初めて「サンシャイン劇場」の舞台・演劇に訪れる人を対象に、会場までの行き方や施設の概要、現地での楽しみ方について紹介します。
「演劇のまち・池袋」を代表する劇場。
サンシャインシティ内にあるので、池袋駅から歩くより、有楽町線の東池袋駅を利用する方が便利です。
サンシャイン劇場は、1978(昭和53)年、池袋東地区にあった東京拘置所(巣鴨プリズン)の跡地にオープンした複合商業施設の「サンシャインシティ」開業に合わせてオープンしました。
巣鴨プリズン
出典:三井住友トラスト不動産「このまちアーカイブス(池袋)」より
超高層ビル「サンシャイン60」を中心に、サンシャインシティは、副都心・池袋の一翼を担うランドマークとして発展していきました。
その一方で、池袋は戦後、都内で最初の区立公会堂である「豊島公会堂」の開業(昭和27年)以降、地域住民の文化活動としての演劇文化が根付くようになりました。
以降、「池袋アートシアター(現在のシアターグリーン」(昭和43年)やサンシャイン劇場のほか、「東京芸術劇場」(平成2年)、「あうるすぽっと」(平成19年)など、大小様々な劇場がオープンし、「池袋演劇祭」や「東京芸術祭」が開催されるなど、地元住民や劇場、豊島区が一体となった文化振興が図られました。
現在は「まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市」として、池袋は東京における舞台芸術の拠点となっています。
その中でもサンシャイン劇場は中心的存在として、人気劇団の公演や歌舞伎、コンサート、映画上映会など、多彩な催しに利用されている会場です。
サンシャイン劇場までのアクセス
出典:サンシャインシティ公式サイトより
サンシャイン劇場の最寄り駅はJR・西武・東武・東京メトロが乗り入れる「池袋駅」または東京メトロ有楽町線の「東池袋駅」。
ライブ遠征の点から考えると、羽田・成田の両空港からアクセスする場合、JR山手線の浜松町駅(モノレール)・品川駅(京急線)、日暮里駅(京成スカイライナー)などで乗り換えて、池袋駅を目指すことになります。
新幹線の場合は、東海道・山陽新幹線の場合は東京駅、東北・北陸新幹線の場合は大宮駅で在来線に乗り換えて向かうことになります。この他、東京駅からのアクセスの場合、1駅隣りの有楽町駅で東京メトロ有楽町線に乗り換え、東池袋駅を目指します。
ここでは、東京駅から池袋駅までの鉄道ルート(JR線・地下鉄線)と、池袋駅・東池袋駅から会場までの徒歩ルートを中心に紹介します。
東京駅からの鉄道ルート
JR山手線の路線図を眺めると分かるのですが、池袋は新幹線停車駅の東京や品川の反対側で、①山手線でぐるっと半周するか、地下鉄(②丸ノ内線・③有楽町線)で北上する必要があり、結構時間がかかることに注意しましょう。
①JR山手線で池袋駅へ
1つ目は、オーソドックスにJR山手線に乗り換え、池袋駅を目指す方法です。東京駅から池袋駅までは12駅あります。所要時間は約25分、運賃は208円(ICカード)です。
大回りのため時間はかかりますが、新幹線の切符で「東京(都区内)」と表示されているものは、在来線の乗車券代がいらない点がメリットです。
新幹線を下車後、JR在来線の乗りかえ口に移動しましょう。
山手線(上野・池袋方面)は4番線。新幹線(八重洲口)側と反対側の丸の内側に近いので、多少歩きます。
②東京メトロ丸ノ内線で池袋駅へ
2つ目は、東京メトロ丸ノ内線に乗り換え、池袋駅を目指す方法です。丸ノ内線の東京駅から池袋駅までは8駅あります。所要時間は約16分で、運賃は209円(ICカード)です。
丸の内線の東京駅は、地下中央口から出るとコンコースをまっすぐ移動してたどり着けるので便利です。
いったん地下のホームに下ります。
駅ナカ商業施設の「グランスタ」内を移動して出口に向かいます。
丸ノ内地下中央口の案内を確認しながら、改札にたどり着きましょう。
山手線に比べショートカットして北に向かう分、早く着きます。
③有楽町駅経由で東京メトロ東池袋駅へ
3つ目は、東京駅からは一度乗り換える必要がありますが、有楽町駅から東京メトロ有楽町線で、もう1つの最寄り駅である東池袋駅まで向かう方法です。
有楽町駅は東京駅の1駅隣りで運賃は146円(ICカード)。先ほどの「東京(都区内)」の切符であればお金はいりません。有楽町線の有楽町駅から東池袋駅までは8駅あり、所要時間は約17分で、運賃は209円(ICカード)です。
有楽町駅に着いたら、国際フォーラムやビックカメラのある方面に出て、地下鉄への連絡口に向かいます。
JRの駅から近い地下鉄連絡口は「D4」「D6」「D7」です(写真は京橋口から出たところにあるD7入口)。
2番線から出る「和光市方面」の電車に乗車しましょう。
乗り換え時間を含め、最寄り駅の東池袋駅には30分もあれば到着できます。
大宮駅からの鉄道ルート
東北・北陸方面からは、新幹線大宮駅から在来線に乗り換え、池袋駅を目指します。大宮駅からの在来線は、乗り換えのない「湘南新宿ライン」または「埼京線」を利用することになります(京浜東北線は赤羽駅等で乗り換え)。
大宮駅から池袋駅までの所要時間は、湘南新宿ラインで約25分、埼京線で約32分で、運賃は406円(ICカード)です。
池袋・東池袋駅からの徒歩ルート
出典:サンシャインシティ公式サイトより
会場があるのは「サンシャインシティ」の一角の「文化会館ビル」。その4階にテナントとして入っています。
東京に住んだことがある方ならわかると思いますが、池袋駅からサンシャインシティまでは距離があるうえに、人通りも多いため、結構時間がかかります(徒歩約15~20分)。
また、会場のある文化会館ビルは池袋駅から最も遠い場所にあり、サンシャインシティ内の移動にも時間がかかります。
その点、地下鉄有楽町線の東池袋駅からは専用の地下通路で雨に濡れずに移動できるので、大変便利で(徒歩約5分)、こちらの利用をおすすめします。
ここでは、東京メトロ(有楽町線)の東池袋駅と、池袋駅から会場までのそれぞれの徒歩ルートについて紹介します。
東池袋駅から会場までの徒歩ルート
東池袋駅に着きました。写真にあるとおり、サンシャインシティ方面へは、「6・7番」出口から出場します。
案内板を確認し、「西改札」方向に進みましょう。
階段を上がります(エスカレーターは下り専用です)。
西改札を出たら、左に進みましょう。
少し行くと、「出口6・7 ライズシティ池袋・サンシャインシティ方面」の案内に従い、右に曲がります。
進行方向のエスカレーターを上ると、建物の間の中庭のような所に出ます。
そのまま案内の方向に進み、建物内に入ります。
ライズシティ池袋の地下道を通ります。
しばらく進むと、隣りの「アウルタワー」の地下道に入ります。
アウルタワーの「アウル」とは「ふくろう」のことです。
池袋駅の待合せ場所にも「いけふくろう」が設置されているなど、ふくろうは街のシンボルのようになっています。
アウルタワーの通路を過ぎると、サンシャインシティの敷地内に入ります。
入口の看板を確認。劇場があるのは「文化会館ビル」にあることがわかります。
しばらく道なりに進みます。
やがてエスカレーターがあるので、そのまま進みます。
上がった先は、文化会館ビルの地下1階です。
すぐ近くの左手に、上の階に向かうエレベーターがあります。
会場が4階にあることを確認し、エレベーターに乗車しましょう。
着いた先が会場入口です。お疲れさまでした。
池袋駅から会場までの徒歩ルート
続いてJR池袋駅から会場までの徒歩ルートです。池袋駅は、中央口改札を出て地下の「35番」出口または「東口」から出るのがおすすめです。
中央改札は1~3くらいまでありますが、東口方面に移動しましょう。
東口(ハレザ池袋・サンシャインシティ方面)の案内に従い進みます。
やがて「34・35」出口がサンシャインシティ方面と表示されるようになります。
案内の方向に従い、進みます。
途中、道が少し狭くなります。
人通りが多い中を進みます。
やがて「35」出口の単独表示になるので、その方向に進みましょう。
突き当りにあるエスカレーターまたは階段を上ります。
上がった所が「グリーン大通り」になります。そばに池袋駅東口のバス停があります。
東口から出た場合
地下35番出口に進まず、東口から出た場合も案内しておきます。
出たところにある大きな横断歩道を渡りましょう。
渡った先を斜め右に向かいます。
渡った先の右側の角のすぐ近くにある、洋菓子やレストラン・喫茶を営む「タカセ池袋本店」の前を通過します。
少し進むと、先ほど紹介した地下35番出口を上がった所に着きます。
そのまま横断歩道を渡り、斜め左の「サンシャイン60通り」に入りましょう。
休日は歩行者天国になっていて、人出がすごいです。
「ニトリ」と「ABCマート」の看板を目印に、先に進んでいきます。
サンシャインシティ入口に到着。右奥のエスカレーターを下りましょう。
下りた先に「動く歩道」が続きます。
水族館の入口を越えて、さらに動く歩道が続きます。
やがて通路が終わるので、右手の「専門店街アルパ」の方向に進みましょう。
専門店街アルパの入口です。
サンシャイン60ビルへの入口を右手に見ながら通過します。
専門店街アルバから次のビルとの間にある広場のような所に出ます。
付近にあるのが、イベント会場でおなじみの「噴水広場」です。。
噴水広場を過ぎて、ワールドインポートマートビルのアルタの中を進みます。
会場に近い休憩スポットの「イタリアントマト」の前を通過します。
続いて「マクドナルド」の前まで来れば、会場はもうすぐです。
少し進んだ先が、会場のある文化会館ビルのエレベーターホールです。お疲れさまでした。
地方からの高速バスルート
サンシャインシティの文化会館ビルの1階には、「サンシャインバスターミナル」があり、全国各地からの高速バスや、羽田空港からのリムジンバスの発着場になっています。
ウィラートラベルをはじめ、約15社の高速バスが発着しています。
屋内にあるので、会場まで雨に濡れずに移動できます。
サンシャイン劇場はこんな所
舞台鑑賞にちょうどいいキャパの約800席
出典:サンシャイン劇場公式サイトより
会場の総客席数は808席。これに車いす利用などの多目的スペースが8席分の広さで確保されています。
1階席の客席数は642席で、最後列は23列です。左端の22列と23列の2ブロック分が多目的スペースになっています。途中、12列と13列の間が中央通路になっており、ロビーの左右にある入口扉から入るとつながっています。
9列目左サイドからの眺め
中央通路までの12列の傾斜は緩めでフラットに近く、通路を挟んで最前の13列目からは段差ができて傾斜が強めになっています。
ちなみに13列は、一般客に交じって舞台関係者が観劇することが多い、いわゆる関係者席にもなっています。
ステージに近いほど演者の表情をよく観察することができますが、舞台全景やストーリーを把握するには、通路前後の10列~15列の席が最もバランスがいいと思います。
2階席最後列からの眺め
2階席の客席数は166席で、最後列は6列です。座席の傾斜は急で、前の席の人の頭が自分のひざ下付近にしかこないため、視界が遮られることがありません。
座席表
出典:サンシャイン劇場公式サイトより
座席
会場の座席は、会場内の外壁や舞台の色調と調和しており、ひじ掛けと基礎がダークブラウン、座面と背もたれが黒のファブリックになっています。
背もたれは肩から首筋にかけての部分にくぼみが入っており、長時間の観劇等でも疲れにくい構造と座り心地です。
館内施設
会場内はいたってシンプルで、エントランスを入ってご覧のようなロビーが続いており、左側が客席になっています。ロビー内の一角でグッズ販売等を行うことが多いようです。
左右の客席入口から階段を上って入ると、客席の中央通路部分に出ます。
ロビー奥の右手に100円硬貨(返却式)のロッカーがあります。荷物が多いときに利用しましょう。
同じく2階への階段付近にある自動販売機です。裏手にありますが、会場内と調和したブラウンの外装にこだわりを感じます。
2階席への移動は奥の階段を使うことになります。
公演のグッズ販売列を作る際は、階段で待機してもらうこともあります。
カフェ シアターテラス
会場エントランスの左脇にあるのが、カフェ「シアターテラス」です。ソフトドリンクや軽食、ケーキセットなどのほか、上演中の舞台とコラボした限定商品も扱っており、開演前を中心に訪れた人で賑わっています。
2018(平成30)年6月「ファラオの墓~蛇王・スネフェル~」公演時のコラボメニュー。
公演限定コースターが付いてきました。
シアターテラス メニュー
周辺施設
古代オリエント博物館
会場のある文化会館ビルの7階には、「古代オリエント博物館」があります。
その名の通り、ヨーロッパ・アフリカ・アジアの結節点となった古代オリエントの世界を体感できる施設で、古代メソポタミアやエジプト文明、東西文化の交流を示す出土品などが常設展示されているほか、期間限定の企画展示なども充実しています。
大体私がここに来るのは6~7月の蒸し暑い時期が多いので、開演前の時間に1時間ほどかけて展示を見て涼んでいくことが多いです。入場料は大人600円です。
シアターグリーン
池袋駅から真っすぐ南東に伸びるグリーン大通りを5,6分ほど歩いたところにあるのが、「シアターグリーン」です。
先に述べた前身の「池袋アートシアター」は、豊島区立南池袋公園近くにある「仙行寺」というお寺の敷地を使った慈善事業の一環で演劇活動を行うようになったのが始まりです。
「BIG TREE THEATER」(167席~)、「BOX in BOX THEATER」(104席~)、「BASE THEATER」(70席~)という比較的小規模な3つの劇場で構成され、地元の劇団やデビュー前の芸能人の公演などを中心に開催されています。
ハロプロで言えば「演劇女子部」などの公演が、過去に開催されています。最近の開催ではデビュー前の研修生を中心に構成されていますが、今見ると結構ほとんどデビュー済みまたはこれからデビュー予定(2023年7月現在)の錚々たる顔ぶれです。
演劇女子部「図書館物語~3つのブックマーク~」(2021年11月)
出典:シアターグリーン公式サイトより
あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
出典:あうるすぽっと公式サイトより
「あうるすぽっと(舞台芸術交流センター)」は、アクセスルートで紹介した東京メトロ有楽町線の東池袋駅に直結した区立劇場です。
劇場の客席数は約300席で、これまでに様々な舞台公演を開催しているほか、地域住民向けの参加型ワークショップや次世代の舞台人材の養成講座なども開かれています。
ちなみにこの劇場でも、ハロプロメンバーも出演した劇団(秦組vol.6)で過去に開催実績があります。本当に活動の幅が広いですね(観に行ってる私も私ですが…)。
施設概要・地図
所在地
豊島区東池袋3丁目1−4 文化会館4F
アクセス
東京メトロ有楽町線 東池袋駅下車
徒歩約5分
JR山手線・埼京線 池袋駅下車
徒歩約15分
東京メトロ丸ノ内線 池袋駅下車
徒歩約15分
ホール
総客席数:最大808席+多目的スペース
(1階:642席、2階:166席)