初めて「帝国劇場」の舞台・ミュージカルに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
皇居外苑向かい、日比谷通り沿いに建つ舞台・ミュージカルの総本山。
110年以上の歴史は日本のエンターテイメントの歴史そのものです。
建物の老朽化が進み、2025年をめどに一時休館が予定されています。
帝国劇場(帝劇)は、1911(明治44)年、皇居外苑向かいの日比谷通り沿いに建設されました。
初代の劇場は、横河民輔設計によるルネサンス建築様式の劇場で、木造が主流の時代にあって、白レンガの外観に石とコンクリートで出来た日本最初の洋風建築でした。
開業当時の帝国劇場
出典:三井住友トラスト不動産「このまちアーカイブス(日比谷・有楽町)より
発起人には渋沢栄一、伊藤博文、福沢桃介など、明治維新後の日本を形作ったビッグネームが名を連ね、鹿鳴館や帝国ホテルなどとともに、実業家の大倉喜八郎の采配により設立されました。
以来、オペラやミュージカル、歌舞伎など様々な舞台芸術が上演され、日本のエンターテイメントの発信拠点として、幅広い年代の観客に親しまれています。
運営主体は当初の帝国劇場㈱が関東大震災後の経営不振により1929(昭和4)年に解散し、松竹に経営権が移った後、1937(昭和12)年に小林一三が率いる東京宝塚劇場(1943年に東宝㈱に商号変更)に吸収合併されました。
初代劇場は第二次世界大戦中の一時休演期間を経て、1964(昭和39)年に改築のため閉館しました。
1966(昭和41)年に現在の2代目劇場が竣工。改築前後は、当時の東宝㈱の専務取締役で国民的劇作家の菊田一夫のもとで様々な作品が上演されたほか、一時期は「日本レコード大賞」の発表会場や、「年末ジャンボ宝くじ」の抽選会場としても使用されていました。
近年では「レ・ミゼラブル」や「エリザベート」、「ミス・サイゴン」などの大作ミュージカルを中心に上演され、2018(平成30)年のリニューアルで、場内のカーペットや座席、トイレが更新されました。
現在は、トニー賞最優秀作品賞(ミュージカル部門)をはじめとする10部門に輝いた豪華絢爛な舞台「ムーラン・ルージュ・ミュージカル」の日本版が、2023(令和5)年8月まで上演中です。
開業から110年以上が経過した2022(令和4)年、東宝㈱は建物の老朽化に対応するため、「帝劇ビル」を共同所有する公益財団法人出光美術館や、隣接する「国際ビル」を所有する三菱地所㈱とともに、一体で再開発事業を行うことを発表しました。
そのため、現在の2代目劇場は、2025(令和7)年を2月に一時休館し解体されることになりました。現在ははそのクロージングラインナップの演目が上演され、記念グッズ等も販売されています。
帝国劇場までのアクセス
まずは東京駅から有楽町駅まで鉄道で移動しよう
帝国劇場の最寄り駅は日比谷駅または有楽町駅。地下鉄(都営三田線・日比谷線・有楽町線・千代田線)とJR(山手線・京浜東北線)の複数の路線が乗り入れており、東京駅からも近いため、ライブ遠征の点でも非常にアクセスしやすい会場と言えます。
新幹線で東京駅まで来たら、そのまま歩いて会場に向かうことも可能ですが、ひとまずは1駅隣りの最寄り駅である有楽町駅まで向かうことをおすすめします。
新幹線で東京駅に着きました。
在来線乗り換え口に進み、5番線の山手線(品川・渋谷方面)に乗車します。
1駅隣りの有楽町駅に着いたら、「国際フォーラム口・京橋口」の案内に従い改札に向かいます。
改札を出たら、右側に移動しましょう。
天井がアーチ状になったコンコースを進み、外に出ます。
有楽町駅からの徒歩ルート
出典:帝国劇場公式サイトより
有楽町駅に着いたら、会場へは駅の西側(地図の上方向)に出て皇居のお濠方面に移動することになります。
徒歩約3分程度ですが、地上ルートと地下ルートの2通りで紹介します。
ビックカメラと東京国際フォーラムの間の道を直進
まずは地上ルートから。駅改札を出たら、左側にビックカメラ、右側に東京国際フォーラムがあり、その間を走る道を真っ直ぐ進めば、会場前に着きます。
道は一本道で分かりやすいです。
会場は右側にあるので、どこかのタイミングで移動しておきましょう。
2つ目の交差点の先にある国際ビルの次が帝劇ビルです。
出光美術館の前を過ぎれば、会場の正面玄関に到着です。
地下道を通る場合はB3出口で直結
続いて地下ルートは、地上ルートの真下を走る有楽町線の地下通路を進みます。
地下鉄の入口から地下に下りて、B3出口を目指します。
地下通路は有楽町線の有楽町駅に沿って東西に伸びています。
日比谷通りに近い突き当りにB3出口があります。
B3出口は、そのまま帝国劇場の地下2階につながっています。
地下2階の飲食店街に入りました。
最初の角を左に曲がると、会場への入口に通じる階段があります。
階段を上がります。
地下1階の会場入口に到着です。
帝国劇場はこんな所
観客を迎え入れる約1,900席のホール
帝国劇場の総客席数は1,897席で、内訳は1階席が1,209席、2階席が688席となっています。また、1階席の上手(右側)最後列に車椅子スペースが2席分設置されています。
会場内へはまず「ロビー入場」が可能となり、しばらくしてから「客席内入場」が可能となります。ロビー内で気持ちを整え、客席内へ足を運んだ瞬間、優雅な非日常の空間が眼前に広がります。
1階席
1階席は、最前のXA列から最後列のX列までの27列まであります。途中、XC列(3列目)とA列(4列目)、R列(21列目)とS列(22列目)の間に通路が設けられています。
前方のXA列からXC列までの71席は、オーケストラピットを設置する場合撤去されるので、使用する場合、総客席数は1,826席となります。
XC列(3列目)とA列(4列目)の間の通路付近。XC列を含む前方の3列が、オーケストラピットの場所になります。
また、公演により追加の補助席が販売される場合は、R列の後方(S列との間の通路前方)に「中列」として、折りたたみの座席が設置されます。
1階席R列〜S列付近。この日の演目(ムーラン・ルージュ・ザ・ミュージカル)では2列の間に中列として折りたたみの席が用意されているのがわかります。
写真をご覧いただくとわかるように、1階席における座席の傾斜は緩やかで、概ねフラットな構造になっています。
ただし、ステージに向かって正対するように1列が緩やかにカーブしていることや、千鳥配列になっていることで、前方の列の人の頭が正面に来ないように工夫はされています。
2階席
2階席は、A列からM列までの13列が基本で、両サイドのせり出し部分に「XA列・XB列」が10席ずつ設置されています。
また、途中のH列とI列の間に通路が設けられており、中央と左右にある4箇所の出入口を経由して、自席に向かう構造になっています。
2階席の座席の傾斜は1階席よりもしっかりと取られており、全体的にステージを俯瞰で見やすくなっています。
私は、訪れた公演を「L列中央付近」(A席)で観る機会がありましたが、ステージ演出を端から端まで、高低差も含め余すところなく楽しめることを確認しました。多少距離がありますが、1階席後方(S席)よりも、正直満足度は高く感じました。
座席表
出典:帝国劇場公式サイトより
座席
座席は跳ね上げ式で、座面・背もたれ・肘掛けともに赤色で統一されています。クッション部分もしっかり取られており、それでいて適度な硬さもあるので、長時間の観劇にも疲れません。
こちらは追加で「中席」が販売された場合に使用される補助席です。会社の会議室に見られるような折りたたみ椅子で、背もたれ部分を立てて座ります。やはり通常の席と比べると簡易なものになっています。
館内施設
出典:帝国劇場公式サイトより
会場内は舞台・客席・ロビー部分の大きく3つに分かれています。共用部となるロビーは、皇居側(日比谷通り)に近い所にエントランスがあり、その左側にチケット売場があります。
エントランス
黒い壁、赤いカーテンに彩られたエントランスを過ぎたところにロビーがあり、客席内入場が可能となるまでの間の時間を過ごします。
それほどスペースが広く取られているわけではありませんが、舞台を楽しむための設備が必要十分に揃っています。
カフェ インペリアル
エントランスに近い方の階段を上がった2階の右側になるのが、「カフェ インペリアル」で、開演前や幕間にティータイムを過ごすことができます。
カフェではドリンク単品での販売はなく、その時々の公演限定の限定スイーツセットを楽しむようなメニュー構成になっています。
店内は2人がけまたは1人がけのテーブルが中心です。
この日は限定のショートケーキとアイスコーヒーのセットを注文しました。
ドリンクはソフトドリンクとアルコールを選べるようになっているほか、セットに付いてきた帝劇限定のオリジナルスプーンやフォーク、コースターをお土産に持ち帰ることができるのが特徴です。
値段は少々張りますが、観劇の記念にオーダーするのをおすすめします。
グッズ・スーベニール・フードSHOP
ロビー内には、1階にグッズ・お土産・フードの各SHOPが1箇所ずつ、2階に品数限定で1階の販売商品が一通り買えるSHOPが1箇所あります。
公演パンフレットや限定グッズなどを開演前や幕間に取り揃えましょう。
その他
ロビー内はその他、コインロッカーやフォトスポットなども点在しています。
コインロッカーは1階・2階に1箇所ずつあり、どちらも無料で利用できます。
1・2階ロビーの壁面には、見事なステンドグラスや「喜怒哀楽」をモチーフとしている仮面が掲示されています。
柱には公演ごとの主要キャストのパネルも掲示。お気に入りのキャストの写真を撮る人で賑わっています。
壁面にはキャスト表にもなっている公演のオブジェも。正面から撮るため、行列ができていました。
周辺施設
出光美術館
出光美術館は、会場と同じ帝劇ビルの9階にあります。劇場のエントランスよりも有楽町駅側に入口があり、入ってすぐのところにある専用のエレベーターで9階に移動します。
「アポロマーク」のロゴでおなじみの出光興産の創業者である出光佐三氏(1885−1981)の美術品のコレクションを展示・公開するため、1966(昭和41)年に開館しました。
展示品は、日本の書画や、中国・日本の陶磁器など東洋古美術が中心です。テーマ展示のみで年6回の展覧会を開催しており、常設展示がないのが特徴です。
エレベーターで9階に上がったところにあるエントランスです。
9階のフロアからは、皇居の桜田門や法務省旧本館の赤レンガ棟、エフエム東京のビルなどが見えます。
コメダ珈琲店 有楽町ビックカメラ店
最後に、時間調整のためのカフェの1つとして、「コメダ珈琲店 有楽町ビックカメラ店」を紹介しておきます。有楽町駅からの地上ルート沿いにあるビックカメラのビルの地下1階にあります。
帝劇ビルの地下飲食街でもいいのですが、初めて訪れる場合にどこに入ればいいのか迷うと思うので、1階の目立つところに入口がある当店が入りやすいのではないでしょうか。
施設概要・地図
所在地
東京都千代田区丸の内三丁目1番1号
アクセス
JR有楽町駅国際フォーラム口下車
徒歩3分
都営三田線日比谷駅・
東京メトロ有楽町線有楽町駅下車
徒歩すぐ
(B3出口が帝劇地下2階に直結)
ホール
総客席数:1,897席
(1階:1,209席、2階:688席)
車いす席2席、補助席(中列)あり
公式サイト
https://teigeki.tohostage.com/