初めて「ロームシアター京都(京都会館)」のライブに訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
古都・京都の定番コンサート会場は、音楽家が集う「文化の殿堂」。
平安神宮などの名所旧跡がすぐ近くにあり、公演前後の観光にも困りません。
ロームシアター京都は、1960(昭和35)年に開館したモダニズム建築の傑作として知られる「京都会館」の再整備計画に基づきリニューアル工事が行われ、2016(平成29)年にオープンしました。
基本設計は、日本を代表する建築家の一人である香山壽夫氏が手掛けました。リニューアルにあたっては、「文化の殿堂」として多様な利用ニーズに応えてきた既存の建物を活かす形で再整備が行われました。
また、再整備時にネーミングライツ制度を取り入れ、京都に本拠を置く総合半導体メーカーであるローム株式会社が、全国に例を見ない実に50年間にわたるネーミングライツを取得し、「ロームシアター京都」という名前で、現在に至っています。
ローム株式会社は、系列の財団法人である「ロームミュージックファンデーション」を通じて、若い音楽家の育成を目的とした様々な事業に力を入れています。
毎年4月下旬に会場で開催される「ロームミュージックフェスティバル」は、音楽文化の普及を目的として、ローム ミュージック フレンズや関西の学生による音楽祭です。
今回は3月の雨の日と4月の晴れの日に訪れた時の写真を素材にしているので、両方の写真が混在していることをご容赦ください。
ロームシアター京都へのアクセス
ライブ遠征の拠点となるのは、もちろん新幹線の京都駅。
最寄りの鉄道駅は京都市営地下鉄の東山駅です。また、京都駅から路線バスも出ています。
今回は京都駅から会場までのルートとして、以下の4つに分けて解説します。
①京都駅から地下鉄東山駅までのルート
②JR山科駅経由で地下鉄東山駅に向かうルート
③東山駅から会場までの徒歩ルート
④京都駅からのバスルート
①京都駅から地下鉄東山駅までのルート
まずは、最もオーソドックスな方法の、京都駅で地下鉄烏丸線に乗り換え、途中烏丸御池(からすまおいけ)駅で東西線に乗り換えるルートで、東山駅を目指します。
新幹線の京都駅に着きました。
ホームからコンコースに移動します。地下鉄烏丸線の案内を確認しておきましょう。
エスカレーターを下ります。
下りた先の案内を確認。地下鉄烏丸線へは、写真右側の「八条東口」方面に向かいましょう。
JRのりかえ口の手前を右に曲がり、八条東口に進みます。
突き当りの階段を下ります。
新幹線の八条東口に到着しました。
案内に従い、地下鉄への連絡通路に移動しましょう。
地下通路を進むと、地下鉄烏丸線の京都駅の案内表示が現れます。
新幹線の八条東口から最も近い地下鉄の入口である「南改札口」に到着です。
地下鉄京都駅ホームに着きました。2番線の「国際会館」行きの電車に乗車します。
まずは烏丸線で京都駅から3駅目の烏丸御池駅に向かいます。
烏丸線の烏丸御池駅に到着しました。京都駅から3駅目、所要時間は約6分です。
連絡通路を通り、東西線のホームに向かいましょう。
烏丸御池駅から東山駅までは3駅、所要時間は約5分で到着します。
改札口は1箇所です。お疲れさまでした。
②JR山科駅経由で地下鉄東山駅へ向かうルート
続いて、京都駅からJR在来線で1駅隣りの山科(やましな)駅に向かい、そこで地下鉄に乗り換える方法を紹介します。
「京都(市内)」の乗車券を持っていれば、山科駅までの運賃はかからないほか、地下鉄山科駅からは、乗り換え無しで東山駅まで移動できるのがメリットです。
新幹線下車後、JR線のりかえ口に移動しましょう。
案内に従い、JR線のりばに向かいます。
在来線の地下コンコースを移動します。
山科駅へは、2・3番線の琵琶湖線・湖西線のホームから発車します。
琵琶湖線・湖西線のホームです。
1駅隣りで新快速も停車するので、一番早く出る電車に乗ればOKです。
乗車時間は約5分です。
JR山科駅に到着しました。
ホームから改札口に移動します。
改札は1箇所です。連絡通路を進みます。
途中の「地下鉄は改札を出て左」という案内を確認しておきましょう。
改札口に到着しました。
案内の通り、改札を出てすぐ左に、地下鉄東西線への連絡口があります。
下りた先の地下道を通って、地下鉄の改札口へ向かいます。
地下鉄山科駅の改札に着きました。
東山駅は3駅目で、運賃は片道260円です。
1番線の「烏丸御池」方面の電車に乗りましょう。
乗車時間約7分で、東山駅に到着です。
③東山駅から会場までの徒歩ルート
①の京都駅または②の山科駅からのルートで無事東山駅に着きました。ここから会場までの徒歩ルートを紹介します。
東山駅の改札を出るところからスタートです。
正面にある案内板を確認。右側の「出口1」の平安神宮方面に向かいましょう。
出口1の詳しい案内です。上から3番目に会場名を確認できます。
出口の階段の方向へ歩いていきます。
突き当りの曲がり角を左に進みます。
階段を上ります。
1番出口に到着しました。表示の通り、前を走る「三条通り」の北側に出ます。
出口正面にある案内板を確認。左下に会場名と左に進む矢印が書いてあります。
三条通りを左に向いたところです。
しばらく道なりに進みましょう。
「三条神宮道」交差点に来たら、左に曲がります。
ここからは神宮道商店街を北に進みます。奥に平安神宮の朱色の大鳥居が見えます。
しばらく道なりに移動します。
やがて「仁王門通り」との交差点に着きます。そのまま鳥居の方向に直進します。
お堀のようになっている琵琶湖疏水(びわこそすい)にかかる橋を渡ります。
平安神宮の大鳥居も通過します。
大鳥居の左にある国立近代美術館前を通過します。
続いて京都府立図書館前を通過します。
「二条通り」と交差する横断歩道までくれば、会場までもうすぐです。
左側に会場が見えています。
横断歩道を渡り、後は左に進むだけです。
東山駅から約10分で、会場前に到着です。お疲れさまでした。
④京都駅からのバスルート
最後に、京都駅からバスで会場近くまで向かうルートの紹介です。京都駅前からは5号系統の「銀閣寺・岩倉」方面のバスに乗車し、「岡崎公園 美術館・平安神宮前」バス停で下車すれば便利です。
バスを利用する場合は、メインの中央改札口から出ます。
改札を出たら、駅ビルをそのまま外に進みましょう。
中央口を出た駅前広場です。奥に京都タワーが見えます。
出て正面のところに、バスのりばの総合案内板があります。
平安神宮方面に行くので、5号系統の行き先表示と、のりばを確認しましょう。
バスのりばの位置も確認。真ん中のA1〜A3のりばになります。
Aのりばは駅前広場から道路を挟んだ向かい側にあります。
駅から1つ先の島ホームに移動しました。
一番奥のA1のりばに着きました。
日中はほぼ10分おきにバスが出ています。
運賃は均一で、片道230円です。
バスルートは乗り換えがない代わりに、時間がかかります。車内の案内にある通り、平安神宮まで約35分かかります。
交通渋滞で時間がかかりそうなら、途中の京都市役所駅前などで下車して、地下鉄に乗り換えるのも手です。
ようやく最寄りのバス停名が表示されてきました。
バスルートも徒歩ルートと同じく「三条神宮道」交差点を左折します。
最寄りの1つ手前の「神宮道」バス停です。
ちょうど平安神宮の大鳥居の下が、最寄りの「岡崎公園 美術館・平安神宮前」バス停です。ここから先は徒歩ルートと同じで、会場までは横断歩道を渡って左に行ったすぐのところにあります。お疲れさまでした。
ロームシアター京都はこんな所
オペラなどの総合舞台芸術公演が可能なメインホール
メインホールの総客席数は2,005席で、1階席から4階席までの4層構造。前身の京都会館時代から引き続き、京都府内のホールでは京都コンサートホールなどをしのぎ、最大のキャパを誇ります。
1階席は1列目から25列目まであり、途中9列目と10列目に中央通路があります。また、1列目から4列目までの130席分は、オーケストラピット部として取り外される移動席で、オーケストラピット使用時は、5列目は使用せず6列目が最前列になります。
オーケストラピット部分をステージにした時の10列目(前通路)からの眺め。この場合、最前列は6列目になります。
2階席は266席とやや少なめで、センターブロックは1列目から4列目までしかありません。3階席、4階席も同じような構造ですが、列は3階席が最も多く、6列目まであります。
1階席の座席間の傾斜は中央通路まではほぼフラット。10列目以降は、写真のように段差が付けられています。
4階席からの眺め
一方、2階席以降の傾斜はかなり急になっています。前の人の頭はひざ下付近にしかこないので、視界を遮られることはまずありません。
バルコニー席は1階席から4階席までの各階に設置されています。1階バルコニー席は、最後列付近と同じ高さでステージ脇まで伸びており、通常の最前列とかなりの高低差があることがわかります。
4階バルコニー席からみた客席
4階(R2)席から見たステージ方向
また、バルコニー席はステージを真横または斜めから観る形になりますが、前列、後列ともに柵や前の人の頭などで、視界がある程度遮られることを覚悟する必要があります。
メインホール 座席表
出典:ロームシアター京都公式サイトより
ちなみに座席表の中に「ヒアリングループ対応席」とあるのは、補聴器などを使用する方の聴講を支援する設備が備え付けられている席のことです。
ヒアリングループを使うと、マイクを通した音声を直接、補聴器や人工内耳へ伝えることが可能となり、コンサート会場などで発言者の声や音楽をクリアに聞くことができます。
メインホール 座席
大ホールの座席は、濃茶色の枠組みに鮮やかな赤の座面・背もたれの組み合わせです。座面は跳ね上げ式で、布地のクッションの厚さも確保されており、座り心地は上々です。
ホワイエ・ビュッフェカウンター
建物3階のビュッフェカウンター
メインホールの入口は建物の2階にあり、入ったところがホワイエになっています。左側の扉から入ると、1階席の最後列につながっています。
階段を上がった建物3階は、ほぼ同じような構造で2階席につながっていますが、ホワイエの南側にビュッフェカウンターがあります。
ビュッフェカウンターは後ほど紹介する会場テナントの「京都モダンテラス」が運営しています。
メニューはコーヒーや紅茶等のソフトドリンクのほか、ビールやワインなどのアルコールも取り扱っています。
建物4階(3階席・4階バルコニー席)のホワイエにもビュッフェカウンターがあります(この日は休業)。
4階ホワイエ内は通路主体のため、外にテラス席が設けられていますが、この日はあいにくの雨でした。
舞台と客席の距離が近い一体感が魅力のサウスホール
サウスホールは会場1階にあり、総客席数は716席あります。コンパクトなホールですが、1階席と2階席、そしてバルコニー席も完備されています。
1階席は15列まであり、途中7列目と8列目の間に中央通路があります。7列目と8列目は結構な高低差があり、前列は平土間席のように全体に一段下がった印象を受けます。
1階席13列目付近
2階席は7列目まであり、写真のように1階席よりも傾斜が急になっています。
バルコニー席は1階席、2階席から独立した中2階のような場所の左右両側に10席ずつあります。
客席とステージの一体感を感じながら、カルテットやアンサンブルなど小規模編成のコンサートや、演劇・舞踊などに利用されています。
サウスホール 座席表
出典:ロームシアター京都公式サイトより
サウスホール 座席
サウスホールの座席は、座面と背もたれがシックな黒色に、木製のひじ掛けとスチールの基礎の組み合わせです。
疲れにくい適度な硬さと、少し高く感じる座高で、個人的にとても快適に鑑賞できました。
ホワイエ・ビュッフェカウンター
サウスホールの入口は建物1階にあり、入ってすぐの所にホワイエとビュッフェカウンターがあります。
メニューはメインホールと同じで、京都モダンテラスが運営しています。
サウスホール入口
この日は白ワインを頼みました
小劇場やリハーサル利用に適したノースホール
出典:ロームシアター京都公式サイトより
ノースポールはメインホールの下の地下2階に設置されています。
座席は常設されておらず、メインホールやサウスホールのリハーサル空間として利用されることが多いようです。もちろん小劇場としての利用時などに客席を設置することも可能で、その場合の最大収容人員は約200名です。
3ホールの位置関係
ブックカフェ「蔦屋書店&スターバックスコーヒー」
二条通りの道路側に面した建物「パークプラザ」の1階に入っているのが、「京都岡崎 蔦屋書店(ブック&カフェ)」と「スターバックスコーヒー」です。
開演前後の時間に立ち寄るのに最適な場所ですが、公演のある日は常に行列ができるほど賑わっています。
パークプラザ 入口
パークプラザ向かいのファミリーマート
京都モダンテラス
パークプラザの2階にあるのが、カフェ&レストランの「京都モダンテラス」です。
パークプラザは1階がスタバ&蔦屋書店、2階が京都モダンテラスになっています。
店内はカウンター席やテーブル席が豊富にあり、お一人様や家族連れなど客層を問わず利用できます。
主菜メニューです。パスタ単品で1,500円ほどしますが、値段に見合った味で美味しかったです。
ドリンクメニュー。コーヒーは地元の小川珈琲と提携しています。
注文時は、QRコードで専用サイトを読み取り利用します。
この日は「からすみバターのシーフドラグパアスタ」とスライスパン、ドリンクを注文しました。
周辺施設
平安神宮
会場すぐ近くにある観光名所が「平安神宮」です。徒歩ルートが「神宮道」とあるように、会場までのルートがそのまま参道になっており、会場自体が神社の敷地内にあると解釈して良いと思います。
御祭神は平安京を開いた桓武天皇と幕末期の孝明天皇で、平安遷都1,100年を記念した1895(明治28)年に創建されました。
広大な敷地にある社殿は、緑の瓦に朱塗りの基礎とのコントラストが美しいです。
毎年10月22日に行われる京都三大祭1つである「時代祭」の舞台であり、結婚式の会場としてもおなじみです。
公式サイト:http://www.heianjingu.or.jp/index.html
知恩院
京都観光の主要名所の1つである「知恩院」は、会場に向かう「三条神宮道」交差点を反対方向に8分ほど歩いた所にあります。
法然上人が開いた浄土宗の総本山で、国宝の「三門」や「御影堂」をはじめ、重要文化財が目白押し。方丈庭園や友禅苑、芸者さんの信仰を集める濡髪大明神などの名所も沢山あります。
その他、徳川家康・秀忠・家光の三代の将軍を祀った権現堂や、千姫のお墓など、徳川家にゆかりのある旧跡もみられます。
御影堂(大殿)
方丈庭園
友禅苑
権現堂
青蓮院門跡
「三条神宮道」交差点から知恩院に向かう途中にあるのが、「青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)」です。
天台宗の総本山である比叡山延暦寺の三代門跡の1つとして知られ、国宝の青不動明王像と相阿弥作の回遊式庭園が有名です。
高校時代、私が初めて京都観光をした際に、京都出身の先生からおすすめの場所として紹介されて訪れ、その庭園の美しさや雰囲気に魅了されました。
今でも私にとって、京都の観光名所の中で一番好きな場所です。
相阿弥作の庭園
華頂殿(客殿・白書院)から眺める庭園は圧巻です。
華頂殿の内部には、三十六歌仙の額絵が飾られています。
「そうだ、京都へ行こう。」のキャンペーンにも使われた庭園のアングル。
境内にはその他、天台宗開祖の最澄の言葉「一隅を照らす」の屏風が置かれています。アフガンの復興支援に尽力された故 中村哲医師の座右の銘でも有名です。
公式サイト:http://www.shorenin.com/
フロマージェリー アルモニー
最後に、会場近くの小さな店ですが、チーズケーキ専門店「FROMAGERIE Harmonie (フロマージェリー アルモニー)」を紹介しておきます。
ブルーチーズやゴルゴンゾーラ等、様々な種類のチーズケーキが楽しめます。
お店は会場の西側の琵琶湖疏水の橋を渡った交差点角の地下1階にあります。
テイクアウトの他、カウンター席でドリンクとセットでいただけます。
施設概要・地図
所在地
京都市左京区岡崎最勝寺町13
アクセス
京都市営地下鉄東西線「東山」駅下車
徒歩約10分
京都駅から市営バス5号系統「銀閣寺・岩倉」方面乗車
「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車 徒歩すぐ
ホール
メインホール 総客席数:2,005席(うち車椅子席:10席)
(1階:1,118席、2階:266席、3階:349席、4階:272席)
サウスホール 総客席数:716席(うち車椅子席:5席)
(1階:475席、バルコニー:20席、2階:221席)
ノースポール 最大収容人数:約200人
公式サイト
https://rohmtheatrekyoto.jp/