初めて「サンポートホール高松(高松市文化芸術ホール)」のコンサートに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
JR高松駅前にあるシンボルタワーが目印のホール。
岡山駅からマリンライナーでアクセスしよう。
サンポートホール高松(高松市文化芸術ホール)は、2004(平成16)年、かつて高松市役所の隣りにあった高松市民会館に代わる芸術文化施設としてオープンしました。
会場は高松シンボルタワーという、タワー棟とホール棟により構成されているコンベンション施設のホール棟内にあり、「サンポート」という名前は、高松港周辺のベイエリアに面した地名から来ています。
開館20周年を控えた2022(令和4)年より大規模改修工事を実施していましたが、20周年となる2024(令和6)年4月に完了し、リニューアルオープンしました。
建物は、公益財団法人 高松市文化芸術財団が指定管理者となり、運営されています。
アーティストの香川公演は、この会場と、同じく高松駅前にあるレクザムホール(香川県県民ホール)のどちらかで開催されることが多くなっています。
サンポートホール高松までのアクセス
出典:サンポートホール高松公式サイトより
会場の最寄り駅は、四国の玄関口であるJR高松駅。
本州の各方面から向かう場合、新幹線の岡山駅を拠点に考えるとよいでしょう。岡山駅からは快速マリンライナーが出ており、高松駅まで乗り換え無しで到着します。
また、高松空港まで飛行機を利用する場合は、高松駅まで空港バスが出ています。周辺観光も楽しみながら、レンタカーで向かうのもいいでしょう。
その他、高松駅前は高速バスのターミナルもあるので、全国各地からの高松便が運行している地域にお住いの方は、バスを利用するのも便利です。
ここでは、新幹線岡山駅からの鉄道ルート、高松空港からのバス・レンタカールート、高松駅バスターミナルまでの高速バスルートと、高松駅から会場までの徒歩ルートに分けて紹介します。
新幹線岡山駅からの鉄道ルート
まずは新幹線で岡山駅に着いた場合のルートについて説明します。各方面から岡山駅までの所要時間は、以下のとおりです。
東京駅から 約3時間15分 17,970円
名古屋駅から 約1時間40分 11,810円
新大阪駅から 約45分 6,660円
広島駅から 約36分 6,660円
博多駅から 約1時間45分 13,570円
片道2時間以内で到着するのは、名古屋以西の地域になります。
まずは新幹線岡山駅のホームから、在来線への乗り継ぎ改札を目指しましょう。
案内に従い、乗り換え口に進みます。
行き先表示板を確認。8番線から出る快速マリンライナーに乗車します。
コンコースを通り、8番線に移動します。
8番線はマリンライナーのほか、四国方面に向かう特急列車の出発ホームになっています。
マリンライナーは快速なので、(一部指定席はありますが)乗車券代のみで自由席を利用すればOKです。
マリンライナーの車内です。
岡山駅から約50分で、高松駅に到着です。
高松空港からのバス・レンタカールート
続いて高松空港まで飛行機を利用する場合のルートについて説明します。高松空港へは2024年9月現在、東京(羽田・成田)と沖縄(那覇)の3空港から定期便が運行されています。
東京からの場合、新幹線では岡山駅までで3時間以上かかるので、羽田便を利用する方が便数も多く、便利でしょう。
高松空港から高松駅前までの移動は、空港リムジンバスかレンタカーを利用しましょう。
空港バスは地元のことでんバスが運行しており、高松駅前までの所要時間は約45分、運賃は片道1,000円です(各種交通系ICカード利用可)。
レンタカーはトヨタレンタカーやニッポンレンタカーなど、空港内に計8事業者の受付カウンターがあり、ライブのついでに高松近郊の観光を楽しむ際に便利です。高松駅前と高松空港の両方に営業所があり、高松空港で借りて高松駅前で返す(またはその逆)など、「乗り捨て」ができる事業者を選ぶと、行きと帰りで電車と飛行機を使い分けることができます。
高松駅高速バスターミナルまでのバスルート
飛行機を使わず、全国各地から高速バスで高松駅高速バスターミナルまでアクセスすることもできます。運行事業者は以下のとおりです(2024年9月現在)。
運行事業者 | 出発地 |
西東京バス(ハローブリッジ号) | 東京(新宿、東京駅)、神奈川(横浜) |
四国高速バス | 東京(新宿)、神奈川(横浜)、 愛知(名古屋)、高知、 福岡(博多・天神、北九州) |
JR四国バス | 大阪(難波、大阪駅、高槻、USJ) 京都(京都、大山崎) 愛知(名古屋)、三重(桑名) 兵庫(神戸・三宮)、広島、 愛媛(松山、新居浜・西条・四国中央) |
JR東海バス | 愛知(名古屋)、三重(桑名) |
高松エクスプレス(フットバス) | 大阪(難波、大阪駅、USJ) 兵庫(神戸・三宮、淡路島・洲本) |
琴平バス(コトバスエクスプレス) | 千葉(TDR) 愛知(名古屋)、三重(四日市) 福岡(博多・天神、北九州) |
徳島バス | 徳島(徳島市、鳴門、松茂) |
高松駅から会場までの徒歩ルート
出典:サンポートホール高松公式サイトより
高松駅に着けば、会場に着いたも同然です。改札からバスターミナル側に出ると、高松シンボルタワーとともに会場建物が目の前にあります。
高松駅のホームに着いたら、改札口を目指しましょう。
改札は1箇所です。そのまま直進して外に出ます。
駅舎正面はガラス張りになっていて、顔のような装飾が施されています。
建物の外に出て左側を向くと、すでに会場が目の前にあります。
そのまま会場建物の方へ近づいていきます。
建物の前に、タワー棟とホール棟の案内看板があります。
メインの大ホールへは、ホール棟の3階に続くエスカレーターを上ります。
案内図を確認。大ホールは3階、第1小ホールは4階、第2小ホールは5階にあります。
エスカレーターを上がった先に、大ホールのエントランスがあります。お疲れさまでした。
サンポートホール高松はこんな所
キャパ1,000〜1,500席まで変更可能な大ホール
大ホールはホール棟の3階~5階部分に位置しており、総客席数は1,500席で、コンサートのほかに会議や集会にも利用できるプロセニアム型の多目的ホールです。
1階席から3階席まである三層構造です。座席には可変機能が備わっており、開催規模や演目に応じて1,312席、1,222席、1,034席に変更することができます。
固定席とは別に、車椅子席が18席、親子席が16席配置されています。
1階席
1階席は1列から20列まであり、途中、4列目と5列目の間に通路が設置されています。オーケストラピットが設置される場合は、通路前の1列から4列までの126席が撤去されます。
座席間の傾斜は、通路前方はほぼフラット、その後の中段にかけてまでは緩やかなスロープになっており、後半の10列付近から最後列にかけては段差が付き、傾斜角度が付けられています。
最後列の20列は、先ほど紹介した車椅子席の18席と、それに付随した介助席の14席で占められています。また、最後列後方の左右扉に隣接して、親子室が配置されています。
1階席が20列までしかない一方で、3階席まである形状のため、奥行きがない一方で高低差のあるホールといえます。
2階席
2階席は1列から6列まであり、途中、2列目と3列目の間に通路が設置されています。
通路前の1列と2列の両サイドは、バルコニー席のように3ブロックずつに分かれ、左右にせり出しており、先端に行くのに従い階下に垂れ下がる感じになっています。
3階席
3階席は1列から8列まであり、途中、2列目と3列目の間に通路が設置されています。
2階席同様、通路前の1列と2列の両サイドは、バルコニー席のように3ブロックずつに分かれ左右にせり出し、階下に垂れ下がる感じになっています。
大ホール 座席表
出典:サンポートホール高松公式サイトより
座席
座席は赤色の座面・背もたれと木製のひじ掛け・基礎の組み合わせです。写真を見てもわかるとおり、ひじ掛けが太く、隣りの座席とのゆとりが国内トップレベル(幅約56cm、奥行約1m)で、ゆったり座ることができます。
2・3階席の背もたれは若干ですが、ハイバック仕様になっています。
座席後部には空調設備が設置されており、降下気流を防ぎ快適な環境を提供しています。
エントランス・ホワイエ
大ホールの正面玄関を入るとロビーがあり、向かって左側に2階席以降に向かう階段と海に面した窓側にあるホワイエがあります。
ホワイエの広さはそれほどなく、コンパクトな構造です。
ホワイエの一角に自販機が設置されています。
一応ホワイエ内にカフェコーナーもありますが、この日は営業していませんでした。
カフェーコーナーの反対側の窓に面したスペースに、飲食用のカウンターテーブルが設置されています。
第1小ホール
出典:サンポートホール高松公式サイトより
第1小ホールはホール棟の4階・5階に位置しており、総客席数は312席あります。大ホールと同じくプロセニアム型で、舞台・演劇のほか、会議・集会にも利用されています。
座席は1列から14列まであり、4列目と5列目の間に通路が設置されています。通路前の席(前舞台席)は78席あります。
5列と6列の左右両サイドは車椅子席(8席)になっているほか、最後列右後方に親子室(4席)が設置されています。
第1小ホールの入口は4階にあります。
エントランスの横は、空調のきいた自販機付きの休憩スペースになっています。
第1小ホール 座席表
出典:サンポートホール高松公式サイトより
第2小ホール
出典:サンポートホール高松公式サイトより
第2小ホールはホール棟の5階と中6階に位置しており、フリースペースのボックス型ホールで、主に市民の発表会や交流の場として利用されています。
移動観覧席と分割昇降式舞台で構成されているため、平土間ホール(椅子のみで500人収容)としての利用など、自由度の高いレイアウトが可能です。
基本レイアウトの場合の総客席数は308席で、座席の内訳は1列から13列までの移動観覧席(297席)と、1列と2列の左右両サイドに配置された車椅子席(8席)、最後列右後方に設置された親子室(3席)となっています。
第2小ホールの入口は5階にあります。
エントランス周辺はガラス張りで見晴らしがよく、高松駅前の眺望を楽しむことができます。
第2小ホール 座席表
出典:サンポートホール高松公式サイトより
周辺施設
会場の周辺施設は、すぐ近くのレクザムホールと重複しないよう紹介しているので、観光やグルメスポットに興味がある人は、両方の記事を参考にしていただければ幸いです。
高松シンボルタワー
会場の入っている「高松シンボルタワー」は、今回の会場であるサンポートホールのほか、様々な施設の集合体であるコンベンション施設です。
地上30階建てのタワー棟部分は約151mあり、四国で最も高い建物になっています。最上階に展望レストランがあるほか、高層階の9階から28階まではオフィスフロアとなっており、多くの企業の支店・支社が入居しています。
タワー棟
かがわプラザ(3階)、かがわ国際会議場(6階)
サンポートビジネススクエア(9階~28階)
ホール棟
展示場(1階)、サンポートホール高松(3階)
タワー棟・ホール棟共通
マリタイムプラザ高松
(タワー棟1・2階、ホール棟1~3階、29~30階)
マリタイムプラザ高松
ホール棟・タワー棟共通の低層階と高層階にある「マリタイムプラザ高松」は、地元グルメや名産品を取り揃えたレストラン&ショッピングモールです。
「カリガリ」「La Mer Lien」「KEN’S CAFE TOKYO」
ホール棟の3階にあるレストランフロアの一角に、「カリガリ」「La Mer Lien」「KEN’S CAFE TOKYO」という3つの店が1つになった場所があります。
「カリガリ 高松店」は、本店が東京の秋葉原にあるカレー店で、「神田カレーグランプリ」にも優勝したことのある有名店の支店です。「La mer Lien(ラメールリアン)」は高松初となるサラダ専門店、「KEN’S CAFE TOKYO(ケンズカフェ東京)高松店」は、東京の新宿御苑前に本店のある日本初のガトーショコラ専門店の支店です。
3店舗共通の店内は20名ほどが入れるテーブル席になっています。
この日は開演前にケンズカフェ東京のガトーショコラをいただきました。
高松港
高松港は、四国の海の玄関口。海上交通の要衡として、商業や観光港として、さらには工業港として発展してきました。
会場や高松駅に近い玉藻(たまも)地区は、小豆島や直島などの離島や本州と結ぶフェリー、旅客船等の発着が集中する高松港の中心地区で、周辺一帯が「サンポート高松」として整備されています。
高松駅から高松シンボルタワー・旅客ターミナルビルを抜けた先に、小豆島や直島等に向かう高速船乗り場があります。
瀬戸内国際芸術祭の作品として作成された「Liminal Air -core-」。高さ8メートルの2本の柱が特徴的な、港のシンボルです。
せとしるべ(赤灯台)
出典:エクスペリエンス高松公式サイトより
港の突端には「せとしるべ」の愛称で知られる、世界初の「総ガラス張り」の赤灯台があります。
正式名称は「高松港玉藻防波堤灯台」といい、2019(令和元)年には「日本夜景遺産」に認定されている観光名所です。
カフェ・グルメスポット
手打十段 うどんバカ一代
香川県は「うどん県」。私が高松に訪れた時によく行っている讃岐うどんのお店「手打十段 うどんバカ一代」を紹介しておきます。旅行ガイドにも取り上げられている有名店で、その特徴的な名前もあって、ご存じの方も多いと思います。
この店発祥の定番メニュー「釜バター」をはじめ、種類やサイズが豊富に揃っています。
店内は37席。注文はお盆とお箸、お皿を取って、カウンターに並ぶ「丸亀製麺」方式です。
この日はおすすめメニューの「温玉肉ぶっかけ」にフライをトッピングしていただきました。
営業時間(朝6時~夕方18時・元旦以外年中無休)を通して、いつも行列ができています。
店内は芸能人やスポーツ選手などのサインが所狭しと並んでいます。
今年に入ってからのサインもあり、定期的に入れ替えられている感じです。
場所はことでんの「瓦町」駅~「花園」駅の中間ほどの所にありますが、店の近くに駐車場が7か所ほどあるので、レンタカー等で訪れた方が行きやすいと思います。
公式サイト:http://www.udonbakaichidai.co.jp/
喫茶 城の眼
高松市街には商店街や目抜き通りを入った一角におしゃれな喫茶店がいくつかありますが、そのうちの1つ「喫茶 城の眼」です。
高松市美術館のすぐ近くにあり、高松駅と高松築港駅の間を通るメインストリートの「中央通り」を南下し、美術館通りと交差する「番町1丁目」交差点を左に入った所にあります。
創業は1962(昭和37)年。すぐ近くにアトリエを構えていた彫刻家のイサムノグチ氏をはじめ、音楽家の武満徹氏なども通っていた老舗の喫茶店です。
外観はコンクリートの打ち放しにラインが描かれており、彫刻家の空充秋氏が手がけているほか、店内は撮影禁止ですが、内装も地元香川の彫刻家である流政之氏作成の石垣のようなレリーフが正面に飾られています。
その他、店内に流れる音楽は、高松の名産品である庵治石で作られたスピーカーを使用しているなど、まさにデザイナーの粋を結集して作られたような空間で、ティータイムを過ごすことができます。
施設概要・地図
所在地
香川県高松市サンポート2−1
アクセス
JR「高松」駅下車 徒歩約3分
ことでん「高松築港」駅下車 徒歩約5分
高松空港からリムジンバスでJR高松駅行き約45分
ホール
大ホール
総客席数:最大1,500席(1~3階)
(1,312席、1,222席、1,034席に変更可能)
※上記のほか 車椅子席:18席、親子室:16席
第1小ホール
総客席数:300席(うち前舞台席78席)
※上記のほか 車椅子席:8席、親子室:4席
第2小ホール
総客席数:297席
※上記のほか 車椅子席:8席、親子室:3席
※平土間ホール仕様:席のみで500席
公式サイト
https://www.sunport-hall.jp/