:380、4階席:358、5階席:380)。
私が訪れた日(令和4年6月25日)のコンサートMCで山下達郎は、開業間もない頃にラジオの公開収録で訪れた時のこの会場の印象を語っていました。
(大きすぎて)多分俺は一生このホールでライブをやることはないな…
実際これまで達郎氏が愛媛で公演をする際は、一回り小さいキャパ約2,000席の松山市民会館で行われることが多かった印象です。
しかし、コロナ禍で3年ぶりに開催されたこの日の公演は、5階席までびっしり満員の盛況。「5階席まで届くよう一生懸命歌います♪」と上機嫌で約3時間のステージをこなしました。
1階席
1階席の最後列は28列で、12列と13列の間に中央通路があります。また縦の通路も6席〜7席ごとに1列ずつ計8箇所に設置され、通路席以外の人でも移動がしやすくなっています。
車椅子スペースは、1階席の最後列の後ろの両脇(1E・1J入口付近)と27列の30番台の所に計10箇所設置されています。
1階席の傾斜は全体的に緩やかで、特に中央通路前方は8列目まで段差がなくフラットになっています。
2階席以降
2階席から4階席までは、6~8列ずつ配置された正面スタンド席を中心に、左右のバルコニー席(R席・L席)が1ブロック(5階)から4ブロック(3階)設定されています。
メインホール座席表
どの席からでも「推し」は見えるのか
この会場の座席ごとの見え方については、私が解説するより、愛媛県文化振興財団公式サイトのnote更新担当の方の情報が充実していますので、ぜひ参考にしてください。
メインホール 座席
メインホールの座席は、紫がかった青色の座面・背もたれと木製の基礎・肘掛けの組み合せです。クッションは厚めですが、座った感触は結構硬い感じで沈み込まず、長時間の鑑賞にも堪えられる疲れにくい感じでした。
オーケストラピット完備のサブホール
出典:愛媛県県民文化会館公式サイトより
西日本最大級だけあって、メインに対するサブホールでも総客席数は912席(車椅子スペース8席含む)あります。
3階席まであるオーケストラピットを備えた劇場形式の会場で、コンサートだけでなく演劇や式典にも利用することができます。
こちらも愛媛県文化振興財団公式サイトのnote更新担当の方のサイトで、座席からの見え方が確認できます。
サブホール座席表
出典:愛媛県県民文化会館公式サイトより
エントランス・ロビー
会場の玄関を入ると、メインホールの5層のフロア階が正面に見える「県民プラザ」があります。ここから各ホールのエントランスに続く通路や階段があります。
ちなみに県民プラザ内限定で「えひめFreeWi-Fi」が利用できます。
メインホール入口は向かって左側の階段を上がったところで、ホワイエに続いています。2階から上の階へは、ホワイエから中央に見える階段(またはホワイエ端にあるエレベーター)で移動します。
サブホール入口は、県民プラザ右手の階段を上がった所にあります。入った所がサブホールのホワイエで、最後列左側(下手)に面しています。
カフェ&ダイニング TSUNAGU
メインホール正面玄関の県民プラザの左側に展示コーナーとともにあるのが、カフェ&ダイニング「TSUNAGU(つなぐ)」です。以前は「カフェ&ダイニング オレンジ」という名前で営業していましたが、コロナ禍に閉店し業態を変更したようです。
改装後はオペレーションスタッフの人員を少なくしているのか、注文受付時は専用の機械で行うセルフサービスになっているほか、オーダーしたメニューを運んでくる際にも、一部のファミレス等で導入されている配膳ロボットを使用していました。
フロアマップ(1階〜3階)
出典:愛媛県県民文化会館公式サイトより
周辺施設
道後温泉
やはり松山を訪れたからには、道後温泉は外せません。市内電車の終点駅から一帯は「The 温泉街」という風情で、湯場やホテル、商店街が所狭しと並んでいます。
道後温泉の本館は現在保存修理工事中。外観は残念ながら拝めませんが、温泉自体は営業しています。
松山城
松山城は、戦国武将の加藤嘉明が築城した、市の中心部にある勝山の山頂に本丸がある平山城です。
会場や道後温泉にも近く、市内電車やリムジンバスの停留所のある繁華街「大街道」で下車して、ロープウェイまたはリフトで登ったところにあるので、ライブ遠征のついでに是非訪れたい観光スポットです。
ロープウェイ&リフトは往復券520円(片道券270円)。どちらに乗ってもいいので、行きと帰りで別々に乗ることをおすすめします。
日本の城ランキング(トリップアドバイザー)で3位にもランクインした人気のお城で、石垣の描く曲線美や天守閣からの眺望を楽しみましょう。
松山鯛めし「秋嘉(あか)」
ちなみに大街道の停留所から松山城ロープウェイのりばに向かう通りの途中には、愛媛のご当地グルメ「鯛めし」の有名店「秋嘉(あか)本店」があります。
写真は開店前なので分からないかと思いますが、予約必須の行列店なので、時間に余裕を持って訪れましょう。
施設概要・地図
所在地
愛媛県松山市道後町2丁目5-1
アクセス
JR松山駅から市内電車で約21分
いよてつ松山市駅から市内電車で約17分
松山空港からリムジンバスで約30分
「南町・県民文化会館前」下車
ホール
メインホール:2,725席
(車いすスペース10席含む)
(1階1,250、2階357、3階380、
4階358、5階380)
サブホール:912席
(車いすスペース8席含む)
(1階540、2階180、3階192)
公式サイト
https://www.ecf.or.jp/e_kenbun/index.html