初めて「レクザムホール高松(香川県県民ホール)」のコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
ことでん高松築港駅や、高松城址・玉藻公園からすぐの場所にあるホール。
レンタカーやことでんを利用して、周辺観光も一緒に楽しもう。
レクザムホール(香川県県民ホール)は、1988(昭和63)年に開業したホールです。
施設の運営管理を行う指定管理者は、長らく地元高松に本拠を置くあなぶきグループの穴吹エンタープライズ㈱が運営してきましたが、2021(令和3)年より同社に加え、同じくグループ会社であるあなぶきエンタテイメント㈱を加えた「あなぶき文化振興コンソーシアム」により運営されています。
2008(平成20)年から命名権(ネーミングライツ)制度が導入され、当初はあなぶきグループの穴吹興産に売却され、「アルファあなぶきホール」という愛称が使用されていました。
その後の命名権募集において選考の結果、香川県に工場を持つ電子機器・スキー用品メーカーの「㈱レクザム」が落札し、「レクザムホール」の愛称で呼ばれるようになりました。
アーティストの高松公演はこの会場と、すぐ近くにあるサンポートホール高松のどちらかで開催される場合がほとんどです。
どちらも高松駅前の便利な立地にあり、1泊2日で両方の会場で開催される公演をはしごすることもできるので、高松観光のお供にライブ遠征を企画するのもおすすめです。
レクザムホールまでのアクセス
出典:レクザムホール公式サイトより
会場の最寄り駅は、四国の玄関口であるJR高松駅。ライブ遠征のアクセスルートとしては、主に次の3つがあります。
1つめは、新幹線の岡山駅を拠点に、岡山駅から快速マリンライナーで終点の高松駅まで向かう方法。
2つめは、高松空港まで飛行機を利用し、高松駅までの空港バスまたはレンタカーでアクセスする方法。
3つめは、全国各地から高松駅高速バスターミナルまでの高速バスを利用する方法です。
ここでは、①新幹線岡山駅からの鉄道ルート、②高松空港からのバス・レンタカールート、③高松駅バスターミナルまでの高速バスルートのそれぞれの紹介と、高松駅から会場までの徒歩ルートを紹介します。
新幹線岡山駅からの鉄道ルート
1つめの新幹線で岡山駅に着いた場合のルートについて説明します。各方面から岡山駅までの所要時間は、以下のとおりです。
東京駅から 約3時間15分 17,970円
名古屋駅から 約1時間40分 11,810円
新大阪駅から 約45分 6,660円
広島駅から 約36分 6,660円
博多駅から 約1時間45分 13,570円
東京からは3時間以上かかってしまうので、東日本から向かう場合は、飛行機等の他の手段を使ったほうが早くなると思います。
新幹線で岡山駅に向かうところからスタートします。
到着したらホームに降りて、在来線の乗り換え口に進みましょう。
1つ下のコンコースにある、在来線乗り換え口です。
案内板を確認。高松行きのマリンライナーは8番線から出ることがわかります。
在来線ホームへの通路を進み、8番線ホームに移動しましょう。
マリンライナーの車両です。在来線でよく見かけるクロスシートのものです。
途中、瀬戸大橋を渡る際、車窓から見える景色を楽しみましょう。
岡山駅から1時間弱で、終点の高松駅に到着です(片道:1,660円)。
高松空港からのバス・レンタカールート
2つめは、飛行機で高松空港へ向かう場合のルートの紹介です。2024年9月現在、高松空港へ定期便の出ている路線は以下のとおり。
東京(羽田空港) 1日13往復(JAL、ANA)
東京(成田空港) 1日3往復(ジェットスター)
沖縄(那覇空港) 1日2往復(ANA)
東京からは3時間以上かかるので、新幹線より羽田空港の高松線を利用するほうが、本数も多く便利でしょう。
高松空港に着いたら、ことでんバスの運行する空港リムジンバスまたはレンタカーで高松駅前に向かいましょう。
空港バスの高松駅前までの所要時間は約45分、運賃は片道1,000円です(各種交通系ICカード利用可)。
レンタカーは空港内に計8事業者の受付カウンターがあり、近郊の観光を合わせて楽しむ場合は、高松駅前と高松空港の両方に営業所があり、高松空港で借りて高松駅前で返す(またはその逆)など、「乗り捨て」ができる事業者を選ぶと、行きと帰りで電車と飛行機を使い分けることができます。
高松駅高速バスターミナルまでの高速バスルート
3つめの全国各地から高速バスで高松駅高速バスターミナルまで向かう場合のルートです。
運行事業者は以下のとおりです(2024年9月現在)。
運行事業者 | 出発地 |
西東京バス(ハローブリッジ号) | 東京(新宿、東京駅)、神奈川(横浜) |
四国高速バス | 東京(新宿)、神奈川(横浜)、 愛知(名古屋)、高知、 福岡(博多・天神、北九州) |
JR四国バス | 大阪(難波、大阪駅、高槻、USJ) 京都(京都、大山崎) 愛知(名古屋)、三重(桑名) 兵庫(神戸・三宮)、広島、 愛媛(松山、新居浜・西条・四国中央) |
JR東海バス | 愛知(名古屋)、三重(桑名) |
高松エクスプレス(フットバス) | 大阪(難波、大阪駅、USJ) 兵庫(神戸・三宮、淡路島・洲本) |
琴平バス(コトバスエクスプレス) | 千葉(TDR) 愛知(名古屋)、三重(四日市) 福岡(博多・天神、北九州) |
徳島バス | 徳島(徳島市、鳴門、松茂) |
高松駅から会場までの徒歩ルート
最後に高松駅前から会場までの徒歩ルートの紹介です。JR高松駅から会場までの所要時間は約8分(ことでん高松築港駅からは徒歩約3分)です。
かわいい顔が特徴のJR高松駅前からスタートです。
出てすぐ左側には、サンポートホール高松があります。
正面の広場の右側に伸びる屋根付きの歩道に沿って移動しましょう。
JR系の2つのホテル(JRホテルクレメント高松・JRクレメントイン高松)の右側を奥に進みます。
突き当たりの中央通りにかかる横断歩道を渡りましょう。案内もあります。
正面に、玉藻(たまも)公園の西門があります。ことでん高松築港駅は、その右側にあります。
渡った先を左に移動します。
水城通りに差し掛かるところで右に曲がりましょう。
あとは道なりにまっすぐ進むだけです。
道路の右側は、高松城址のお堀と石垣が続いています。
会場のすぐ横にある、史跡の「月見櫓」が見えてきました。
越えたところが、会場の正面玄関です。お疲れさまでした。
レクザムホールはこんな所
県内最大、約2,000人収容の大ホール
大ホールは総客席数は2,001席で、香川県内のホールで最大のキャパを誇ります。1階席から3階席までの三層構造で、内訳はそれぞれ1階席が1,359席、2階席が392席、3階席が250席となります。
1階席
1階席は1列から30列まであり、途中、16列と17列の間に中央通路が設置されています。前から6列目までの176席は、オーケストラピット使用時に撤去されます。
また、車いす席は、通路前の16列左サイドに5席と、最後列の30列左サイドに2席の計7席設置されています。
座席は通路前方が緩やかなスロープによる傾斜で緩やかになっているのに対し、後方は段差により角度が付けられています。
2階席
2階席は1列から17列までありますが、いわゆるスタンドのセンターブロックは11列から17列までの7列分で、1列から10列を含む15列までは、後に紹介するサイドバルコニー席(私の勝手な表現ですが)に配置されています。
座席の傾斜は1階席よりも急になっており、前の人の頭で視界を遮られる心配はありません。
3階席
3階席は1列から16列までありますが、2階席同様、センターブロックは12列から16列までの5列分で、1列から11列を含む13列までは、サイドバルコニー席に配置されています。
座席の傾斜は2階席よりさらに急になっており、ステージを俯瞰で見下ろす形になります。
サイドバルコニー席(2・3階)
2階席と3階席の両サイドには、ステージ方向にせり出す形でサイドバルコニー席が設置されています。
2階席
2階席は1列から15列まであり、1列あたり2席~5席ずつ配置されています。
3階席
3階席は1列から13列まであり、1列あたり2席から3席ずつ配置されています。
大ホール 座席表
出典:レクザムホール公式サイトより
座席
大ホールの座席は淡いグリーンの座面・背もたれと濃い目の茶色のひじ掛け・基礎の組合わせです。背もたれの中央部分にラインが入っており、上下にクッションが分かれる形になっています。
2階席・3階席は、首や頭部までをカバーするハイバック仕様になっています。
館内施設
大ホールのエントランスホールは建物の2階にあり、入口を通り抜けると、正面に広々としたメインロビーが広がっています。
ロビーは向かって左側に伸びており、途中、上の階に上がる階段やエレベーターが設置されている場所を抜けた奥に、喫茶コーナーがあります。
メインロビーの左奥にある喫茶コーナー。この日は営業していませんでした。
建物の4階が2階席、5階が3階席になっており、座席入口に面したところがホワイエになっています。
舞台と観客が一体となる小ホール
出典:レクザムホール公式サイトより
小ホールの総客席数は807席で、1階席が585席、2階席が222席あります。舞台芸術や様々な創作活動に利用できるちょうどよいキャパの会場で、舞台と観客が一体となって楽しめる会場です。
1階席は途中、9列目と10列目の間に通路が設置されており、最後列の左サイドに車椅子席が3席分設置されています。オーケストラピット使用時には、1列から5列までの96席が撤去されます。
2階席は1列から15列までありますが、大ホール同様、センターブロックとサイドバルコニー席に分かれています。センターブロックは10列から15列までの6列、サイドバルコニー席は1列から11列まで配置されています。
小ホール 座席表
出典:レクザムホール公式サイトより
エントランス・ホワイエ
大ホール・小ホールの正面玄関は建物の2階にあり、道路に面した所から階段で上がると、正面の奥に大ホールのエントランス、左側に小ホールのエントランスがあります。
大ホールのエントランスホールはある程度の空間があり、入場待機列等に利用されますが、それだけでは足りずに、階段を下った1階にある県民ロビーや、大ホール入口から道路に面した階段付近にまで待機列が伸びることがあります。
コインロッカーや自販機は、建物1階の県民ロビー内の一角にあります。ロッカーは中型と小型の2種類があり、どちらも100円返却式で無料で利用できます。
ギャラリーカフェ・シレーヌ
建物の最上階に当たる6階にあるギャラリーカフェ・シレーヌです。
壁側に美術作品が展示され、窓側は高松港の眺望が楽しめる環境で、公演前の腹ごしらえや時間調整等での利用にぴったりです。
ケーキやワッフルとのドリンクセットがリーズナブルに利用できます。
周辺施設
今回のブログでは、サンポートホール高松を取り上げた場所以外のスポットを紹介します。会場周辺のほか、今回は「ことでん(高松琴平電気鉄道)」やレンタカーを利用して行ける少し遠方の名所も含めて紹介します。
出典:ことでんグループ公式サイトより
ことでんは会場近くの高松築港(たかまつちくこう)駅を始点に、琴平線、志度線、長尾線の3つの路線が伸びています。ライブ遠征のついでに、のんびり車窓風景を楽しみながら名所めぐりをしてみてはいかがでしょうか。
高松城址・玉藻公園
まずは会場の隣りにある「高松城址・玉藻公園」を紹介します。
元は豊臣秀吉の時代に、大名の生駒親正(いこまちかまさ)が讃岐の国の国主に任命され、この地に築城したのがはじまりです。
その後、幕末を経て版籍奉還により敷地は松平家に払い下げられ、さらに戦後の1954(昭和29)年には高松市が譲り受けることになり、城跡と公園として一般に開放されるようになりました。
約8万㎡(24,000坪)の園内には、月見櫓や披雲閣(旧松平家高松別邸)などの重要文化財があり、開演までの時間をのんびり散策しながら楽しむことができます。
公式サイト:http://www.takamatsujyo.com/index.htm
香川県立ミュージアム
続いて、こちらも会場に隣接する建物の「香川県立ミュージアム」です。
館内には原始から近現代までの香川の歴史を紹介する歴史展示室や、地元ゆかりの美術品の常設展示などがあります。
カフェポット・ミュゼ
ミュージアムの建物内にある「カフェポット・ミュゼ」です。レクザムホール6階にある「ギャラリーカフェ・シレーヌ」の姉妹店で、重複するメニューが多くなっています。
ミュージアムとは別の入口があり、外から直接店に入ることができます。
会場の6階にあるギャラリーカフェ・シレーヌの姉妹店なので、共通のメニューが多くなっています。
高松中央商店街
ことでん「片原町」駅付近には、アーケードを持つ8つの商店街が集積しており、その総称が「高松中央商店街」と呼ばれています。
総延長2.7kmの長さがあるアーケード街で、日本一の長さを誇ります。
丸亀町商店街、兵庫町商店街、
片原町西部商店街、片原町東部商店街、
ライオン通商店街、南新町商店街
常磐町商店街、田町商店街
それぞれ昔ながらのものや平成以降に発展したスタイルのものもあり、新旧様々な雰囲気を醸し出しています。
中でも再生プロジェクトによって生まれ変わった丸亀町商店街は、明るい光が差し込むガラスドームの天井で有名です。
特別名勝 栗林(りつりん)公園
続いて、高松築港駅からことでん琴平線に乗って7分ほど行ったところにある特別名勝「栗林公園(りつりんこうえん ※「くりばやし」「くりりん」公園ではありません)」です。駅はその名のとおり「栗林公園」駅で下車します。
75万㎡のの広大な敷地に、6つの池と13の築山がある大名庭園です。周辺の緑と一体化した紫雲山を背景に美しい風景が広がっており、商工奨励館や掬月亭(きくげつてい)などの見どころも点在しています。
商工奨励館では、香川漆器などの特産品の展示や製作実演などが行われています。
掬月亭は歴代藩主が使用した数寄屋造りの茶室で、抹茶を楽しむことができます。
ガーデンカフェ栗林
園内の商工奨励館の西館にある「ガーデンカフェ栗林」です。
地元・香川の旬の食材を厳選した創作イタリアンを提供しているほか、アイスやスイーツのセットも販売しており、園内散策時の休憩に便利な場所です。
金刀比羅宮(ことひらぐう)
最後に讃岐名物「こんぴらさん」こと「金刀比羅宮(ことひらぐう)」の紹介です。御本宮の御祭神は、大物主神(おおものぬしのかみ)と崇徳(すとく)天皇で、昔から一生に一度は行ってみたいという憧れのパワースポットです。
ことでん琴平線で終点「琴電琴平(ことでんことひら)」駅まで行けば、そこから徒歩約15分で到着します。高松築港駅から琴電琴平駅までの所要時間は約1時間です。
2018年の秋に訪れた時のものですが、それほど変わっていないと思うので紹介します。
琴電琴平駅に着いたら、そばを流れる金倉川に架かる橋を渡り、金毘羅街道を通って表参道に進みましょう。
参道まで来たら、門前町から御本宮まで785段の石段を登ります。道中は大門(おおもん)や表書院、旭社など多くの社殿や文化施設があります。
御本宮の奥には展望台があり、眼下に見える絶景を堪能できます。ここまででも十分疲れるのですが、体力があればさらにその奥へ。展望台の先にある常盤神社の前を通り、参道と石段が続きます。
途中、朱色の美しい白峰神社や学問の神様・菅原道真公を祀った菅原神社を通ります。
そして、御本宮からさらに石段を583段、全1,368段登った先にあるのが、金刀比羅本教の教祖である厳魂彦命(いずたまひこのみこと)をお祭りする厳魂神社(いずたまじんじゃ)(奥社)です。
なお、奥社の向かって左手に看板があり、その上の崖には「カラス天狗」(左)と「天狗」(右)に見える「天狗岩」があるので、訪れたついでにぜひ見ておきましょう。
施設概要・地図
所在地
香川県高松市玉藻町9−10
アクセス
JR「高松」駅下車 徒歩約8分
ことでん「高松」駅下車 徒歩約3分
高松空港からリムジンバスでJR高松駅行き約45分
ホール
大ホール 総客席数:席
(前の部:436、中の部:447、後の部:317)
※上記のほか車いす席:6席
公式サイト
https://kenminhall.com/